特別企画

食玩の進化を体感! 「ガンダムアーティファクト第2弾」の「V2AB」を全塗装&「光の翼」エフェクト再現

ノズルの交換、シールでディテールアップ、そして「光の翼」エフェクトを作成

 筆者は素組の段階で「背面のノズルが簡素だな」と思っていた。そこでハイキューパーツさんの「STDスラスター ノーマル4.0mm」と「STDスラスター ショート 4.0mm」を合わせたものを使用して、交換を試みた。

 本商品は金属製で重厚感もさることながら、リアルなノズル造形が魅力的だ。

 ノーマルサイズにショートのノズルを合わせることで深さを浅めに設定。パーツの交換はノズルの接続パーツの軸を切り取り、そこに接着剤で固定する。

【ノズル交換】
背部のノズル接続パーツの軸パーツを切り取り。デザインナイフで平面に
ノーマルサイトとショートサイズを重ねて接着剤で固定
ノズルの接続口に接着剤を塗布して、ノズルを接着

 次は頭部。目のセンサーとメインカメラは小さく、筆塗では厳しいため、シールによる装飾をした。

 使用したのは100円ショップで販売されている「装飾テープ」で、光を反射するため小さくても存在感を発揮するものとなっている。センサーに黄色、メインカメラに青色を使用した。

【頭部装飾】
サイズに合わせてカットして貼り付ける
アンテナを付けた状態でもメインカメラを確認できる

 最後に「V2ガンダム」といえば、「ミノフスキー・ドライブ」から発生する「光の翼」だ。その印象的なエフェクトをアクセサリーなどで使用されるレジンで作成した。

 レジンは100円ショップでも購入でき、すでに着色されたものも販売されている。基本的な形はキットの「ミノフスキー・ドライブ」を型にして成型した。

レジンはUVライト(ブラックライト)で硬化できるもので、同じく100円ショップで購入したプラ板は仕上げに使用する
【光の翼エフェクト作成】
背部の「ミノフスキー・ドライブ」と爪楊枝を置いて位置を調整。爪楊枝はエフェクトのウェーブ造形をつけるために使用
位置が決まったらマスキングテープで爪楊枝と「ミノフスキー・ドライブ」の底面を覆う
ここにクリアピンクのレジンを流し、爪楊枝で形を整える。この時ブラックライトで固めつつ、造形を調整する
クリアピンクのレジンがある程度固まったら、透明のクリアレジンを流してグラデーションを付けてブラックライトで硬化。そして、もう一度クリアピンクを流して、ボリュームと造形を調整
完全に硬化したら「ミノフスキー・ドライブ」の組み合わせを確認しつつ、ヤスリで側面を平らに整える
最後に切り出したプラ板で厚みを調整し、脱着できるようにする

 これですべてのディテールアップが完了した。

 キットを組み立てた時間の数倍かかったが、その分着色、ディテールアップによる印象の変化は大きかった。

 では、ディテールアップが完成した「V2アサルトバスターガンダム」を見ていこう。

手のひらサイズで展開される「V2アサルトバスターガンダム」見てください

 ディテールアップを施した「V2アサルトバスターガンダム」は手のひらサイズながら、その造形美に磨きがかかった。

 「ガンダムアーティファクト」の持つ緻密な造形美が塗装によってその真価が発揮され、より濃密で存在感を発揮する立体となった。同時に筆者の筆塗技術が低いために、筆ムラが目立っているところが大きな反省点だ。塗装のハードルの高さを痛感させられた。

【V2アサルトバスターガンダム ディテールアップ完了】

 メタリックブルーとブラスによって劇中に近いカラーリングながら、メタリックの輝きを放つ色合いにすることができた。

 また、サイズはプラモデルコーナーで見る塗料の瓶よりも少し大きいくらい。ガンプラ「HG 1/144 セカンドV」と比較するとその半分以下のサイズ感で、食玩キットの中でもかなり小さい。

【大きさ比較】
塗料便との比較
「HG 1/144 セカンドV」と比較

 それだけに小さい中に詰め込まれたディテール量はすさまじい。塗装によってその多さ、スミ入れによるモールドが明確になり、「食玩の進化」を感じることができる。

【V2アサルトバスターガンダム ディテールアップ完了】
装飾テープで目元のセンサーも見える
リア・スカートも色の情報でより重厚感あるものに
膝のアーマーもアレンジ造形によって濃密なディテールとなっている
足首回りもビスのような造形に色を入れてみるとその多さがわかる

 そして、「光の翼」エフェクトを装着。劇中の再現に加え、よりダイナミックな造形にすることができた。

【V2アサルトバスターガンダム 「光の翼」エフェクト装着】
正面からも展開しているところが見える
挟み込んでいるだけだが、劇中の展開に近い表現ができる

 造形を追求した食玩キットの新境地が感じられた「ガンダムアーティファクト第2弾」の「V2アサルトバスターガンダム」。

 素組だけでもその造形力の奥深さが感じられるが、やはり塗装することでその魅力は数倍にも膨れ上がる。そして、筆者が幼少期に買っていた食玩は確実に進化を続けている。安価なクオリティとは異なる、追求の奥行を持たせた想像力を掻き立てられる大人向けな商品だと実感した。

 手のひらサイズに詰め込まれた造形力もさることながら「色を塗ったらどうなるのか?」など組み立てた先の楽しみが広がり、ひとつひとつの制作過程でわかるディテールの発見と鮮明になっていくキットの充足感がたまらない。

 小さいからと侮るなかれ。高い造形力はただ飾るだけでなく、製作者の想像力を受け止める奥深さを持ち、立体物の楽しさを教えてくれる。