レビュー

「MODEROID 相州五郎入道正宗」レビュー【装甲悪鬼村正】

重厚な外観に多彩なギミックを内包して“正義”の劔冑が立体化

【MODEROID 相州五郎入道正宗】
開発・発売元:グッドスマイルカンパニー
2025年10月7日 出荷
価格:8,800円
ジャンル:プラモデル
サイズ:頭頂高約160mm

 グッドスマイルカンパニーは、アドベンチャーゲーム『装甲悪鬼村正 -FullMetalDaemon MURAMASA-』より「相州五郎入道正宗」をモデルキットシリーズ「MODEROID」で立体化。10月7日より出荷を開始した。

 「相州五郎入道正宗」(以下、「正宗」)は『装甲悪鬼村正 -FullMetalDaemon MURAMASA-』に登場する劔冑(ツルギ)で、仕手(使い手)はヒロインの一人、綾弥一条。古来の製法によって造られた真打劔冑で、“正義”を信条とした魂を宿し、綾弥一条とともに正義を貫く戦いに身を投じる。

 直線的なシルエットに雄々しい兜や陣羽織のような造形を持ち、背中には飛行を可能とする推進機構の合当理(がったり)を持ち、濃藍を基調としたカラーリングで分厚い鉄塊のような鎧武者のような姿となっている。

MODEROID 相州五郎入道正宗

 劇中では綾弥一条が装甲(身に纏う)し、正義のため数多の劔冑と戦う。剣戟による戦術の他に正宗七機巧を持ち、肉を割き、骨を砕き、鋼とする文字通り粉骨砕身の技を持つ。自らを武器として使用するもので、並みの仕手では扱いきれない代物となっていた。

 しかし、“正義”を貫徹するため綾弥一条は「正宗」とともに戦い、そして、彼女の正義を否定した主人公・湊斗景明と三世勢州千子右衛門尉村正と激突する。

 また、劇中では天牛虫型の独立形態としても登場している。

 本稿では「MODEROID」シリーズで再現された劔冑「正宗」の魅力に迫る。

重厚感ある濃藍の成型色と存在感あるパーツサイズ

 最初はパッケージをチェック。イラストは雪の中、太刀を抜いた正宗が描かれている。重厚感ある劔冑ならではの存在感を放つ。

 背面には完成見本が掲載され、アクションポーズや商品仕様が記載されている。

【パッケージ】

 中にはランナーが合計21枚で素材はABS、PSとなっている。取扱説明書は2種あり、組み立て解説とデカールガイド、パーツリストとなっている。また、塗装済みパーツとして前立てパーツが一つ付属している。

 成型色は濃藍を中心に黒や白、ガンメタルカラーで構成されている。またランナーには一部塗装パーツがあり、頭部の目元や首元の色分け、太刀、脇差の刀身がそれぞれ塗装されている。

 本キットでは劇中の騎航(飛行)姿勢を再現できる専用台座も付属している。

 また水転写デカールが付属し、家紋のようなマークに陰義(しのぎ)発動時、全身に浮き出る文字が収録されている。

【ランナー】
Aパーツ、Bパーツ
Cパーツ×3、Dパーツ
Eパーツ×2、Fパーツ
Gパーツ、Hパーツ×2
Iパーツ、Jパーツ
Kパーツ、Lパーツ×2
Mパーツ、Nパーツ
Oパーツ、Pパーツ
Qパーツ、前立てパーツ
水転写デカール、取扱説明書2種

 中身を確認したところで、続いて組み立て工程を紹介していく。

複雑なデザインと重厚感を自らの手で作り上げる

 最初は頭部の組み立てから見ていこう。

 頭部は全体のプロポーションから見てもサイズは小さいが、金色に輝く前立てパーツや面頬まで造形された厳つい兜造形が再現されている。また、首の可動に2軸あり、飛行時の顎を上げた状態にすることもできる。

【頭部】

 胴体は大きく分けて胸部、腹部、腰部で構成されている。

 胸部パーツはパーツ分けによって胴らしい造形が再現され、腰まで垂れ下がる陣羽織のようなパーツも存在感ある大きさとなっている。肩口は左右へのスライド機構が採用され、腕の可動を助けるものとなっている。

 腹部は胸部と腰部の接続口を挟み込んだシンプルな作りで、背面には背骨を思わせる造形パーツをはめ込む。

 腰部は脚部の軸パーツを挟み込み、正面には草摺のような存在感ある装甲を組み上げる。また、正面の白の前垂れ部分は組んでしまうと、草摺装甲に隠れてしまうので、陰義発動時を再現する場合は水転写デカールは先に貼っておくことをオススメする。

【胴体】
胸部、腹部の組み立て
腰部の組み立て
前垂れ部分には水転写デカールを貼ることで陰義発動時を再現できる

 腕部は、両肩部のアーマーと左右の腕部を組み立てていく。

 鋼鉄の甲冑らしい重厚感ある造形が各パーツから伝わり、鋲打ちなどもしっかりと表現されている。腕部は非常にパーツ点数が多いので、パーツの紛失や組み間違いに注意しよう。

 その分、腕部に仕込まれた正宗七機巧の一つ、飛蛾鉄砲・弧炎錫の展開ギミックも備えており、外観再現はもちろん劇中ギミックが再現されている。

 手首パーツは握り手、開き手2種を左右それぞれで組み立てる。

【腕部】
腕部の組み立て
手首パーツの組み立て

 脚部も厚みのある装甲造形が再現され、どっしりとした印象のパーツとなっている。

 こちらもパーツ数が多く、可動部となるガンメタルカラーパーツに濃藍の装甲パーツを纏わせていくような構造となっている。側面に伸びる白いパーツは脚部側面の差し込むのだが、一枚板に軸パーツが生えたような形なので、個人的に差し込みの際に緊張した部位だった。

【脚部】
脚部の組み立て

 次に腰部後ろにつける腰飾りを組み立てていく。

 腰飾りは全部で6つ組み立てる。独立状態である天牛虫の肢のような形となっている。中間の節部分に軸可動を備え表情付けが可能。

【腰飾り】
腰飾りの組み立て

 存在感ある合当理の組み立ては、左右のユニットを組み立て中央の基部に接続するシンプルな構造。

 各ユニットは可動軸と主翼部分を挟み込んで組み立てる。主翼の根元部分は可動軸を備え、展開することが可能となっている。

【合当理】
合当理の組み立て

 左の脚部にさげた刀パーツは脇差と太刀が造形され、それぞれ鍔と柄を合わせることで完成する。

【刀】
刀の組み立て

 ここまで組み立てたパーツを組み立てることで「正宗」(デカールなし)が完成する。

【「正宗」(デカールなし)】
合当理を除いた各パーツを合わせることで「正宗」本体ができる
「正宗」の背面の軸受けに合当理を差し込む

 そして、水転写デカールを貼ることで色分けを補填することができる。

 通常の「正宗」を再現する際は、陣羽織、脚部の白いパーツにある家紋に合わせて対応の水転写デカールを貼る形となる。水転写デカールを貼る際はマークセッターを使用することで定着しやすくなるのでオススメだ。

【デカール貼り付け後】
陣羽織部分の水転写デカール
脚部の水転写デカール

 最後に質感を高めるために半光沢の水性トップコートを吹く。これによって水転写デカールの保護もできる。

 専用台座は台座と支柱、支えとなるパーツを合わせるシンプルな構造となっており、支え部分は「正宗」の胴体に合わせたくぼみが造形となっている。

【台座】
台座の組み立て

 その他、付け替えパーツとして脇差、太刀の刀身パーツと飛蛾鉄砲・弧炎錫の砲身がある。

 刀身パーツは塗装済みパーツとなっており通常の銀色に加え、正宗七機巧の一つ朧・焦屍剣で熱を帯びた色を再現した塗装が施されている。

【付け替えパーツ】

 組み立て工程が完了したところで、次は造形やアクションを見ていこう。

「MODEROID 相州五郎入道正宗」商品概要

発売中
価格:8,800円
スケール:ノンスケール
サイズ:頭頂高約160mm
メーカー:グッドスマイルカンパニー
原型制作:POLY-TOYS
制作協力:坂田 哲男(HRG)