特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、エアブラシ、こんな感じで使ってます!
2021年6月22日 00:00
メイの魅力を引き出す黒の塗装にチャレンジ
さて黒の部分をやっていきましょう。実はここ、悩ましくって、髪の毛などは黒ですが、それよりはちょっと明るい色なんですよね。黒とグレー……成型色だとわかりやすいけど、それを塗料でやるとなるとうまくいかないかも……。そこで今回は、面白塗料を買っていたので、ちょうどいいからそれを使ってみます。
ガイアノーツの、プリズムブルーブラックという新発売の塗料です。いや、単に使ってみたかったのですが、こうして、面白そうな塗料を買ってきて使ってみるというのも、これまたエアブラシのいいところですね。
この色、見る角度によって青っぽく見えたり少し暗く見えたりして、面白いんですよね。では早速吹いていきましょうかね。
……おかしいな。なんか、黒すぎる。この塗料、もう少し青みが出るはずなのに。これ、黒とあんまり変わらないのだが……。と、ビンをマジマジと見て、ハッと思いつきかき混ぜ棒をビンに突き刺してみたところ、底のほうに違和感が。どうやらビンの中で塗料を十分に撹拌しきれていなかったようです。
特にメタリックやパール系の、塗料の場合は、どうしても成分が底に沈殿してしまっていますから、使用前に十分撹拌しておかないと、塗料本来の色が発揮できません。というか、できませんでしたね今回。塗装の前に十分撹拌しておきましょう、というわけで、撹拌後にやりなおしです。
ここまで来たら、あとは白い箇所と髪の毛などの黒ですね。ところで、なんだか白い成型色に白を塗るってつまらないなと。かといって、微妙な白の風合いをイメージできるほどのセンスもないしなあ。とりあえずここも、塗料の力を借りて、ちょっと面白くしてみよう。というわけで取り出したのがこちら。
この塗料は、いわゆるパールカラーというやつで、中に細かいキラキラ粒子が入っていて、それが光を反射し複雑な色味を演出してくれるのです(実は、先ほどのプリズムブルーブラックもそうです)。このルビーレッドは、赤系の色を反射してくれます。
「Mr.クリスタルカラー」というシリーズで、青だったり緑だったりと色々出ているので試してみてください。ちなみにホントは、こういうパール塗装はいくつか色を重ねながら楽しむものですが、今回はパーツに直に吹いてしまいます。
よし! あとは黒髪だけです。ここは、ツヤッツヤの黒にしてみようかな。黒髪だしな、というわけで、先ほどのアルティメットブラックを塗装したいと思いますが、ここでちょっと別のエアブラシを。私が使っているエアブラシ、総額が4万強と言いました。流石に最初にそこまで予算をかけられないよ、という方は、こうした商品で試すのもありではないでしょうか?
USBで充電するコンプレッサー(赤い筒状の部分)に、専用エアブラシが直に接続されています。充電すると40分は使えるとのことで、動作時間的には充分かなと。ハンドピースは0.3mmと一般的ですし、前述したダブルアクション仕様になっています。電動コンプレッサーの部分が、ちょっと握るときに邪魔かなと思ったのですが、意外とそうでもありませんでした。
なお、筒状のコンプレッサーは意外と面白い利点があって、どこにでも「コト」っと置けるんですよね。通常ハンドピースはホースが付いているので、専用のスタンドにさしたりして固定しますが、このタイプは机の上のどこにでも置けてしまうのが、隠れたメリットかなと。
では実際に、黒を吹いていきましょうか。
さて。こうしてすべての塗装が終わりました。乾くのを待って組み立てますが、ここで注意点が。塗装済みのパーツは、一見乾いているように見えても、実はまだ乾ききっていない場合があります。特にクリアー系の塗料を厚めに塗ったときなどは、触ったときはもうベタつかないが、ちょっとパーツを押し込むと指紋が付いてしまったり。
なので、できれば1日くらいは間をおいたほうがいいでしょうね。塗面を触って少しでもひっかかりがあったら、それ以上は触らないほうが無難です。本当に乾いたら、表現しづらいのですが塗面がカチッとします。
そして、組み上げた後に最後のイベントです。そう、例のマスキングを剥がすときが来ました。いや、ホントはやり直しの可能性も考慮してもっと前にやる作業ではありますが、最後のお楽しみにとっておいたのです。
よーし! これにて完成! 全体像を見てみましょう!
これにて、エアブラシ塗装のレポートは終了です。いかがでしょう? たしかにエアブラシは(いや筆塗りも)奥が深く、使い「こなす」には、そこそこの習熟を必要とします。ただし、単に使うだけならば、その日のうちからできるでしょう。特に今回ご紹介したような方法は、塗料の濃度だったり吹き付け方以外は難しいことはないので、「面白そうな塗料を買ってきてハンドピースにぶち込んで吹く」で、できてしまいます。
色の配合が、とか、グラデーションをうまく、とか、そういうレベルではなくて、単に吹くだけであれば、エアブラシは簡単なんです。だって、ボタン押すだけですよ? 極端に言えばね。少なくとも、車の運転よりはよっぽど簡単でしょう。
さいごに、「エアブラシをはじめてみたい!」という方は、入門用の書籍などの購入をおすすめしますが、動画ならば「マイスター関田のエアブラシ基礎講座」を御覧ください。マイスター関田氏は多くの模型誌で活躍されているだけではなく、根拠のあるしっかりとした知識・経験を持った方です。是非参考にしてください。
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