特別企画

カラーメッキも可能な最新塗料「ボーンペイント」の魅力に迫る

「メカトロウィーゴ」をメタリックに仕上げてみた

【ボーンペイント アンダーブラック/ボーンクローム/超低侵食クリヤeco】

発売元:トアミル

発売日:3月1日

希望小売価格(税込):

[アンダーブラック] 616円(15ml)、1,100円(50ml)

[ボーンクローム] 1,650円(15ml)、2,750円(30ml)

[超低侵食クリヤeco] 770円(30ml)、1,210円(50ml)

 模型におけるメッキ表現と聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょう。バイクのマフラーやクラッシックカーのバンパーを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。私が思い浮かべるメッキは子供の頃に買ってもらった模型の限定カラーを思い浮かべます。通常の塗装では表現する事が出来ない鏡のような輝きは今でも老若男女問わず人々を魅了するのではないでしょうか。

 そこで一つ思い出してほしい。筆者が子供の頃、メッキカラーは簡単に手に入らない特別なカラーだったのです。時は流れて平成の後期になると各塗料メーカーから「メッキ塗料」なる新しいジャンルの塗料が発売されました。しかし、それらメッキ塗料には決定的な弱点があったのです。それは、“上から色を重ねることができない事”です。

 すなわち、銀色のメッキしか再現する事が出来なかったのです。これまでのメッキ塗料では子供の頃の自分をワクワクさせた色とりどりのカラーメッキを再現する事が出来なかったのです。

 しかし、令和の時代になりそのカラーメッキを可能とするメッキ塗料が発売となりました。今回は2021年3月にトアミルから発売したばかりの最新鋭のメッキ塗料、「ボーンペイント」(BORN PAINT)を紹介していきましょう。

ボーペイントを試し塗り

下地からわかる違い、アンダーブラック

ボーンペイント アンダーブラック

 ボーンペイントはこれまでのメッキ塗料と違い、メッキ塗装に対応した下地塗料が販売されています。アンダーブラックはラッカー系の塗料となっており、その名の通り真っ黒の塗料です。この下地塗料がこれまでのラッカー塗料と何が違うかというと、そのレベリング性(光沢度の高さ)にあります。口で語るよりもまずは実際に塗装したものを見てもらいましょう。

 下地塗料でありながら高い光沢をもっていることが分かると思います。ボーンペイントのこの光沢感は、通常のラッカー塗料だと垂れてしまってなかなか表現する事が出来ません。この下地塗料だけでもこの塗料のすばらしさが感じられますね。

少し暗めに輝く光沢。ボーンクローム

ボーンペイント ボーンクローム

 下地色が乾燥したら上からメッキ層を塗装していきます。今回使用するボーンクロームは他のメッキ塗料に比べ少し白化しやすい塗料といえます。メッキ塗料は白化してしまうと銀色のメッキ面ではなくメタルグレーのような色になってしまいます。

 そのため、塗装の際はメッキ調になりやすいように薄く、何回も重ね塗りすることを心がけていってください。実際に塗装したものを見ていきましょう。

薄く重ね塗りを繰り返すことで美しく輝きます
本番で塗料が白化してしまった例。金属風の鈍い光沢は出ていますがメッキと呼べるほどの輝きは失われてしまいました

 ボーンクロームは隠ぺい力が低いこともあり、シルバーというよりは少しクロームのような銀色に仕上がりました。渋さもあってかっこいいと思います。なお、ボーンクロームの塗膜は通常のラッカー塗料よりも弱いため、このままでは少し心配です。そこでこのメッキ層にコーティングをしていきます。

みんなが待っていた希望のクリア塗料

ボーンペイント 超低浸食クリヤeco

 メッキ層のコーティングには超低侵食クリヤecoを使用していきます。このクリアは従来のクリアと違いメッキ層を侵食しにくい効果があります。そのため、メッキの輝きを残しつつコーティングを行うことができます。実際に塗装したものを見ていきましょう。

 ボーンクロームのみの塗装と比較すると少し白みがかっています。やはり低侵食というものの完全に侵食しないわけではないそうです。また、このクリア塗料はウレタン塗料という種類の塗料となっています。ウレタン塗料はラッカー塗料と比較し有毒であるため、塗装時はマスクの着用をするようにしてください。

 最後に、これまでできなかったカラーメッキを作っていきましょう。

曇り、一切なし!!ついに表現可能となったカラーメッキ表現

 最後に、クリアコートをしたものにクリアカラーで色を付けていきます。今回はガイアノーツのラッカー塗料である[クリアイエロー]で塗装をしてみました。早速、塗装結果をご覧いただきます。

 曇りのない完璧なカラーメッキとなっています。今回はクリアイエローを使用することでゴールドにしましたがその他のクリアカラーを用いても面白いと思います。

実際の模型に応用してみる。キラキラのメカトロウィーゴ

 今回は、これらボーンペイントを使用したメッキ塗装の実例としてハセガワの1/35メカトロウィーゴをメッキ調に塗装してみようと思います。

今回使用するのはハセガワから発売中のプラモデル「メカトロウィーゴ No.02 “ミルク&カカオ”」(税込2,420円)
色違い2体セットのうち、白いボディの「ミルク」を使用。同セットは6月17日ごろ再販予定
白色のウィーゴがどのようになるか楽しみです。

 今回の塗装は外装に当たる部分のみをメッキに塗装していきます。まずは外装パーツ全体をアンダーブラックで塗装していきます。

アンダーブラックの塗装後

 下地が乾いたらボーンクロームでメッキ調にしていきます。

ボーンクロームの塗装後

 メカトロウィーゴは曲面が多い造形をしているため、メッキ塗料を塗った際に鏡面になりやすくより綺麗に見えます。それではここからコーティングをしていきます。

超低侵食クリヤecoの塗装後

 スプーン塗装時と同様に少し白みがかっています。しかし、仕上がりは今までの中で一番よさそうです。それでは最後に一部アーマーにクリアイエローを塗装していきます。

 綺麗な金色になりました。塗装が乾いたら組み立てて完成です。

完成、きらめくメカトロウィーゴ

 組み立てて完成しました。早速完成したメカトロウィーゴを見ていきましょう。

メカトロウィーゴの装甲部にメッキ塗装を施しました
未塗装の間接部と見比べると光沢の質感がよくわかります

 塗装前と比べて雰囲気が大きく変わったと思います。塗装前の状態では可愛いロボットでしたが、ボーンペイントで塗装する事で高級感のある仕上がりになりました。今回作成したメカトロウィーゴだけでなくボーンペイントは様々なものをメッキ調に変化させることが可能なため、とても幅の広がる塗料だと感じました。

 ボーンペイントは3月から展開を始めたばかりということもあり、4月現在ネット通販に関しては後日更新予定とされ、入手性には少々難があります。実店舗では、ボークスなど全国各地の模型ショップに入荷しており、取り扱い店舗の一覧が公式サイト上で公開されています。

 これからも外出自粛が求められている世の中ですので、これを機会に新しい塗料にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

今回使用した塗料・道具
下地ボーンペイント アンダーブラック
メッキ層ボーンペイント ボーンクローム
コーティングボーンペイント 超低浸食クリヤeco
カラーガイアノーツ ガイアカラー 045 クリアーイエロー
エアブラシ造形村 プロモデルC
+エアテックス コンプレッサー APC-001R2