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【年末特集】2023年のRCカー5選! タミヤ、京商の本格オフロードマシンから、レースシャーシ、「ランボルギーニシアンロードスター」のトイラジコンまで!

 2023年のRCカーも、タミヤ、京商の2大RCカーメーカーの新製品が話題を集めた。2023年のタミヤはギヤドライブ4WD「1/10RC スカッシュバン(GF-02シャーシ)」など楽しめるRCカーが中心だった印象がある。一方、2024年1月にはハイエンド向けシャーシ「1/10RC TA08R シャーシキット」の発売を予定しており、本格レース向け、新機軸のRCカーの登場にも期待していきたい。配信番組「タミヤRCライブ」では積極的に新情報を発信している。初心者向けのコツなどもきちんとフォローしている点も見逃せない。

 京商は2023年に創業60周年を迎えたということもあり、大きな動きがあった。最も大きなものが「4WD レーシングバギー オプティマミッド '87世界戦スペック」だろう。1987年のオフロードRC世界大会に出場したプロトタイプマシンをベースに、最新技術を盛り込んだ記念モデルを販売したのだ。さらに手のひらサイズのRCカー「ミニッツ」のハイエンドマシンも14年ぶりにフルモデルチェンジ。他にも記念カーモデルなど様々な商品を展開した。

 また、家電量販店のRCコーナーでは日本のトイメーカーの活力も感じられた。完成品RCカーの市場は昨今では中国メーカーの進出がめざましいが、日本のメーカーも負けてはいない。2023年の新作RCカーでは特にハピネットの「1/12 R/C Lamborghini Sian ROADSTER」がカッコ良く、値段も手頃でオススメである。2023年注目のRCカーを紹介していこう。

タミヤ「1/10RC XV-02RS PRO シャーシキット」

メーカー:タミヤ
9月30日発売
価格:39,380円
スケール:1/10

 「1/10RC XV-02RS PRO シャーシキット」はラリー走行も可能なXV-02シャーシをオンロード向けにセッティングしたシャーシキット。モーターはフロントミッドシップにマウントされており、車体中央の車体中央のスパーギヤから前後等長プロペラシャフトを介して動力を伝達する4WDとなっている。ギアの組み合わせで前後の駆動配分が変更可能だ。

 ロワデッキは高剛性のカーボン強化樹脂を使用。耐久性に優れ路面のほこりから内部パーツを守る。重量物を中央に設置、走行用バッテリーを縦置きで配置することで、シャーシ幅を狭くしている。ダブルウィッシュボーン4輪独立サスペンションにはXV-02RS用のアルミ製オイルダンパーを装着されている。軽量化を極めるレース用というよりも、タフに走行を楽しむ方向性のシャーシだ。

 剛性の高いカーボン強化樹脂製バスタブタプのロワデッキを持ちながら、車体高を低くし、レーシングセミスリックタイヤを装着した「1/10RC XV-02RS PRO シャーシキット」は耐久性としっかりした走りを実現する精密さを併せ持っている。練習を重ね、マシンのセッティングを煮詰めていくタイプのRCカーシャーシと言えるだろう。

タミヤ「1/10RC スカッシュバン(GF-02シャーシ)」

メーカー:タミヤ
12月9日発売
価格:26,180円
スケール:1/10

 「1/10RC スカッシュバン(GF-02シャーシ)」は凹凸のあるフィールドでもガンガン走って行けるオフロードRCカー。軽く強度のあるモノコックフレーム中央の低い位置にモーターを搭載して、ギヤで前後輪にパワーを伝達するギヤドライブ4WDを採用している。ギヤドライブはシャフトドライブや、ベルトドライブに比べ、部品点数が多く重量も多くなるがモーターのパワーをしっかりタイヤに伝えるパワーと耐久性に優れている。悪路を進むパワフルな走りを実現する機構だ。

 ボディは1950年代のアメリカン・パネルバンをイメージしたクラシカルなスタイル。丸みを帯びたボリュームあるボンネットや独特な形のタイヤハウジング、低い位置に配置されたヘッドライトやグリルなどはポリカーボネート製で耐久力を重視している。ボディ本体はコバルトグリーン、ルーフ部分をホワイト、ウインドウをスモークで塗装済み。カボチャのイラストや車名ロゴはステッカーでセットしているので、塗装や飾り付けもやりやすい。色々な場所を走らせたくなるオフロードRCカーだ。

京商「4WD レーシングバギー オプティマミッド '87世界戦スペック」

メーカー:京商
12月発売
価格:74,800円
スケール:1/10

 2023年は京商60周年に当たる。「1/10 EP 4WD レーシングバギー オプティマミッド '87世界戦スペック 60周年記念限定仕様」は60周年を記念する看板商品と言えるRCオフロードバギーである。

 1987年にイギリスで開催された第2回IFMAR(国際モデルレースカー連盟)電動オフロードカー世界選手権4WDクラスに、京商はプロトタイプマシンで出場、惜しくも優勝こそ逃すものの、2位入賞を果たし、その性能の高さを世界に見せつけた。本製品は1987年当時には発売されなかった世界戦プロトタイプを現代の技術で復刻販売、世界戦スペックのポテンシャルを最新RCメカ&パワーソースで心ゆくまで味わえるものとなっている。

 昨今のRCカーはリポバッテリーとブラシレスモーターにより、大きく進化している。当時の世界戦を戦うためのシャーシ設計を復刻しながらも、メインシャシーとアッパーデッキは軽量で高剛性のカーボンファイバー製、ギアなどもブラシレスモーターのパワーを受け止めるように最新の技術が投入されている。ボディやデカールは当時のデザインを再現しており、京商の歴史を実感しつつ、最新のRCカー技術を楽しめるマシンになっている。

京商「ミニッツレーサー MR-04EVO2 シャシーセット」

メーカー:京商
12月発売
価格:74,800円
スケール:1/27

 スケールは1/27、手のひらサイズの本格RCカーが「ミニッツ」だ。京商の「ミニッツレーサー MR-04EVO2 シャシーセット」はハイエンド向けの本格RCカーシャーシである。ハイエンド向けのモデルは、14年ぶりのフルモデルチェンジだという。搭載しているブラシレスモーターによって型番が違い、3種同時発売。

 新しくなったのは「センサーの強化」、ブラシレスモーターの回転数を計測することでより正確なスピードコントロールを可能にした。以前のシャーシと比べ、部品の配置の見直しも行われている。バッテリーの位置が低重心となり安定性が増した。新型フロントサスペションにより、正面から車をまっすぐ見たときのタイヤと地面の角度を示す「キャンバー角」の安定性の向上。スプリングの交換によるサスの堅さの調整もしやすくなる。全体的なクリアランスも向上している。

 そしてジャイロユニットを積むことでさらに正確なドライビングが可能となる。RCカーはほんのちょっとのステアリングのがたつきでも挙動が大きく変わってしまう。いかにまっすぐ走るかを実現させるために細かい調整が必要となる。ジャイロユニットはその補正を行ってくれる。現代のRCカーをしっかり感じさせてくれるシャーシだ。

ハピネット「1/12 R/C Lamborghini Sian ROADSTER」

メーカー:ハピネット
10月発売
価格:8,228円
スケール:1/12

 ハピネットの「1/12 R/C Lamborghini Sian ROADSTER」は、憧れのスパーカー「ランボルギーニシアンロードスター」を操作できるトイラジコンだ。本体に単三乾電池6本、コントローラに2本使用すれば、最大50分間の連続走行が可能。本格的なピストル型コントローラも嬉しいところだろう。

 特徴的な車体デザインを忠実に再現、印象的なホイールやエンブレムなど造型やディテールも凝っており、スーパーカーを操縦する満足感が味わえる。箱から出して電池を入れるだけで使える間口の広さと、ランボルギーニならではの高級感が魅力のRCカーだ。

2024年1月にはタミヤの最新ハイエンドシャーシが登場!

 筆者にとってはやはり「ミニッツレーサー MR-04EVO2 シャシーセット」の印象は大きかった。サーボやスピードコントローラといったメカを1枚の基盤で制御、ジャイロを付けることで、実はRCカーでは難しい「まっすぐ走る」という命題を実現しようとしている。屋内のレース場がメインと言うこともあり、レース向けRCカーのハードルを下げているということがより強く実感できた。

 もう1つ、今年のクリスマス商戦時期に家電量販店の玩具コーナーでRC関連商品の賑わいも興味深かった。トイラジコンの世界も2024年は注目していきたい。

 また、2024年1月に発売されるタミヤの「1/10RC TA08R シャーシキット」も要チェックである。国内RCカーレースの最高峰と言えるタミグラ・タミチャレ向けの本格レーシング用2ベルトドライブ4WDのツーリングカー用シャーシキット。最新のレース向け思想を豪華な仕様で表現している。RCカーは様々な分野で今も進化しているのだ。

「1/10RC TA08R シャーシキット」、2024年1月13日発売予定、価格は65,780円