レビュー
「S.H.Figuarts 仮面ライダー(シン・仮面ライダー)」レビュー
継承される仮面ライダーのデザインと新しい造形美が光る
2023年3月23日 00:00
- 【S.H.Figuarts 仮面ライダー(シン・仮面ライダー)】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 3月18日 発売
- 価格:7,700円(税込)
- ジャンル:アクションフィギュア
- サイズ:全高約145mm
3月18日より公開された映画「シン・仮面ライダー」に登場する「仮面ライダー(シン・仮面ライダー)」がS.H.Figuartsとなって3月18日に発売された。価格は7,700円(税込)。
石ノ森章太郎氏原作の特撮ヒーロー「仮面ライダー」が、庵野秀明氏の新解釈によってスクリーンで登場した。筆者はキービジュアルとなったコートを羽織った仮面ライダーの姿に惹かれた。
そして、BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の「S.H.Figuarts」シリーズによって、劇中イメージを再現した立体化が登場した。
造形的には石ノ森章太郎氏の漫画版「仮面ライダー」に近い印象となっている。また、2005年に公開された「仮面ライダー THE FIRST」の雰囲気もある。
本作でも主人公である本郷猛は改造手術によってバッタオーグ、特撮版でいうバッタ怪人に改造された。この仮面ライダーの姿はスーツを着ている状態で、その下には怪人のような姿が隠されてる。ここまでは漫画版同様の解釈である。
コンバーターラングやベルト、マスクにも細かな設定が用意されている。この部分はビジュアル的な面に加えて、ライダーキックをはじめとしたアクションやストーリーにも関わってくる。赤いマフラーも「仮面ライダー」として象徴的なデザインとなっている。
今回は「S.H.Figuarts 仮面ライダー(シン・仮面ライダー)」の魅力をお届けする。
装飾品を極力削いだシンプルなセット
「S.H.Figuarts 仮面ライダー(シン・仮面ライダー)」のパッケージを見ていこう。パッケージ表は商品の立ち姿が映されており、映画のビジュアルを彷彿とさせる。裏面は本体が見える仕様となっている。
また、本商品には取扱説明書は紙面ではなくWEB取説となっており、パッケージの開け口に記載されている。なお、簡単なパーツの取り付けや注意事項などの記載もされている。
パッケージにはブリスターが一つ入っており、中にはフィギュア本体、交換用手首左右各3種、コートとなっている。
フィギュア本体をじっくり見ていこう。
劇中デザインが再現され、暗めの配色や白いベルト、赤いマフラーなどが再現されている。胸の大きなコンバーターラングやどっしりとした下半身など、力強い印象となっている。
頭部の特徴的な複眼は薄いピンク色で、目の奥にある六角形の複眼造形も再現されている。また、マスクの隙間から覗く襟足の造形も再現されている。
特に目を見張るのが、背面のSHOCKERのマークや第1バッタオーグを示す番号も印字されている。さらに細かなモールドやリベットのような造形もあり、近くで見ても迫力ある仕上がりとなっている。
胴体は大きめのコンバーターラングにマフラーと特徴的なシルエットを再現しつつ、中央のスーツのジッパーのような造形もある。黒いスーツ部分も光沢を押さえた彩色で、ライダースーツのような質感が表現されている。
背面にはバッタの羽を思わせる模様も再現されている。劇中でのライダーキック時の演出が目に浮かぶ細かいモールドが施されている。
スカーフには縫い跡まで造形され、精緻な造形技術が伺える。
そして、仮面ライダーといえばベルトだ。本作のベルトは特撮版「仮面ライダー」のベルト、タイフーンの意匠を引き継ぎつつ、よりメカメカしいデザインとなっている。
中央の風車や四方に設置された排出口、細かい凹凸も再現されている。側面部分のスイッチも細かく造形され、背面まで精巧に造形されている。
次に可動を見ていこう。「S.H.Figuarts」シリーズらしい柔軟な可動で腕や足も幅広いポーズを付けることができる。足はつま先まで可動し、俊敏な動作も表現できる。そして、マフラーも首元と結び目でそれぞれ動かすことができる。
マフラーの結び目可動は細い印象で動かすほどにちぎれてしまうのではないかという不安がある。とはいえ、レビューで触っている感じではしっかりとした作りで、がっつり遊べる強度と保持力を持っている。
また、頭部は上を向いた状態では肌色の首筋が見えたりと可動によって見えなかった部分が現れるのも面白い。
付属のコートは、腕を後ろに回し、一度手首パーツを取り外して腕を通す仕様となっている。
コートを羽織った姿はキービジュアルで見た新鮮な仮面ライダー像が再現されている。布製による質感の追求でスクリーンイメージがアクションフィギュアに落とし込まれている。
そのため、可動に追従して柔軟に動くためぎこちなさはなく、ポーズも自然に決まる。また、裾や襟にワイヤーが仕込まれているので、ポーズを取った際になびく表現も可能。
懐かしくもあり、新鮮さもあるアクションポーズ
「S.H.Figuarts 仮面ライダー(シン・仮面ライダー)」では、柔軟な可動を活かして劇中のアクション再現などを楽しめる。
力強いアクションやポージングが楽しめ、動かしていて様々なポーズを取りたくなる。特にマフラーは角度の調整ができるため、躍動感が一気に溢れだす。精緻なデザインによって一挙手一投足の動きにメリハリがつき、様々な角度で見てもカッコいい。
コートを着た状態でもポーズを取ることができる。激しいアクションポーズよりは哀愁のある静かな立ち姿や戦いを覚悟するようなポーズが非常に様になる。
そして、背景を変えて空をバックに姿を撮影してみた。劇中でも印象的だったポーズやライダーキックが再現できる。
スーツの色合いも暗めのため、明るい背景だとさらに陰影がはっきりとしてカッコ良さが増す。
特撮版「仮面ライダー」の風格を感じさせながら、「シン・仮面ライダー」の新しい風を感じさせる。
「S.H.Figuarts 仮面ライダー(シン・仮面ライダー)」を触ってみて、シンプルな造形ながらマスクやベルトなどの精緻な造形表現が光る兵信となっている。
可動も申し分なく、マフラーによってアクションの表現力も格段に上がる。台座なしでも十分に自立し、様々なポーズを取らせることができる満足度が高い。
なお、「ライダーキックのポーズで飾りたい」という人は別売りの「魂STAGE ACT HUMANOID」と合わせることをおすすめする。これによって躍動感が増し、「仮面ライダー」のスタイリッシュさがより鮮明にできる。
そして、プレミアムバンダイ限定で「S.H.Figuarts 仮面ライダー第2号(シン・仮面ライダー)」も登場する。ぜひともダブルライダーで揃えて飾りたい。劇中に登場したクモオーグをはじめとした立体にも期待したい。
©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会