レビュー

「レゴ(R)アイコン ミニ観葉植物セット」レビュー

意外なパーツで植物を再現!デスクのインテリアになるかわいらしい鉢植え9点セット

【レゴ(R)アイコン ミニ観葉植物セット】

発売元:レゴジャパン株式会社

発売日:2023年12月1日

参考価格:7,580円(税込)※レゴ公式オンラインストア価格

ジャンル:ブロック玩具

サイズ:(約)高さ16cm x 幅10cm x 奥行6cm

※最も高さのあるモデル(植木鉢部分を含む)
パーツ数:758

 今回のレゴ(R)ブロックレビューは、「レゴ(R)アイコン ミニ観葉植物セット」をチョイス! レゴ ブロックの商品には、レゴ(R)ボタニカルコレクションというシリーズがあり、様々な花や植物のモデルをリリースしている。どれも大きいサイズなので、レゴ ブロック製の造花のような楽しみもあり、人気のシリーズだ。

 今回の「ミニ観葉植物セット」はレゴ ボタニカルコレクションのシリーズ製品とは一味違ったミニマムサイズの花や植物を複数作ることができるのがポイント。商品を組みながら、制作のポイントなどを紹介していこう!

ミニマムサイズながら、完成度は大型モデルに引けを取らない

創造性を刺激するパッケージ

 まずは恒例のパッケージから。パッケージには本製品で作れる9つの観葉植物が写っているが、どれも小ぶりながらとてもリアルな造形だ。だが、よく見るとところどころに見知ったパーツがあり、「ああ、あのパーツを葉っぱに見立てているのか!」といった、創造性を刺激するビルドが多数ある。内容物としては、6つのパーツ袋とインストラクションが3冊だ。インストラクションにはモデルとなった花の画像もあるので、どれくらい似ているのかを比較してみるのも楽しいだろう。

パッケージの表面を見るだけで、どんな風に作られているか興味をそそる
裏面には完成品の利用シチュエーションが掲載されている
袋は全部で6つ。キャラメルカラーとも呼ばれる色のパーツが多めな印象
製作モデルが多いので、インストラクションは3冊ある

袋1と2で熱帯植物のカネノナルキ、サンカクカタバミ、アンスリウムを製作

 まずは、袋1と2で熱帯植物のカネノナルキ、サンカクカタバミ、アンスリウムを作っていく。

 最初は、袋1で、カネノナルキ、サンカクカタバミを作ることになるのだが、思ったよりもパーツ数が少ない。「これで2つのモデルを作れるのかな?」と不安になってくる。とりあえず、インストラクションを読みながら、植木鉢部分を組み立てた。ビルドの方向性としては、レゴ(R)ブリックヘッズ(TM)シリーズのように、上にブロックを積むだけでなく、側面4方向にもブロックを詰めるように側面スタッド付きパーツで回りを囲むように塊を作る。あとはカーブスロープなどを周囲に貼り付け、カーブタイルを乗せれば円柱形植木鉢の完成だ。カネノナルキの本体部分の見立ても面白く、肉厚の葉をダークグリーンのベレー帽で表現しているのが面白い。

 次にサンカクカタバミだが、こちらは蝶のパーツを使って、紫の葉の部分を表現。花が咲いてないバージョンとなるが、うまく改造すれば花を咲かせることができそうだ。

【袋1:カネノナルキ&サンカクカタバミ】
袋1のパーツ構成。植木鉢となるキャラメルカラーのパーツが多い。また、ブロック外しが入っているのも親切
周囲にスタッドを持たせるようなビルドは最近多用されている
カーブスロープなど、曲面の多いパーツで植木鉢の外装を作る
外装パーツを組み込んだ状態。うーん植木鉢っぽい
完成したカネノナルキ。ミニマムサイズだがとてもリアル
大きい葉はベレー帽のパーツだが、小さい葉は円タイルをクリップパーツではさんで表現している
サンカクカタバミの完成品。植木鉢はカネノナルキと異なり、桶のパーツなどで構成されているぞ
蝶のパーツは、パーツ同士が干渉しないように組んでいる

 そしてアンスリウム。大きいモデルなので、袋2から1つ完成品を作る。驚いたのが、植木鉢の造型。カネノナルキやサンカクカタバミとも異なる造型というだけでなく、円錐台というレゴ ブロックでは扱いにくい形状を見事に表現している。内部構造の画像を用意したが、クリップパーツなどで角度を付けつつ、ほかのパーツとの干渉を最小限に抑えることで綺麗な円錐台が完成するのだ。とにかく、円形パーツはほかのパーツに干渉しにくいという特性をうまく利用して組んでいるので、とても勉強になると思う。

 アンスリウム本体の茎部分はバー系のパーツで構成し斜めになるパーツを使って花の角度を付けているのもイイ感じだ。完成品は、まさにアンスリウムといった感じで、よくこの少ないパーツ数で再現できたなと感心する。

【袋2:アンスリウム】
袋2のパーツ構成。植木鉢に使うパーツだけでなくアンスリウムの花や葉となるカラフルなパーツが多い
アンスリウムの植木鉢はかなり特徴的。内部もかなり凝った作りだ
各ユニットの干渉範囲を変えることで円錐台になる仕組み
円形パーツなら角度を変えても干渉しないことを利用したビルドスタイルは参考になるはず
カーブスロープだけでは作れない大きい円も、間にストレートなブロックを入れることで解決!
植木鉢部分の完成。実は結構感動した
茎の角度を変えるのはクリップではなく角度付きのパーツを使う
アンスリウムの完成品。一見レゴ ブロックとはわからないような再現度
アンスリウムの花部分は貝殻のパーツを利用。貝のディテールが花びらに見える!

袋3~4は食虫植物たち。ハエトリグサ、ウツボカズラ、ピッチャープラントに挑戦

 続いては、ハエトリグサ、モウセンゴケ、ピッチャープラントといった、食虫植物だ。食虫植物はビジュアルが特徴的なので、どのようなパーツで構成されるのか、非常に楽しみ。袋3で、ハエトリグサとモウセンゴケを組んでいく。

 ハエトリグサの植木鉢は、これまでの応用なので特筆すべき点はない。だが、本体部分は実際に完成させてみると、もう笑っちゃうくらいハエトリグサにしか見えない。歯がいっぱい付いた本体部分は「Frosting」と呼ばれる、ケーキの周りのどろりと溶けたような表現のパーツだ。このライムカラーのパーツにビビッドなマゼンダ系の円パーツを付けることで、今にも動きそうなハエトリグサを完成させられる。

 モウセンゴケは色々な形があるが、今回は円形のタイプ。モウセンゴケの特徴である粘毛と呼ばれる部分をどう表現するのかドキドキしていたが、何と昔のイギリスの海軍将校が付けていそうな肩章のパーツを使っている。このピンクバージョンを使うことで、肩章の細かいディテールを粘毛としているのだ。これはもう脱帽ものだろう。そしてさらに葉のような部分には、ダークレッドのブラシパーツを使っているのが面白い。

【袋3:ハエトリグサ&モウセンゴケ】
袋3の構成もほかの袋とほぼ同じで、花や葉になる部分が異なる。ここからどう使うのか推理するのも楽しいぞ
口を開かせるように見せるためクリップパーツを使用
完成したハエトリグサ。そのディテールには隙がない
まさか食べ物のパーツが食べる側に回るとは。デザイナーさんのセンスが光るぜ!
肩章のディテールをうまく利用した「ワザあり!」なチョイス
モウセンゴケの完成形。単純な構成だが自分で考えるとなかなか出てこないかも
ビンクの肩章と穴空きの丸プレートはもう花にしか見えない

 袋4では、ピッチャープラントを作ることができる。こちらも植木鉢部分の組み方は流用だ。だが本体部分は、捕虫袋と呼ばれる部分が特徴的で、少ないパーツ数で表現するのは難しそうに感じる。だが、さすがはレゴ社のデザインチーム。ホウキのパーツと探検隊の帽子パーツをうまく組み合わせて捕虫袋を完全再現している。

【袋4:ピッチャープラント】
袋4のパーツ構成はほかの袋ほぼ同じだが、ウツボカズラらしいライム色のパーツが目を惹く
ホウキと帽子のパーツがまさか捕虫袋になるとは……
完成したピッチャープラントは、見ているだけで様になる
ピッチャープラントを上からのぞくと、透明の丸プレートがみずみずしい感じに見える

袋5~6で多肉植物、ウチワサボテン、マミラリアサボテンを作ろう!

 最後は袋5~6で多肉植物、ウチワサボテン、マミラリアサボテンを作っていく。

 まずは袋5で、多肉植物を組んでいこう。多肉植物は、原種だけでも1万5千種以上あるといわれているので、どの種をモデルにしているのかはわからない。だが、パステル系カラーの葉パーツや、歯パーツで、特徴である肥大した茎を表現しているので、多肉植物にしか見えない。

 また、ウチワサボテンは、まさにサボテンカラーとも言えるサンドグリーンのパーツを上手に組み合わせている。特にウチワサボテンのクネクネした感じを出すために、丸や円形パーツを組み合わせて角度を変更している点が素晴らしい。さすがにトゲトゲはこのサイズでの再現は無理なので、プリントパーツで表現している。とはいえ、完成した花を咲かせたウチワサボテンは、デスクを飾るにふさわしい完成度のモデルのひとつと言えよう。

【袋5:ウチワサボテン】
袋5のパーツ構成。いかにもサボテンっぽいサンドグリーンのパーツが見受けられる
多肉植物の肥大した茎を葉や歯のパーツで表現している。歯を使ったのはまさかシャレ?
完成品のカラーが美しく、まさに観賞用として人気の多肉植物らしさがアップ
色味の違うパープル系パーツを組み合わせることで立体感が高まる
サボテンの内部はロボットのような組み方をしている
円形パーツなので動かしてもパーツ同士が干渉しない
ウチワサボテンの完成形。最後に花を付けたことで、よりリアルになった
花の中央にあるパーツは、実は「ミニオン」のオットーの髪パーツの色違いだったりする

 袋6ではマミラリアサボテンを組んだ。マミラリアサボテンは、全体が球体のような形になっているので、レゴ ブロックで再現するのがとても難しそうに感じる。だが、そこはプロのデザインチーム。上プラス4方向に加え、角度を付けてさらに4方向にパーツを配置できるように内部を組み上げ、上から円形パーツを貼り込んで球体を作り上げた。その姿はまさにマミラリアサボテンそのものと言えよう。こちらはトゲトゲも、茎系のパーツで再現しているので、本セットの最終モデルとして満足度100%のモデルだ。

【袋6:マミラリアサボテン】
袋6のパーツ構成。かなり大ボリュームだが、作るのはマミラリアサボテンひとつ!
マミラリアサボテンの内側の作り込みはスゴイ。参考になる人も多いハズ!
完成したマミラリアサボテン。本製品ナンバー1の完成度
花の茎や、花そのもののパーツで表面をデコレートしている

 レゴ ボタニカルコレクションは発売してしばらく経つが、実はこれまでひとつも作ったことはなかった。だが、実際に今回作ってみると、かなり面白い。花自体に興味があるわけではないが、花や植物をモチーフにしたモデルを再現するためのパーツ選びが秀逸すぎて「自分でもやってみたい!」と思わせるのだ。

 このような技術を学んでいけば、ミニサイズのロボットなどの造型レベルがきっと上がるはず! もちろん、作ったモデルはデスク周りに飾っても様になる。今年のオススメモデルのひとつになるので、自分用でもプレゼント用でも、レゴ ブロック製品を買う時のセレクト候補に入れてはいかがだろう。

カネノナルキ&サンカクカタバミ&アンスリウム
ハエトリグサ&ウツボカズラ&ピッチャープラント
ウチワサボテン&マミラリアサボテン