レビュー
「HG 1/72 ダンバイン」レビュー
2024年1月29日 00:00
組み立て後半。特徴的な脚部とオーラコンバーターでダンバインのシルエットが浮かび上がる
脚部はこれもまたダンバインの特徴である鳥のようなつま先から組み立てていく。爪は腕にあるものと同じ光沢のある質感で成形されていて、こちらは可動する仕組み。この脚部他、各所に見える黒いラインはシールによるものだが、マーカーなどで塗装すれば剥がれてしまう恐れもなくなる。
腰部は前後左右にスイングする関節を内蔵。これを組み立てたら、これまでの全てのパーツを取り付けて本体が完成する。4枚の翅を背中に差し込んで、組み立てたオーラコンバーターを取り付ける。武装はオーラソードとオーラショット。前者はもちろん鞘から抜くことができ、左右の持ち手も付属している。後者は2つ作ることができ、劇中で両手に装備した姿を再現できる仕様だ。
ベストプロポーションのダンバインが完成
完成したダンバインのプロポーションはご覧の通り。作画や設定画などで好みは変わるかもしれないが、個人的にはベストな内容だと思う。2012年に発売された「ROBOT魂 <SIDE AB> ダンバイン」との比較写真も用意したのでご参考まで。
設定通り、機体表面にはディテールが少ないので、スミ入れなども最小限で済むはず。ただし同社の他のプラモデルで見られる“合わせ目をディテールで隠す”という設計が難しいようで、前腕や肩などには合わせ目が残ってしまっている。パーツの精度が高いので素組みでも気になるほどではないが、合わせ目を消す工作をすればより美しく仕上がるはずだ。
特殊な加工が施されたパーツ群は、今回のような素組みでは特に引き立つ仕様で、胸部キャノピーの鏡面仕上げは反射率が非常に高く、写真を撮ったりすると角度によっては周囲が写り込んでしまうほどだ。翅は明るいところに置くと翅脈が浮き上がって見えるのが実に美しく、オーラバトラーとしての存在感が増している。
可動は極端に派手なポーズを取れるほどではないものの、首の二重関節や腰の前後左右のスイング、つま先の3本爪の独立した可動など、ポイントを押さえたクオリティで、ダンバインのシルエットを崩さずにポージングを楽しめるはず。ダンバインは空中戦での活躍が多かったので、「アクションベース」を用意することを強く勧めたい。なお近年のプラモデルでよく見られる肩関節の引き出し機構はないので、オーラソードを両手で構えるようなポーズは残念ながらできなかった。
素組みでここまでクオリティの高いダンバインが完成するのは本当に喜ばしい限りだが、ハーフミラーメッキのキャノピーは、角度によってコクピット内が見えるので、そこにショウやマーベルなどパイロットの着座フィギュアがいれば最高だと思った。例えば発売中の「HG スコープドッグ」のように胴体を交換できるオプションパーツなどが発売されるならば、個人的にも購入してみたいところだ。
この「HG 1/72 ダンバイン」はプレバン販売のアイテムとなるが、冒頭で触れた「サンライズプラモコレクション」として需要の高い商品として定着すれば、今後も定期的に販売されることが予想される。さらにオーラバトラー第2弾として「HG 1/72 ビランビー」も2月に発売予定で、筆者も予約済みだ。1月19日現在、プレバンでは両アイテムの5月発送分の予約が始まっているので、ぜひこの機会に手にしていただいて、オーラバトラーの美しさをプラモデルで体験してもらいたいものだ。
(C)創通・サンライズ