特別企画
タミヤ「ミラーペイント」、「ミラーペイント専用プライマー」レポート
パーツに金属の輝きを! 塗膜の強さで従来以上に使いやすいメッキ調塗料
2026年6月25日 00:00
- 【ミラーペイント】
- 発売元:タミヤ
- 価格:2,200円
- 発売日:2026年5月30日
- ジャンル:プラモデル用塗料
- 内容量:10ml
- 【ミラーペイント専用プライマー】
- 発売元:タミヤ
- 価格:990円
- 発売日:2026年5月30日
- ジャンル:プラモデル用塗料
- 内容量:23ml
プラモデルにおいて、バイクのマフラーやカーモデルのホイールなど、シルバーメッキで塗装したいパーツは数多くあります。塗料メーカー各社は様々な仕様のメッキ調塗料を発売しています。そして、5月末にタミヤから新しいメッキ調塗料が発売されました。
その商品は「ミラーペイント」と「ミラーペイント専用プライマー」です。プライマーを塗り、その上からペイントをすることで、メッキのように美しい光沢のある表面に仕上がります。本商品は先日開催された静岡ホビーショーでも話題を集めました。
「メッキパーツ」というのはこれまでのプラモデルでも効果的に使われてきました。しかしそれらはメーカー側がパーツに施したものを使用するだけでした。「ミラーペイント」はユーザー自身が思ったパーツに、メッキ調の表現ができます。
ただし、注意していただきたいのは、この製品が「上級者向け」であることです。「ミラーペイント専用プライマー」はエアブラシ専用塗料であり、エアブラシによる吹き付け塗装を前提としています。今回使用してみて独特の"癖"も感じました。その癖を把握し、使いこなすことで美しい鏡面塗装ができます。本製品の使用感をレポートします。
金属「インジウム」を使用した強い輝きを放つ特殊塗料「ミラーペイント」
モデラー達はこれまでも様々な塗料で「金属光沢」を表現してきました。ただ、現実のメッキ加工のように顔が写るほどの反射ができるような表現は難しかったです。プラモデルではメーカー側がメッキ加工を施すことでこの表現を取り入れていました。
「ミラーペイント」は非常に強い輝きを持つインジウムという金属を使用した特殊塗料で、つまりユーザー自身でメッキ加工のようにパーツに金属を定着させることができます。これまでは用意されていたパーツを使うのみだった「金属の輝き」を自由に使うことができるようになるのです。
本塗料の特性はその銀の輝きに加え「塗膜の強さ」にあります。プラモデル用のメッキ調塗料というのはこれまでもいくつか発売されているのですが、塗膜を触ると剥がれてしまうなど、塗装面への注意を払う必要があります。
「ミラーペイント」は一度塗装すればその面を触っても簡単にメッキが剥がれません。マスキングテープを上から貼り、他の塗料を吹き付けた塗り分けもできます。また、下地の専用プライマーにはエアブラシが必須なのですが、「ミラーペイント」そのものはエアブラシだけでなく筆塗りも可能。モデラーにとって扱いやすいメッキ調塗装ができる塗料なのです。
「ミラーペイント」は専用の下地となる「ミラーペイント専用プライマー」を塗布した面にいわば"金属を定着させる"ことで特別な輝きを可能にしてくれます。ただ使用してみて癖の強い性質を持った塗料であることがわかりました。
今回はモデラーの立場でヤスリがけやサーフェイサーを吹いた状態の表面でも試してみました。タミヤの「ミラーペイント」はどんな状況で使えばそのポテンシャルを活かせるでしょうか?
プライマーとメッキ調塗料をセットで使用する塗料
タミヤから発売された「ミラーペイント」と「ミラーペイント専用プライマー」は、両者をセットで使用することでその真価を発揮します。「ミラーペイント」を使用する際は、あらかじめ対象の場所に「ミラーペイント専用プライマー」を塗布する手順となります。下地として使用するプライマーはエアブラシを使用し、ミラーペイント自体は筆塗りとエアブラシの双方で塗装可能です。
「プライマー」は"下地"ですが、プラモデルにおいては同じように下地として「サーフェイサー(サフ)」という製品もあります。サーフェイサーはいわば「希釈したパテ」であり、表面に樹脂を塗布することで塗装面の傷を埋めたり、均一にしたりするものです。これによりプラモデルの表面を整え塗料を付着させやすくします。
対してプライマーは「塗料を定着させるためのもの」です。プライマーは塗料である「ミラーペイント」をプラモデル表面に定着させる、いわゆる接着剤として機能します。このミラーペイントをプラモデルに使うにあたり、どのような使い方が想定され、その結果としてどのような発色になるのか、それを調べていくのが今回のテーマとなります。
塗装に関して、「ミラーペイント」と「ミラーペイント専用プライマー」は「希釈しない」というのも注意したいところです。塗装では筆塗りもエアブラシも専用のうすめ液で希釈する場合がありますが、「ミラーペイント」と「ミラーペイント専用プライマー」は瓶から出した塗料をそのまま使用します。
実際の仕様に関してはタミヤが「ミラーペイント専用プライマーの使用上の注意」をまとめたページを公開しています。こちらも参考にしてください。
「ミラーペイント専用プライマー」を各種条件で塗装テストする
最初に下地塗料である「ミラーペイント専用プライマー」を各種条件で塗装テストします。本塗料はエアブラシで塗布する塗料ということなので今回はエアブラシで塗布を行ないました。ハンドピースは0.3mm口径のものを使用し、コンプレッサーのエア圧はコンプレッサー側レギュレーターの圧力計で0.15MPa、ハンドピース根元に圧力調整機能付きドレン&ダストキャッチャーを取り付けているため、実際のエア圧は若干落ちていると思います。
このパラメーターは、筆者がエアブラシで広い面をベタ塗りで使用するものです。広い面を塗る感覚でスプーンに塗料を塗布していきました。
表面処理によるプライマーの塗布の違い
最初に塗装面の表面処理の違いによってプライマーの塗膜がどのように変化するかテストします。今回はタミヤのページで無塗装面での塗装を推奨されていたため、まずは直接プライマーを塗布する状態を想定します。
ただ、プラモデルにおいては表面にそのまま塗装する場合だけではありません。合わせ目消しや、ゲート処理などでヤスリをかけた表面に塗装をする場合も多い。そこで今回は、一方のスプーンは無加工である表面に、もう一方は240番のサンドペーパーで目荒らしを行なった表面にプライマーを塗布します。塗装の結果、本プライマーは下地の表面処理状態に依存した仕上がりとなる結果を得ることができました。
プライマーを使って感じたことは、「このプライマーはかなり下地の状態に影響を受けるな」ということでした。ヤスリを当てて表面がざらりとしたスプーンにプライマーを塗布すると、そのまま下地の状態が現れます。サーフェイサーのような、表面を均一化させる性質は低いという印象を受けました。プライマーを塗布するには下地の表面処理に気を配る必要がありそうです。
下地色によるプライマー発色の違い
次に、下地となるサーフェイサーの性質と色によるプライマーを塗布した状態の違いを見ていきます。今回は無塗装、タミヤの「ファインサーフェイサー(ライトグレイ)」、「ファインサーフェイサー(オキサイドレッド)」の3種類を比較します。「ファインサーフェイサー」は粒子が細かくつるりとした表面に付着し、塗料の食いつきをよくします。
ここではサーフェイサーの色をライトグレイとオキサイドレッドで試しました。これら下地の色にプライマーを塗布するとどうなるでしょうか?
プライマーの発色に関しては下地色による差異は感じられませんでした。下地の色があってもプライマーを塗ると真っ黒になることが確認できました。プライマーのテストは以上とし、次からは「ミラーペイント」の性能を比較していきます。
「ミラーペイント」では筆塗りと下地色による違いをテスト
ここからは「ミラーペイント」の性能をテストします。プライマーを塗布した表面に、ミラーペイントを塗ることで美しい鏡面仕上げにできます。塗装方法は筆塗りとエアブラシの2種類で行ないます。筆塗りは平筆を使用した塗布を行ない、エアブラシでの使用条件は「ミラーペイント専用プライマー」を塗布した際と同条件で行ないます。
「ミラーペイント」を使用することで注意したいのが「重ね塗りを行なわないこと」です。筆塗りでもエアブラシでも、重ねてしまうとその輝きが曇ってしまいます。筆ムラがあるように感じてもそのまま乾燥させると、塗料が乾くにつれて輝きが出てきます。
筆塗りとエアブラシによるメッキの違いを比較
最初に筆塗りとエアブラシの違いを比較します。塗装下地には、筆塗り、エアブラシともに無塗装状態のスプーンに「ミラーペイント専用プライマー」をエアブラシ塗装したテストピースを準備しました。筆塗りを行なったスプーンは筆と筆の境界線に筆目が見られるものの、おおむね綺麗なメッキ面を得ることができました。また、エアブラシによる塗面は均一で周囲の景色がしっかりと確認できるメッキ面に仕上がりました。
サーフェイサーによるメッキ面の比較
最後に、サーフェイサーを塗布した表面におけるメッキ面の比較を行ないます。下地は前章の「下地色によるプライマー発色の違い」で塗装したスプーン3種類に「ミラーペイント」をエアブラシ塗装します。塗装後の色味についてはプライマー塗布時と同様に色味に差異はありません。しかしながら、プライマー塗布時に生じた表面の粗さの違いが、そのままメッキ面の仕上がりに影響しているのがわかりました。
無塗装ではつやのある光沢仕上がりになるのに対し、サーフェイサーを塗布した表面ではつやを消した状態での銀色になりました。メッキのように光沢仕上がりにしたい場合は、ヤスリやサーフェイサーを使わない表面に塗布するのがいいようです。
本塗料セットを使用した所感とまとめ
本塗料セットを使用した所感は、下地の影響を大きく受ける塗料だということです。塗装面のヤスリ傷はそのまま仕上がりに直結し、サーフェイサーの塗面の粗さもメッキ面の仕上がりに影響すると感じられました。
そのため、バイクモデルのマフラーなど鏡面に仕上げたい場合は光沢処理をしたパーツに塗布し、エンジンの鋳物表現パーツなど表面の荒れた金属面を表現したい場合はあえて、サーフェイサーを塗布した面に塗布するなど、ユーザーの表現方法によって仕上がりを調整することができます。
また、筆塗りとエアブラシ塗装による差異は広い面だと大きな違いを感じられると思いますが、狭い面なら大差はないのではないかと感じました。そのため、カーモデルにおけるホイールのスポークなど、小さい面積のパーツをメッキ調に仕上げたい場合は、筆塗りでも満足できる仕上がりになると思います。
個人的な使用感としては「ミラーペイント専用プライマー」は特に使い方が難しく感じました。通常の塗料感覚で塗布すると、さらりと表面を流れ、下にたまってしまう「液だれ」が起きやすいです。
また塗布する表面もかなり選ぶ塗料であるということも感じました。プライマーを塗布した表面の状態が、ミラーペイントの仕上がりに大きく影響します。そのため、扱いがデリケートな塗料であると思いました。こういった性質を把握した上で、効果的に使用したいと感じました。
本塗料セットは、メッキ調塗料として新しい表現を可能にする塗料だと思います。自身の塗装表現の幅を広げるため、本塗料セットを仲間に加えてみてはいかがでしょうか。
(C) TAMIYA,INC.ALL RIGHTS RESERVED.
※「ミラーペイント」は特殊塗料で他の塗料を下地にすると鏡面のような仕上がりになりません。必ず「ミラーペイント専用プライマー」とセットでお使いください。


















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