特別企画

超絶技巧のレゴブロックモデルが大集結したイベント「海老ブリ」をレポート

レゴブロックなら「オラザク」以上に、「オリジナルロボ」も作れる!

 再現モデル以外にも、オリジナルデザインのロボットを作れるのが、レゴブロックの魅力のひとつ。ここ海老ブリでも、独創性の富んだオリジナルロボが多数展示されていた。

 まず目を惹くののが、ロボットコンテストでも入賞した「caron(kazuto作)」だ。陸戦兵士をロボット化したようなビジュアルは圧巻である。個人的にはAK47風のライフルや、マイクロミサイルが入っていそうなサポート武器もいい。全体的なバランスも抜群だ。レゴブロックでロボットを作る場合、ちょっとバランスが崩れると、それだけでイマイチになるので、うまく作れない人は本作を参考にしてもいいだろう。

 また、そのほかに注目したいのが、「自走高射重点火力拠点(セロリ少佐)」という名の戦車。「えっ? ロボじゃないじゃん」というツッコミもあると思うが、もちろんロボに変形できる。往年の特撮ファンには「ガンヘッド」を想起する人もいるだろう。情報量の多さもさることながら、色のバランスが絶妙だと思う。これにより、それほど大きくないのにリアリティが増すし、存在感も出る。戦車と書いたが、履帯部分が4つにわかれているなど、未来風なデザイン意匠を盛り込んでいるのもGOOD!

【オリジナルロボット】
小型ロボとの比較。スマートなMS系以外のバリエーションもあった
変形ロボも工夫をすれば作れるのがレゴブロックの魅力
キャリアに収まったロボというシチュエーションも燃える
色味を合わせることで、同国の別機体というイメージを持たせ世界観を匂わせる
武装をてんこ盛りにしたり、逆にシンプルにしたり、好みのロボを自在に創作していて素晴らしい
既存メカのデザインイメージを踏襲しながら、独特のデザインに昇華させているのも見ていて楽しい
MS系のスマートなデザインもいいが、少しエッジの効いたデザインのロボを見るとお宝を発見した気分になれる
まるでゲームに出てきそうなキャラクター性を持ったロボ。個人的にはかなり好き

レゴブロックで「艦船モデル」を作る

 海老ブリの特徴のひとつとして「艦船モデル」の多さがあげられる。これは、海老ブリに参加しているメンバーに「艦船オフ」という、レゴブロックのオフ会のメンバーが多いことが一因だ。だから、ガンダム系モデルも、MSよりも戦艦が多かったりもする。製品がないので、レゴブロックの艦船モデルというとイメージがつきにくいかもしれないが、例えばプラモデルと同様に1/300という統一感を持たせたスケールモデルや、レゴブロックの人形であるミニフィグサイズの作品もあるのだ。

 スタンダードともいえる1/300で驚嘆したのが、「戦艦大和(1945年Ver)」と「航空母艦瑞鶴(1944年Ver)」だ(どちらも隼作)。よく見ると判るのだが、船独特のボディーラインや色分けを再現するために、ブロックが縦横無尽に組み替えられている。ある種、ブロックでカタチを組んだあとに、さらにジグゾーパズルのように組み合せているイメージだ。また、戦時中の艦船らしく、就航時から改装を重ねるため「※年Ver」としているところも、作者のこだわりが見える。

【艦船モデル】
画像からは見えにくいが艦首のラインが美人すぎる
作品単体ではなく、ミニフィグを配置することで、よりリアリティが増す
オリジナル艦船というのは、プラモデルの世界ではなかなかみない気がするので、ある種斬新なジャンルなのかも

 ミニフィグサイズの作品としては「海上自衛隊護衛艦はつづき(Harold作)」や「戦艦キングド・デデデ(レゴン作)」があった。はつづきは、あきづき型をモデルにした艦船だが、細かい装備品にまで気を配って制作したという。ミニフィグサイズのような大型作品で、ここまで作り込むことに驚嘆せざるを得ない。甲板にいる自衛官たちも、日本を守る盾としての誇りに満ちあふれている。

 一方、戦艦キングド・デデデは、日本海海戦時代の戦艦「三笠」などを思わせる作品。先のはつづきと同サイズの艦船なのに、まったく別ものに見える。これは、細かく作り込んだ擬装がポイントなのだろう。制作には500時間くらいかけたというのも納得だ。

【艦船モデル】
軍港ごと作れるのもレゴブロックの魅力。空母の甲板に乗る飛行機も手抜きなしだ
艦船モデルは大戦中のものが多いが、現代艦船をベースにしたオリジナルモデルもある
日本海軍だけでなく「バージニア」などアメリカ海軍の船も会場を賑わせる