レビュー

「DX超合金YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機)」"変形"レビュー後編

独特なバトロイド形態、ファストパック、ハイ・マニューバ・モードへの変形も紹介

【DX超合金YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機)】

メーカー:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年6月29日発売予定

価格:38,500円

全長:約約280mm(バトロイド時)

素材:ABS、PVC、ダイキャスト製

 「DX超合金YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機)」を待ち望んでいたファンは多いのではないだろうか? YF-21は「マクロスプラス」に登場する可変戦闘機で、「YF-19」と共にもう1つの主役機だが「DX超合金マクロス」シリーズにおいて、YF-19は2018年に発売されているのだが、YF-21は今まで商品化されなかった。

 今回、ついに「DX超合金マクロス」シリーズにおいてYF-19とYF-21を並べることが可能となった。本稿では「DX超合金YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機)」"変形"レビュー後編として、商品の魅力を深掘りしていきたい。

 「DX超合金YF-21(ガルド・ゴア・ボーマン機)(以下、DX超合金YF-21)」は初見だとちょっと複雑な変形機構を持っている。このため、弊誌ではサンプルを借り、前編・後編の2回にわたり変形のメカニズムを中心としたレビューを行うこととした。

 前編ではYF-21の基本的な設定と、ファイターからガウォークへの変形手順を紹介した。後編ではガウォークからバトロイドへの変形。さらには追加装備の「ファストパック」、ハイ・マニューバ・モードへの変形を紹介していきたい。ぜひ前編と合わせてお楽しみいただきたい。

 今回はさらに筆者が持っている「DX超合金 VF-19ADVANCE」との撮影もしてみた。VF-19ADVANCEは「劇場版マクロスF サヨナラノツバサ」に登場する機体で、厳密には「マクロスプラス」のYF-19とは別機体なのだが、外見はそっくり(マーキングなどが異なる)なため、YF-21 VS YF-19の雰囲気は味わえる。おまけとして楽しんでいただければ幸いだ。

レビューではおまけとして「DX超合金 VF-19ADVANCE」を使い、「マクロスプラス」の劇中を意識して並べてみた

 なお、公式のマニュアルも一緒に見るとより細かく変形システムがわかるので、ぜひ活用して欲しい。

・DX超合金YF-21 マニュアルダウンロード

ゼントラーディ技術が色濃い、独特のプロポーションのバトロイド

 YF-21はエンジンやステルス技術、ピンポイントバリアシステムなど、YF-19同様作中の最新技術を盛り込んだ試作機だが、YF-19以上に「ゼントラーディー」の技術を投入している。

 YF-21のその傾向がはっきりわかるのがバトロイド形態である。YF-21のバトロイドのプロポーションはゼントラーディーのバトルスーツ「クァドラン・ロー」に近いバランスとなっている。大きなバックパックにエンジンを搭載し、足の付け根が胴体中央近くにある腰高なプロポーション、このプロポーションはクァドラン・ローに搭載されていた慣性制御装置を使用しているためだという。

【バトロイド形態】
細長い手足、大型のバックパック、足の付け根が人体より上側に位置する独特のプロポーション
【クァドラン・ロー】
ゼントラーディー(メルトランディ)のバトルスーツ「クアドラン・ロー」。異星人の兵器らしいデザインだ。画像はハセガワのプラモデル「クァドラン・ロー “ミリア”(劇場版)」

 前回でファイターからガウォークへ変形させた「DX超合金YF-21」だが今回はガウォークからこのバトロイドへ変形させていく。バトロイドへの変形には最初に「コクピット」を変形させる。バトロイド時YF-21は機首が垂直になり、パイロットは機首ではなく、それまで天井だった部分、キャノピーを正面にする。さらにキャノピーは強度を増すための装甲で覆われる。

 「DX超合金YF-21」はコクピットを組み換えることで、設定通りパイロットがキャノピーを正面にした形で座らせることができる。キャノピーパーツも透明だった部分が黒く変わった装甲状態のパーツが用意されており、コクピット回りの強度が上がったことが視覚的に確認できるようになっている。

【コクピットの変形】
ガウォークから変形させていく
キャノピーを開け、キャノピーパーツを取りはずす
コンソールを収納し、パイロットシートを組み換え、パイロットであるガルドが寝そべっているように配置
透明部分が黒い装甲に覆われたバトロイド用キャノピーを取り付ける

 次の変形は足だ。ガウォークでは逆関節に曲げていた足を真っ直ぐにし、延長していた足首は押し込む。次は機首を折り曲げる。ツメかけ部分を引き出し、ここに折り曲げた機首を固定する。その次は頭部ブロック。引き出して首部分を露出させた後、首の基部を機首の折り曲げ部分にかぶせるように移動し、凹凸を合わせしっかり固定する。

【足・胴体の変形】
足を真っ直ぐにする
延長していた足首を押し戻す
胴体部のツメを出す
機首を折り曲げ胸にくっつける
首の基部を機首部分の溝にしっかり合わせて固定させる

 ここから機体後部を折曲げていく。背中のブロックを機体から離した上で、上方向に移動。そしてエアインテーク部分を支点にバックパックを持ち上げながら折り曲げていく。この時バックパック内側のグレーの「クランクフレーム」を引き起こし、接続用の凸部分をはめ変える。これによりバックパックが本体から少し離れた位置で固定されるようになる。

 そしてガウォーク時以上にバックパックをコンパクトにする。隙間を埋めていたシャッターパーツを引っ込めた上で、エンジンブロックごと前進させる。さらに主翼をバックパック内側に折畳む。また内側には「バトロイド用ジョイント」を取り付ける。このパーツによりバックパックの位置がより安定するのだ。

【バックパックの変形】
背中ブロックを上に移動
機体を折り曲げ変形させていく
バックパックのロック部分、灰色の「クランクフレーム」の取り付け位置を移動させる
クランクフレームの穴部分を赤丸の凸部分から、水色の丸の凸部分へ移動
移動させることでバトロイド時のバックパックの位置が定まる
バックパックのエンジンブロックをさらに押し込みコンパクトに。主翼を内側に折畳む
バックパック内側に「バトロイド用ジョイント」を挿入する

 ここから胸ブロックの移動となる。ちょっとコツがいるところで内側の灰色のパーツを水平に持ち上げる必要がある。胸ブロックを掴んで垂直になっている接続パーツを水平にするのだが、最初はちょっと固いかもしれない。説明書には透過図もあるので、これを参考に動かしていこう。胸の位置が決まったらジョイントパーツを腰部分に接続、バックパック上部も調整する。

【胸部分の移動】
バトロイドへの変形のクライマックスと言える胸部分の移動。ガウォークからの変形時は、胸ブロックは胴体の中央近くにある
胴体と胸ブロックを繋いでいる灰色のパーツを水平にすることで、胸ブロックを上側に移動させる。最初は接続部分がちょっと固い。付け根と胸ブロックの接続部分両方がきちんと動くように意識したい
バトロイド用ジョイントをしっかり胴体側にはめる
胸ブロックの位置とバックパックの位置を調整する

 最後にエアインテークにカバーを付け、顔部分を引き出す。最後は足の付け根を引き上げて変形完了だ。 赤いセンサーパーツが目を惹く、ちょっと悪役っぽい顔をしたYF-21のバトロイド形態が完成となる。次ページから全身をチェック、ポーズを取らせていこう。

【変形完了】
顔を引き出し、インテークにカバーを付けて変形完了だ