特別企画
サバゲーにショットガンを持って行こう! ポンプアクション、散弾の表現……ショットガンならではの面白さ!
2022年3月10日 00:00
リアルさ、実用性を兼ね備えた3発同時発射! 東京マルイ「スパス12」
【東京マルイ スパス12】
1998年発売
価格:21,780円(税込
種類:エアーコッキングショットガン
全長:800㎜
重量:2000g
装弾数:30発(3発×10ショット)
最後に紹介する「スパス12」は、「ターミネーター」においてシュワルツネッガー演じるターミネーターがガンショップで強奪するシーンで印象深い。実銃は機構的な不具合があり、発展・改良型の「スパス15」が販売されている。
エアソフトガン業界における「スパス12」はと言うと、1989年のKTWに始まって、数社でエアソフトガン化され、東京マルイも1998年に満を持して「エアーショットガン」シリーズ第1弾として製品化した。「ターミネーター」の影響大のエアソフトガン化と言えるだろう。
そんな東京マルイ「スパス12」はリリースから既に四半世紀近く経つが、未だ生産されるロングセラー製品だ。では外観をチェックしていこう。後発だけに外観、ディテールはしっかり造られている。そして樹脂で構成されたレシーバーと銃身カバーの成型色を変えて質感を表している点など、こだわりも随所に見られる。
スパスに限らず、ショットガンのエアソフトガン化は銃身付け根に強度を持たせるのが課題だ。その点「スパス12」は「しなり」や「ぐらつき」が全く無く、一体の様な剛性を実現しているのは東京マルイらしい造り込みだと唸らされる。また、こだわりのショットシェル型マガジンも見逃せないポイント。
リアルさにこだわったKTWと、実用性を重視したマルゼンの良いとこどりをした様なショットシェル型マガジンは東京マルイならではの新基軸だ。マガジンの実用性を保ちつつ、ショットガンらしい弾込めと言えば、これ以上の形状はないだろう。射撃の際に、ショットシェルを入れるパウチやベルトから抜き出して交換するのは非常に楽しい。
気になる実射の方は、やはり東京マルイ独自の3発同時発射が最大の特徴だ。KTWの「イサカM37」が1本の銃身から複数発射することで、どうしても威力と命中精度が低下してしまうのに対し、東京マルイ「スパス12」はスプリング、チャンバー、バレルを3本用意して分離して発射することで、安定した3発同時の実射性能を叩きだしている。
パワーを確保した3本のスプリングを使いながら、軽快なポンプアクションを可能にしている点も注目ポイントで、3発づつの10連射を行う速射性は実用性充分。フラットな弾道を見せる固定ホップと相まって征圧性も兼ね備えている。
東京マルイ「スパス12」はフルオート戦で電動ガンと正面から撃ち合うには厳しいが、軽快なポンプアクションによる3発づつの速射はセミオート戦ではかなりの驚異となる。ショットシェルの装弾、実用性とロマンを兼ね備えた3発同時発射、ショットガンならではの楽しさを具現化したのが、東京マルイのエアコッキング式「スパス12」だと言えるだろう。
以上、三社三様の製品をレポートしてきた。ショットガンのシルエットと、ポンプアクションエアコッキング式という共通点がありながら、いずれも各社のショットガンへの想いの籠もった、ベクトルの違う製品であり、それぞれ違った方向性のショットガン感が詰まっている。
実用的でショットガンらしい複数同時発射での東京マルイ「スパス12」、ポンプアクションアクティブスナイパーという新基軸を見せてくれたマルゼン「CA870ソードオフ」、ショットガンの代名詞である「散弾」では1番「らしい」、ロマン溢れるKTW「イサカM37ソウドオフ」、どれも、持って、使って楽しい製品である。
筆者はサバイバルゲームのセミオート限定戦ではショットガンを多用するのだが、ヒットした相手から「ショットガンってあんなに飛ぶんですね」と驚かれることが少なくない。どうもショットガンはネタ装備、ロマンの銃と思われがちだと思っていて、それが今回執筆の大きな動機となった。
「ショットガン」を知ってはいても、実際に撃ったりしたことがない方に、少しでも魅力が伝われば幸いだ。皆さんも是非、自分に合ったエアコッキングショットガンを見つけて楽しんでいただければと思う。