特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、筆塗りでよりキャラクター性を強くする!
2021年4月30日 00:00
特徴的なバインダーと肩アーマーに部分塗装
さて、顔が終わったら、次にこの機体の特徴である肩のバインダーに行ってみましょう。
まずは銃口部分。こまかいディテールが密集しているので、こういうところに色を入れてあげると格段にカッコよくなります。
さらに、銃口付近のディテールにシルバーを塗装。ここは細ければ細かいほど見せ場になるところ。
そして、バインダー全体には、成形色と同系の赤基調のメタリックを塗りたいなと。ただ、似た色がなかったので、メタリック色のカッパーにクリアレッドを混ぜて自分で色を作ってみました。
コツとしては、2色混ぜ合わせるときは、薄い方の色をベースに、濃い色を少しずつ足していくほうがよいです。濃い色のほうがどうしても強力なので、用心しながらお好みの色を探します。特に青や黒はとんでもなく色が変わるので、もう一滴単位くらいでもいいかもですね。ご注意を。
こうして自分なりに好きな色を作ったら、バインダーの凹んだ箇所に塗っていきます。
最後に、肩アーマーにも色を塗りましょう。ここにもさっき作った色を塗りたいところですが、それだとちょっと単調かなあと。さらに、あんまり明るい系のメタリックばかりだと、おもちゃっぽくなってしまう可能性もあり、だったらと、銃口に使用した赤鉄色を使ってみました。
いきあたりばったりなりに、いろいろと考えるのも楽しいところ。好きにじゃんじゃん塗っちゃいましょう! センスのない私のような人は、前述したとおり色相関と同系色を中心に考えれば、それなりになるのではと。
はみ出した塗料は、ヤスリやナイフで削って落とす!
さて。ここまでの写真で、お気づきでしょうか?
「なんか、めちゃくちゃハミ出してない?」と。
そうなんです。めちゃくちゃはみ出てるんです。ひどいもんです。マスキングをすれば回避できますが、それもメンドイ。なのではみ出したまま塗ってます。でも、ここからが部分塗装=詳しく言えば、パチ組みの、パーツの上に部分的に塗装する作業のよいところです。
はみ出しは、なくせばいいのです。無くす方法は2つあります。1つは、薄め液ではみ出し部分を拭き取る方法です。これは確かに綺麗に拭き取れますが、拭き取りたくないところまで拭き取ってしまったり、拭き取り時に溶けた塗料が全体に伸びて面倒なことになってしまったり、そもそも薄め液も必要です。そこで第2の方法「削る」があります。
カッターもしくはデザインナイフで、はみ出しを削ります。もちろん、削り跡が汚くなる、というか傷がつくのであんまりいい方法ではありません。ですが、いいじゃないですか別に。楽なら。そして、はみ出したままだったり、はみ出しに神経質になりすぎて塗るのが嫌になっちゃうよりも。
なお、傷が嫌な場合は、600番あたりの紙やすりを使って削る方法もあります。順次番手を上げていって、800→1000→1200……と、最終的に10000番程度(爪磨きで使われている細かさ)のヤスリで仕上げれば、ツルピカの面が復活します。
基本的には、前回行なったスミ入れの大きい箇所版、とも言えるでしょう。
ボディやその他の部分も塗っていく! 一番やりたかったツメの塗装も!
お次はボディです。こちらも複雑なディテールが組み込まれていて、ちょんちょんと塗装すると映える箇所。まずはお腹を行なってみましょう。お腹は、紫のシールが中央に配置されていて、これはそのまま活かす形にしました。
両脇の丸いモールドは、赤鉄色を「ジャブ」っと付けて、綿棒で拭き取ります。これはもう、スミ入れですね。脇腹に細かいラインがモールドされているので、ここに赤を入れ、その下に凹みがあったので赤鉄色を塗り、こちらも綿棒で拭き取りをして、スミ入れ的な処理をしました。
そして胸ですが、二重構造になっています。内側の本体? のエリと、胸の下に赤を入れました。なお、胸の下の赤は、パーツ本体の色が紺色のために透けて赤の発色が鈍いのですが、めちゃくちゃ目立ってほしいわけではないので、これでよしとしています。
この「アーマー胸」には、大きなエリ状の突起があります。これを、バインダーのときに作ったメタリック色で塗装しました。バインダーと同じ色なので、丁度いいかなと。
ただ、こちらはもっと違う色がよかったかなあと後で反省。目立たないんですよね。とはいえ、キット付属の丸いメタルシールとの組み合わせもちょっといい感じかなとも。
次は腕です。これは、実は今回一番やりたかった部分で、部分塗装の見本みたいなところ。というよりも、ほかはどうでもいいので、ここだけでも塗装していただきたい! そう、ツメの部分です。
このツメを、金属っぽい感じにしたらカッコいいですよね? これまで散々使ってきた赤鉄色を塗装しました。さらにここだけ、今回のテーマからははみ出しますが、赤鉄色が乾いた上から、シルバーを「ドライブラシ」しています。
ドライブラシというのは、塗料を筆にとって、ギュッギュと搾り取り、筆の塗料がもう、乾いてしまったよな……という頃合いで、パーツに軽くなすりつける手法です。すると、カスカスの塗料がパーツの凸部にのみ残るので、グラデーションがかかるというわけです。
さらに、ツメの基部パーツにメタリックグリーンのラインも入れてみました。完成したのがこちら。
まあ実はドライブラシも巧拙があって、上手い人だと筆跡がわからないくらい「ふわぁ~」っとやれるのですが、私にはムリです。けれど、そんな私でもキットの形状やモールドがしっかり浮かび上がるのでとても楽しいです。ぜひお試しを。
さて。だんだん作業も終盤にさしかかり、最後は脚部です。これは難しい。広い面が多く、さらにキット付属のシールがいい感じで差し色となってアクセントも効いています。広い面積に塗装をすると、また先程の「白の悲劇」が起きる可能性も……。
脚のかたちをジッと見ていると、やっぱりこの機体の特徴であるところのフクラハギ裏の大きな白いパーツ=レベルソ時の足パーツが魅力だよなと。しかも、どんな色でも塗るのが簡単な白の成形色。ただ、全面に塗るのはリスクが高いし全体の雰囲気を壊しそうです。
そこで思いついたのが「裏を塗る」ということ。脚の白いパーツの裏側を白く塗れば、差し色的に効いてくるのではないかと。このパーツですね。
塗るなら、赤だなと。バーニアの内側は赤が映えますし、ここでも映えるのではないかと考えました。そして、単に裏を塗装するだけではなくて、赤をパーツのフチまで持ってきてみれば、面白くなるかも! というわけで実行してみました。