特別企画

塗装入門にピッタリ!「ガンダムマーカーエアブラシシステム」を試してみた

「ENTRY GRADE ガンダム」を簡単塗装でキャスバル専用機に

【ガンダムマーカーエアブラシシステム】

発売元:GSIクレオス

価格:3,740円(税込)

【ガンダムマーカー ジオン軍6色セット】

発売元:GSIクレオス

価格:1,650円(税込)

【ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム(ライトパッケージVer.)】

発売元:BANDAI SPIRITS

価格:550円(税込)

 プラモデル制作をする際、皆さんは"塗装"って行ないますか?塗装すればプラモデルを好みのカラーリングにアレンジできたり、細部のディテールをより忠実に再現できたりと、ワンランク上の模型製作が可能になります。

 模型作りでは必須のテクニックといっても過言ではない塗装ですが、最近はプラモデルの進化によって塗装せずとも成形色の色分けで十分かっこよく仕上げられる、塗装用の道具や設備を整えるハードルが高いなどの理由で敬遠されがちです。

 今回は簡単にできる塗装入門として、「ガンダムマーカーエアブラシシステム」について紹介していきます。本格的なエアブラシ塗装にありがちな、空調や臭いといった問題点が小さく、使用方法は簡単かつ初期費用も控えめ。入門向けの塗装ツールとして非常に魅力的なアイテムとなっています。

ガンダムマーカーをエアブラシに!? 新感覚のエアブラシセットが誕生

 今回紹介するのはGSIクレオスより発売中の新感覚エアブラシキット「ガンダムマーカーエアブラシシステム」です。このエアブラシキットはこれまでにあった自分で塗料を希釈してハンドピースより塗料を噴射する物とは異なり、ガンダムマーカーをセットしてそのままエアブラシとして塗装してしまうという新しい塗装キットになります。

ガンダムマーカーエアブラシシステム

 塗料として使用するのは「ガンダムマーカー」という同じくGSIクレオスから発売中の塗料です。その名の通りガンプラなどの塗装に適したマーカー型のアルコール系塗料で、キャップを外してペン先に塗料を充填すればすぐに塗装を行なえます。ペン先の細さを生かして細部の部分塗装などで強みを発揮するアイテムとなります。モビルスールのカラーリングを再現するためにさまざまな色やセットがラインナップされていますが、今回はこのセットだけでジオン系モビルスーツの塗装が完了する「ガンダムマーカー ジオン軍6色セット」を用意しました。

ガンダムマーカー ジオン軍6色セット

ガンダムマーカーエアブラシシステムを使ってキャスバル専用ガンダムを作る。

 今回は2020年12月に発売され、その組み立てやすさから話題となっているガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム(ライトパッケージVer.)」を使ってキャスバル専用ガンダムを制作していきます。

ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム(ライトパッケージVer.)

 まずは仮組してキットの雰囲気を見ていきましょう。仮組を行なう際は接続用のダボを斜めに切っておくなどしておくと分解しやすくなります。もちろん、パーツが取れやすくなってしまいますが激しく動かさないのであれば特に問題ありません。気になる場合は塗装後に瞬間接着剤で固定してしまうのもアリだと思います。

 仮組して素立ちの状態で見ていきます。第一印象はシンプルなガンダムと言った印象です。シールなしで色分けは完璧にされており、素組でも十分にかっこいいのではないかと思います。このときにどこをどの色で塗装するのか確認しておきます。

 続いて軽くポーズをとらせてみました。やはり最近のキットは可動がかなり優秀に思います。特に足首の可動域は優秀なので多少無理なポージングをさせてもしっかりとした設置性を保つことが可能です。それでは塗装の準備にかかっていきましょう。

本格的な塗装ブースも必要なし!? ガンダムマーカーエアブラシシステムのポテンシャル

 先ほど仮組したガンダムを一度バラバラにして塗装準備を行ないました。

 筆者は専用の塗装スタンドを使用していますが、ない方は竹串なんかで代用することも可能です。購入する場合はGSIクレオスから発売中の「Mr.ネコの手シリーズ」として、さまざまな形状の持ち手棒ミニクリップがラインナップされています。

 また、塗装スタンドの台は同じくGSIクレオスから「ネコの手ステーション」など専用の商品も販売されていますが、筆者は100円均一の猫の爪とぎを使っています。

Mr.ネコの手 持ち手棒ミニクリップ
ネコの手ステーション

ガンダムマーカーの弱点“塗りむら”を打ち消すエアブラシシステム

 主役となる「ガンダムマーカーエアブラシシステム」にはハンドピース、接続用ホース、ガス缶用アダプター、エアブラシシステム用替え芯3本、ガス缶1缶が付属しています。基本的にはこのセットとガンダムマーカーがあれば塗装できるようになっています。

 塗装設備をお持ちでない方もこのセットを組み立てるだけで塗装ができます。塗装用にコンプレッサーを持っていれば、ハンドピースを直接コンプレッサーに接続することも可能です。ガンダムマーカーエアブラシシステムの接続ネジは他社のネジとサイズが異なる可能性もありますが、付属のジョイントを使用することで取り付けることができます。筆者は、塗装用にコンプレッサーを持っているのでガス缶への接続は行なわず、コンプレッサーに接続して使ってみました。

 ガンダムマーカーエアブラシシステムのハンドピースは通常のエアブラシに似た形状となっており、先端部には塗料カップではなくガンダムマーカーを差し込むことができるリングがついています。

ハンドピースをコンプレッサーに接続した状態。今回は塗装用コンプレッサーに接続しました。

 ガンダムマーカーは、取り付ける前にキャップを開けて先端を塗料皿などに押しつけ、インクを浸透させます。その後マーカー本体をリングに差し込むだけでセット完了です。マーカーの細かい位置は試し吹きをして調整していきます。後はハンドピースのボタンを押すだけで塗料が噴射されます。塗装中はインクの出が悪くなってくるので適宜マーカーの芯を押し込んだりしてインクを充填していきます。

 まずはおなじみのスプーンに塗装してみました。サンプルとしてシャアピンクを使用しています。マーカーで直接塗る場合、どうしても塗りムラができてしまいますが、このエアブラシシステムではほぼ均一に塗装できました。

マーカーでそのまま塗装すると緑の円で示すように塗りむらが出てしまいます。
ガンダムマーカーエアブラシシステムならムラなく塗装することが可能です。

「ENTRY GRADE ガンダム」をキャスバルカラーに塗装開始

 まずは機体のメインカラーとなるピンク色から塗っていきます。使用するカラーはシャアピンクを使って塗装していきます。

 白いパーツであればひと吹きで鮮やかなピンク色にすることができました。ここであることに気付きます。ガンダムマーカーでエアブラシ塗装を行なっても塗料独特の臭いがありません。普段エアブラシで油性塗料などを使用する際には専用の塗装ブースを用いて塗装していますが、ガンダムマーカーはアルコール系塗料のため、特別な臭い対策は不要でした。塗装ブースがなくても段ボール等で囲いを作るだけで塗装作業を行なうことできます。

 次に関節部をジオングレーで塗装していきます。ジオングレーは「EG ガンダム」の関節部成型色よりも少し緑がかった色になっています。今回は成型色から関節色に塗りなおす箇所もあるので全パーツを塗装していきます。

 ガンダムマーカーは隠ぺい力が高いため青いパーツにも下地なしでしっかりと発色させることができました。この調子で黒色部分も塗装していきましょう。黒色部分はファントムグレーで塗装していきます。

 ここまで塗装が完了したらせっかくなのでマスキングによる塗り分けを行ないます。

 膝下パーツをマスキングテープでマスキングしていきます。このパーツは足首関節部分も一体成形されているので、関節部だけを露出させ、ジオングレーで塗装します。

 重ね塗りも問題なくできそうです。塗装が完了したらマスキングテープをはがしていきます。

 塗膜も剥がれることなくしっかりと塗り分けることができました。これにて塗装は完了となります。それでは組み立てて完成です。

遂に完成!! キャスバル専用ガンダム

 まずは完成したキャスバル専用ガンダムを見ていきましょう。

 今回使用したのは「ガンダムマーカーエアブラシシステム」と「ガンダムマーカー ジオン軍セット」のみですが、塗りムラもなくきれいに仕上がりました。設定に近い雰囲気に仕上がっているのではないでしょうか。それではポーズをとらせてみましょう。

 やはりガンダムは下からあおるようにして写真を撮るとかっこよくなりますね。それでは他のポーズを見てみましょう。

 いかがでしょうか。また、このガンダムマーカーエアブラシシステムは片づけもマーカーをしまうだけでいいのでとっても簡単です。今回の塗装では「ガンダムマーカーエアブラシシステム」を使用して「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム(ライトパッケージVer.)」を塗装、シャア専用機カラーのキャスバル専用ガンダムとして仕上げてみました。

 今回使用したガンダムマーカーは「ガンダムマーカー ジオン軍6色セット」に入っているシャアピンク、ジオングレー、シャアレッド、ファントムグレー。筆者の感覚ではありますが、今回の塗装でガンダムマーカーのインクは半分も使用していないように感じます。おそらく、1/144のキットなら2、3体は全塗装できるのではないでしょうか。

 普段使用しているエアブラシとエアブラシシステムでの仕上がりを比べると、当然ながら本格的なエアブラシの方に軍配は上がります。エアブラシシステムでは噴射時の塗料の粒が均一にならないため、塗膜の厚みにばらつきが生じ、表面が荒れ気味になるという弱点があります。噴射量を細かく設定できないのでグラデーション塗装といったテクニックも制限されます。より高度な塗装を求める方は本商品を入門用として、塗装に慣れたら本格エアブラシにステップアップという流れがオススメです。

 簡単にできるエアブラシ塗装、これをきっかけに挑戦してみてはいかがでしょうか。

今回使用した塗料・道具
装甲メインカラーガンダムマーカー シャアピンク
装甲サブカラー1ガンダムマーカー シャアレッド
装甲サブカラー2ガンダムマーカー ファントムグレー
関節部カラーガンダムマーカー ジオングレー
エアブラシガンダムマーカーエアブラシシステム