レビュー
コトブキヤ「フレームアームズ・ガール 金剛」レビュー
2023年6月2日 00:00
作り込まれた幾何学的な装甲を再現した素体のスーツ
最初は本キットの中核となる「金剛」の素体を組み立てていく。
頭部は左目の隠れたボブカット。表情パーツは正面向き顔、左向き笑顔、食いしばり顔の3種となっている。正面向き顔と左向き笑顔はお姉さん的なキャラクター性が垣間見えるが、筆者個人としては食いしばり顔が、これまで触れてきた「フレームアームズ・ガール」キットの中でも異色に感じられた。
これまでにも目つきの鋭いものや口を大きく開けた表情はあったが、闘志をむき出しにするような、あるいは力むような表現は少なかった。この表情が巨大なキャノンやシールドの武装、さらに装甲版に備わっているミサイルハッチなど重火器の取り回しにみる反動の強さを演出しやすいだろう。
続く胴体は、スーツのデザインが競泳水着のようなワンピースタイプとなっている。
その意匠には元となった「フレームアームズ 金剛」の衣装がしっかりと組み込まれ、細かな装甲部分はラインや凹凸を入れて情報量を上げている。また、色分け部分も細かなパーツ分割によって表現されている。特にハイレグのような肌色部分もパーツを分けて、無塗装でも足を長く見せる工夫が凝らさられている。
腕パーツは「フレームアームズ・ガール」ではオーソドックスなウェハース構造で、二の腕、肘、手首にそれぞれ可動箇所がある。
パーツのはめ込みの際、肘や肩の通し部分はそのまま通そうとすると、かなりタイトな作りとなっている。ここはポーズを取る際にうまく回らず、軸を破損してしまう恐れがあるので、ヤスリで少し整えるのがオススメ。
最後に足パーツ。こちらも細かくパーツが分かれた構成で、小さく似たパーツが多い。はめ込み口に注意しながら組み立てる必要がある。
股関節部分は引き出し機構が備わっており、脚部の可動域を広げているのが伺える。また、つま先も可動。地面を蹴る描写やつま先立ちもより自然に表現できるようになっている。
上記のパーツをすべて合わせると「フレームアームズ・ガール 金剛」の素体が完成。
素体ができたとところで、次は武装モードのパーツを組み立てていく。
FA金剛がふんだんに盛り込まれた武装モードの装備
武装モードはいわゆる戦闘形態で、素体の女の子らしい柔らかい印象からパワードスーツを身に纏ったカッコよさ重視の装いとなる。
頭部は素体とほぼ共通だが、前髪パーツと左側頭部のはねっ毛を交換する必要がある。
武装モードでは、前髪に白のメッシュが入り、ブレードアンテナが付く。前髪パーツ、帽子型のパーツを組み立て、側頭部はアンテナパーツと専用の髪パーツを使用する。素体モードと武装モードへの取り換えも容易な仕様となっている。
また、頭のデザインは「フレームアームズ 金剛」のエッセンスとして、帽子型のパーツは「金剛」に近い造形でマリンキャップのような雰囲気もある。また、左右に伸びていたブレードアンテナも、左側頭部は近い役割のデザインが採用されているが、右側はメッシュの髪で表現されている。
初見では、女の子の可愛らしさ重点なデザインだが、「フレームアームズ 金剛」を知っていると左右のアンテナ表現をうまく女の子の髪形に落とし込んでいる島田フミカネ氏のデザイン力に感服してしまう。
腕パーツは肘から前腕にかけての組み立てとなる。装甲を纏った前腕部は武骨なデザインとなっており、黒い部分のアクセントもパーツ分けで表現されている。
足パーツは、膝アーマー、膝、脹脛の3つに分けて紹介する。膝アーマーは基部となるパーツに外装部分を被せる構成。膝パーツに素体に近いパーツ構成だが、こちらは後述する巡航形態にするため脹脛とは別ブロックとなっている。
そして、脹脛パーツは武骨な装甲に包まれた造形となっており、足先パーツも「フレームアームズ」に近いデザインとなっている。かかと部分は赤いパーツや可動を見ると舵のような印象となっている。
武装モードの主役といえる背部フレームは、バックパックとサブアーム、アームと装甲板で完成する。
デザインは軍艦の艦橋のような細かな造形で、アームパーツによって装甲板が支えられ、ボリュームのあるシルエットとなる。サブアームは左右非対称で、ディテールのこだわりを感じる。
脚部にも小型の装甲板とアームパーツが付く。こちらは内側にスクリューパーツがあるなど、船尾部分を彷彿とさせる構成が光る。
そして、武装となるキャノンとシールド。キャノンは箱型の巨大な砲身が存在感を放つデザインで、「フレームアームズ」ではビームバズーカとして設定されている。
シールドは船首に装備される速射砲が上部に装備され、下部にはバルカン型の機関砲が装備されている。速射砲は左右への旋回や砲身の仰角調整が可能。またマガジンと思われる白や赤のパーツもミリタリー感が演出されている。
武装モードの組み立ては以上となる。その他、キャノンなどに使用するグリップパーツや武装モード時のジョイントパーツがある。
「フレームアームズ・ガール 金剛」では台座も重要なパーツとなっている。こちらは金剛専用といえ、武装モード、素体モードのディスプレイはもちろんだが、特長である巡航形態を形作るものでもある。
支柱部分も武骨な造形となっており、ヘキサグラム(六角形状のジョイント穴)にPCパーツを入れて3mm軸受けを設けるなど拡張性もある。
これですべてのパーツが組みあがった。それでは完成した「フレームアームズ・ガール 金剛」を見ていこう。
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