特別企画

サバゲーにショットガンを持って行こう! ポンプアクション、散弾の表現……ショットガンならではの面白さ!

 日頃サバイバルゲームに参加していて、「ショットガンを使っている人が少ないな」と思うことがある。電動のアサルトライフルやサブマシンガンをメインウェポンで使い、サイドアームにハンドガンを携行するというサバイバルゲーマーが主流で、ショットガンを使う人はあまり見かけない。

 本物は散弾を発射するショットガンだが、エアソフトガンメーカーは様々な手法で銃の魅力を再現している。実銃と同じようにBB弾をまとめて発射するもの。数発を1度に発射し散弾風に見立てたもの。外見はショットガンだが単発で、ライフルのような狙撃ができるもの……それぞれの製品でショットガンの魅力を再現しようとしている。サバゲーで使っている人はあまり見ないものの、商品ジャンルとしては人気のモチーフなのである。

 筆者がショットガンを使う理由の大きな理由はまず「ポンプアクション」だ。ショットガンの中には前方に可動式の握り部分「フォアグリップ」があり、これをガシャリとスライドさせてマガジンから薬室内に弾丸を送り込む。この握りをスライドさせるのが、昔の噴霧器などに空気を送り込む動作に似ていることから「ポンプアクション」と呼ぶのだ。

 映画などでも主人公がポンプアクションのショットガンを持ち、ガシャリとフォアグリップを動かして次弾を装填するシーンは印象に残る。このアクションが空気を圧縮するエアコッキングガンの発射準備のアクションと相性が良く、様々なメーカーがエアコッキングガンのショットガンを出している。

 筆者もこのアクションと各社の散弾表現に魅力を感じショットガンを複数持っている。今回はこれらの銃を紹介し、エアソフトガンでのショットガンの魅力、サバゲーで使うことの楽しさを紹介していきたい。

【筆者の愛銃達】
筆者所有のエアコッキングショットガン。上から「KTW イサカM37」「マルゼンCA870」「東京マルイ スパス12」

ショットガンは"散弾銃"。丸い弾を発射するから、BB弾との相性が良い!?

 エアソフトガンのショットガンについて紹介する前に、実銃のショットガンについて軽く説明しておきたい。マシンガン、スナイピングライフルなど、銃は長さや用途で細かくカテゴライズされるが、「ショットガン」は、ライフルやハンドガンに比べて明確な違いがある。それは発射される、弾丸(弾頭)だ。

【ダミーのショットガンシェル】
ダミーカート画像。後列左3つがショットガンのショットシェル。真ん中の緑色のショットシェルの先端に大きな散弾が見える。右側2つがライフル弾。前列左が球状の小粒散弾、右はライフル弾の流線型の弾頭

 ショットガンがわかりやすいようにダミーカートと、ライフルの弾丸を並べてみた。左側の3つがショットガンで使う「ショットシェル」であり、右2つのライフル弾と大きく形状が異なる。手前が発射される弾丸。左前の銀の玉がショットガンの"散弾"。ショットシェルはこの小さな弾が中にぎっしり詰まっており、火薬の勢いで銃口から飛び出し、広がる。ライフルの弾丸=弾頭が流線型であるのに対し、ショットガンは球状の、文字通り「弾丸」を発射するのが大きな特徴だ。

 現代のライフルやハンドガンは、火薬で打ち出された流線型の弾頭が銃身内のらせん(ライフリング)によって回転して、飛んでいく。それに対して、ショットガンは、丸い金属製の弾丸が火薬の力で打ち出され、パイプ状の銃身内で回転を受ける事なく飛んでいく。この点でBB弾を発射するエアソフトガンはショットガンと親和性が高いと言える。

 ショットガンは、銃口が大口径の迫力たっぷりな点も魅力。例えばエアソフトガン化されることの多い12ゲージ(口径)の銃口は(直径0.729インチ=約18.5mm)もある。M4シリーズの5.56mmに対して3倍以上の銃口経だが、この筒状の銃身内を用途に応じて様々な大きさや材質の弾丸を撃ち出して、散らせるのがショットガンなのである。エアソフトガン化する場合には、そこをどの程度再現するかが、メーカーの感覚と技術の見せ所となる。

【3発同時発射】
東京マルイ「スパス12」の銃口部

 ライフルやハンドガンに比べて独特の特徴がある「ショットガン」は、その発射の迫力や爽快感から映画やアニメ、ゲームなどフィクションで登場することも多い。そんな中で、日本のエアソフトガン界に多大な影響を与えたのが1984年公開の「ターミネーター」である。KTW社では「イサカ・ライアット」の説明で「ターミネーターは、KTWにもっとも影響を与えた映画だったことはまちがいありません」と語っている。

 東京マルイでは直接の言及こそないが「スパス12」が商品化に選ばれた理由に「ターミネーター」の影響が少なくないと思う。筆者に限らず、同作でショットガンに魅入られたサバイバルゲーマーは少なくないだろう。

 CGが無かった時代に、肉弾相打つアクションシーンにおいて、ショットガンの「イサカM37 ライオット」と「スパス12」が非常にカッコ良く描かれているので、古い作品だが未見の方は是非見てほしい。

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 そして今回紹介する筆者のショットガン3丁はいずれもエアコッキング式ショットガンだ。エアコッキング式とは、手動でスプリングを縮めてBB弾を発射する、単発式の仕組みだ。ガスやバッテリーが不要なので、ランニングコストが低く抑えられる。また、気温が低い冬などでも、ガスに比べて安定して作動し、電動に比べると単純な機構なのでトラブルも比較的少なく、製品そのものの値段も比較的リーズナブルだ。

 特にポンプアクションとの相性は抜群で、ガシャリとフォアグリップを動かして射撃を準備する姿はリアルだ。エアコッキング式ショットガンの大きな魅力の1つと言えるだろう。

【エアコッキングの楽しさ】
東京マルイ「スパス12」銃身下のフォアグリップを前後させてコッキングする
フォアグリップを後退させた状態
3種類をフィールドに持ち込んで撃ち比べてみたのは初めてだった

 ではいよいよ、筆者が持っている3つのエアコッキングショットガンと、サバイバルゲームでの使い勝手を紹介していこう。