レビュー

ガンプラ「HG ガンダムベース限定 TOLRO-800 -トロハチ-」レビュー

なんと可能性が広がるラインナップか……ファンが夢見た“トロハチ”がガンプラ化!

【HG ガンダムベース限定 TOLRO-800 -トロハチ-】

開開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2023年8月5日

価格:2,200円(税込)

ジャンル:プラモデル

全高:約93mm

 今回レビューするガンプラ「HG ガンダムベース限定 TOLRO-800 -トロハチ-」は、OVAシリーズ「機動戦士ガンダムUC」に登場し、劇中冒頭で主人公バナージ・リンクスがミネバ・ラオ・ザビ(オードリー・バーン)を救う時に利用したメカです。ガンダム世界における作業用モビルワーカーで、プチ・モビ(プチ・モビルスーツ)とも呼ばれます。

 名称の“トロハチ”はこのプチ・モビのメーカーである“トルロ社”の800型を表し、その愛称となっています。バナージが通うアナハイム・エレクトロニクス工業専門学校での実習に使われていたり、コロニーの建設やメンテナンスなど汎用的に使われています。

 プチ・モビの歴史は古く、ファーストガンダムでは描かれていませんでしたが「機動戦士Zガンダム」から人が搭乗して作業を行なうモビルワーカーが工事等を行なう様子が描かれるようになり世界観がより深まりました。作業用といいつつ兵器転用が可能な描写もあったりしたことで機動兵器としてのモビルスーツは強化宇宙服や作業用モビルがベースにあることを示唆していました。

【ガンダムの世界を深くしたプチ・モビの一種】
「ガンダムUC」でデザインがリファインされたプチ・モビ“TOLRO-800(トロハチ)”

 2023年5月の「第61回静岡ホビーショー」で唐突に発表され、トロハチがガンダムベース限定アイテムとして2023年8月に発売がアナウンスされました。そして8月5日に販売スタート!各ガンダムベースには長蛇の列ができ、各所で話題となる人気ぶりです。

 筆者は5月の発表からワクワクが止まりませんでした。まさかのプチ・モビがガンプラ化されるとは……ガンダムワールドを語る時に外すことのできないモビルスーツのベースとなったプチ・モビやミドル・モビ(ミドル・モビルスーツ)は宇宙世紀作品のディテールを厚くし、なくてはならない存在ですよね。

 これまでならフルスクラッチ等しなければなりませんでしたが、ガンプラ40周年(「ガンダムUC」からは13年)を超え2023年8月ついにガンプラでリリースされることとなりました。ちょっと遅くなりましたが今回メーカーのサンプルキットをお借りできましたのでさっそく組んでいきましょう!

「HG ガンダムベース限定 TOLRO-800 -トロハチ-」のキット内容をチェック!

 それではキットの内容をチェックしていきましょう。ランナーはA~Cで計4枚とパーツ数も少なく組みやすい印象です。他にホイルシール、リード線、組立説明書が付属いています。通常のモビルスーツタイプではないガンプラですので違いを感じつつ組み立てられそうです。

【キット内容】
パッケージはガンダムベース限定シリーズとなる共通デザイン
A1:本体フレームやロールバーなど
A2:腕部・脚部の簡易フレームなど
B:外装など
C:キャノピー
組立説明書・シール・リード線

組立開始。非MSの形状ながらさすがのガンプラクオリティでかっちり組みやすい!

 キット内容確認のところで感じましたがとてもパーツ数が少なく、あっというまに組み上がってしまいそうですね。トロハチは丸く大きなクリアーのキャノピーとそれを乗せる筒形のコクピット、コクピット左右前方の外側にはバックミラー兼ライトユニットを持っていて作業機械のディテールを持っています。

 コクピット周辺を囲うレールに沿う形で動く左右の腕部を持ち、下半身にはランディングスキッドを兼ねる脚部にはブースターノズルも装備していて歩行というよりは可動する推進器というイメージとなります。背面には大きい筒形のメイン推進器を横にマウントしています。

【組立:コクピット・ボディ】
ほぼ完璧な色分けで構成されるボディとコクピット!
キャノピーは前後貼り合わせのクリアーパーツでできています
キャノピーを覆うロールバーもかっちり組み上がるのはガンプラクオリティの証!
ロールバー後ろ側はキャノピー後部のツメでとまっています
さらにキャノピー上側のツメで安定感たっぷりです
上部のランプは前後4枚のシールで再現されます
ボディはフレーム的になっていてそこへ腕部レール等を組み付けていきます
コクピットにシートを組み付けます
とても雰囲気のいいコクピット!モニターグラフィックのシールかデカールが欲しかった!
腕部基部はコクピット周辺のレール上を移動させられます
腕部基部はレールを上下から挟む構造です
腰にあたる部分を組んでいきます。後部へのノズルもあります
ライト兼ミラーを組んでいきます。ライトと……
ミラーはシールで再現されます
ミラーステーを介して本体に接続されます
背面にある推進器を組み込みます。推進器はゲートが太く写真のように白化しやすいので慎重に、もしくは修正するとよいですね
推進器中央部はキャノピーのヒンジカバーにもなります
キャノピーはがばっと開きます!

 続いて脚部・腕部を組んでいきましょう。どちらも簡易的なフレーム構造になっていてカッチリ組み上がるガンプラクオリティを感じられます。脚部は股関節と足首部にしか関節はありませんが、ランディングスキッドの部分がスイング機構を持っていて設置性能が高くなっています。腕部は細いながらも簡易フレームには伸縮機構があったり肩はボールジョイント、肘は後はめ方式による90度関節で可動性能も申し分ない仕様となっています。

【組立:両腕・両脚】
上にあるものは片脚を組んだ状態です。どちらも同じ形状なので右でも左でも通用します
簡易フレーム的な内部を組んで……
ランディングスキッドに合体、カバーに組み込みます
ランディングスキッドは内側にスイングさせることができ、設置性能を高められます
脚部をボディへ組み込みます
いいですねー!
とてもいいバランスだと思います
トロハチ・キーック!!
腕部も簡易フレーム的構造になっています
肩に上腕フレーム、前腕にツメを組み込みます
伸縮軸が入った肘関節は後はめ式でぱちっと前腕にはめ込みます
伸縮軸は上腕の中へ入り、ストッパーになるカバーを組み付けます
リード線は半分に切ります
肩と前腕にある穴に差し込んで形を作れば腕部完成です
いいバランスと密度感です!
腕部はレールで前方へ移動、関節と伸縮機構でかなりの可動性能があります
最後にロールバーのディテールシールを張り付けます
完成!