レビュー
「ミニ四駆サンタクロース」レビュー
鈴の音の代わりにモーター音を響かせ、サンタクロースが爆裂疾走する
2024年12月3日 00:00
- 【ミニ四駆サンタクロース】
- 11月30日 発売
- 価格:1,320円
2020年のコロナ禍による「おうち時間」の増加に伴い、ミニ四駆ブームが起きた。1990年代に「ミニ四駆」を経験した親世代が子供たちと一緒に楽しんでいるからとしているが、秋葉原の量販店でミニ四駆コーナーに立ち寄ると、明らかに20代のファンを見かける。かなり幅広い年齢層で人気が再燃しているようだ。
筆者は1990年代当時「ミニ四駆」を遊んだことはなかったが、ごく最近になって友人たちが秋葉原のサーキットでマシンを走らせており、カーボンを加工するのにもハマっている……ということを聞いて手を出した。
すると非常に面白い。まだ1度も走らせたことがないのに自分のマシンの改造にハマった。2024年5月に発売された「クロススピアー01」と「VZシャーシ ファーストトライパーツセット」を組み込んでカッコよくしたのち、また「カッコいいから」という理由で「マスダンパーセット」を組み込んだ。
まだ走らせたことがないが沼には沈みながら、新しいマシンは気になるし、手に入れたい。触ったことのない性能らしいならなおさらだ。今回は11月30日に発売されたクリスマス仕様のミニ四駆「ミニ四駆サンタクロース」を組み立ててみる。くしくも本製品は筆者が組み立てた「クロススピアー01」のシャーシ、「VZシャーシ」の前世代機「VSシャーシ」だった。奇妙な縁も感じつつ、組み立てた際の楽しみをレビューしたい。
パーツのシンプルさが確かな魅力。赤白緑のクリスマスカラーがまぶしい
「ミニ四駆サンタクロース」はクリスマスにサンタクロースがマシンを駆り疾走する姿をモチーフとしたシーズナル製品だ。赤と白、そして緑成形のプラで構成されており、加えてミニ四駆を走らせるのに必要なメカ各種と、ボディを飾るシールが付属する。
「ボートテール」と呼ばれる、すぼまった形状のリヤエンドを持つボディはメタリックグリーン成形でプレゼントのラッピングのようだ。またシャーシと、ホワイト成形でローラーやリヤステーなどを構成するAランナーはABSパーツで剛性と柔軟性を兼ね備えている。サイズは全長147mm、全幅88mm、全高53mmとなっている。
早速組み立てていこう。シャーシと車軸の間に挟まるリングはAパーツなのでホワイト成形だ。摩擦にも強いABSのため、しっかりとグリスを塗り込んでおけば滑りもいいだろう。
ホイールもレッド成形で、形状はVスポークだ。タイヤはホワイトのハード大径バレルでクラシックカーラリーに出走しそうな年代物のマシンを思わせる。ハードとはいえ確かな粘りがありそうなゴムで、グリップ力が高そうに感じる。
メカに関わる部分もホワイトなので、雪が積もった真冬を走るマシンのような印象を与える。サンタクロースがこのマシンに乗って爆走しながらプレゼントを配る姿、なんともカッコいいではないか。
モーターやメカに関わる部分は取り外しやすくしつつ、それでいてしっかりとパーツがはまって保持力が高いのがいい。後々のカスタマイズも視野に入れて設計されているのがよく分かり、カスタマイズが楽しみになる。
ステー(つっかえ棒)とローラーの取り付けにはドライバを使用する。筆者は直径3mm程度の精密ドライバーを使用しているが、カスタマイズも考えると頻繁に使うため用意しておくとよい。
ステーとローラーを取り付けると、ミニ四駆らしさがさらに上がる。「つっかえ棒」と訳されるステーはその名の通りコースのつっかえ棒として役立ち、端にローラーを装着することで走破性能を高める。ミニ四駆は真っすぐにしか走れないので、このステーを引っ掛けることでカーブを無理やり曲がる仕様だ。
ボディは部分的に塗装、作例に近づける
ボディは本体、ライト、サンタクロースを乗せるシートの3パーツで構成されていて、作例を再現するにはある程度塗装が必要だ。今回は一部マスキングしたのちタミヤカラー「LP-11 シルバー」で塗装し、メタリックグリーン部は成形色が鮮やかでカッコよかったため、そのままでシールを貼ることで完成させる。
いざ完成させてみると、メタリックシルバーとグリーンで彩られたボディが鮮やかで、レッドのシャーシもあいまって強いクリスマスらしさを感じる。これに「マスダンパーセット」を鈴のように見立てて取り付けたり、色鮮やかなビス留めをオーナメントだと思って組み込めばさらに鮮やかでクリスマスらしくなるはずだ。
76gの軽量マシン。実際の走りに期待
組み立てた上で電池を抜いた状態の重量はなんと76g。筆者が組み立てた「クロススピアー01」が「ファーストトライパーツセット」、「マスダンパーセット」込みで100gだったため、さらに軽量で速度が出そうなセットといえるだろう。実際に走らせるのが楽しみだ。
大人になってから初めてミニ四駆に触れた身としては、プラモデルのようにボディを組み立てるのも、実際に動くメカを組み立てる部分も、部分塗装も何もかもがワクワクした。自分の手で動くマシンを組み立て、カッコよく完成した姿を見て、ときめかない人はいないはずだ。早くこれに電池を入れて走らせたい。
コースは、筆者の足で簡単に向かえる場所といえばやはり新橋の「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」、もしくは「エディオンAKIBA」だ。「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」はサーキット設置店で、実際にミニ四駆を走らせて遊べるようだ。専用の販売コーナーもあるため、すぐにでも足を運びたい。
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