特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、「シュトゥルムケーファー」を筆塗りで!
2021年12月17日 00:00
エンジン廻りの塗装、ドライブラシでメカの質感をアップ!
シュトゥルムケーファーのボディは、上部の装甲部分と、下部に顔を覗かせるメカ部分の、主に2つで構成されています。完成すると、メカ部分はチラチラと見える程度になりますが、それがまたカッコいい! これを上手いこと引き立てたいものです。というわけで、機械っぽく「黒鉄色」を塗りましょうかね。
エンジン部分は、塗っていて特に楽しい部分。メタリックな色が乗れば、いきなり質感が上がります。
さて。実は、ここで悩ましいのが脚部なんですよ。脚部の、スネの部分は真ん中に合わせ目が入るのですが、ヒザのアーマーと、足首のツメ部分は、このスネ部分に挟み込む構造。でも挟み込むと塗りにくくなってしまいます。なので、いったん切り離して別々に塗装して、あとでハメ込むようにします。
言葉だとわかりにくいので、写真を御覧ください。まずは全体の構造です。
さて、ヒザアーマーと、足先を挟み込んで接着してしまうと、奥まった箇所がたいへん塗りにくい(同じ色にするならばいいのですが、ここは黒鉄色にしたいなーと)。そこで、まず膝アーマーは先に塗ってしまって、先端を切って配置……
さらに、足先もパイプから切ってしまって、あとで接着するようにしました。こうすれば、足先のパイプの部分が楽に塗れますし、スネの先端の合わせ目も楽に消せます。
ふー。塗装中の工作も終わり、あとはメカ部分に少し化粧を。上部のメカ部分には、銀色のドライブラシをかけましょうかね。
ドライブラシは塗料がほぼなくなった状態の筆をこすりつけるウェザリングテクニックです。銀色の塗料を筆に取って、筆の塗料をティッシュなどで拭いてゴシゴシととって、ほぼ塗料がなくなったところで筆をパーツに擦り付ければ、パーツのモールドに薄く塗料が乗ってくれます。
ここまでできたら、またちょっとご満悦タイムです。メカパーツをハメてみましょう。
さて、これらのメカパーツも、上下を張り合わせる前に接着します。もちろん、キット自体スナップフィットなので取り外しができる構造ですし、ボディ上下には合わせ目消しが必要な箇所はない=別に接着しなくてもいい、のですが、あんまり開け締めをパカパカとやりたくないですし、塗装した後にはめる作業で力をかけたくありません。なので、このメカパーツは塗装前に接着してしまいます。ただキャノピー同様、本体塗装のときに色が付くのが嫌なので、マスキングゾルという乾くとビニールみたいになる素材を塗って保護します。これ、塗装後にぴろーっと剥がれます。
あとは……エンジン部分にもドライブラシしましょう。
なお、脚の付け根の輪っかの奥にも、黒鉄色を塗っておきます。
こうして、エンジン廻りの塗装がほぼ終了です。完成するとあまり目立たない部分ですが、だからこそ、チラ見えしたときにカッコよくなるかなあと。
いよいよボディーの塗装ですね。いったん全体を組み上げてみましょう。基本的には、この組み上げた状態で色を塗っていきたいと思います。全体の雰囲気を見ながらの作業というわけです。
全体塗装、立体的に見せるため、影の部分を強調
ここまで長い道のりのようですが、実は合わせ目消しをしなければ、コクピットを先に塗ったり後ハメ加工をしたりといった作業をすることもないので、これまでの行程は飛ばして、ここからの、完成体への塗装からやってしまってもいいと思います。
では、本体上面、いちばん大切な部分をやっていこうと思います。ここで、私の頭に浅はかな考えが浮かんできたのです。「シャドーを吹くみたいな感じで、予め影のところを黒く塗ったら後々おもしろいことになるかも」というものです。塗装をより立体的に見せるため、影になる部分は黒を塗ったらいい感じになるのでは? と、いうわけで、これまで同様、上に何を塗っても大丈夫なアクリジョンの黒を、影になる部分に塗ったくってみました。
さて、ズバぁっとやってみましょう!
もう、ダメかも……。でも全部の塗装を剥がしてやりなおすのも面倒なので、このまま進めてみたいと思います。GSIクレオスの水性塗料で、茶色と緑色を若干マゼコゼして作った黄土色らしき色を、ちょっと薄めて(薄めないとせっかく塗った黒い部分が透けないなと思ったので)ベチャベチャと塗ってみました。
うーん、やっぱりまずかったんじゃ。こういう重ね塗りはやっぱり、エアブラシならわかるけど、筆でやってもダメなんじゃ……。でも大丈夫! 厚塗りしてしまえばわからないって! と気を取り直して、その後は黄土色を何度か塗り重ねました。が、流石にヤバい雰囲気に。
さて、ここで、今回は単色ではなくて、柄を入れたかったのでした。ちょっと迷彩っぽい感じに。ただ、複雑なパターンはちょっとむずかしいし、センスも要求されるので、「緑っぽいのでやってみるか」と、水性塗料で深緑を作りました。
一応ボディにシャーペンで下書きをして、その下書きに従って緑を塗っていきます。
さて、こうして緑も塗り終わりましたが、さすがにボテボテの塗料を塗ったから、緑の塗料が盛大にモリモリの凸凹になっています。もしかしたらペーパーがけしたら直るかも? と思って、1500番のペーパーをかけてみたのですが、事態がさらに深刻な局面を迎えそうになったので、やめました。
……まあ、大丈夫さ。ここからドライブラシをかければ、きっと全体のトーンも落ち着くだろう。とにかく先に進もう。というわけで、お次はドライブラシです。凹凸の、凸な部分が浮き上がるはず。こちらもアクリジョンで、白に若干茶色を混ぜて、かなり明るめにしました。差がわからないとつまらないから、かなり明るめにしたのです。が、これまたトンデモナイことに。
うーん、これはかなりヤバい展開。ドライブラシで、「ふわぁ~」っと全体の凹凸が浮かび上がり、シュトゥルムケーファーの美しい曲面が強調される予定だったのに、なんだかわからない「若干白くて汚いもの」になっているような……。ともあれ先に進まねば。デカールを貼って心を落ち着かせよう。
なお、デカールには、以前もご紹介したMr.マークセッターを使いました。注意書きは貼り指示の通り、部隊マークは設定もあったかと思ったのですが、カッコいいものをチョイスして貼ってみました。
さて。ここでちょっと意気消沈、といったところですが、諦めたらそこで試合終了なわけですよ。しかも、この状況を一気に覆してくれるであろう最終兵器を投入しますよ。「カモーン! Mr.ウェザリングカラー!」というわけで、いよいよ一番のお楽しみ、ウェザリングへと進みます。