レビュー

「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC 新世紀GPXサイバーフォーミュラ11 スーパーアスラーダ AKF-11」レビュー

細かいメカニック描写まで作りこまれた「スーパーアスラーダ AFK-11」

 ここからは「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC 新世紀GPXサイバーフォーミュラ11 スーパーアスラーダ AKF-11」本体をじっくり見ていこう。まずは、サーキットモードからだ。

 フロントに4つ、リアに2つのタイヤを持った6輪マシンであり、ダウンフォースを得るフロントウイングとF1マシン的なエッセンスを取り込みつつ、サイバーフォーミュラのモードチェンジやエアロ・ブーストなど独自のアイデアが詰め込まれた先進的なデザインが再現されている。

 「スーパーアスラーダ AFK-11」は前身ともいえる「スーパーアスラーダ01」(OVAでは改良型の「スーパーアスラーダ SA-01/C」)のシルエットを感じさせつつ、リアの巨大な翼のような造形と一体化されたブーストポッドは高速で走る車体の空力制御を感じさせるフォルムが目を引く。

【サーキットモード】

 本商品ではメカニック表現にも磨きがかかっており、フロントサスペンションにはメッシュが入り、タイヤもゴム製となっている。また、ブーストポッドには焼け付いたような塗装表現がされている。

 現実的なマシンの質感や技術が立体物に落とし込まれ、サイバーフォーミュラの実存性を感じさせるとともに、劇中のロマンが各所に息づいている。

 キャノピーの開閉やリアウイングの可動、サイドポッドのエフェクトファン展開もしっかり再現されている。また、フロントタイヤは角度調整が可能。

キャノピーは正面のフロントパーツを分割し、引き出すことでシートが見える
エアロモード時に変形するリアウイング
フロントタイヤ4つは角度をつけ、コーナリングのアクション表現が可能
サイドポッドは展開し、エフェクトファンの開閉もできる
エフェクトファンも緻密なパーツ構成で再現されている

 ドライバーシートも作りこまれ、アスラーダマシンヘッドやステアリングはもちろん、正面のメーターや小型モニタ、ブーストポッドを展開するレバーも再現されている。

 ステアリングは左右にきることができる。なお、フロントタイヤとの連動はしない。

左のモニタには「スーパーアスラーダ AFK-11」が描かれている
ハヤトをサポートするアスラーダマシンヘッドやメーターも造形されている
シートベルトも完備されている。右にはブーストポッドを展開するレバーが備わっている。なおレバーは非可動となる

 そして、最大の見どころであるサーキットモードからエアロモードへの完全変形を見ていこう。劇中ではレアメタル(形状記憶合金)を使用して車体を変形させていた。

 メガハウスの別シリーズ「ヴァリアブルアクション」ではパーツを差し替えることで、各モードやギミックの展開が再現されている。

 しかし、「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC」シリーズでは差し替えなしで劇中のモードチェンジが再現できる。各部の可動とパーツの引き出しや配置換えによって再現されている。

 その緻密な変形プロセスは、劇中での変形を彷彿とさせつつ、破綻のない形態変化を実現している。特にフロントウイングはダウンフォースを得る巨大な形状となるため、見栄えが大きく変わっている。

【変形プロセス】
フロント左右のパーツを変形。パーツの引き出しと押し込みを行なう
フロントパーツを分離
フロントパーツ内側の軸とカバーを動かす
フロントパーツの位置が変わり、左右にヘッドライトが配置される形になる
フロントウイングの変形は中央のパーツを押し込む
フロントウイングの上層(白いパーツ)を引き上げる
フロントウイングの下層(青いパーツ)の位置を調整
上層と下層が連なるようにして配置。大型のフロントウイングとなる
リアタイヤ周りの変形は一部パーツを引き上げ、リアタイヤを押し込む
引き上げたパーツ裏にあるカバーを引っ張り出してリアタイヤを覆う
リアウイングはリヤタイヤにかぶせる様にして可動
サイドポッドを展開して広い車体に変化

 完成した「スーパーアスラーダ AFK-11」エアロモードは、F1カーのようなサーキットモードからプロトカーのようなボディ形状となる。

 直線を最高速で走るエアロモードのダウンフォースを生み出す車体形状と風の流れを円滑にする滑らかなラインが実に美しい。変形することで出てしまう違和感もほとんどない、完全変形を可能としている。

【エアロモード】

 そして、リアに備わっているブーストポッドを引き出すことで、エアロ・ブーストモードに変形。

 インテーク部分が露出し、メッシュの入った吸気口、その下にはファンのような造形も確認できる。引き出したことで見える部分にも細かくメカ描写が備わっている。

【ブーストポッド引き出し】
左右のブーストポッドを引き上げる
【エアロ・ブーストモード】

「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC 新世紀GPXサイバーフォーミュラ スーパーアスラーダ01」と比較

 ここからは2019年にプレミアムバンダイから発売された「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC 新世紀GPXサイバーフォーミュラ スーパーアスラーダ01」と「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC 新世紀GPXサイバーフォーミュラ11 スーパーアスラーダ AKF-11」を比較。

 サーキットモードを比較すると「スーパーアスラーダ AFK-11」の形状がよりサーキットマシンとして洗練された印象を受ける。エアロモードでもより洗練されたボディラインと安定感ある造形が見て取れる。

【比較】
「スーパーアスラーダ01」(左)と「スーパーアスラーダ AFK-11」(右)の各サーキットモード比較
「スーパーアスラーダ01」(左)と「スーパーアスラーダ AFK-11」(右)の各エアロモード比較

 2台並べると壮観。高速のレースシーンを楽しむことができる。1台では表現しずらいオーバーテイクの接戦やエフェクトファンによる逆転コーナリングなど劇中のシーンも楽しめる。

 「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC 新世紀GPXサイバーフォーミュラ11 スーパーアスラーダ AKF-11」を触ってみて、「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC」シリーズの技術進化を見た。

 フィクションの中にある設定を再現しつつ、現実の車両が持つ素材感が落とし込まれ、説得力のある造形となっている。また、モードチェンジによる造形破綻もなく、サーキットモード、エアロモードどちらも劇中のスタイルが楽しめる。

 劇中設定でラリーモードが廃止され、オンロード走行のみとなった「スーパーアスラーダ AFK-11」はギミックや変形がより洗練され、立体物として遊びごたえに不安があったが、それを補って余りあるギミックの描写や質感がぐんっと跳ね上がり、見ていて飽きないものとなった。

 2023年3月発売予定の「ヴァリアブルアクション Hi-SPEC UNITED 新世紀GPXサイバーフォーミュラ アスラーダG.S.X」にも期待が高まる。

【プレミアムバンダイで購入】

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