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「夏こそサバゲー!」、きちんとした暑さ対策で安全に楽しくサバゲーしよう!

ガスガンが最高に輝く季節! 今こそ愛銃を手に戦場を駆けよう

 史上最も暑かった2022年の6月が過ぎ、いよいよ暦の上でも夏本番となった。近年、夏に体温を超える気温になることも珍しくなく、休日にはエアコンの効いた部屋で過ごす方も多いだろう。しかしその暑い真夏、実はサバイバルゲーマーにとっては待望の季節なのだ。気化したガスの圧力で動くガスガンがその本領を発揮し、快調に作動するのである!

 火薬の爆発をガスに、弾丸をBB弾に置き換えているガスガンは、電動ガンやエアコッキングガンに較べ、"本物"に近いリアルな作動が楽しめる。そのガスガンが最も快適に作動するのが、気温の高い"夏"なのだ! 夏休みなど長い休みもある夏こそ、サバゲーを楽しめる季節なのだ。

 正直夏場のサバゲーはしんどい。とにかく日差しは強いし気温は高く、汗が出る。BB弾が飛び交うだけにできるだけ肌の露出は抑えたいが、気温と湿気が体力を奪う。楽しさに夢中になって動き回っているうちに体調が悪くなってしまうということもあり得るのだ。しかしそれでも夏場のサバゲーには、他の季節にはない格別の楽しさ、高揚感がある。

 屋外で行なうサバイバルゲームは猛暑では注意が必要ではあるが、1ゲーム長くても10分ほど。休憩も自由に調整できる。「適度な運動」に丁度良い遊びだと筆者は考えている。そして近年は暑さに対抗するための製品も進歩発展を遂げており、暑さ対策をすれば快適にゲームを楽しめるのだ。今回は、夏向けの衣料品やアウトドア用の手軽な暑さ対策グッズを使って、真夏でもサバイバルゲームを遊べる、楽しめる方法を伝授していこう!

手軽に購入出来る価格のグッズで涼を取ろう

夏はガスガンの魅力が最大限に発揮される季節! パワーソースの管理は注意が必要

 リードでも触れたように、夏はガスブローバックが安定して作動する季節だ。ガスガンのパワーソースのガスは20~30度での使用が推奨されている。ガスガンは気温が低くなると動作が鈍くなるが、夏はその心配がないのだ。連射によるガスの冷えを気にせずガンガン撃ちまくれるので、サバイバルゲームでも積極的に使っていきたい。

「ガスブローバックマシンガン CQBR ブロック1」。ガス圧の安定する夏はバリバリ撃ちまくれる
「電動ガンスタンダードタイプ H&K MP5A5」。1.9kgと軽量だ
「電動コンパクトマシンガン スコーピオン Vz.61」。ハンドガン並みのコンパクトサイズ、1kg強の軽さ、ドラムマガジンを付けられてファイヤーパワーがある、真夏のオススメウエポン

 なお、ガスガンに適した季節だからこそ、ちょっとした注意が必要になる面もある。それは高温でガス圧が高くなり過ぎないようにすることだ。炎天下で、ガスボンベやガスを充填したマガジンを直射日光に晒したり、高温になる車の中に放置したままにすると、気化したガスの圧力が高くなり過ぎ、ボンベの破裂の危険性が出てくる。

 マガジンも高温になりすぎると高圧により危険なパワーになったり、逆にバルブが圧せなくなって作動不良になったりもする。最悪の場合は破損や事故につながるのだ。そこで、サバイバルゲーム場に付いたら、ガスボンベやガスを充填したマガジンはすぐにセーフティゾーンへ移動し、日陰で風通しの良い状態で管理しよう。

 もう1つ、ガスブローバックマシンガンは実銃同様の重さを備えている。手にする満足感は高いが、酷暑の中重い銃を持ち続けるのは体力が削られてしまう。電動ガンスタンダードタイプなど比較的軽い銃との併用がお勧めだ。体力を気にしつつガスブローバックのメカニズムも満喫しよう。

ガスブローバックマシンガンのマガジンとノンフロン・ガンパワー。ノンフロンは従来品より冷えに強く、ガス圧が1割ほど抑えられる。夏場にはパワーを抑える効果がある

 同様に、電動ガン用のバッテリー、バッテリーを内蔵したケータイやモバイル器機、充電池も、炎天下や車内に放置すると高温により破裂したり火災の原因になることもあるので、管理を徹底しよう

ガスガン用ボンベと電動ガンのバッテリー、モバイルバッテリーに高温は大敵だ

水冷と空冷を併用して身体を冷やす! 酷暑に耐える最強コーディネート!!

 ここからは暑さ対策の数々に触れていこう。最初は基本となる衣服だ。真夏を駈けるサバイバルゲーマーにとって最強の敵はやはり酷暑だ。人間の身体は発汗し、汗を気化させて体温を下げる。そこで吸水性や速乾性に優れ、通気性の良い服装をすることで、真夏のサバイバルゲームに楽しく参戦できるのだ。

 ホームセンターやファストファッションショップには手頃な価格で暑さ対策の衣料品が並んでいる。サバイバルゲーム用品と組み合わせて積極的に利用したい。高温多湿な日本の環境に応じた暑さ対策をし、熱中症、熱射病を防いで過ごしやすい服装で酷暑に撃ち勝とう。

最強「サバイバルゲームゴーグルとメッシュマスク」で鉄板の曇り対策

 次はゴーグルとマスクだ。サバイバルゲームに欠かせないゴーグルは、夏場は特に汗と曇りの対策が重要になる。2段階切り替え式の電動ファンを備えた東京マルイ「プロゴーグル」がオススメだ。また、歯を守るために顔を被うマスクは、全面メッシュタイプならば発汗を妨げない。

 2つを組み合わせることで、酷暑でも安全で快適にサバイバルゲームが楽しめる。眼鏡用の曇り止めを併用するとより曇りを抑えられる。滝の様に汗が出る環境であれば、サンセイ社制のメッシュタイプゴーグルもオススメだ。

【ゴーグルとマスク】
夏は特にゴーグルでサバイバルゲームの快適さが左右される

熱を籠もらせない「ヘッドギア」で頭部はクールにキメる

 首には太い血管があるので、日光に曝されると頭の体温が上がり、体温も急上昇する。真夏のサバイバルゲームでは必ず帽子やタオルで頭を守ろう。ファッションアイテムとしても一般的な「シュマッグ」は乾燥した砂漠で良く使われるが、高温多湿では逆に熱が籠もる場合もある。夏のサバイバルゲームシーンでは、メッシュ状のキャップや速乾素材のタオルで発汗させて熱を逃がすと快適に過ごせる。

【ヘッドギア】
メッシュキャップ(左)と速乾性タオル(右)
速乾性タオルは水に濡らすことで気化して冷えるので、被ることで頭部の熱が逃げる。10分のサバゲーならば頭にかぶっておけば冷えが持続する

通気性と速乾性で体温を上げない「服装」で熱く暑さと闘う!

 サバイバルゲームでポピュラーな米軍式の迷彩戦闘服は化繊でゆったりしているので、真夏のサバイバルゲームにも向いている。しかし汗をかいたまま放置すると熱が籠もってしまうので、肌着に速乾性の物を着て、休憩時に着替えるとより快適だ。

 最近の酷暑対応として上衣は着用せず、Tシャツの上にメッシュベストを着て袖は冷感アームカバーを着けるのをオススメしたい。

【夏の服装】
速乾性の靴下とTシャツは何枚か持っていてこまめに変えるとより快適になる
作業用として販売されている「冷感アームカバー」
冷感アームカバーも濡らして絞って振ると、水分が気化して涼しくなる
半袖の被弾の痛みを軽減しつつ、熱さを和らげる
米空軍のメッシュベストをTシャツの上に着ると被弾の痛みを軽減しつつ涼しい。作業用のベストで代用可能だ
速乾性タオルを首に巻くのもオススメ

酷暑のサバイバルゲーム、「フットギア」は脱ぎ履きの楽さを重視!

 靴は地面と接していて、真夏は中の温度が40~50度と非常に高くなる。また、ズボンの裾をブーツにたくし込むと脚の表面温度も上がる。そこで夏場のサバイバルゲームにおけるフットギアは、休憩中に脱ぎ履きが楽なシューズタイプがオススメだ。サバイバルゲーム場は危険なので、運動靴ではなく安全靴で、速乾性の中敷きを併用するとなお良い。

【フットギア】
筆者は中東のクルド部隊が多用するトルコ製安全靴を履いている

パフォーマンスに直結する手は血流の要!@@

 掌、足裏、ほっぺたには、動静脈吻合という血流の要の部位があり、スポーツ界では掌を冷やすことがパフォーマンス向上に繋がるとされている。
 サバイバルゲームでは被弾の痛み軽減もあって手袋を着ける方が良いが、夏場は同時に熱を逃がす必要がある。防御性はレザーや厚地の物が高いが、夏場は薄手で外し易い物がオススメだ。

【グローブ】
酷暑対策には薄手で化繊の手袋がオススメだ

酷暑に撃ち勝つ装備は脱着容易な「チェストリグ」にまとめる!

 暑さと闘いつつ、サバイバルゲームでは敵とも対峙しなくてはならない。身軽にしつつも、サイドアームや予備マガジンは持っていたい。そこで単体で完結するチェストリグにまとめて収納し、休憩時には着脱すると体力の回復が計りやすくなる。

【チェストリグ】
用途が限定されないチェストリグは使い勝手が良い
サイドアームをマガジンパウチの部分に収納するとコンパクト。割り切って軽いエアコッキング式もオススメだ
上半身で完結しているチェストリグは脱着が容易だ
酷暑対策を最優先にしたコーディネイトで真夏のサバイバルゲームを楽しもう!

空冷と水冷で外からも冷やして酷暑を撃退する!

 運動中は、体温、皮膚温度が40度近く上昇すると言われる。発汗と速乾性の衣類だけでは限界があるのだ。水分補給は欠かせない、大事な要素だ。また、サバイバルゲーム場のフィールドには扇風機が備わっているところも多いが、さらに便利グッズも併用して体温を下げてやろう。

汗をかいたら「ミネラルと水分を補給」して中からも冷やす!

 人間は発汗によって体温を下げるが、当然汗をかいたら水分補給が必要になる。また、汗によってミネラル(ナトリウム、カリウム)が失われるので、水だけでなく塩分も合わせて補給することで酷暑に撃ち勝つことができる。サバイバルゲーム場にはおおむね自動販売機や水道もあるが、水筒に冷たい水を入れたり、好みのスポーツドリンクをクーラーボックスに入れて持っていくようにしたい。

 室内での水分補給は、冷た過ぎないものを1時間に200ml程度が良いとされる。しかしサバイバルゲーム場の様な屋外で運動して体温が上昇した場合は、適度に冷やした飲み物をこまめに飲んで下げた方がより熱中症予防効果が高まる。

【水分もキチンと!】
自動販売機は売り切れの可能性もある
塩飴やスポーツドリンクでミネラルを補える
クーラーボックス(右)は保冷効果が長い。電車移動ではクーラーバッグ(左)が移動しやすい
クーラーボックスにアイスノンや保冷剤を入れておくと、飲み物を冷やすと同時に腋の下や首筋、掌など血管の集中した部位を冷やすのにも使える
折り畳める水筒(左)はかさばらない。筆者はステンレスの水筒(中)に氷だけ入れて運用している。コップ(右)を使うと冷たい飲み物の飲み過ぎを防げる

手持ちで涼風! 「ハンディファン」の強進化! 空冷で身体の外から冷却

 クーラーがないととても過ごせなくなった日本の夏だが、サバイバルゲーム場ではクーラーは望めない。扇風機による風での冷却が主流だ。持ち運べるハンディタイプの扇風機もここ最近充電式で強力な物が多く、サバイバルゲーマーが1つは持っていて損はない。首筋など血管が集まる場所を局所的に冷やして酷暑に撃ち勝とう。
 なお、作業用の空調服も良く見かけるようになったが、サバイバルゲーム用としては音の大きさや強度の面で不安があるので見かけないアイテムだ。今後の発展に期待したい。
 また、冷却スプレーや制汗スプレーをセーフティゾーンで使うのは香料による「香害」という概念もポピュラーになっている現在はオススメできない。脇の下などに重曹をすり込むと制汗作用が得られる。

【ハンディファン】
サバイバルゲーム場での待機場・セーフティゾーンには大型の扇風機が設置されている。待機場ではこの風に当たって体を冷やしておこう
以前のハンディファン(左と中)は乾電池式だったが、現在は充電式で風力も強い
充分涼める回転力だ
首に付けられるツインタイプのファン。USBによる充電式でこちらも強力だ
重曹で制汗作用が得られる

夏のサバイバルゲームはTPOに応じ、総力戦で酷暑に撃ち勝つ!

 サバイバルゲームでは、ゲーマーの数だけコダワリがある。しかし高温多湿な日本での真夏のサバイバルゲームでは、やはり最強の敵の酷暑対策を最重点課題とするべきだ。「サバイバルゲーム中に熱中症で緊急搬送されました」というバッドエンドは絶対に回避しよう。

 環境に応じて変化する、適者生存を具現化するのが真夏のサバイバルゲームの醍醐味だ。自分なりの夏の装備を揃えて、酷暑に負けずサバイバルゲームを楽しもう。