レビュー

「HG ヴァイスリッター」レビュー

オクスタン・ランチャーも細かい色分けで再現!『スパロボCOMPACT2』主人公機がプラモデル化

【HG ヴァイスリッター】
発売元:BANDAI SPIRITS
価格:4,950円
発売日:2025年3月8日
ジャンル:プラモデル
サイズ:全高約170mm

 『スーパーロボット大戦』シリーズには、様々なロボットアニメの機体だけでなくゲームオリジナルの魅力的な機体も多く登場します。オリジナル機体の中でも「ゲシュペンスト」をベースとした機体は種類も多く、人気のある機体も数多く存在します。本記事では、そんなゲシュペンストをベースに開発された機体「ヴァイスリッター」を立体化した、2025年3月8日発売のプラモデル「HG ヴァイスリッター」を紹介します。

背面のテスラ・ドライブも可動します。

ゲシュペンストMk-Ⅱを改造したカスタム機

 ヴァイスリッターは『スーパーロボット大戦』シリーズに登場するパーソナルトルーパーです。オクスタン・ランチャーを使用した実態弾およびビーム射撃とプラズマカッターを使用した近接戦闘を可能としています。本機の初出は2000年に発売されたワンダースワン用ソフト『スーパーロボット大戦COMPACT2 第2部:宇宙激震篇』の主人公機として初登場し、リメイク作となる『スーパーロボット大戦IMPACT』においても引き続き主人公機として活躍しました。

プラズマカッターも大型で湾曲刃のエフェクトパーツが付属します。

BANDAI SPIRITSの特徴ともいえるパーツ分割による色分けを極めたキット

 今回発売されるヴァイスリッターのキットはこれまでのBANDAI SPIRITS製キットと同様にパーツ分割による色分けが最大限発揮されるよう細かいパーツ分割がされています。また、スーパーロボット大戦シリーズのキットの特徴としてアクションベースが付属しています。

本シリーズの特徴となっているアクションベースも付属します。

左右対称形状は同一パーツにより効率化が図られたパーツ構成

 本キットのランナーにて、左右対称形状は同一パーツにより効率化が図られています。これまでのBANDAI SPIRITS製キットと同様にAランナーが多色成形ランナー、その他が単色成型ランナーとなっています。また、Bランナー、Dランナー、Fランナーは同一ランナーが2枚付属されており、本体を構成するランナーの他にアクションベース7のランナーが1枚付属します。

Aランナーは多色成形ランナーとなっています。
Bランナーは同一形状ランナーが2枚付属します。
Cランナーには左右で形状の異なるホワイトのパーツが成型されています。
Dランナーは内部フレームを構成しており同一形状ランナーが2枚付属します。
E1ランナーは脚部や肩部等の差し色となるブルーのパーツが成型されています。
E2ランナーは一部E1ランナーと同一パーツが成型されています。
サーベルエフェクトパーツは「MG 1/100 Gガンダム」の成型色違いパーツが付属しています。
本キットの一部はシールによる色分けとなっています。

塗装派にも配慮された成型色とパーツ分割がされた頭部パーツ

 頭部パーツの分割は塗装派にも考慮された合わせ目の発生しないパーツ分割となっており、アイパーツはクリアグリーンによる成型色となっています。アイ部分のブラックの色分けはシールによる色分けとなっています。

パーツ状態での頭部パーツ。合わせ目が発生しないパーツ分割となっています。
組み立てが完了した頭部パーツ。アイ部分はシールによる色分けです。

肩部関節に引き出し式関節が採用された胴体パーツ

 胴体部パーツの構成は各部色分けをパーツ分割にて再現されており、胴体側面の細かいイエロー部分までパーツ分割による色分けとなっています。また、肩部関節には引き出し式関節が採用されており、オクスタン・ランチャーを両手持ちできるよう配慮された設計となっています。

組み立て前の胴体パーツ。胴体側面のイエロー部分もパーツ分割による色分けとなっています。
完成した胴体パーツ。胸部ルーバーの色分けのみシールによる色分けです。

左右で形状の異なる腕部パーツ

 ヴァイスリッターの腕部は左右で異なる形状となっています。右腕部は前腕部が角張ったデザインに、左腕部は丸みを帯びたデザインとなっています。また、右腕部のハンドパーツには握り手、開き手の他にオクスタン・ランチャー持ち手とプラズマカッター持ち手が付属します。左腕部は武器持ち手が付属することはありませんが、差し替えで3連ビームキャノン展開状態が再現可能です。

右腕部のパーツ一覧。右腕部にはオクスタン・ランチャー持ち手とプラズマカッター持ち手が付属します。
組み立て済みの右腕部。前腕部が角張ったデザインになっています。
左腕部のパーツ一覧。左腕部は差し替えで3連ビームキャノン展開状態が再現可能です。
組み立て済みの左腕部。右腕部と異なり前腕部が丸みを帯びたデザインとなっています。
腕部の肘関節は90度程度可動させることが可能です。

可動時に動力チューブが露出する脚部パーツ。

 脚部パーツは股関節部関節と大腿部装甲以外は左右共通パーツとなっています。また、膝関節は2重関節となっており、可動時に動力チューブが露出する構造となっています。

パーツ状態での足部パーツ。同一形状のものを2セット組み立てます。
組み立てが完了した足部パーツ。エッジがシャープに仕上がっています。
組み立て前の脚部パーツ。股関節部関節と大腿部装甲以外は左右共通パーツとなっています。
組み立てが完了した脚部パーツ。各部の色分けは全てパーツ分割による色分けです。
膝関節は2重関節となっており、可動時に動力チューブが露出する構造となっています。

フロントアーマーがスイング可動する腰部パーツ

 腰部パーツのフロントアーマーは接続部にスイング可動が搭載されており、フロントアーマーの可動域を広げています。また、フロントアーマーは左右一体成型となっていますがニッパー等で分割することで左右独立可動が可能となっています。

組み立て前の腰部パーツ。フロントアーマーのモールドはシールによる色分けです。
組み立てが完了した腰部パーツ。フロントアーマーは左右一体成型となっていますがニッパー等で分割することで左右独立可動が可能となっています。
フロントアーマーは接続部にスイング可動が搭載されており、フロントアーマーの可動域を広げています。

4枚のテスラ・ドライブが独立可動するバックパック

 本機のバックパックは4枚のテスラ・ドライブが独立可動可能となっており胴体パーツとの接続はCジョイントによる接続となっています。左右のスラスターノズルは2個が一体となった形状で成型されていますが、分割して取り付けることも可能となっています。

パーツ状態でのバックパック。左右対称形状となっています。
組み立てが完了したバックパック。ヴァイスリッター本体と同等程度のサイズ感となっています。

大型武装も細かく造形されたオクスタン・ランチャー

 本機の主武装となるオクスタン・ランチャーは一部シールによる色分けとなっています。また、銃口部分は別パーツにすることで銃口内部に合わせ目が発生しない工夫がされています。

パーツ状態でのオクスタン・ランチャー。グリップガードの一部とマガジンの一部がシールによる色分けとなっています。
組み立てが完了したオクスタン・ランチャー。銃口部分は別パーツにすることで銃口内部に合わせ目が発生しない工夫がされています。

 また、その他武装パーツとしてプラズマカッターとスプリットミサイル用マウントが装備可能です。プラズマカッターはサーベルエフェクトが刀身の長い湾曲刃となっています。また、本キットにスプリットミサイル本体は付属しておらず、別売りのキットから流用する必要があります。

プラズマカッターはサーベルエフェクトが刀身の長い湾曲刃となっています。
本キットにスプリットミサイル本体は付属しておらず、別売りのキットから流用する必要があります。

 最後に本キット付属のアクションベースを組み立てます。本キットのアクションベースはクリアカラーにて成型されています。

付属するアクションベースはクリアカラーにて成型されています。

パーツ分割による色分けと可動を両立。『スパロボOG』最新キットとして「HG ヴァイスリッター」完成!

 これにてキットを構成するパーツは全て完成です。完成したパーツを全て組み合わせて完成したヴァイスリッターを見ていきましょう。最初に前後左右からキットを見ていきます。

ヴァイスリッターはゲシュペンストをベースとした機体なので、マッシブなスタイルをしています。
巨大なバックパックは本体と同等のサイズ感となっています。
オクスタン・ランチャーの全長はヴァイスリッター本体よりも大型となっています。
左腕の3連ビームキャノンは収納状態と展開状態で差し替え可能です。

 背面のテスラ・ドライブは展開の他、一部角度を変更でき、ポージングに合わせた形状で展示することが可能です。

オクスタン・ランチャーを構えてみました。アクションベースを使用することで空中戦闘を再現できます。
アクションベースの接続は腰部パーツに接続ジョイントがあります。
テスラ・ドライブは角度を調整することで様々な表情を再現できます。
肩部装甲にも可動軸があり形状を調整できます。
フロントアーマーもスイング可動により脚部の可動も問題ありません。

 ヴァイスリッターの腕部固定武装となる3連ビームキャノンは収納状態と展開状態を差し替えで再現することが可能です。

3連ビームキャノンは展開状態を差し替えで再現可能です。

 本機の近接武装であるプラズマカッターは刀身の長い湾曲刃となっておりポージングの幅も広がります。

プラズマカッターは刀身の長い湾曲刃となっておりポージングの幅も広がります。
肩関節は引き出し式関節が採用されているためポージングの幅が広がります。

 今回作成した「HG ヴァイスリッター」は最新キットらしいパーツ分割による色分けと優れた可動域を備えたキットでした。3連ビームキャノンは展開状態と収納状態を差し替えによる再現とすることでプロポーションの保った立体化がされています。可動域も十分広く、『スーパーロボット大戦』シリーズの戦闘アニメーションのような各種ポージングを再現するのが楽しいです。

 2021年から展開がスタートした『スーパーロボット大戦OG』のプラモデル化も随分とシリーズが進み充実してきました。ヴァイスリッターの相棒である「HG アルトアイゼン」をはじめ、キットを集めて様々なポージングをさせ、ジオラマ風に展示してみても面白いと思います。