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オンライン全盛の現代に、「お店で買う楽しさ」にこだわるホビーショップ・まちキャラの野望! 仕掛け人が語る未来

 ホビーショップ「まちキャラ」はマッチングワールドが運営する「まちのエンタメホビーショップ」だ。現在、さいたま市、千葉県の千葉市、松戸市、柏市、そして東京の昭島市という首都圏に5店舗を展開し、さらに拡大中である。

 弊誌ではこれまで「まちキャラ コクーンシティ店」、「松戸店」、そしてリニューアルオープンをした「千葉駅前店」を取材している。ガンプラ、トレーディングカードゲームというコアな商材をメインとしながら、家族連れも楽しめる品揃えや、対戦スペースを設置しコミュニティの場の機能を持たせるなど多彩な魅力を持たせた間口の広いホビーショップという切り口で、積極的に店舗を拡大している。そのペースは速く、2024年から2年で5店舗を展開している

 このハイペースでの展開と集客を可能としているのは"仕掛け人"がいるからだ。マッチングワールド事業開発本部の顧問・阿曽雅道氏が本部チーム、そして店舗チームの陣頭に立ち、自身のノウハウと理念を徹底し、お客と、メーカーに信頼してもらえるビジネスを展開しているからこそ、まちキャラの躍進があるのである。

 まちキャラは卸業を営むマッチングワールドがコロナ禍の2021年に「人とふれあう店舗」をオープンさせるという挑戦からスタートしている。そこから店舗ノウハウを進化させ、確立した上で発展しているのだ。阿曽氏にまちキャラのこれまでと未来を聞いた。

マッチングワールド事業開発本部顧問の阿曽雅道氏。まちキャラ展開の"仕掛け人"だ

この時代に商品を定価で提供する店舗を展開する、まちキャラの挑戦と実験

――まず、ホビーショップである「まちキャラ」の概要や成り立ちを教えてください。

阿曽氏:「まちキャラ」はマッチングワールドが運営するホビーショップで、コンセプトは「まちのエンタメホビーショップ」。誰でも入りやすい店舗を目指しています。現在、「昭島モリタウン店」、「コクーンシティ店」、「柏モディ店」、「松戸店」、「千葉駅前店」の5店舗を運営しています。

 マッチングワールドはエンタメ系商品を扱う卸業を25年以上やらせていただいています。まちキャラは、新型コロナウイルスのパンデミックで店舗に人が来られなくなったことがすべての始まりとなります。この時、町田博社長が、ホビーなどを扱うマッチングワールドがメーカーやお客様に「恩返しがしたい」という想いから、あえてお客様とふれあえる「実店舗」を運営することにしたのです。

――それはかなりの逆風ですね。

阿曽氏:コロナ禍で多くのメーカーがEコマースやデジタルビジネスへ大きく移行していく時代に、あえて逆風だからこそ行列ができ、人気を集める店舗を目指し、ゲーム、トレカ、フィギュア、プラモデルを扱う「まちキャラ秋葉原店」を2021年11月にオープンしました。世界的なエンタメの街・秋葉原に店舗をオープンしたのです。我々はそれまで卸業としてBtoBの仕事をしていましたが、BtoCの仕事への初挑戦でした。

 2022年1月には同じく秋葉原に2号店を構え、店舗運営の手応えから2022年11月に2号店を「ガンプラ」を中心に扱う「まちキャラ ホビー館」としてリニューアル。同時に1号店を「トレーディングカードゲーム」を扱う「まちキャラ トレカ館」としました。「ガンプラ」、「トレーディングカードゲーム」という2つの看板がこの時確立されたことになります。

 我々が心がけたのは「手に取れる商品を売ること」、「新品を定価販売すること」の2つです。Eコマースなどで転売行為が盛んになり、新品が手に入らなかったり、買えても割高になってしまう状況が生まれていました。「まちキャラ」では、店舗に行けばしっかり新品をメーカー希望小売価格で購入できる、ということを徹底したのです。

まちキャラは「ガンプラ」と「トレーディングカードゲーム」の2つの大きな人気商品を前面に出すことで、ユーザーからの人気を得ていく

――実店舗を2021年にオープンし、約2カ月後には2号店、そしてその手応えから10カ月で「ガンプラ」と「トレーディングカードゲーム」にフォーカスしたリニューアルというのは、驚くようなハイペースですね。

阿曽氏:私自身の経験に加え、現代ならではの仕掛けも導入し、お客様からの人気を得ました。まず大事なのが「売り方」。ガンプラが入荷する際には店舗の入り口にどーんと山積みにするんです。お客様に「このお店に行けば、ガンプラが買えるぞ」と思ってもらう。

 その山積みの"画"を、Xでしっかり発信するんです。入荷情報に加えて、店舗にちゃんとあることを伝える。そういうことでお客様の信用を得て人気を得ることができました。我々も様々なアイデアと最新のツールを活用して、そして色々な試行錯誤をした上で、ノウハウを活かして成長していったのです。

千葉駅前店のリニューアルオープン時のXの投稿。ガンプラの在庫をアピール

――積み上げる、新品の在庫が豊富にある、というのは小売業専門の店舗ではなかなか難しいところもありますね。

阿曽氏:我々は卸業としてバンダイさん、そしてカードゲームのコナミさんやポケモンさん、タカラトミーさんなど様々な商品を取り扱っています。しかし商品確保に関してはとても困難なBIG IP商品を店舗は欲しています。例えば「マジック・ザ・ギャザリング」や「遊戯王」などは公認店にならなければ新品は来ない。しっかり公認店のための条件を満たすなど、店側が努力します。

 だから厳密には卸業とはレイヤーが違う。「この店舗はしっかり売る、売れる」と、メーカー様へのメリットを納得してもらわなくてはいけないんです。ここはノウハウが必要な部分で、私のこれまでの経験をうまく活用しているところもあります。

――秋葉原からスタートしたまちキャラは、その後店舗デザインや、その戦略も変化・進化させていきます。

阿曽氏:現在はリニューアルしましたが、以前の千葉駅西口店、昭島モリタウン店までは秋葉原の2店舗同様20から30坪というコンパクトなお店で、「ガンプラ」と「トレーディングカード」を主力とする店舗運営を行っていました。秋葉原のノウハウを活かし、コアユーザーに向けた店舗運営です。

 千葉駅西口店、昭島モリタウン店は駅に近いところでの専門性の高い店舗、これって従来のホビーショップのフォーマットに近いと思います。ただ、その当時のまちキャラは「秋葉原のように濃い」というところは魅力です。秋葉原に行かなくても、足を運んでコアな商品が買える。そこがまちキャラの魅力でした。

 そこから我々自身の大きな変化となったのが2024年にオープンした「まちキャラ コクーンシティ店」です。埼玉のショッピングモール「コクーンシティ」さんからのお誘いでした。あの店舗は元々はアウトドアショップだったのです。だから広い。64坪ありました。これまでの2~3倍の面積で店舗を構えることができるようになったんです。こうなるとこれまでやれなかったことができるようになる。

 その「やれなかったこと」の最大のポイントが「対戦スペース」です。「トレーディングカードゲーム」を買ったらすぐにデッキに組み入れて遊びたい。友達以外にも、お店を起点にしたコミュニティ作りも可能になる。たとえば他校の生徒とか、上級生、大人ともゲームを通じて知り合うことができるようになるんです。

ファミリー向けの客層を意識し、以降のフォーマットを確立した「まちキャラ コクーンシティ店」

――従来の店舗では面積の問題でできなかった、コミュニティスペースの提供ですね。

阿曽氏:さらに「ファミリー層」というこれまでのお客様と異なる層へのサービスも挑戦となりました。私たちはエンタメ全般の卸業ですから商品知識もあるし、流通もある。だけど、店舗でどう異なる層のお客様にサービスをするかは手探りでした。

 「まちキャラ コクーンシティ店」は通路に面した立地です。だから低年齢層の方にマッチするような雑貨、グッズを通路側に多く配置し、通路を通るだけでお店に興味を持ってもらうようにしたし、入り口に配置することでお店に入りやすくしたんです。

 そしてパーティションですよね。対戦スペースってトレーディングカードゲーム専門店さんは結構プレーヤーさんが対戦に集中できるように高くするんですが、私たちはあえて低く、通路側から対戦しているユーザーさん達の姿が見えるようにしたんです。対戦の姿が見えることで興味の無かったお客様も注目してくれ、トレーディングカードに興味を持ってくれる。

 もう1つコミュニティスペースは「カードゲームの初心者向け講習会」、「プラモデル教室」といった、初心者や、家族向けのイベントも可能にしています。イベントができることでプラモデルメーカーさんへのアピールにもなるし、対戦スペースができたことでカードゲームの公認店にも選ばれるようになった。

対戦スペースはガンプラ組立体験会など、イベントスペースとしても活用できる

 私たちは様々な実験を行い、ノウハウを活かして店舗作りを行っています。「まちキャラ コクーンシティ店」でのイベントスペース運営、通路のある立地でのファミリー向けなどより広い層へのアピールなど新しい学びが多数ありました。

 「ぷくぷくシール」、「スクイーズ」といったこれまであまり扱っていなかった商品の人気も実感しています。入り口付近に置くことで子供達や女の子がそのコーナーに集まり、それがさらにお客様の目にとまる。実験とそれで得られた結果を次に発展させていく。現在のまちキャラのひな形は、「まちキャラ コクーンシティ店」で大きく進化したと言えます。

店舗、本部スタッフが共に学び、成長していく店舗運営

――「コクーンシティ店」で確立した明るい店舗、対戦スペース、ファミリー向けも視野に入れた商品展開とレイアウト。このフォーマットを活用し、2025年9月に「柏モディ店」、2026年3月に「松戸店」がオープン。そして2026年7月に「千葉駅前店」がリニューアルと非常にハイペースで店舗展開をしています。そうなるとスタッフの育成は大きな課題ではないですか?

阿曽氏:まさに今こそ店舗スタッフの教育と育成が私たちの課題なんです。20坪の店舗と、60坪の店舗では規模も人数も変わってくる。店舗のスタッフはアルバイトの方々ですが、昨今これまでアルバイトでがんばってくれたスタッフを続々社員として登用、店長として活躍してもらってます。ようやくこの体制が確立できました。

 まちキャラではアルバイトから店長にという道筋をきちんと提示した上で、スタッフ全員が店舗の運営そのものにしっかり関わってもらうという感覚を育て、自覚してもらうようにしています。言われたことをやるのではなく、店のスタッフとしてお客様に正面で向き合ってもらう。

 その有効な方法が各店舗のXなんです。この情報発信を店長、アルバイト、それぞれが責任を持ってやる。自分が受け持つ商品をお客様に対してどう伝えるか。いい加減なことを言えば、上司ではなく、お客様に怒られちゃうんです。自ずと責任と、お客様に喜んでもらうための情報の扱い方、仕事の向き合い方を考えるようになる。

――ただ、こういったホビー関係のお店って自分が好きなものに対して、その専門知識だけ、お客との対応は苦手、というコミュニケーションが苦手な人もいるイメージです。

阿曽氏:そこはね、私なんかは特に今の若い人に対して、苦労はありますよ(笑)。昭和世代の理屈は通じない。しかし「店舗のチーム」という意識を持って、「本部のチーム」との対話の中で、実際の現場という意識、本部の言いなりでは仕事は成立しない。お客様と相対しているのは自分たちなんだから、「本部の意向は汲みつつ、お客様に応える」ということを第一にすると、しっかり責任を持ったスタッフへと育ってくれるんです。

――「千葉駅前店」の取材で特に感じたのですが、まちキャラは特にフォーマットが強固だと感じました。ガンプラにとどまらず、スケールモデル、美少女プラモデル、工具、各社トレーディングカードゲーム、スクイーズにぷくぷくシールなど、各ジャンルの定番商品をしっかり置いてある。こういった品揃えは現地スタッフだけでは知識がカバーできないと思います。本部スタッフが強固な“ひな形"を作っている、と感じました。

阿曽氏:店舗チームに、まず本部チームが基本を提示することは大事なことだと考えています。やはり店舗チームにがんばってもらうためには、「本部チームがしっかり支えているぞ」ということを感じてもらうのです。

 什器(じゅうき)、つまり棚なんですが。この高さやレイアウトは本部スタッフのノウハウです。本部側で研究とこれまでの経験を活かし、お客様に見やすく、手に取りやすく設計をしています。品揃えのフォーマットもまずはこちらがかっちりしたものを作る。

 その上でいざ店舗が本格的にスタートしたら各棚の裁量は任せます。どの商品をどう置くか。店舗によってお客様の好みは少しずつ変わるし、流行などもある。だからアルバイトの店舗スタッフが自分で考えて工夫する。ここも本部スタッフが支えて、その上で自分の思うようにやってみてほしい、と伝えているのです。

千葉駅前店は店長の知識がトレーディングカードゲームコーナーに活かされている

 たとえば人気商品はすぐに売れてその棚はがら空きになってしまう。がら空きになったスペースに何を置くか、それは素早い対応が求められます。「売場は商品で作る」という鉄則は言われたとおりに動いているだけでは守れません。店舗スタッフにはその工夫と学びを得てもらう。お客様が来られて、一番目につくところに、今ある商品で何を置くべきか? これが「ビジュアルマーチャンダイジング」の基本なんです。最初は本部スタッフに聞けばいい。でも現場でお客様とふれあうことで考え方は変わってくる。その手応えを感じてほしいと思っています。

――まず本部スタッフがしっかりフォーマットを提示した上で、現場で刻々と変わる状況に店舗スタッフが対応するということですね。一方でオープニングではまちキャラは数百人の開店待ちのお客様が並ぶ状況を作り、新規開店を内外にアピールする、という手法をとっています。こちらは店舗としてはかなり大変ですよね?

阿曽氏:特にオープン時は重要です。800人、1,000人のお客様が店舗オープンを楽しみに並んでくださる。この人数に対応できるか、店舗スタッフは特に不安になると思います。この時、本部チームがこれを支え、やり方を見せる。本部がちゃんとやり方を見せて、そのやり方を学んでくれれば大丈夫だぞとまず対応して見せます。

写真はまちキャラ松戸店のオープン時の風景。まちキャラはオープン時には行列ができるように"仕掛け"をする。この行列に対応するために本部スタッフが前面に出る
来場者に目立つような場所にガンプラを山積みにする。こういった演出も重要だ

 この方法は我々がノウハウを研究し、今回、「千葉駅前店」のリニューアルオープンである程度確立できたと思います。開店時に並んでくださった方を抽選で入店時間を振り分ける。これで先を争う必要も無く、待機列にしっかり並んでいただいて、余裕を持って商品を購入していただく。

 この時は対戦スペースを売場に有効活用するんです。目玉商品であるガンプラをね、ぐわーっと山積みにする。それを前日にXで配信する。「これだけ商品があるなら、並んでみようかな」と思わせる。こういったお客様に期待を持ってもらい、納得して並んでもらう。このやり方で2時間という時間で1,000人のお客様に整理列で入場していただく、ということが実現できました。

――しっかり現場ノウハウを吸収、研究する本部メンバーがお店のレイアウト、基本的な売り方、棚の管理、オープン時などイベントでのお客様への対応をしっかり見せた上で、店舗スタッフにやり方を見せる。そして現場での工夫を推奨し、本部メンバーで支える。その体制が現在はしっかりできた、ということでしょうか。

阿曽氏:毎回向き合うしかない完成形のないことですね。そしてね、本部メンバーの中には私も含まれるんですよ(笑)。未だに私現場に出てます。オープン、その準備も、必ず現場に行く。お客様への対応も先頭でやっちゃう。こういうちょっと昭和のやり方がね、私はいいと考えています(笑)。勘というか、現場の空気、お客様の反応はやはり常にダイレクトに得ておくことで、本部、そして店舗スタッフとどういうことを考えればいいか、見えてくると思っています。

書店と協力していくことで見えてくる新しいシナジー

――そして「松戸店」、「千葉駅前店」は「書店との連動」も見逃せないところと言えます。松戸では堀江良文堂さん、千葉駅前店では三省堂書店さんとのコラボレーションで、それぞれの店舗の一角で出店なさっています。

阿曽氏:そこは出版取次であるトーハンさんとの連携で実現しています。大きな書店は街や駅ビルと繋がりが深く、駅前に大型店舗を構えて、街の顔になる。それは街や駅のプロジェクトとして、組み込まれてきています。

 しかし、現在書店さんはビジネスが苦しい。Eコマース、電子書籍がシェアを拡大していく中、「紙の出版」というのは小売店である書店さん、そして出版を取り次ぐトーハンさんも苦しくなっている。そこで私たちまちキャラが書店に人を呼ぶホビーショップとしてお手伝いができるのではないか、とトーハンさんとの連携という形で書店さんとの協力体制を作ることになったのです。

 まちキャラを選んでいただけた理由では「メーカー希望小売価格でのホビー商品の展開」 「家族連れにリーチできる品揃え」、「ショッピングモールで気軽に入ってもらえる明るい店作り」など、書店さんの希望と合致する特色です。まちキャラがここ数年で確立してきたフォーマットと、「書店さんがパートナーとして求めるイメージ」が合致してくれたんです。

「まちキャラ 千葉駅前店」は三省堂書店 カルチャーステーション千葉店の店舗内に63坪で展開する

――書店との協力はどのような効果を生みましたか?

阿曽氏:「千葉駅前店」の三省堂書店さんは千葉駅前の商業ビルのフロアの大きな面積、250坪のうちの63坪を私たちに提示してくれました。しかもエスカレーターがある入り口の場所です。エスカレーターを登っていくと、スクイーズやぷくぷくシールなど、ぱっと見るだけで子供や女性にも魅力的な商品が目に入って、その奥のガンプラやトレーディングカードゲームも見える。そういう、来た人が興味を惹く場所となりました。

 堀江良文堂さん、三省堂書店さんもとても協力いただいています。トレーディングカードゲームの攻略本や、プラモデル関連の書籍、キャラクターグッズなど、まちキャラの商品に関連する書籍を近くに置いて頂いてる。書店さんのレイアウト、そして品揃えの新しい企画にも繋がる。そういう相乗効果が見えてきています。

 私たちの対戦スペースは普段は解放しています。買った本の読み聞かせなど、本を読んでいただくスペースとしても使って頂ける。書店さんとの連携というのは今後もまちキャラの強力なノウハウとして積極的にパートナーを求めていきたいと考えています。トーハンさんの書籍以外のグッズを販売する場所など、書店、取り次ぎの需要を満たす場所としてビジネスを拡大させていくつもりです。

さらに拡大していくまちキャラ、町田に旗艦店を予定

――今後のまちキャラの展開を教えてください。

阿曽氏:HOBBY Watchさんに掲載して頂いた記事が非常に反響が良くて、出店地域の方から多くの声が寄せられているんです。そのなかで大きいのが「神奈川方面に展開してほしい」という声が多いんです。

 そこでその"足場"としてね、厳密には神奈川ではないんですが、町田に、まちキャラの旗艦店となる180坪の大きな店舗を計画中です。ここから神奈川を視野に入れていく、東京郊外をしっかりやっていきます、というのはこの機会にぜひ伝えておきたいです。ご期待ください。最終的には10店舗、目指していきますよ。大風呂敷だと思っていますね(笑)? 勝算もちゃんとあります。

――旗艦店、そして10店舗の展開という未来は単純にすごいと思います。実際のところ、ネットショップやオークションが活発になる現在、模型店、ホビーショップというのは縮小しています。そのなかで明るい未来を提示しているというのはとても興味深いです。

阿曽氏:結局ね、新品をメーカー希望小売価格でしっかり売っていく。こういう馬鹿正直なビジネスは強いと思うんです。「ガンプラ」、「トレーディングカードゲーム」という2大IP商品を最大限に活かして、このお店に来れば買える、そうお客様に信じてもらえる形をぶれずに提示できるか。そこに私たちは努力をしていく。

 そのためにはメーカーさんに信じてもらえるお店を作り、多くのお客様に来てもらえるお店を作っていく。メーカーさん、ユーザー様に信じてもらえるお店作り、運営を行っていく。それこそがまちキャラのテーマであり、10店舗という目標を実現するための鍵だと思っています。……これが読者さんへのメッセージにもなっちゃいましたね(笑)。

――了解です(笑)。ありがとうございました。


 今回インタビューをして、まちキャラが躍進しているのは、非常にストレートな方法であるということが実感できた。玩具店/ホビーショップは減少していく現状がある。しかしまちキャラは、リソースを2大IP「ガンプラ」、「トレーディングカードゲーム」の新品をメーカー希望小売価格で販売するという、阿曽氏いわく「馬鹿正直なビジネス」を貫くことでユーザーとメーカーから信用を得て、店舗拡大へと挑戦する。

 この商法は阿曽氏自身が顔となり、メーカー担当者や、出版取次と交渉し、つなげることで成立している。阿曽氏を支えるのは研究を重ねた品揃え、棚の設計、現在の流行を敏感に反映する優秀な本部スタッフと、そのデータをしっかり店舗に反映した上で、現状に合わせアップデートしていく店舗スタッフだ。強力なバックボーンを築き、正攻法でビジネスを推し進めることで人気を獲得していくという阿曽氏が掲げる戦略は、非常に興味深い。

 旗艦店となる町田店や、全10店舗への拡大など、阿曽氏が構想するまちキャラは、ここからさらに大きく発展していく。注目していきたい。

阿曽氏の言葉からは、新しい挑戦を進めていく楽しさを強く感じた