レビュー
「TINY SESSION VF-19改 ファイヤーバルキリー with 熱気バサラ」レビュー
「マクロス7」の歌声と活躍が蘇る、キャラクター性を活かしたフィギュア
2024年5月15日 10:00
- 【TINY SESSION VF-19改 ファイヤーバルキリー with 熱気バサラ】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売日:4月26日発売
- 価格:5,500円
- ジャンル:アクションフィギュア
- 全高:約110mm(バトロイド時)
BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部は4月26日にアクションフィギュア「TINY SESSION VF-19改 ファイヤーバルキリー with 熱気バサラ(以下、TINY SESSION VF-19改)」を発売した。
本商品は『マクロス』シリーズの可変戦闘機をデフォルメで表現、キャラクターフィギュアとの"セッション"が楽しめる「TINY SESSION」シリーズの最新作。デフォルメでありながら、各バルキリーはファイター、ガウォーク、バトロイドの3形態にきちんと変形する。変形システムもアニメの設定からかなりデフォルメされているが、3形態のプロポーション表現もうまく、『マクロス』シリーズファン注目である。
今回のモチーフはアニメ『マクロス7』の主人公とその愛機、「熱気バサラ」と「VF-19改 ファイヤーバルキリー」である。"戦わない歌うパイロット"と、"口のあるヒーロー色の強いバルキリー"は、『マクロス』シリーズの中でも異色の存在で、だからこそ熱心なファンを獲得している。「TINY SESSION VF-19改」は、バサラとファイヤーバルキリーを並べて飾り、遊んで、眺めるのに最適な商品だ。
本稿では「TINY SESSION VF-19改」のレビューをお届けしたい。以前行ったインタビューでは開発者のこだわりも取材しているので、併せて読んで欲しい。
「俺の歌を聞け!」、バサラとファイヤーバルキリーをしっかり楽しめる商品
モチーフである熱気バサラとVF-19改 ファイヤーバルキリーは1994年のアニメ『マクロス7』の主人公とその愛機である。『マクロス7』は前作『超時空要塞マクロス』から35年後の世界で、7番目の移民船団「マクロス7」と、正体不明の敵「バロータ軍」の戦いが中心となる。
バサラとファイヤーバルキリーは、これまでの『マクロス』シリーズとは大きく雰囲気が異なるキャラクターだ。バサラはロックバンド「Fire Bomber」のボーカリストであり、バロータ軍との戦場のまっただ中で、真紅のファイヤーバルキリーを駆り、「戦いなんてくだらねえ、俺の歌を聞け!」と、歌声を響かせるのだ。この突拍子もない行動が、やがて両軍に大きな影響を与え、歌が両者の戦いを収めるというところに『マクロス7』の物語としてのカタルシスがある。
VF-19改 ファイヤーバルキリーは、OVA『マクロスプラス』に登場する「YF-19」と同型機でありながら、その雰囲気は大きく異なる。ファイヤーバルキリーはその名の通り炎を思わせる真紅に塗装され、バトロイド形態では口が造型されている。それまでのミリタリー要素が強い『マクロス』シリーズの他のメカとはひと味違うメカなのだ。
「TINY SESSION VF-19改」は、デフォルメ体系でファイヤーバルキリーを再現、ファイター、ガウォーク、バトロイドの3形態に変形が可能だ。変形は一部差し替えだが、手足や機首などがダイナミックに動いて変形を行う。アニメの変形システムを可能な限り再現した「HI METAL-R」と比べるとシンプルではあるが、各形態をきちんと表現している。
そして本商品での大きなセールスポイントがバサラのフィギュアだ。こちらもデフォルメ表現だが、丸いサングラス、逆立つ髪、抱えたギターや衣装など、細かいところまでバサラを表現している。そしてバサラとファイヤーバルキリーを一緒に飾って"セッション"が楽しめるのが本商品の最大の特徴なのだ。次章からは「TINY SESSION VF-19改」の"変形"を紹介していこう。
3形態をきちんと再現できる優れた変形システム
それでは「TINY SESSION VF-19改」をファイター形態から、ガウォーク形態へ変形させていこう。まず最初はファイター形態から足を伸ばし、膝から下を曲げていく。ガウォークならではの鳥の脚のような"逆関節"でのシルエットとなる。
続いては上半身の変形。背中の支柱のロックを外し上に持ち上げることで機体と上半身を分離、さらに肩を動かして腕を前方に回す。
そして"垂直尾翼"だ。「TINY SESSION VF-19改」はデフォルメ表現のため大きな頭部があるが、ガウォーク形態ではこの頭部についているブレードを機体に取り付けると、かなり目立つ要素になる。「TINY SESSION VF-19改」のガウォーク形態ならではの特徴となってくれる。
これでガウォーク形態完成だ。VF-19のガウォーク形態の特徴は機体に対し、上半身ブロックが少し浮いており、正面から見ると胸の部分が見えるところ。「TINY SESSION VF-19改」でもこの要素をきちんと再現している。
次はバトロイド形態へ。再びロックを外し、背骨の支点に上半身を持ち上げる。背骨の基部を回転させ、機首を折り曲げ、上半身を機首にかぶせる。腰ブロックを折畳むと、ボディ部分が完成だ。
仕上げは背中と頭にそれぞれのパーツを差し込む。こうして「TINY SESSION VF-19改」のバトロイド形態の変形が完了となる。デフォルメならではの大きな頭部のディテール表現が楽しい。これだけ大きなファイヤーバルキリーの頭部フィギュアは今までもないだろう。ファイヤーバルキリーならではの特徴的な頭部をしっかりチェックできるのも楽しいところだ。
「TINY SESSION VF-19改」は、かなりアレンジが加わっているが、しっかりとVF-19の変形が楽しめる。「DX超合金」などでVF-19の変形フィギュアを持っている人こそ、「TINY SESSION VF-19改」の変形システムの見事なアレンジに驚かされるだろう。ぜひ多くの人に本商品の変形システムをチェックしてもらいたい。
次ページではフィギュアと機体の"セッション"を楽しんでいこう。
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