レビュー
EMG JAPAN(KA)電動ガン「TROY Industries SOCC 10.5" AEG - Black」レビュー
本格電子トリガー搭載! 集弾性など基本性能高く扱いやすい
2024年12月21日 00:00
- 【TROY Industries SOCC 10.5" AEG - Black】
- 12月21日発売
- 希望小売価格:56,800円
- 全長:719~783mm
- 銃身長(インナーバレル):275mm
- 重量:2,644g(マガジン、バッテリー除く)
- 弾丸:6mm BB
- 装弾数:250発
- 指定バッテリー:7.4Vリポバッテリー(後方配線、Tコネクター、ショートスティックタイプ推奨)
- 種別:アサルトライフル
最近の電動ガンでは、もはや電子トリガーが必須装備となった感がある。トリガーレスポンスや耐久性の向上、高度なカスタマイズ性を実現する電子トリガーは、特にサバゲーで勝つためにぜひ装備したいアイテムだ。一方で、スマホと連携が取れるような本格電子トリガーを搭載した電動ガンはまだまだ高いと考えている方も多いことだろう。
そんな方にお勧めしたいのが、今回レビューする「TROY Industries SOCC 10.5" AEG」(56,800円)だ。本製品は、GATE製電子トリガー「ASTER V2」を搭載。高度な設定が可能な「ASTER V2」を採用しつつ、TROY Industriesのアサルトライフルをフルアルミ製のレシーバー、ハンドガードでモデルアップ。細身のボディー、適度な長さは、インドア、アウトドアを問わず取り回しやすい使い勝手を実現している。
今回は本製品のスペック、使い勝手、気になる戦闘力について実機レビューをお届けしよう。
実銃メーカー・TROY Industriesの正規ライセンスを取得した電動ガン
TROY Industriesは米国の銃器・銃器部品メーカー。アサルトライフルや、その関連パーツを開発・製造している。今回の「TROY Industries SOCC 10.5" AEG」は、同社の正式ライセンスを受けたレシーバー、ハイダー、ハンドガード、マガジン、フロント・リアサイトなどを装備。また、腕に固定するためのバンドを装備したブレースタイプのストック(EMG製)が装着されている。
今回レビューするのは10.5インチのブラックモデル。このほかにも、7.6インチ(55,800円)、15インチ(57,800円)、10.5インチのDark Earth(56,800円)も同時展開される。独特なデザインの「Tグリップ付きTroy 250ラウンドマガジン」も、2個入りが8,800円、3個入りが11,800円で購入可能だ。
TROY Industriesの公式サイトには魅力的なアクセサリー群が多数掲載されているが、それらのエアガン版パーツをふんだんに組み込んだのが、今回の「TROY Industries SOCC 10.5" AEG」となっている。
日本国内では、桑田商会(日本)とV production(台湾)が協業して設立したEMG JAPAN(KA)が12月21日に展開予定。開発・製造は台湾のキングアームズが行なっている。なお、EMG JAPAN(KA)とはキングアームズのことである。
フルアルミ製ボディーはラフに扱えるタフネスさを備えている
早速だが、電動アサルトライフルとしての「TROY Industries SOCC 10.5" AEG」のスペック解説に入る。
全長はストック折り畳み時で719mm、ストック展開時で783 mm。銃身長(インナーバレル)は275mmと長め。重量はマガジン、バッテリーを除いて2,644gだ。
ボディーは前述のとおり、レシーバー、ハンドガード、アウターバレル、ストックのすべてがメタル製。ストックにはある程度の遊びがあるものの、それ以外の箇所の剛性は高く、キシミやタワミは感じない。フルアルミ製なのでぶつければもちろんキズは入るだろう。しかし、ある程度ラフに扱っても故障しないだけのタフネスさは備えていると言える。
パッケージには、本体、マガジン、ユーザーカードが同梱されている。詳細な説明書は製品ページからダウンロード可能だ。説明書については説明書ページへのリンクが記載されたQRコードが付属する。なお、ASTERのプログラミングに関してはカード状(名刺のような紙素材)のものが同梱される。
「Tグリップ付きTroy 250ラウンドマガジン」は、スプリング給弾式ながら250発のBB弾を装填可能。また、マガジンポーチから簡単に取り出せる「Tグリップ」を下面に装備しているほか、グリップ力を高めるウロコ状パターンが側面に施されている。
指定バッテリーはTコネクターを備えた7.4Vリポバッテリー。バッテリーサイズはショートスティックタイプが推奨されており、ストックパイプ内に収納する後方配線となっている。今回はBATON airsoft製「電動ガン用リポバッテリー 7.4v 1100mAh [40C - 20C] ショートスティック」(実測100×20×18mm)を使用したが、無理なく装着できた。
□EMG JAPAN(KA)「M4/AR15 AEG」シリーズ取扱い説明書
銃本体の実測重量は2,644g、マガジンの実測重量は197g、本体+マガジン+バッテリーの合計重量は実測2,891g。本製品は細身だが、ハンドガードやアッパーレシーバーもメタル製なので、ぱっと見のイメージよりは重たく感じられる。
電子トリガー「ASTER V2」は手軽にプリコックモードを切り替え可能
本製品に搭載されている電子トリガーは前述した通りGATE製「ASTER V2」。「ASTER V2」にはトリガーとセレクターを使用したセットアップ機能が用意されており、エアガンだけで「発射モード」、「プリコッキング」、「バッテリー保護」、「アクティブブレーキ」、「アドバンスモード」などの設定が可能となっている。
発射モード
1.SAFE - SEMI - AUTO
2.SAFE - SEMI - BINARY
3.SAFE - SEMI - SEMI
4.SAFE - SEMI - BURST
5.GCS Setting
プリコッキング
1.OFF
2.LOW
3.MID
4.HIGH
5.GCS Setting
バッテリー保護
1.OFF
2.LiPo
3.LiPo 3.2 V Warning
4.GCS Setting
アクティブブレーキ
1.Adaptive
2.100%
3.60%
4.OFF
5.GCS Setting
アドバンスモード
1.トラブル診断(DTC)
2.トラブル診断(DTC)をクリア
3.デフォルト設定に戻す
4.工場出荷時の設定を復元
5.トリガー感度を設定する
また、「クイックセレクト」というプリコックモードを素早く切り替える簡易機能が用意されている。セレクターがSEMIに入っている状態でトリガーを引いてAUTO→SEMIと切り替えると「プリコックAUTO」、AUTO→SEMI→AUTOと切り替えると「プリコックMANUAL」、AUTOに切り替えると「プリコックOFF」に変更できる。この「クイックセレクト」なら、フィールド入場、退場の際に手軽にプリコックモードを変更可能だ。
なお、「クイックセレクト」についてはEMG JAPAN(KA)による解説動画が用意されている。設定前には必ずチェックしてほしい。また、プリコック設定は必ずフィールド指定の場所で弾抜きをしてから、空撃ちが可能な場所で行なおう。セーフティーエリアでの空撃ちは多くのフィールドで一発退場となるし、なによりも事故の原因となる。くれぐれも注意してほしい。
「ASTER V2」は、「GATE USB-Link GATE Control Station」(USB接続、Android対応、実売価格7,000円前後)、「GATE Blu-Link for GATE Control Station」(Bluetooth接続、iPhone/Android対応、実売価格14,000円前後)を装着すれば、スマートフォンからきめ細かな設定が可能となる。また、定期的にリリースされるファームウェアをインストールし、「ASTER V2」をアップデートできる。「ASTER V2」を最大限に活用したいのならひとつ入手しておいたほうがいい。
サバゲーでの使い勝手も良好。リアルなスパイク付きハイダーが魅力的
本製品は、電子トリガー以外の、電動エアソフトガンとしての使い勝手も良好だ。ホップアップダイヤルがドラム式で、チャージングハンドルを引くとエジェクションポートは開いたままになり、ダイヤル調整がしやすい。、下回転でホップ強、上回転でホップ弱となる。なお、ホップの方向は書かれていないので気を付けてほしい。
アイアンサイトについては、デザインはよいが、やや使いにくいというのが率直な感想。というのも、工具が同梱されていないからだ。アイアンサイトを使う方は工具を購入しておくといいだろう。リアサイトは2段階で穴の位置を左右に調整可能。フロントサイトは高さを調整できる。
グリップは、径の中央部分が実測135mm。前面・後面と、左右側面で異なるチェッカリングが施されており、素手でもグローブごしでもしっかりとホールドできる。個人的には握りやすいグリップだと感じた。
ストックは、長さを5段階に調整可能。日本人の一般的な体格であれば、適切な長さに調整できるはずだ。一方、本製品の売りである、腕に固定するためのバンドを装備したブレースタイプのストックは、デザイン的にはよいが、腕への固定はあまり実用的ではない。とは言えストックとして使いにくいわけではないので安心してほしい。
また、バレル先端にはリアルさを追求して作られたスパイク付きのハイダーが取り付けられている。金属製なので見た目だけでなく物理的に攻撃力が高い。サバゲーで使う際には出会頭などでの接触に気を付けてほしい。
ぶれの少ない初速、30mで手や肘を狙える集弾性を実現
最後に「TROY Industries SOCC 10.5" AEG - Black」の実性能をチェックしていく。まず初速については0.20g弾(すべて東京マルイ製ファイネストBB)の最弱ホップで97.3~97.8m/s、最強ホップで81.5~82.3m/s、0.25g弾の最弱ホップで86.3~86.9m/s、最強ホップで68.6~69.6m/sとなった。
なお、貸出機の初速が高めだったのでメーカーに確認したところ、製品版ではすべて検品して90m/s前後を目標に調整しているとのこと。というわけで本稿における初速については参考に留めてほしい。とは言え、初速のぶれの少なさについては製品版でも継承されている可能性が高いはずだ。
連射速度については1秒間に16.695発(1001.7rpm)となった。あまりに速すぎてもサバイバルゲームではオーバーキルとなって使いにくい。適度な連射速度と言える。
トリガープルは5回の平均値で1.134kgとなった。トリガープルについては好みが分かれるが、1.134kgは誤操作しにくく、セミでの連射もしやすいちょうどいい設定だと思う。
射撃音はセミオート時で平均90.79dBA、フルオート時で103.2dBAだ。音自体は電動ガンとしては平均的だが、ややバネ鳴りが気になった。プリコックをオンにすればかなり低減されるが、それでも少し残る。
エアガンにとって最も重要な集弾性能だが、結果から述べると非常にまとまりがよかった。0.20g弾でも30mでヘッドショットを狙えるが、0.25g弾ではさらにふた回りほど着弾がまとまる。0.25g弾であれば30m先に薄く出てきた相手プレーヤーも十分狙えるだろう。ホップ調整も5回前後で合わせられたので、エアガン初心者にも扱いやすそうだ。
基本性能が高く、本格電子トリガーは単体でもきめ細かに設定可能で使いやすい!
本製品は非常に扱いやすい電動ガンだ。初速のぶれが少ないこともあり集弾性能が高く、プリコッキングを有効にすればキレのいい射撃を楽しめる。またプリコックモードにAUTOとMANUALが用意されているので、プリコッキング初心者はAUTO、中~上級者はMANUALと使い分けられる点もユーザーフレンドリーだ。
「クイックセレクト」を使えば、慣れれば数秒でプリコックをオンオフできる点も使い勝手がいい。個人的にはもう少し短いほうが好みだが、そのようなユーザー向けには7.6インチモデルが用意されている。
「TROY Industries SOCC 10.5" AEG - Black」は、本格電子トリガー搭載機初心者のための最初の1台として、魅力的な1台と言える。
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