レビュー

「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022 バイブラントレッド」レビュー

簡単に組めてカッコイイ! アオシマが提示する新次元プラモデル

【R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022 バイブラントレッド】

メーカー:アオシマ

2024年10月30日発売

価格:3,740円

スケール:1/24

全長:195mm

 アオシマが発売したプラモデル「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022 バイブラントレッド(以下、GT-R NISMO Special edition)」は、「楽プラ スナップカー」の第2弾。簡単に組立ができて、カープラモデルとしてのこだわりもたっぷりの商品だ。

 アオシマは「スナップキット」で簡単に組み立てられ、しっかりした仕上がりになる新しいプラモデルフォーマットを提示した。「スナップカー」は、「スナップキット」の手法を取り込み、「簡単に組み立てられ、表現にもこだわった新しいカープラモデル」に挑戦するブランドだ。

 今回、「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022 バイブラントレッド」を組み立てることで、そのプラモデルコンセプトや、かっこよさをレビューしていきたい。

2022年の「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition」を簡単に組み立てられるプラモデルだ

アップデートを繰り返すGTR R35型に、最先端レーシングテクノロジーを投入!

 最初はモチーフとなる「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022」を紹介したい。モチーフとなるのはNISSAN GT-R NISMO 2022年モデル。

 R35はV型6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載、駆動方式は4WD。エンジン出力やサスペンションなどは2007年のモデルからマイナーチェンジごとに改良を加えられている。そしてNISSAN GT-R NISMO 2022年モデルは、レーシング活動も行っているNISMO(日産モータースポーツ)の最先端レーシングテクノロジーが導入されている。

 ダウンフォースを追求したエアロパーツ。軽量化を求めたNISMO専用カーボン製エンジンフード。高精度重量バランスエンジン部品を採用することで、安定性も追求。さらに鮮やかな赤いカラーが入ったバケットシートなど、レーシング仕様にこだわった内装も施されており、パフォーマンスだけでなく、雰囲気、世界観も追求した車となっているのだ。

ボックスアート。「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022」は、GT-R R35型にNISMOの最新レーシングテクノロジーが導入されている

 プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」はこの非常にカッコイイスーパーカーを自らの手で組み立て、その魅力に触れることができる商品である。次章でパーツを紹介し、組み立てていこう。

簡単にカッコ良く組み上がる「GT-R NISMO 2022 Special edition」

 プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」のランナー数は17と多いように感じるが、各ランナーのパーツは少なく全体的にシンプルだ。

 銀メッキやクリアパーツなどが多く、「マテリアル感」を強調、組み合わせることで最小限のパーツで車の雰囲気を再現している。カーボン製のエンジンフードや、輝くライト、スポークの中からのぞく黄色いブレーキキャリパーなど、モチーフの魅力を効果的に表現している。

【パーツ】
パーツ図。各ランナーのパーツ構成はシャーシ、ボディなどで分けられておりとても組み立てやすい
1パーツのボディー。艶やかに磨かれている
ランナーの数は多いが、パーツ数は少なく簡単に組み立てられる
クリアパーツ
色分けも細かく、無塗装でもイメージに近く組み立てられる

 本商品は「気軽にカーモデルを組み立てたい人」と共に、「本格的に仕上げたい人」も対象にしている。手軽に部分塗装ができる「シール」だけでなく、「水転写デカール」も同梱されており、塗装して質感を向上させ、マークなど細かいところをデカールでカバーするという組み立て方も可能だ。今回はシールで組み立てた。

【シールとデカール】
エンブレムや細かい彩色をカバーするシール。耐久性も高く、貼り直しもできる
塗装派用のデカール。作り込みも可能なプラモデルなのだ

 それではここから組み立てていこう。最初は前輪の組み立て。「スナップキット」では動かなかった前輪が、本シリーズでは可動するようになっている。ホビーショーで開発者に話を聞いたのだが、「ステアリングを切った姿が、車の表情がしっかり出る」という想いを受けてのものだという。構造そのものは非常にシンプルだが、前輪がしっかり曲がるのは本商品のセールスポイントだ。

 前輪、後輪を組み入れていく。前輪はステアリング機構が組み込まれているが、後輪シャーシにシャフトを通し、ブレーキディスクのパーツをくぐらせた上で、両端をタイヤで止めるシンプルな構造だ。車体裏の構造はモールドで表現している。注目ポイントはホイールからのぞくディスクブレーキ。特徴的な黄色のブレーキキャリパーを成型色で、ディスク部分をシールで再現している。GT-R NISMO 2022 Special editionのデザインとしての大きなアクセントの表現に力を込めているのがわかる。

【シャーシ】
前輪はステアリングがきれる構造
シャーシに組み込む
シャーシ裏はモールドでメカを表現
特徴的なブレーキディスクがのぞく

 次は車内だ。こちらもモールドで表現は凝っているが組立は簡単。「スナップキット」でおなじみのバスタブ型コクピットとなっている。GT-R NISMO 2022 Special editionの大きな特徴である、レーシング仕様の赤いシートのカラーリングはシールで表現。配置することで雰囲気はバッチリ決まる。

【コクピット】
「スナップキット」同様の、1パーツを折畳む形で組み立てるコクピット
計器類はシールで表現
シートの赤はシールで表現
シートやハンドルレバーなどを取り付け、パーツを折畳んでコクピット完成

 次はボディ。ツヤのある赤いボディにシールや、光沢を放つルーフ部品を取り付けることで鮮やかな赤と黒のツートンカラーになっていく。次は窓枠だ。クリアパーツの窓にシールを貼っていく。塗装では難しい表現もしっかりできるのがシールの利点だが、貼る面積が大きい割にシール自身は細いため、組立で苦労する部分でもある。ただ、商品のシールの耐久力は高く、貼る位置を間違ってももう一度剥がし、くっつけることも可能だ。

 窓をボディに取り付け、細部の部品を取り付けていく。プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」ではダクト部分など特徴的な外見を色分けの部品で表現している。このため塗装しなくてもしっかりモチーフに近いイメージで組み立てられる。

【ボディ】
赤いボディにシールを貼り、ルーフを取り付ける
赤と黒のコントラストが美しい
ちょっとだけ難易度が高い窓枠シールの貼り付け
ボディに組み込む

 また、銀メッキのパーツをベースにしたフロントライト、銀メッキにクリアパーツ、赤のクリアパーツを重ねるブレーキランプの表現も見事だ。少ないパーツでリッチな雰囲気を出す手法は「スナップキット」からのフィードバックを強く感じさせる所だ。

 特徴的なエアインテーク取り付けてから、これまで組み立ててきたシャーシ、コクピット、ボディを組み合わせる。リアウィング、リアバンパーを取り付ければ車本体の組み立ては完了。最後に細かいシールを貼っていく。次章で完成した姿、そしてディテールを見ていこう。

【細部を組み付け、完成】
パーツによって、しっかり色分けされる
メッキパーツでライトを表現。特徴的なエアインテーク
テールランプやリアウィングを取り付ける
カーボンボンネットを取り付け、さらに細かいシールを貼って完成だ

黒と赤のツートン、スポーティーなシルエットを完成したプラモデルで楽しむ

 ここからは完成したプラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」を見ていきたい。筆者が組み立てたのはバイブラントレッド。落ち着いたちょっと暗めの赤がメインカラーで、黒が映える。輝くヘッドライトや、ディスクブレーキのシルバー、室内の赤いシートなどプラモデルを手に持ち、様々な角度で見つめるだけでも楽しい。全体とディテールを見ていこう。

完成した「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022 バイブラントレッド」。簡単な組み立てだが、完成した質感は高い。無塗装だが、しっかり色分けがされている
前面
側面
背面
エアインテークの赤い色はシールで表現。GT-Rのエンブレムが銀色に輝く
GT-Rならではの丸いテールランプ銀のスポイラーがアクセントになっている
後ろ姿もカッコイイ
前輪を曲げると表情が出る
黄色のブレーキキャリパーは大きな特徴だ
室内をのぞき込む
各部のアップ。無塗装、簡単組立で満足感の高い仕上がりになる

 プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」は、非常に組み立てやすく、高い満足感が味わえるキットだ。組み上がったプラモデルを手の中で眺め、細部をチェックし、内部をのぞき込んでいるとそのリッチな質感に感心してしまう。

 一回組み立ててみれば、そのシンプルなパーツ構成と、練られた部品分割、考えられたシール配置にも驚かされるだろう。できるだけハードルを下げながら、カッコイイ車の姿を追求する。シールに限った話をすれば、「スナップキット」よりもシールで車体の塗装をカバーする要素は減っており、貼りやすい。

 プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」は初心者からモデラーまでオススメの商品だ。これからの展開にも大きく期待したい。

簡単に組み立てられて、カッコイイ。カープラモデルの進化を感じさせる商品だ