特別企画

ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、失敗したら指で消せ! 簡単にプラモデルの魅力を倍増させる「スミ入れ」の世界

 今や、たいていのキャラクタープラモデルは、パチっと組めば劇中さながらのカッコいい(もしくはシブい)完成品を楽しめ、なんなら付属シールを貼ればさらに映えるように作られています。改造をしたり塗装をしたりというのは、ある意味プラスアルファの「お楽しみ」という捉え方もあるでしょう。

 “パチ組み”とは、塗装やつなぎ目消しなどの処理をせず、昨今のガンプラのように場合によっては接着剤も使わない、説明書そのままプラモデルを組む組み方です。とはいえ、パチ組みだけではもったいないといえばもったいない。なぜなら、完成品トイとプラモデルの大きな違いは、「自分で手を入れる遊びが可能」なことだからです。そして実は、塗装や改造をしなくても、お手軽に手を入れられる方法があります。それが、「スミ入れ」です。

 スミ入れは、もちろん塗装したプラモデルにも施しますが、無塗装のプラモデルにやってしまっても全然OKです。むしろ(商品にもよりますが)印象がガラリと変わるので、パチ組みにこそ、推奨します。

 ではスミ入れとは何か? と申しますと、プラモデルの表面に施された彫刻(モールドと言います)に塗料を流し込んで、強調する手法です。プラモデルの表面には、パネルラインや微細な段差などがモールドとして彫り込まれています。

 これらはそのままでも「うわぁ、細かいなあ」と感動する部分ですが、ここに、黒い塗料(スミ)を流し込むことで、より一層モールドが引き立つというわけです。ちなみにスミ入れは黒以外の色でも行なうことがあり、そのチョイスがまた、楽しかったりもします。今回は、もっとも楽でお手軽なスミ入れ方法を紹介しましょう。

 今回はガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム(ライトパッケージVer.)」をペン型の「ガンダムマーカー」を使ったスミ入れ。スター・ウォーズのプラモデル「AT-ST&スノースピーダー」を劇中の雰囲気に近づける、“ウォッシング”を説明したいと思います。

「ガンダムマーカー」のスミ入れ用ペン各種でスミ入れをしてみよう!

 最初に紹介する用意するのは、GSIクレオスの「ガンダムマーカー」のスミ入れ用ペン各種です。

【スミ入れ用ペン】
ガンダムマーカーのスミ入れ用ペン

 これらペンの、どれを使ってもかまいません。スミ入れの方法は、いずれも「スミを入れて拭く」だけなのですが、いくつかやり方があり、そのやり方に従って、各種ペンが用意されているというだけですから。なお今回は実験用に、私がプラ版にミゾを彫ったものにスミ入れをしてみました。私のウデゆえミゾが若干汚いのはご容赦ください。とはいえスミ入れの実際はわかると思います。

ガンダムマーカー流し込みスミ入れペン 275円(税込)

 モールドに「チョン!」とタッチすると、毛細管現象でスミが流れていくペン。一箇所(もしくは数箇所)からスミを流しこむので、微細なモールドにお手軽に入ってくれる。スミが流れていくようすがとてもきれい。ブラック、グレー、ブラウンの3色が用意されています。

【流し込みスミ入れペン】
赤丸で囲んだ部分を御覧ください。ペン先をミゾ(モールド)に当てれば、そのあとスーッとスミが流れてくれます

ガンダムマーカー スミいれ ふでぺん 水性 ふきとりタイプ 220円(税込)

 プラモデルに描くことができる筆ペンです。モールドに沿って線を描いていき、拭き取れば塗料が残る。ブラックとグレーの2色が用意されています。

【ふでぺん 水性 ふきとりタイプ】
モールドに沿って筆ペンを走らせています。ちょっと線が太いのですが、このあと拭き取ります

ガンダムマーカー スミいれ/極細タイプ 220円(税込)

 極細ペンです。もちろん拭き取ることも可能ですが、そもそも極細ペンなので、スミを描いたらそのまんまでもいいかも(いや拭き取ったほうがモールド本来の細さが実感できるから楽しいのですが)。直感的に扱えるところも魅力ですね。

【ふでぺん 水性 ふきとりタイプ】
拭き取らなくてもこの細さ。モールドに沿ってペン先を動かすだけです。お手軽です。

ガンダムマーカー スミいれペン シャープ 660円(税込)

 ガンプラ川口名人が推奨する0.3mmのシャーペン。ホントにシャーペンなのですが、0.3mmと細いのが特徴で、モールドのほか、面と面で形成された「谷」の底など拭き取りが不可能な場所に使うのもよいですね。また、シャーペンということは塗料よりも色が薄いので、繊細な線になるところも魅力です。

【スミいれペン シャープ】
シャーペンで描いてみました。薄くてまさにシャープですよね。お手軽なので万人向けですし、やりすぎ感がでないところもよいです

 さて。一通り、スミ入れ用のペンでミゾにスミを入れてみました。各ペンの違いはこちら。

【各ペンの違い】
各ペンでスミを入れたようす

 あ! 一番上の流し込みスミ入れペンだけ、やけに汚いですね! まず、流し込みした箇所が多い(点になっている)のは、私のミゾを彫る精度が甘く、毛細管現象があまり働かなかったから。そこはご容赦いただくとして、問題は左端ですね。

 流し込んでスミが乗ったところを乾ききる前に触ってしまい、スミがブチャっとなってしまったのです。しかし、ここからが本番です。スミ入れは、こうしてはみ出したり汚くなってしまっても大丈夫。簡単に拭き取ることができるのです。

何で拭き取るのか? コレです。

【指で拭き取る!】
指! 指でやっちゃいます!
指でゴシゴシとこすりました。はみ出しがあっという間に消えました

 実は、塗装していないプラモデルであれば、指でゴシゴシと撫でると、はみ出したスミが取れてしまいます。※表面がつるつるしているからです。

 ただし、やっぱり指でやるって、なんだか抵抗ありますよね? しかも、うっすらと拭ききれていなくて汚い部分が……。さらに指、汚くなるし。そこで、コレを使います!

 こちらが、本来の方法と言えるでしょう。はみ出しは、消しゴムで完全に消せます。その結果が、こちら。

【消しゴムを使おう!】
消しゴムです
消しゴムでゴシゴシと消してみました。スキッとシャープになりました

実践! 「EG ガンダム」にスミ入れをしてみる

 では、スミ入れペンの概要をおとどけしたところで、実際にプラモデルにスミを入れてみましょう。使うのは、「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム(ライトパッケージVer.)」です。これがなんと! 近所のホームセンターで売っているところを見かけまして、価格も550円(税込)とお安く、組み立ても楽、さらにモールドもそれほど多くないので、「スミ入れ試してみたいなあ」という初めての方にもおすすめです。

 まずは頭部から。ここだけでも大分違いますから、お試しあれ。

【塗装準備】
「EG ガンダム」の頭部を、作業しやすいように分解

 頭部は形状が複雑ですから、作業しやすいように分解してみました。使ったのは流し込みタイプです。これを、耳……というか側面のダクトとバルカン砲にチョン! と付けます。

 そして、口というか……前面のダクトにも「チョン!」と付けます。

【スミ入れ】
ダクトとバルカン砲に流し込みペンでスミを入れました。バルカン砲はよいのですが、ダクトに関してはやりすぎてますね……
こちらも流し込みペンをチョンと付けました。盛大にはみ出していますが、拭き取るから大丈夫です。むしろ流し込みが不十分だと、拭き取った時に「アレ? スミが入ってなかった!」という事態になりますので、ある程度多めに入れています

 そして消しゴムを用意。頭部は細かいので、作業しやすいようにカッターで切り取って、エッジを利かせた形状にしています。

 あとは、ゴシゴシとスミを取れば完成です。消しゴムのカスがそこそこ出ますから、それらを落としながら作業します。

【消しゴムで拭き取る】
作業しやすいように切った消しゴム
まずは頭部にスミ入れ完了。先程のはみ出しがウソのようになくなっています

 お次は胸のダクトです。こちらは、極細ペンで描きました。

【ダクトにスミ入れ】
胸のダクトにスミ入れ中。向かって右がスミを入れた状態で、左が作業していない状態です。こうして比べてみれば、印象がかなり変わることがわかります

 さて、実をいいますと、好みややり方にもよりますが、「EG ガンダム」は比較的モールドが少ない部類ですので、他には肩アーマーや前腕程度に施せば十分というところです。スミ入れ完了状態がこちら。

【完成】
頭部、ビームサーベル、肩アーマー、エリ、胸部ダクト、前腕、ヒザ下のダクトにスミ入れをしています
正面から
比較用に、スミ入れ前の状態を御覧ください。やっぱり、スミ入れをしたほうが立体感が出ますよね

 次ページでは“ウォッシング”によるスミ入れです。ペンでなぞるよりグッと難易度が上がったように感じるかも知れませんが、実はお手軽に雰囲気が良くなるのです。しかもペンでなぞる以上に手間いらず。“さっと流して綿棒でこする”です。こちらも是非試してみてください。