特別企画

サバイバルゲームに必須なのは「ゴーグル」だ!

ゲーム歴36年の筆者が辿り着いたオススメ、東京マルイ「プロゴーグル」

【プロゴーグル/フルフェイス】

2008年発売

ヘッドサイズ:55cm以上対応

パワーソース:単4アルカリ乾電池2本

連続稼働時間:【LOWモード】約150時間 /【Hiモード】約50時間

 「サバイバルゲームを始めるためにエアソフトガンを買いたい」という人は多いだろう。自分のお気に入りの銃で戦場に出たいというのは大きなモチベーションだ。しかしエアガンだけではサバイバルゲームに参加するには不十分だ。服や靴はもちろん、マガジンポーチやゴーグルなど色々ある。そしてもし、「他の装備は余った予算から徐々に揃えていけば良いや」と考える人がいるならば、「ちょっと待ってほしい」といいたい。

 サバイバルゲームにおいてエアソフトガンと同じ、あるいはそれ以上にこだわるべき、大切なアイテムが「ゴーグル」なのである。ゴーグルはBB弾飛び交うサバイバルゲームの戦場において、なくてはならないものだ。発射されたBB弾が目に当たるのは、特に気をつけなければならない。

 サバイバルゲームに参加する場合、仮にエアソフトガン本体を忘れていたとしても、例えば偵察要員として走り回れる。あるいはカメラマンとしての参戦も可能だ。しかしゴーグルを忘れてしまったら、見学することさえもできず、セーフティゾーンへ戻らなければならない。つまりサバイバルゲームにおける唯一絶対の必需品はゴーグルなのである。

ゴーグルがなければ、写真撮影のためにフィールドに立ち入ることもできない

 そして初心者で経験がないと、その大切なゴーグルを「持ってさえいれば良いもの」と考えてしまいがちだ。しかし36年間サバイバルゲームをやってきた筆者は、ゴーグルで悩み、苦しみ、戦果を逃してきたし、そういうゲーマーを今でも見る。だからサバイバルゲームにおいてゴーグルは非常に重要な装備であると確信している。その経験の中で筆者が最良と言えるゴーグルに出会った。東京マルイの「プロゴーグル」だ。

【プロゴーグル】
筆者が愛用している東京マルイ「プロゴーグル コヨーテブラウン」

 筆者は「プロゴーグル」を長年愛用している。初心者にも自信を持ってオススメする製品だ。今回、最初に筆者の経験に置けるサバイバルゲームとゴーグルの歴史を語った上で、「プロゴーグル」をオススメする理由を語っていきたい。

日本のサバイバルゲームの歴史はゴーグルの歴史!

 銀玉鉄砲で撃ち合うような遊びは昔からあったが、それとは一線を画す「サバイバルゲーム」という競技があることを日本で知らしめたのは、1983年5月とある雑誌に掲載された北米での「サバイバルゲーム」のレポートだろう。その中ではインクの入った「ペイントボール」を発射する「ネルスポットガン」を使い、ゴーグルをかけた大人が撃ち合っていたのだ。

ペイントボールを使ったサバイバルゲームで使われているゴーグル。液体が眼に入り込まないように密閉されている

 当時、CO2でペイントボールを撃ち出す「ネルスポットガン」は日本に輸入する事は出来なかったが、「ゴーグルで眼を守れば弾の出るエアソフトガンで安全に撃ち合えるのでは?」と、日本のミリタリーファンの多くが考えた。そして時を同じくして、作業用の安全ゴーグルのレンズ部分をエアーガンの直撃に耐えられる強度にした「サバイバルゲーム用ゴーグル」と、歯を守るための「フェイスシールド」が合わせて発売されたのだ。

 当時、曇り止め加工を施したサバイバルゲーム用ゴーグルは2,300円、フェイスガード付きは4,000円、曇り止めゴーグルフェイスガード付きは4,800円だった。

最初のサバイバルゲーム用ゴーグルの同型品。作業用の安全ゴーグルに強化レンズが付いている

 日本中のミリタリーファン、エアソフトガン愛好家はこぞってこのサバイバルゲーム用ゴーグルを入手し、野山でサバイバルゲームが行うようになったのだ。まさしくこの年、1983年は日本式サバイバルゲーム元年であった。

 続いて1980年代末にはサンエイ(現サンセイ)が、完全新型のサバイバルゲーム用ゴーグルとフェイスガードを発売。既製品の流用で透明だった枠部分がミリタリーカラーになった。それまでサバイバルゲーム用ゴーグルが専門店でしか買えなかったのに対し、模型や玩具の問屋を通じて全国に流通させたので、一般小売店の店頭でエアソフトガンと並べて売られるようになった。

 さらに発売当時レンズタイプは980円、メッシュゴーグルが1,300円、フェイスガードは別売りで1,000円と、エアソフトガンと一緒に気軽に購入出来る価格だった。開始直後はBB弾の直撃に堪えない眼鏡やスポーツゴーグルが混在して危険だったサバイバルゲームシーンで、専用ゴーグルを付けることが当たり前となる転換点だったと言える。

サンエイ製サバイバルゲーム用ゴーグル。サンセイブランドで今も販売されているロングセラー製品だ
ハネウェル「NORTON」。米ハネウェル社のシューティンググラスだ

 1990年代には円高もあって実銃用のシューティンググラスが輸入され、国内メーカーからも類似の製品が発売された。夏場などはゴーグルに比べて快適だったが、1990年代半ばに雑誌社主催のサバイバルゲーム大会で、「ゲーム中にシューティンググラス型のゴーグルが落下し、BB弾が眼鏡を直撃して割れて破片が眼に入る」という事故もあり、基本的にサバイバルゲームで使うのはゴーグルタイプ、という評価が定着した。

 また、インターネットが普及した2000年代前後から、海外の高額な軍用の物や、それをコピーした安価な製品も普及して現在に至っている。

メッシュや軍用、様々なゴーグルを使ってきた筆者の遍歴

 ここからは筆者自身のゴーグル遍歴経験を語っていきたい。筆者がサバイバルゲームデビューを果たしたのは1985年である。それから36年の間に様々なゴーグルを使ってきた。それだけ、どのサバイバルゲーム用ゴーグルにも一長一短があったということだ。手放した物もあるが、現在手元に残っているゴーグルと、それぞれの特徴を紹介したい。

【初代サバイバルゲーム用ゴーグルタイプ】
矢幡商事「ゴーグル15」、価格800円、1990年頃購入。筆者が最初に使った初期のサバイバルゲームゴーグルの同型品。目立ちやすい透明な枠にカモフラージュを施してある

 最初に買ったフェイスガード付きは手放してしまったので、現在手元にあるのは後発の同型品だ。筆者が持っているものはストラップをサンエイの幅広の物に付け変えるなど改造・改良をしている。このタイプはホームセンターなどで販売されている作業用ゴーグルが元になっているために、視野が前面だけでかなり狭い。また、曇り対策として、パソコンの空冷ファンを後付けしている。このシステムは9Vの電池も必要で、配線が剥き出しで非常にかさばる欠点がある。

【サンエイ製ゴーグル+メッシュタイプ】
サンエイ「ゴーグル」、価格980円、1990年頃購入。レンズ部分を広田商事「メッシュ・シールド」価格680円に付け替え。1990年代から今も予備として愛用しているサンエイ(現サンセイ)のゴーグル。こちらも塗装と偽装網でカモフラージュを施してある

 1990年代から今も予備として愛用しているサンエイ(現サンセイ)のゴーグル。曇らないメリットがあるメッシュレンズは社外品を移植した物で、サンセイの物より丈夫だ。サイズを合わせるために鼻の部分をタイラップで止めている。このゴーグルも視界は狭く、またメッシュは視野も暗くなるデメリットがある。内側を白く塗装しているが、それでもレンズ式に比べると暗い。また、メッシュにBB弾が直撃した場合、割れた破片が眼を襲う危険性がある。筆者は眼鏡を着用しているので、破片はそこで止まるが、裸眼の方はメッシュタイプゴーグル着用には注意が必要だ。

メッシュゴーグルは内側を白く塗ると多少明るくなる
【シューティンググラスタイプ】
ハネウェル「NORTON」、価格1,800円、1992年頃購入。米ハネウェル社の安全メガネ「NORTON」。シューティンググラスタイプは1990年代に流行った

 筆者も夜戦用に一時期使っていた米ハネウェル社の安全メガネ「NORTON」。米国の安全基準「ANSI Z87.1」(直径25.4mm、68gの鋼球を高さ127cmから落下させ、破砕しないこと)をクリアしているのでBB弾の直撃には充分耐える。とは言えサバイバルゲーム用ではないので注意が必要だ。

 ゴーグルタイプに比べ視界は広い。夏場は曇り易いので空気穴を開け、冷却ファンを付けていた。筆者は前記のシューティンググラス落下の事故現場に居合わせたので、使用しなくなった。

【北米製実物ゴーグルタイプ】
ESS「STRIKER TURBO FAN」、価格19,000円、2000年頃購入。米軍特殊部隊で使用という触れ込みに吊られて購入した。※現在はアジア向けに改良した製品が開発されている

 北米のゴーグルメーカー製で「米軍特殊部隊でも使用」ということで思い切って購入した。視野は従来のゴーグルより広く、スマートな空冷ファンが一体処理され、電線もストラップに内蔵でデザイン的にもカッコ良い。しかし欧米人向けのナローデザインで、丸顔の筆者にはかなりキツい。

 しかもある日使おうと思って取り出したら、ストラップの基部がボロボロに腐食していて破損してしまった。散弾銃の直撃にも耐えるという強靱さがウリの軍用ゴーグルだが、日本の高温多湿はより強烈だった。

電動ガンの長物が買える高額製品だったがボロボロで使用に耐えなかった
【海外製ゴーグルレプリカタイプ】
FMA「タクティカルゴーグル ターボファン」、価格4,780円、2010年代に購入。ハードケース付きで3,000円ほどと安価だった

 こうして30年以上サバイバルゲームゴーグルの試行錯誤を繰り返した筆者がようやく辿り着いたのが、東京マルイ「プロゴーグル」だ。次ページでは「プロゴーグル」を買うべき理由を語っていきたい。