特別企画
エアガン買ったらフィールドへ行こう! 普段着参加で全然OK! 必要な安全対策と、松・竹・梅のオススメ装備
2023年9月13日 00:00
エアソフトガンに興味のある人、実際に購入して自室の中でだけ楽しむ、いわゆる「お座敷シューター」の方の中にも「サバイバルゲームに参加したい」と思っている人は少なくないのではないか? しかし飛び込めない。その理由の1つに「サバイバルゲームには本格的な装備で参加しなければならない」という固定概念があるのではないだろうか。
現在はYouTubeやXなどでサバイバルゲームの画像や動画を気軽に見ることができる。一見彼等は本格的な「軍装」を纏っているように見える。しかし実際はカジュアルな「ミリタリールック」なのだ。軍装は軍の放出品やレプリカなど、実際に戦場で兵士が着ている服。ミリタリールックは、ユニクロやしまむらでも売っている迷彩柄やカーキ色のシャツ、ズボンである。そして実際にサバイバルゲームに参加してみると、圧倒的に多いのは迷彩柄やアースカラーのカジュアルなファッションミリタリールックに身を包んだプレーヤーなのである。
「軍装を揃えるのはお金もかかるし大変そうだからサバイバルゲームはやめておこう」 となっているのは実にもったいないと思う。実はミリタリールックにこだわらず、普段着でもサバイバルゲームには参加できる。サバイバルゲームに「ドレスコード」は存在しないのだ。
むしろサバイバルゲームフィールド側は行き帰りや休憩の買い出しに上下迷彩服は着ないようにお願いしている事も多い。普段着参加は完全にオッケーなのだ。服や装備でハードルが上がって閑散とするよりも、ライトユーザーが自由な服装で大勢参加して賑わう方を歓迎している。必須なのは眼を守るゴーグルと歯を守るフェイスマスクだけで、原則、服装や身に着ける物は自由だ。
エアソフトガンを購入し、手で触れて操作し、室内で的を撃ったりするのももちろん楽しい。しかしほとんどのエアソフトガンに付いているホップアップは数十メートル先までBB弾を飛ばせるので、広い屋外でこそ真価を発揮できる。また、銃にはマガジンを素早く交換したり、持ち運んだり狙いを付けたりする為に様々な機能があり、工夫がほどこされている。その便利さを実感するのには、サバイバルゲームという"実戦"は最も適している。
そして何より、ゴーグルを付けてエアソフトガンで撃ち合うのは、単純にとても楽しい。その楽しさをより多くの人に知って欲しい。筆者は熱心なサバイバルゲーマーの1人として、まず「普段着」と「ミリタリールック」、そして「軍装」の誤解を解いた上で、サバイバルゲームで最低限必要な物から"梅"、そこから手軽に雰囲気を出せる小物、より実践で役立つアイテムを"竹"、"松"とランク付けしてピックアップしてみた。サバイバルゲームに参加する参考にして欲しい。
サバイバルゲームに普段着で「参戦」しよう!
・自由な服装で撃ち合いを楽しもう
サバイバルゲームに一番多いのはミリタリールックのライトユーザーと書いたが、「実際に迷彩服や軍服を着てるんじゃないの?」と、思われる方もいると思う。繰り返すが軍服とミリタリールックは大きく違うのだ。良く見れば、多くのサバイバルゲーマーは、ネット通販などで安価に購入出来る迷彩服や、カジュアルファッションのカーゴパンツ、デニムなどを組み合わせて雰囲気を出している「ミリタリールック」なのだ。
かつては戦争映画等の影響でサバイバルゲームを始めるミリタリーファンが多かった。つまり"コスプレ"である。軍の放出品やレプリカを入手先を熱心に調べ装備し、歴史上の兵士や映画の登場人物になりきって戦場の疑似体験をする人達だ。
しかし現在のサバイバルゲームフィールドにはゲームやアニメのアクションシーンなどがキッカケという若者が主流だ。実際バトロワゲームなどでは、カジュアルなファッションで撃ち合うビジュアルも多い。ゲームやアニメファン、ライト層のユーザーが多数参加している現状がある。彼等は大きな衣料店で置いてある迷彩柄やカーキ色のミリタリールックを着込んでサバゲーに向かっている。
また、実は「軍装」はサバイバルゲームに不向き、という面もある。例えば米軍をはじめとするいわゆる「先進諸国」の兵士は多くの場合、防弾チョッキを着ている。しかしTシャツ程度でも貫通しないBB弾に、実弾を食い止める様な防弾チョッキは明らかにオーバースペックだ。さらに厚みがあるため背中にBB弾が当たって気付かず、いわゆる「ゾンビ行為」をしてしまう場合もある。
そして、重く、動きにくく、熱いので、朝一は張り切って防弾チョッキを着ていたが、お昼休憩のあとにはシャツ1枚になるのもミリタリーファンサバイバルゲーマーあるあるだ。防弾チョッキ同様に、実際に使っているがサバイバルゲームでは役に立たない、むしろ邪魔な装備は少なくない。そこでベテランやこだわりのユーザーでさえ、割り切って、最初からライトな「ミリタリールック」で参加する、というゲーマーも多いのが実情なのである。
以上の理由から、確かにヘビーな「軍装」ミリタリーファンもいるが、サバイバルゲームの参加者の多くは、身軽でサバイバルゲームを楽しむのに適したミリタリールックで「参戦」しているのだ。
繰り返すが、エアソフトガンを持っているだけの初心者が、動きやすい普段着で参戦することをためらう必要はない。次項からは、初心者でもサバイバルゲームをより楽しむためのオススメの服装を、予算や慣れのレベルに応じ「梅」、「竹」、「松」と3段階で紹介していく。アニメや映画、ゲームなどのカッコイイ雰囲気にしたい場合も、ちょっとした工夫で安価にそれっぽくなる。
まずは気軽に、とにかく戦場に来てサバイバルゲームを楽しんでほしい。
松竹梅で分類、戦場に持って行くオススメアイテム
梅~ゴーグルとマスク以外は持っているものでOK!
まず、サバイバルゲームに絶対に必要なのはゴーグルだ。ゴーグルがなければサバイバルゲームフィールドに立ち入ることは出来ない。
やはり目にBB弾が当たると大ケガになってしまう。安全にゲームを楽しむためにこれだけはそろえて欲しい。できればフェイスガード付きのもので、歯も保護して欲しい。撃ち合ってると結構BB弾は顔に当たるのだ。この時、ゴーグルとフェイスガードがあれば安全である。
現在はサバイバルゲーム用として様々なゴーグルが販売されているが、初めてのサバイバルゲーム用ゴーグルとしてはサンセイ社のロングセラー製品、「ゴーグル メッシュタイプ」をオススメする。
日本国内のサバイバルゲーム用としての規準をクリアしたサンセイ社の製品であれば安心感がある。目の周りを覆うゴーグルタイプで、ゴムバンドで外れにくくなっているのも、怪我をし難くなっているのでオススメポイントだ。フィールドに入る前にしっかり確認して装着しよう。
また、いくつかあるサンセイ社のゴーグルの中でメッシュタイプを選んだのは、ゴーグルの曇りはベテランゲーマーにとっても永遠の課題だからだ。「ゴーグルが曇った」と言って一気に戦闘力のパラメーターが0に近くなるのは初心者もベテランも変わらない。その点、メッシュゴーグルは曇りに関しての心配はない。
メッシュゴーグルには視野が暗くなるというデメリットもあるが、裏側をマーカーで白くペイントすると多少は改善される。とは言えやはり「曇らない」というメリットは大きい。眼鏡をかけている場合は、結局曇ってしまうが、それでもゴーグルとダブルで曇るよりはマシだ。眼鏡の場合は曇り止めを使って対応しよう。歯を守る為にフェイスマスク付きが望ましいが、予算的に厳しい場合はタオルや厚手のマスクで口を覆ってやろう。
ゴーグルさえ手に入れれば、あとはクローゼットやタンスから好きな服などを選べばOKだ。目立たない色の、怪我をしにくい、撃たれてあまり痛くない長袖長ズボンが無難にサバイバルゲームを楽しめるが、そこは自由で良い。
ただしサバイバルゲームは自己申告制なので、被弾した時に解らない様な厚手すぎる服装は避けたい。迷彩柄やミリタリー風の服もファストファッションブランドなどで当たり前に売られているので、持っている人も多いだろう。
バトロワゲームで初期スキンのデニムとTシャツで飛び込んだ家のクローゼットを漁って手に入れた状態、など、コンセプトを決めてやると説得力が出る。今回、頭から爪先まで実用的でそれらしくなるコーディネートを考えてみたので参考になればと思う。
・頭、顔
サバイバルゲームに限らず、ファッションで1番目立つのは顔と頭部周辺だ。頭も剥き出しでは被弾時に痛みがあるので、帽子を被るか、タオルやバンダナで守ろう。迷彩でなくとも、黒、緑や黄土色、茶色の物であれば雰囲気は出る。
・手
サバイバルゲームでは被弾は無論、地面や障害物に手を付いたりするので、手袋着用がオススメだ。黒や茶の軍手で充分だが、フィンガーレスグローブなど中二病の黒歴史としてタンスの肥やしにしている人は、使うチャンスだ。
・トップス
長袖のTシャツや厚過ぎないトレーナーなどであれば問題ない。この場合、頭の帽子や布と近い色合いにすると戦場にいる感じが強まる。
・ボトムス
普段着はもちろん、アウトドアなどでも便利なデニムは紛争地域の戦場写真でも良く見るし、サバイバルゲームで履く人は多い。また、カーゴパンツや作業用ズボンなど、収納力があるボトムスは実用面ではデニムに勝る。その場合は、トップスと色合いを合わせてやると良いだろう。
・フットギア
履き慣れたスニーカーであれば問題はない。今時のほとんどの運動靴は、1990年代にサバイバルゲームフィールドを席巻した人民解放軍の軍靴よりもはるかに安全性が高いので堂々と履こう。足首まで隠れるハイカットの物や、安全靴、トレッキングシューズ、ゴム長などもあれば、状況に応じて履いてみよう。
・装備品
サイドアームや予備マガジンを持っていれば、持ち運べる鞄を用意しよう。こちらも黒など目立たない色であれば問題はない。サバイバルゲームでは普段しない姿勢になるので、蓋があり中の物が出ない形が良い。
SMGやライフルは背負ったり射撃時に安定させたりとスリングがあると便利だ。エアガン用でなくとも、鞄のショルダーストラップや丈夫な紐、荷物用のバンドで代用できる。
予算に余裕があり、電動ガンを使うならば連射マガジンを購入しよう。その場合、標準で付いているマガジンとテープで留めてやると、銃本体で完結し、マガジンパウチの必要が無いので工夫してみよう。
また、非ミリタリールックとして、カジュアルと逆の服装をしたい場合もあるだろう。アニメやゲームキャラクターのコスプレや異性装など、上下迷彩服同様、一般的に普段しない服装を出来る場所としてサバイバルゲームを楽しんでいる人も少なくない。
買ったは良いが着る機会がなく、クローゼットの肥やしになっている衣装でサバイバルゲームと同時にコスプレデビューしてみるのも良いだろう。ただその場合でも、上記同様怪我をしない様な工夫やアレンジは意識しよう。半袖半ズボン、スカートであればアームカバーやレギンスで肌の露出をしないようにしてみよう。
コスプレで参加する場合には、キャラクターに愛情を持って、ロールプレイをしてくれた方が、こちらもリスペクトできる。コスプレ参加者はなりきることによって多くのゲーマーからリスペクトされるだろう。
竹~部分的にこだわりアイテムで全体がグレードアップ
クローゼットからのチョイスでサバイバルゲームの楽しさを体感したら、部分的にこだわって買いそろえると見た目の「らしさ」も実用性も格段に向上する。数千円で中東の非正規戦闘員風を装えるので参考にしてもらいたい。
・頭・顔
竹装備で何といってもオススメなのが東京マルイの「プロゴーグル」だ。資金に余裕があれば真っ先に買ってほしい。とにかく視野が広く、強烈な曇り止めのファンが付いているのが特徴で、着用するだけでサバイバルゲームのレベルを上げられるアイテムだ。プロゴーグルの良さについて筆者は以前詳しく語っているので、併せて読んで欲しい。
そして中東の戦闘員風味を演出するのが、アフガンストールやシュマーグと呼ばれる大きな布だ。雑に巻くだけで、カジュアルな服装でも熱い砂漠の雰囲気が醸し出せる魔法のアイテムだ。価格も手ごろなのでオススメだ。
・トップス
シュマーグを巻くだけで充分に戦闘員風になるが、上衣だけでもBDU(戦闘服)を着るとより雰囲気が高まる。
・手
メカニクスウェア社製のグローブは、民生品ながら軍用としても多用される、コストパフォーマンスが高い製品なのでオススメだ。
・装備品
様々な姿勢を取るサバイバルゲームで使う装備は、中身も含め落ちない様にしっかり固定できて蓋が閉まる物が適している。シューティングマッチ用など、抜き易い物は固定が甘く、サバイバルゲームでは紛失の原因となるので注意しよう。
落とし物を捜してばかりでは、サバイバルゲームが楽しめなくなってしまう。
ハンドガンを使っている場合、ホルスターもあれば便利だ。軍用の物は形がある程度決まっていて、汎用性が低いので、マジックテープでサイズが調整出来る、色々なハンドガンに対応出来る物がオススメだ。
・マガジンパウチ
余裕があれば予備マガジンを入れるマガジンパウチがあれば、マガジンチェンジが素早く出来る。これも専用の物は銃毎に用意する必要が出てしまうので、汎用の物が良いだろう。深い物に小さなマガジンを入れる時は、段ボールなどを切って底上げしてやると取り出し易くなる。
・ボトムス
デニムにニーパッドなどのプロテクターがあればより安全性が高まる。ニーパッドはずれる場合もあるので、脛まで覆うレガースタイプもサバイバルゲームに適している。ローラースケート用や園芸用、作業用など好みの物を探そう。米軍特殊部隊が使っている「ALTA」社のニーパッドも、元はホームセンターなどでDIY作業用品として販売されていた物だ。
松~サバイバルゲームをより楽しめるグッズ
竹で実用面は充分だ。そこからは好みで好きな柄の迷彩服やチェストリグなどを入手してグレードアップしていこう。 ここでは、ベテランでもあまり使っていない個人的オススメ装備を紹介したい。
・特定省電力トランシーバー
サバイバルゲームでは敵と至近で声を出せないシチュエーションもあり、無線機は役に立つアイテムだ。実戦ではスマートフォンが重要な連絡手段になっているが、サバイバルゲームで瞬間的に意思疎通を図るには無線機が適している。免許の無い個人でも自由に使える特定省電力トランシーバーを選ぼう。
・腕時計
スマートフォンが普及して、特に若い人ではめている人を見かけることは稀になった腕時計。サバイバルゲームでは、時間制でどちらが長く守ったかを競うルールなど、あれば便利なシチュエーションは多い。
また、「チープカシオ」と呼ばれる安価なカシオ製腕時計は中東の戦闘員が多用しているので雰囲気も高まる。
・ダンプポーチ
筆者は強制給弾マガジンを多用するので、使用済みマガジンを放り込む「ダンプポーチ」はマストアイテムだ。しかし弾数に制限のないサバイバルゲームでは初心者からベテランまで連射マガジンの使用率が高く、ダンプポーチは不要と思われて使わないゲーマーも多い。
しかしメインウェポンのマガジン以外にも、使用済みのグレネード、ゲーム中に拾った落とし物など、取りあえず入れておきたいシチュエーションは頻繁にあり、あれば役に立つアイテムだ。
安価な物は腰に着けられる畳める袋が多いが、口がゴムになっている物は高価でもテンションで中の物が落ちにくいのでオススメだ。
・識別マーカー
これもベテランでもやっていない人は多いのだが、筆者は識別マーカーを両腕以外に脚や手首など、巻ける所には巻く様にしている。当然ながら撃たれ易くはなるのだが、味方に撃たれるリスクを減らすために、最低でも背中側にはマーカーを増やしたいところだ。
個人的に識別箇所を増やすのは初心者へ向けてベテランの思いやりだと思っている。
・デッドマーカー
1990年代前半ごろまでは、ヒットされて退場する時に掲げる白い「デッドマーカー」は識別マーカーとセットで配られるぐらいに当たり前の物だった。しかし2000年代頃から単にメインウェポンを掲げるのが一般化してしまった。
重い長物を掲げながら長い距離を歩くのは疲れるし、解りにくさのためにダブルヒットも後を断たない。是非とも復活してほしいアイテムだ。
今回、せっかくホップアップで長射程、高性能のエアソフトガンを持っているならば、お座敷シューターに留まらず、サバイバルゲームを楽しんでほしいという考えから本稿を執筆した。
特別な服と装備はなくとも、サバイバルゲームは楽しめることがお解りいただけたかと思う。やらない理由がなくなったところで、ようやく酷暑も先が見えてきた初秋、是非ともフィールドへ出てみよう。
竹、松では「戦闘員風」になったが、近年は、サバイバルゲームの非対称性を無くすためにスポーツライクなユニフォームのゲーマーも見受けられる。キャラクターのコスプレにこだわったりと、自由に楽しんでほしい。