特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、筆塗りでよりキャラクター性を強くする!
金属の爪! 真っ赤な裏地! 部分塗装でさらに輝くガンプラ
2021年4月30日 00:00
これまで“ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」”ではプラモデルの組み立ての注意点、組み立てた後に簡単な表面塗装での仕上げ、さらにガンダムマーカーを使ったピンポイントの塗装でよりかっこよく仕上げるコツなどを紹介してきました。
特に前回「最小限の塗装でキリリと仕上げる!」ではズゴックに部分塗装を加えることでディテールアップを行ないました。そこで今回はさらに“筆塗りによる部分塗装”というテーマで、キャラクター性を強め、質感をアップさせていきたいと思います。
プラモデルの塗装は「スプレーによる全体塗装」、「エアブラシを使った本格塗装」などさまざまなものがあります。実はエアブラシは筆塗りのようなムラが出にくいなどおすすめのポイントも多いのですが、用意する道具や環境を考える必要がある。一方で筆塗りは、筆と塗料さえ用意すればすぐできるので、数百円の投資でプラモデルが劇的に変わって楽しいし、満足感=作った感も得られます。ガンダムマーカーの次は、筆塗りに挑戦していきましょう。
使うのは水性塗料。これは、筆を水で洗えるなど、超お手軽なのです。匂いも、ほぼしないでしょう(敏感な人は感じ取るかもしれませんが、缶コーヒーよりも匂いは感じないでしょう)。そして、部分塗装ということで、全部は塗装しません。好きな箇所のみを塗装します。ガンプラに顕著ですが、今どきのプラモデルはたいてい設定通りの色分けがされているので、ポイントだけをちょっと塗る……という楽しみも可能な時代だからです。
用意するプラモデルについては、今まで作ったパチ組みを再利用してみるのもいいですし、もちろん改めて買うのもいいでしょう。私は、自分のパチ組みストックの中から、「HG 1/144 ロードアストレイダブルリベイク」を取り出してきました。
私がこのガンプラを選んだのは、単にカッコいい! という点のほかに、1/144にも関わらずひとつひとつのパーツの形状が細かいからです。部分塗装は文字通りプラモデルの一部分を塗るわけですから、形状が細かい=凹凸がたくさんあるほうが、たとえば「この凸モールドの部分だけ塗ってみよう」とか「この面だけ塗ろう」といったように、塗り分けが映える場所が多いのです。
なおこの機体、リバーシブル機として変形も可能なのですが、今回はさすがに変形後を考えて塗るのは大変なので、表モードのクアドロ形態で塗装を施しました。
では作業をしていきましょう。
筆塗りをするためにはどんな道具があると便利か?
使った材料・道具は、GSIクレオスの「水性ホビーカラー」と筆のほか、塗料皿と水性ホビーカラーうすめ液、さらにデザインナイフなのですが、なにも持っていない人は、水性ホビーカラーと数種類の筆だけを用意すれば大丈夫でしょう。以下、各材料・道具を説明します。
水性ホビーカラー
2019年にリニューアルされた水性塗料です。昭和生まれの方は、「水性」と聞くと「あぁ、あの乾かないやつ……」みたいに思われるかもしれませんが、新しく生まれ変わった水性ホビーカラーはまったくそんなことはありませんし、発色も良好でした。
水性ですから、水彩絵の具と同様に筆を水洗いできて便利です。乾くと水では溶けにくくなるのですが、水性ホビーカラー用うすめ液を使えば溶かすことが可能なので、失敗したな、というときも安心です。もちろん匂いもしません。
水性の塗料はほかにも、GSIクレオスのアクリジョン、さらにシタデルやファレホといった商品があります。お好みでそれらを使ってみるのもよいと思いますが、今回は入手のしやすさや価格面で、水性ホビーカラーを使ってみました。
筆
筆は、幅が5~10mm程度の平筆と、細い丸筆があれば、今回の作業に関しては十分です。平筆は、上記した写真の材料・道具一覧の写真に写っているものです。丸筆というのはこちら。
さらに、あると便利なのが面相筆で、たとえばMSの目などの細かい部分を塗るときに使います(今回は、目はシールのままです)。
筆については、いわゆるピンきりというやつで、100円以下から1000円以上するものまで売られていますが、最初は数種類がセットになったものを買ってもいいと思います。高い筆を、気を使ってメンテするよりも、安い筆をバンバン使い捨ててしまったほうが楽で精神衛生上よいので。
水性ホビーカラー専用うすめ液
水性ホビーカラーは乾くと水では溶けません。塗装のはみ出しなどがあった場合は、拭き取ることができるので、あったほうがいいかもしれないのですが、今回は塗装のはみ出しについてはもっとワイルドな方法を取っていますので(後述)、なくても大丈夫かなと。
塗料皿
模型店店頭などで販売されているプラモデル専用のお皿です。2つ以上の塗料を混ぜ合わせたり、筆を洗うのに使います。あるととても便利ですが、なくても紙コップなどで十わかと。
なお、部分塗装の場合はパーツの塗っていない箇所を手で持って作業すればよいのですが、そうはいっても塗ったあとのパーツを乾かすタイミングでどこかに置いておかねばなりません。そういうときは、クリップ付きの竹串が役に立ちます。私は大量に持っていますが、数本だけでも持っていると楽です。