特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、「シュトゥルムケーファー」を筆塗りで!
2021年12月17日 00:00
ウェザリングで本体全体の雰囲気を落ち着かせる
「カモーン! Mr.ウェザリングカラー!」と心のなかで叫びながら用意したのは、GSIクレオスの「Mr.ウェザリングカラー」シリーズをはじめ、、各種ウェザリング用塗料です。こいつらがいれば、なんとかなるはず。いや、なんとかなってほしい。
では、ひとつずつやっていきましょう。まずはGSIクレオスのMr.ウェザリングカラーです。これは以前も紹介しましたが、模型にベチャッと塗って拭き取れば、あら不思議、なんとも風合いのある雰囲気にしてくれるのです。とはいえ、全身にドバドバと使うよりも、慎重に小規模にやっていきましょう。まずは「グランドブラウン」を使います。
なんとか、ちょっとシブい雰囲気になった気がします。もう少し実験を続けましょう。脚の部分に、マルチブラックを試してみます。
さて、ここまでで、どうやグランドブラウンのほうが威力が高いようだなと感じました。だとすると、まずはマルチブラックを全体に使ったほうが、変化が少なくて慎重に進行できそうです。お次はボディ側面にマルチブラックを使います。
こうして、グランドブラウンとマルチブラックを使えば、どうにか本体の白い雰囲気は落ち着きそうに見えたので2つの色をあちこちに塗っては拭き、塗っては拭きと繰り返しました。すると、みるみるうちに(自分としては)いい感じになってきまして、ここでまた、遊び心が出てしまいました。暗い箇所は、多めに塗って拭き取りも少しに、盛り上がっている箇所は強く拭き取るなど、強弱をつけるところが楽しいです。
でも……茶色と黒だけだと、どこか単調なんですよね。もっと深みというか色のバリエーションがほしいところ。というわけで……
こうして、本体の茶色(黄色系)、緑に加えて、Mr.ウェザリングカラーの黒や茶色、そして赤まで使いつつ、悪ノリして紫(レイヤーバイオレット)や緑(フェイスグリーン)も局所的に使い、どんどん「意味わからないけどなんとなくカッコいいのかな?」みたいな、深みだか雑味だかわからない状態に持っていきました。
このあたりの作業が実はめちゃくちゃ楽しくて、「ここの部分は影だからちょっと黒入れよう」とか、「ここにちょっと赤み入れたらどうなるのかな?」とか、試しながら拭き取りながら、どんどん重ねていくのがいいんですよね。本当に楽しい時間です。
さて、こうして一通り楽しんだら、ちょっとした儀式をしてみたくなりました。キャノピーです。いよいよ、冒頭で色を塗ったパイロットとご対面というわけです。
こうして、ウェザリング行程の合間にマスキングを剥がして小休止しつつ、細筆(面相筆)でAMMO by Mig Jimenezのウェザリング塗料「streaking effects」などで雨だれ的なものも書き込んでいきます。
もう、このあたりになると部分部分にちょこちょこと手を入れる段階なので、机の横に置いておいて、他の仕事をしながら、ちょっと気が向くと少し塗って……みたいな状態になります。どこまで行ってもキリのない状態ですが、好きな空き時間に少し作業をするというのも楽しいものです。
と、実はまだ、基本的な塗装をしていない部分がありました。それは、足先です。シュトゥルムケーファーの完成見本を見れば、足先は黒くなっています。ちょっと重機っぽいですよね? これ、どうしたものかなあ……と思っていたのですが、“ヤツ”を使ってみることにしました。以前紹介した、「真・黒色無双」です。
こうしてツメの先を黒くしたあとは、剥がれ感のあるちょっと金属っぽい状態にしたい。そこで取り出したのが、ウェーブの「こすって銀Sun」です。中身は極めて細かい粉なのですが、これをこすりつけることで金属質の輝きがでてくるというものです。
さて、脚はまだまだ終わりません。ここからは泥遊びです。タミヤのウェザリングマスターAセットで、粉を擦り付けましょう。
脚の仕上げには、さらに「泥」を使いましょう! 完全に泥遊びです。GSIクレオスの「Mr.ウェザリングペースト」です。これはその名の通りペースト状で、ぐちゃぐちゃの泥です。蓋をあけるとペーストが入っているので、筆に取って塗りつけますが、叩くように塗るというか付けるほうが、それっぽくなるでしょう。
完成! ウェザリングをすればなんとかなる! Ma.K.はやっぱり面白い
よーし! 紆余曲折ありましたが、これにて完成とします! それにしてもMa.K.はやっぱり面白いですね! 凄腕の作例がたくさん存在していて、「ちょっと自分ではムリかな」と思ったとしても、技法は紹介されているので、自分のレベルで工夫して真似してみるのも面白い。楽しいです。
私は今回ベチャベチャと汚して楽しみましたが(というかそれしかできないのですが)、本当はウェザリングは失敗をカバーするためのものではなくて、きれいに作りながら汚しを入れて風合いだったり深みだったりを作るものであって、そうした作品がMa.K.には溢れていると思います。そしてもちろん、私のようにヘタな人間であっても、最後にウェザリングをすれば(というか、Mr.ウェザリングカラーをぶっかければ)なんとなくどうにかなるし、そもそもそんなことは置いておいて、とにかくやってて楽しいことだけは知っていただきたいのです。
今回は工作までしてしまいましたが、それを除いて塗装だけ考えれば、初めてでも私が今回作ったものと同じ楽しみが味わえると思っています。「材料を買って→塗るだけ」で、ここまで楽しめてしまうわけですから、「全面塗装は敷居が高い」と思っている方は、是非挑戦してみてください。今回の方法であればエアブラシはいりませんし、匂いもありません(わざと嗅いだらそれはまあ、匂いはわかるかもしれませんが)。Ma.K.で、「模型ってホントに楽しいなあ!」と、再確認しました。みなさんもぜひ!