レビュー

東京マルイ「エボルト FPR MK 4【RSモデル】」レビュー

扱いやすさに撃つ悦びをプラス! エボルトとエボルトRS徹底比較

【電動ガンエボルト FPR MK 4【RSモデル】】
5月27日 発売
メーカー:東京マルイ
メーカー希望小売価格:132,000円
装弾数:81発
推奨バッテリー:MS・Li-Poバッテリー[スティックタイプ]
種別:アサルトライフル

 東京マルイは2026年5月27日、電動ガンの新シリーズ「EVOLT(エボルト)」のニューモデルとして電動ガンエボルト「FPR MK 4【RSモデル】」を発売する。メーカー希望小売価格は132,000円だ。

 「RSモデル」は「リコイルショックモデル」の略。高性能さ、実銃同様のリアルな操作と、忠実な外観の再現といった電動ガンエボルトシリーズの特長を継承しつつ、バッファーチューブ内のウエイトを作動させることによりリコイルを表現。いわば「撃つ悦び」を上乗せした、エボルトの上位モデルと位置づけられる。

 エアソフトガンファンの方々のなかには、リコイルレスの「エボルト」と、リコイルありの「エボルトRS」が揃ってから、どちらを購入するか判断しようと考えていた方も多いことだろう。そこで今回の記事では、両者のハードウェアにどのような違いがあるのか、そしてリコイルのありなしで精度、連射速度などがどのように変化したのかという点に注目して、実機レビューをお届けする。

 本稿では「FPR MK 4【RSモデル】」と「M4A1カービン」(電動ガンエボルト)の初速、連射速度、トリガープル、射撃音、そして30m/40mレンジでの弾道テスト(0.2g/0.25g BB弾)も実施している。購入の最終判断の参考にしていただければ幸いだ。

「Federal Patrol Rifle」+「Geissele MK4ハンドガード」が「FPR MK 4」

 「FPR MK 4」は実銃そのものの固有モデル名ではない。FBI(連邦捜査局)の要望に応える形でコルト社が「M4カービン」をベースに「Federal Patrol Rifle(連邦パトロールライフル)」を開発。それに「Geissele MK4ハンドガード」を組み合わせたものとして「FPR MK 4」を定義し、それをモデルアップしたのが今回の「FPR MK 4【RSモデル】」だ。

 「FPR MK 4」を「M4カービン」と比較した際の最も大きな違いは、やはり「Geissele MK4ハンドガード」が採用されていること。上面にはフルレングスのピカティニーレール、側面・下面にはM-LOKスロットとピカティニーレールが設けられており、光学機器、ライト、フォアグリップなどのアクセサリーを手軽に装着できる。また、盛り上がった形状により頬付けしやすい「クレーンストック」も使い勝手に寄与している。

「Geissele MK4ハンドガード」が採用
ガイズリータイプのロープロファイル・ガスブロックを装備

 拡張性の高さと、安定した射撃がしやすいストックは、そのままサバゲーでの使いやすさに直結する。機能性という点ではすでに完成の域に達している「FPR MK 4」だが、さらにアクセサリーを追加したり、ハイダーを交換することで、カスタムの幅を広げる楽しみも備えたプラットフォームと言える。

下が「FPR MK 4【RSモデル】」、上が「M4A1カービン」(ハンドガード、ストックを交換済み)

リコイルありの「FPR MK 4【RSモデル】」はストック内にバッテリーを収納

 「FPR MK 4【RSモデル】」は、東京マルイ製最新電動ガンシリーズ「エボルト」という大きなくくりでは第2弾だが、「エボルトRS」シリーズとしては第1弾。本製品のパッケージや説明書には「Automatic Electric Gun EVOLT RS Series No.1」と記載されており、「エボルト」と「エボルトRS」でそれぞれナンバリングが分けられている。

パッケージにも「Automatic Electric Gun EVOLT RS Series No.1」と記載
「M4A1カービン」と同様にアッパーレシーバーとロアレシーバーが分割された状態で梱包されている

 「FPR MK 4【RSモデル】」の全長は724mm/806mm(ストック展開時)、銃身長(インナーバレル長)は229mm、重量は3,100g(空マガジン、バッテリー含む)。「M4A1カービン」が14.5インチ時は777mm/858mm(ストック展開時)、11.5インチ時は660mm/742mm(同)、重量は2,700g(同)だったので、約400g重たくなっているわけだ。これは元々エボルトが、バッファーチューブ内にリコイル用のウエイトを入れた際に実銃と同じ重量になるように設計されていたためだ。

左側面
右側面
左側面アップ
右側面アップ
上面と下面
前面と背面
クレーンストックは5段階に長さを調整できる
サイトピクチャー
本体(バッテリー含む)の実測重量は2,702g
マガジン(BB弾含まず)の実測重量は309g

 マガジンは「M4A1カービン」と共通で、EVOLT M4シリーズ専用品「電動ガンエボルト M4シリーズ共通 81連マガジン」(4,180円)が1本同梱されている。装弾数は製品名にもあるとおり81発で、空撃ちをオンオフできる「マガジンファンクションスイッチ」を上面に装備している。このマガジンのスタンダードなデザインはよいのだが、せっかくの「FPR MK 4【RSモデル】」なので、個人的にはMagpul PMAG系の樹脂製マガジンを再現したものも今後発売してほしいところだ。

「電動ガンエボルト M4シリーズ共通 81連マガジン」の上面と下面
前面、背面、左側面、右側面

 動力源は「MS・Li-Poバッテリー[スティックタイプ]」(8,580円)。「M4A1カービン」はテイクダウンしたうえでバッファーチューブ内に収納するが、「FPR MK 4【RSモデル】」はストックパッドとバッテリーカバーを取り外し、ストック内の左右収納スペースのいずれかに収める仕様になっている。ストックの取り外し、変更はできないが、バッテリーの出し入れは「FPR MK 4【RSモデル】」のほうが圧倒的にお手軽だ。

「MS・Li-Poバッテリー[スティックタイプ]」
ストックパッドとバッテリーカバーをはずせば、スムーズにバッテリーを装着できる
「MS・Li-Po スターターセット〈スティックタイプ〉」

 また、「FPR MK 4【RSモデル】」だけの同梱品としてイモネジが2個入っている。これはハンドガード左右に固定するためのものであり、装着しないとハンドガードがずれる恐れがある。なお、記事内の製品はサンプル品であり、塗装の剥がれなどを防ぐためにイモネジは取り付けずに撮影している。

パッケージには本体(アッパーフレーム、ロアフレーム)、マガジンアダプター、バッテリーキャップ、保護キャップ、イモネジ×2、六角レンチ、0.2g BB(100発入り)、レシーバーカバー×2、アッパー・ロアー・ピン×2、マガジン、説明書類(取り扱い説明書・パーツリストなど)、クリーニングロッド、チャージャー、チャージングロッドが同梱されている
ハンドガード左右に取り付ける固定用のイモネジ

リコイルを実現するために導入された新機構

 電動ガンエボルトシリーズには、下記のような多彩な先進機構が採用されている。電動ガンエボルトの先進機構についてはすべてを詳しく解説すると、それだけで本記事の半分を占めるような分量となってしまうので、詳細については「M4A1カービン」のレビューで説明しているので、そちらを参照してほしい。

【電動ガンエボルトシリーズの先進機構】
セパレート型メカボックスメカボックスをシリンダーアッシーとギアBOXに分割可能。テイクダウンピン操作でリアルな分解ができ、メンテナンスや持ち運びに便利。
MIM製ギア(3種)金属粉末射出成形(MIM)により従来の焼結より高密度・高精度なギアを実現。スパー・セクターギアの軸径を3mm→4mmに太径化し、耐久性・静音性・回転安定性を向上。
EG1000BRモーターベアリング付き逆回転モーター。軸ブレ・回転抵抗を低減し、駆動効率と作動安定性を向上。
スモールボアシリンダーインナーバレル長に最適化した小径シリンダー。振動・打撃音を低減しつつ、エア噴出量を安定化して初速のバラつきを抑制。
M-SYSTEM タイプIIMCU(マイクロコントローラーユニット)が各センサー・電圧を監視し、射撃モード切り換えやモーター制御を行うほか、異常検知時に自動停止する安全システム。
スタビライザーノズルノズル左右の突起でマガジン残弾量に関わらずノズル位置を安定化。給弾位置が均一になりホップ量の再現性が向上。
インナーエレベーションシステムマガジンインナー部に上方テンションをかけ給弾口との位置関係を固定。マガジンのガタつきによる給弾不良を防止。
ワンバイワン ローディングシステム発射直前に1発のみチャンバーへ送り込む機構。マガジンを抜いた状態ではトリガーを引いても空撃ちとなり、暴発リスクを大幅に低減。
MS・Li-Poバッテリー スティックタイプ5つの保護機能+温度センサーを搭載した専用バッテリー。本体と連動した安全機構により、他社製バッテリーでは動作しない仕様。

 では、次に「FPR MK 4【RSモデル】」がリコイルを実現するために導入した新機構について解説していく。

 まず紹介したいのが「リコイルショック」システムだ。これはバッファーチューブ内に収められた300gのウエイトを前後に動かすことで、射撃時の反動を再現する機構。スプリングガイド内にはピンが内蔵されており、シリンダー内のピストンが後退する際にピンが飛び出てウエイトを後方へ押しやる。続いてシリンダーが前進するタイミングでウエイトが勢いよく前方へ作動することで、リアルな反動感が生まれる仕組みとなっている。

 また、「リコイルショック」システムはバッファーチューブ内に独立したユニットとして収納されているため、エボルトシリーズの特徴であるテイクダウン機構との両立も実現している点も見逃せない。

「リコイルショック」システムはバッファーチューブ内に独立したユニットとして収納
アッパーレシーバーとロアレシーバー
左がアッパー、右がロワー。シリンダー内のピストンが後退する際にピンが飛び出てウエイトを後方へ移動する

 もうひとつの新機構が、ギアの軸受にミネベアミツミ製の高精度ベアリングを採用したことだ。公式には「作動性と耐久性を高めるため」とアナウンスされているが、「リコイルショック」システムの搭載によって増大する負荷を軽減するための対策とも考えられる。

ギアの軸受にミネベアミツミ製の高精度ベアリングを採用

リコイルが加わったことで、撃ち味と操作感は大きく変化

 それでは最後に、実射テストの結果をお伝えしていく。まずはトリガープルについて。「M4A1カービン」は平均2.27kg、「FPR MK 4【RSモデル】」は平均2.14kgという結果となった。トリガープルゲージによる手作業での計測のため多少の誤差は生じているが、平均値では0.13kgの差が確認できた。東京マルイに確認したところ、「セッティングについては変更していない」とのことなので、個体差や測定の差と考えられる。

「M4A1カービン」のトリガープルは平均2.27kg
「FPR MK 4【RSモデル】」のトリガープルは平均2.14kg
画像は「FPR MK 4【RSモデル】」のもの。中央が発射位置、下が引き切った位置

 次に射撃音。「M4A1カービン」は平均85.93dBA、「FPR MK 4【RSモデル】」は平均87.09dBAとなり、「FPR MK 4【RSモデル】」のほうが1.16dBA高いという結果になった。数値もさることながら、個人的には音の質が印象的だった。「M4A1カービン」は高めでシャープな音であるのに対し、「FPR MK 4【RSモデル】」はより重厚感のある音だ。これはピストンの打撃音にウエイトの動作音が混ざっているためだろう。迫力という点では「FPR MK 4【RSモデル】」に軍配が上がるが、好みが分かれる部分でもあると思う。

「M4A1カービン」の射撃音は平均85.93dBA
「FPR MK 4【RSモデル】」の射撃音は平均87.09dBA

 初速については、東京マルイ製ファイネストBBの0.2g弾と0.25g弾を使用し、最弱・最強・適正ホップの各条件で計測した。結果は下記の通り。適正ホップ時の平均初速のみ抜き出すと、「M4A1カービン」は0.2g弾で92.54m/s、0.25g弾で84.30m/s、「FPR MK 4【RSモデル】」は0.2g弾で91.51m/s、0.25g弾で83.93m/sとなった。わずかに「FPR MK 4【RSモデル】」のほうが低い数値となっているが、誤差の範囲内である可能性も高い。厳密には同一条件ではないので、あくまで参考データとして捉えてほしい。

 なお、今回の弾速の測定では、ACETECHの「AC6000MKIII BT」を使用している。

0.20g、最弱ホップ(単位:m/s)
機種最大初速平均初速最小初速範囲
「M4A1カービン」92.1391.3590.751.38
「FPR MK 4【RSモデル】」91.3290.6890.330.99
0.25g、最弱ホップ(単位:m/s)
機種最大初速平均初速最小初速範囲
「M4A1カービン」84.4083.5982.382.02
「FPR MK 4【RSモデル】」84.3283.4482.721.60
0.20g、最強ホップ(単位:m/s)
機種最大初速平均初速最小初速範囲
「M4A1カービン」92.2891.9091.420.86
「FPR MK 4【RSモデル】」92.8592.2591.851.00
0.25g、最強ホップ(単位:m/s)
機種最大初速平均初速最小初速範囲
「M4A1カービン」82.2881.2380.731.55
「FPR MK 4【RSモデル】」82.1881.5881.001.18
0.20g、適正ホップ(単位:m/s)
機種最大初速平均初速最小初速範囲
「M4A1カービン」92.8592.5492.270.58
「FPR MK 4【RSモデル】」92.0291.5190.991.03
0.25g、適正ホップ(単位:m/s)
機種最大初速平均初速最小初速範囲
「M4A1カービン」84.6284.3084.040.58
「FPR MK 4【RSモデル】」84.5983.9383.501.09

 一方、連射速度については明確な違いが現れた。「M4A1カービン」は72発射撃時の連射速度は平均16.65発/秒、「FPR MK 4【RSモデル】」は71発射撃時の連射速度は平均14.73発/秒となり、「FPR MK 4【RSモデル】」は「M4A1カービン」比で約88%相当という結果だ。ただし数字の上では差が出ているものの、テスト中に体感として明確な違いを感じるほどではなかった。少なくとも、この連射速度の差がサバゲーにおいて不利につながるレベルではないと思う。

「FPR MK 4【RSモデル】」は71発射撃時の連射速度は平均14.73発/秒
ホップダイヤルは下に回すとホップ強、上に回すとホップ弱となる

 最後は、サバゲーにおいて最も重要な精度と集弾性について。セミオートに関しては両者に大きな差はない。0.2g弾でも40mでヘッドショットを狙えるだけの精度を備えており、0.25g弾を使用すればさらに集弾性が増すため、バリケードから出ている肘や足といった部位も狙い撃ちできるはずだ。

 一方、フルオートではリコイルありの「FPR MK 4【RSモデル】」のほうが弾が散る傾向にある。ただし、リコイルを抑え込むようにハンドガードをしっかり握り込めば、40mでも「胸元を撃たれたくない」と感じるほどの集弾性を確認できた。扱いに力とテクニックが求められるのは確かだが、「FPR MK 4【RSモデル】」のリコイルがサバゲーの勝敗を大きく左右するほどの不利になるとは言えないというのが率直な感想だ。

【「FPR MK 4【RSモデル】」「M4A1カービン」比較実射】

扱いやすさのエボルト、そこに撃つ悦びを加えたのがエボルトRS

 本稿では、筆者自身がエボルト(「M4A1カービン」)のユーザーであり、その視点からエボルトRS(「FPR MK 4【RSモデル】」)との違いに注目してレビューしてきた。今回強く感じたのは、同じエボルトシリーズでありながら、両者はまったく異なる電動ガンと言えるほどの違いがあるということ。端的にまとめるなら、扱いやすさのエボルト、そこに撃つ悦びを加えたのがエボルトRS第1弾「FPR MK 4【RSモデル】」ということになる。

 実射テストの結果からも、「FPR MK 4【RSモデル】」はサバゲーに十分な連射速度とフルオートでの集弾性を備えていることが確認できた。40mを超える距離でバリケード越しに撃ち合うシチュエーションではエボルトに分があるのは確かだが、エボルトRSはその多少の不利を吹き飛ばすほどの撃つ爽快感をリコイルが与えてくれる。

 自分のプレイスタイル、そして購入後に外装をどう育てていきたいかという希望に合わせて、最適な1丁を選んでほしい。

エボルトはアッパーとロアの単品パーツ販売が決定している。ただし、組み換えには注意が必要で、いずれの組み合わせの場合でもリコイルは発生しない