レビュー

ガンプラ「MGSD フリーダムガンダム」レビュー

組立開始。これはまさしくMGを組んでいる手触り感!

 まずは頭部から組み立てていきます。パーツを切り出して並べてみるとなんだかリアル頭身で大サイズのフリーダムガンダムを扱うかのような不思議な感覚になりました。組んでみるとこれはまさしくMGを組んでいる感覚!それでいてSDガンダムというシルエットの中でしっかりとディテールを魅せてくれます。

 頭部のトピックスは、ツインアイをメタリックパーツとクリアーパーツの2重とすることで目の奥にディテールを持たせていることです。SDガンダムのバランスだと目が大きく、まさにアイキャッチなところがありますから、今後シリーズが続けばこれは引き継がれる仕様のように思います。組んで角度を変えてみるととても表情豊かです。

【組立:頭部】
パーツを並べてみるとリアル頭身のMGフリーダムのよう
新技術の“リアルメタリックグロスインジェクション”による内部フレームにツインアイのモールドがあります
ツインアイの縁を組付け、黄色のクリアーパーツをはめ込みます
なんだかMGを組んでいる感覚!赤い顎パーツとマスクを組付けます
こちらも新技術“リフレクションカット”の青いクリアーパーツで頭頂部のカメラを表現
フレームの輝きをクリアーで透過させる構造
外装を組み付けていきます
両脇の耳の部分の細かいカラー表現もパーツで実現!
アンテナはSDのバランスを感じさせる大きさ
なんと組みやすくかっこいいことか!
いいバランスです
フレームによるディテールがびっしり!

ボディ(上半身)を組み立てる

 頭部は大サイズのリアル頭身のフリーダムガンダムという印象もありましたが、一転してボディはまさにSDガンダムのデザインバランスとなっています。それでも、MGフォーマットによって内部にはこれでもか! と関節を仕込み多彩な可動性能を獲得しています。

 パーツ割りも細かく、もちろんカラーごとに分割されていて、しかもかっちり組み上がっていく様子はとても楽しい瞬間を味わえます。SDガンダムのプラモデルは、そのデザインから動かすとパーツが外れやすい印象がありましたが、そうならない工夫もありました。それでは具体的に見ていきましょう。

【組立:ボディ(上半身)】
SDシリーズとは思えないパーツ割り!
黒くてわかりにくいですが、SDバランスの小さいボディの基部は上下の伸縮と左右のロール、前後のピッチをも内包する腹部関節!
ボールジョイントでの接続もあり微妙なひねりも可能
外装を組み付ける
首も3重構造で多彩な可動を実現します
ボディ本体を組み上げていきます
腹部と首部を胸部フレームで挟み込む
メタリックパーツはいいアクセントになります
胸部外装で覆っていきます
肩関節は2軸回転もって高い可動性能を持っています
肩関節軸の先にツメがあることがわかります。これは腕部可動時に腕が抜けにくくするためのものです!
かなり前方を向く肩関節
コクピットカバーはなんとスライド可動します!
パイロットは乗っていないものの、これはMGだ……!
頭部とドッキング、これはまさしくSDバランス……しかもいいバランスではないでしょうか!
首関節もぐわっと大きくのけぞったり……
ぐっと前をみすえたりできます

腕部を組み立てる

 ボディがまさにSDガンダムのバランスでありながらとんでもない構造で驚きました。腕部も同様にシリーズを感じさせないほどのギミックと可動性能を持っているようです。肘は2重関節、しかも可動時には前腕を引き出すことでさらに可動させることが可能です。ハンドは指の付け根で可動し、まさしくMGクオリティを感じさせる腕部となっています。ボディ組立時に肩関節は抜けにくい構造を持っていたのがわかっていますのでそのあたりも見ていきましょう。

【組立:腕部】
パーツを並べてみました。SDバランスながらパーツ構成はやはりMGを感じさせます
まずは肩部アーマーから。細かくもなるべく1ピースで構成されています
スラスターユニットの接続部は歯車になっていて……
アーマー上部の赤いパーツと連動可動するようになっています
前後のアーマーも可動式になっています
上部カバーを組付けて……
赤いパーツを付ければ肩アーマーが完成です
肘関節は2重になっていて、前腕は前後左右からがっちり組まれます
軸ずらしでの関節配置もあって180度曲がります
前腕の前後で挟み込み、左右のディテールを接続部にしながら左右からロックします
これ以上ないほどパーフェクトな関節可動性能!
肩関節は軸のツメを通す形状になっています
ハンドは親指、人差し指、それ以外でそれぞれ可動させられます
要素をすべてドッキングすれば腕部完成です
ボディへのドッキングは肩軸のツメを合わせて通します
この状態から下側に回転させればポロっと抜け落ちる心配がなくなります!
いやもうここまでで十分かっこいいSDフリーダムですね!
想像を超える可動性能!
右腕と左腕の違いに注目。肘関節などが伸縮できることがわかります

脚部を組み立てる

 腕部は小さいながらも小気味よくがっちりとした組み応えを感じられました。さらにパーツが多く、組み立て工程も多い脚部は構成する要素も多くこれでもか! とMGクオリティをSDデザインに凝縮しているようです。若干トリッキーな組み方になる部分もありますから注意して組んでいきましょう。

 膝関節は大腿部と脛部をリンクしながら想像をはるかに超える可動ギミックを備えています。脛部フレームへの外装の貼り付けもとても細かいパーツで実現されていてMGならではの組み応え。ソールはつま先まで可動を実現し、SDシリーズの概念を超えている印象です。

【組立:脚部】
さらに多くなるパーツ。その分可動とディテールがすごくなる!
ソールだけでこの数のパーツはまさにMG
ソール底を組んで青い外装パーツをかぶせていきます
中央の基部と前後の構成はここ最近のガンプラスタンダードのようです
ソール前部はだいぶ跳ね上げられます
注目の膝関節には大腿部のフレームがリンクします
中央左の丸いパーツは股関節で、ここもツメ付きで抜けにくくなる設計がされています
ツメを通して……
90度回転させれば抜けにくくなります
それを白い装甲(後ろ)に組付けますが……
ここは噛み合いが特殊ですので合わさる面をよく見て“ぱちっ”と音がするまで慎重に押し込みます
フレームも組み込んで装甲で封印します
膝関節と大腿部フレームがリンクすることで大腿部装甲がスライドします。まさにMGだっ!
膝アーマーフレームと、脛裏のフィンを組付けます
脛部フレームを組んでいきます
内包される機構のこの密度がすばらしい!
脛部フレームに装甲を組付けていきます
アンクルアーマーは後ろからボールジョイントで接続します
要素を組み合わせると脚部完成!
SDのガンプラでこんな可動性能見たことありません
すごすぎます……

ボディ(腰部)を組み立てる

 腰部もこれまで同様、各部のバランスはSDですがクラスを超える設計でMGを彷彿とさせる組み応えと剛性感を持っています。両サイドのレールガンは前後連動機構を内蔵しており、折りたたみ状態からスムーズに展開できます。大きなリアアーマーがSDらしさを強調していてかわいい部分でもあります。

【組立:ボディ(腰部)】
右半身側を組んであります
基部となるフレームのパーツ群
左下が基部へ股関節ほかのパーツを組み込んだ状態
モールドびっしり!一番径が大きい穴部分が股関節です
全て組み合わせるとSDだということを忘れるディテールとなります
この小さいパーツはサイドのレール砲の接続基部で、展開時に角度を付けられる特殊な構造です
フロントアーマーは2色構成で、関節を挟んで重ねると情報量が格段に上がります
SDバランスの巨大なリアアーマーも2重構造です
ふんどし部とフロントアーマーを組み合わせ、基部フレームに組付けます
ここで脚部をドッキング! すごい密度感です
レール砲も設定どおり折りたたみができる構造です
砲身群を貼り合わせますが、合わせ目も目立たない設計がうれしい
前後の接続部にはここにも歯車が!
つまり前後が連動で開くことになります
基部の黒いパーツはなんとサーベルロック機構です
上半身・下半身をドッキングすれば……
SDフリーダムガンダム本体が完成!

バックパックと装備を組み立てる

 フリーダムガンダムの特徴は、背中に背負った機動兵装ウイングです。多数のウイングで構成され、ビーム砲も備えているため、おのずと大きいものとなります。

 MGSDでも設定どおりのウイングとビーム砲の展開を実現しています。MS本体と同じくらいの全長があるため、パーツ的にもとても大きく、多いキットの内容となっています。完成したバックパック本体にドッキングするとテールヘビーな傾向になりますので別途スタンドを用意したほうがいいと思います。

【組立:バックパック】
多数のパーツで構成されるウイング。右ウイングは組み立ててあります
中央に位置する基部は簡素な構造でありながらツメのある軸で抜けにくい工夫がされています
黒いパーツでわかりにくいのですが、基部にあるバーニアは開く構造になっています
これはスタンドの軸を接続する穴をカバーするギミックです
左右と前後からがっちり組まれる基部は剛性感たっぷりです
バーニアを開くと……
スタンド接続穴がのぞきます
左右のウイングを接続する部分はツメのある軸で抜けにくくする工夫があります
ビーム砲は白い本体を左右張り合わせ……
赤と黒のパーツでロックされます
大型のメインウイングは片側2枚あります
組立説明書的には複雑に見えますが、構成パーツでまとめると構造の理解が深まります
青と黒のパーツ互いにツメのディテールで固定しあう方法です
ウイング基部内部にはリフレクションカットの青いクリアーパーツが内包されキラキラです
完成したメインウイングは引き出し機構があります
サブウイングは片側3枚あり、これは中央部のものです
ビーム砲もツメ付き軸でうれしい配慮!
組んだウイングを組み合わせていきます
メインウイングにビーム砲と……
サブウイングが組まれて半分が完成
さらに片側のウイングを組み合わせて……
基部にドッキングさせます
ガンダム本体とドッキングですばらしいバランス!

 装備はビームライフルとシールドが付属しています。パーツ的にはそれほど多くなく、なるべく大きく1ピースで設計されつつもカラーごとに分けられたパーツで設定どおりに組み上がります。

【組立:装備】
なるべく少ないパーツになるように設計されていてうれしい
青と白のディテールもそれぞれ1ピースでパチピタが気持ちいい!
スコープにはリフレクションカットのクリアーパーツが入ります
シールドは裏側のパーツにディテールパーツを組み込んで表のフレームで封印する形
さらにディテールパーツをのせていきます
シールド裏にはグリップと肘への接続部を組付けます
フル装備のMGSDフリーダムガンダム完成!
いいバランスです!