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【年末特集】冬休みに挑戦するエアブラシ塗装!入門向けエアブラシ本体&塗装ブースを紹介

これだけそろえればすぐに始められる全塗装

 年末年始の連休も始まり、自由な時間ができる時期となりました。連休期間中は暖かい部屋でプラモデルを楽しむ。そんな予定の方もいるのではないかと思います。せっかくの長期連休でもありますし、これまでプラモデルを素組や部分塗装で完成させていた方も全塗装にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 本稿では、数ある塗装手法の中から初心者に向けたエアブラシ塗装のツールを紹介します。それぞれ使用感や特長なども合わせてお届けしますので、予算感や使用環境に合わせてチェックしてみてください。

プラモデルのエアブラシ塗装に必要なツール

 いざ、プラモデルのエアブラシ塗装を始めようと思っても一体何からそろえればわからないと思います。まずは必要なツールについての解説です。プラモデルのエアブラシ塗装を行なうには主に下記の2種類のツールが必要となります。

  • 塗料を噴霧するエアブラシ
  • 噴霧した塗料の飛散を防止する塗装ブース

 今回の記事ではエアブラシと塗装ブースに分けて、入門向けにオススメの塗装ツールを扱います。

入門者にはセット商品がオススメ。バリエーション豊かなエアブラシ本体

 まず、塗料を噴霧するエアブラシについて解説していきましょう。エアブラシとはその名の通りエアブラシ塗装において最も重要なツールです。自身で用意した塗料をエアーの力によって噴霧し、塗装を行なうツールです。エアブラシとひとくくりにして語られることが多いですが、その構成はハンドピース、エアーコンプレッサー、レギュレータなど多くの部品により構成されています。それぞれの部品を購入して組み立てても良いのですが、それではコストも多くかかってしまうだけでなくそれぞれの部品の選定や組み立てなど詳しい知識がないと難しいものとなっています。今回は初心者向けにすべてがセットとなった商品を紹介します。

自分で調色したカラーを簡単に噴射できる入門セット。ガイアノーツ「イージーペインター」

  • 発売日:2013年12月
  • 価格:1,650円(税込)
  • 発売元:ガイアノーツ

 まずは、自分で調色した塗料を簡単に噴霧してみたいという方にお勧めの塗装ツールであるガイアノーツ製の「EP-01 イージーペインター」を紹介します。このツールは噴霧するための圧縮空気にガス缶を使用した塗装ツールとなっています。使用する塗料は市販の瓶入り塗料全般を使用することが可能です。缶スプレーよりも細かい粒子で通常色からメタルカラーまで様々なカラーを噴霧することが可能です。また、塗料ボトルの洗浄も簡単に行なえるので、色替えもスムーズに行なうことができます。

 噴霧を行なう際は市販の塗料をイージーペインターに適した濃度に希釈して塗装を行なう必要があります。本体価格が1,650円(税込)と購入しやすく消耗品となるガス缶もスペアカードリッジ2本セットが1,760円(税込)で購入できるため、安価にエアブラシ塗装を楽しむことができます。

ガンダムマーカーなので臭いも心配なし。GSIクレオス「ガンダムマーカーエアブラシシステム」

  • 発売日:2018年3月27日
  • 価格:3,740円(税込)
  • 発売元:GSIクレオス

 次に、ガンダムマーカーを使用したGSIクレオス「ガンダムマーカーエアブラシシステム」を紹介します。このツールは部分塗装でおなじみのガンダムマーカーをエアブラシで噴霧することを目的としたツールです。ガンダムマーカーの軸先にエアーを噴射することで塗料を噴霧する構造となっているため、色替えの際に洗浄なしでマーカーを差し替えるだけで色替えが可能です。使用できる塗料は「ガンダムマーカー」および「30 MINUTES MISSIONSマーカー」に限られてしまい、混色もできません。

 また、このツールは噴霧するための圧縮空気にガス缶を使用した塗装ツールとなっています。ガス缶はガンダムマーカーエアブラシシステムにも付属していますが、使い切っても交換用ガス缶が小サイズ/660円(税込)、大サイズ/880円(税込)にて販売しているので安価に塗装することが可能です。

 別売りのMr.エアホース用Mr.ジョイント(3点セット)/1,320円(税込)を購入することで、エアーコンプレッサーとも接続可能なためエアブラシを買い替えた後も使用することが可能です。筆者も過去に「ガンダムマーカーエアブラシシステム」を使用した作例を制作する際にはMr.エアホース用Mr.ジョイント(3点セット)を使用してエアーをコンプレッサーから供給して使用していました。

低価格ながら本格的なエアブラシ塗装ができる入門セット。エアテックス「メテオ」

  • 発売日:2012年11月
  • 価格:13,420円(税込)
  • 発売元:エアテックス

 エアブラシ本体としては最後にエアテックスの「メテオ」を紹介します。本商品は、初心者用スターターキットとして発売されているエアブラシで、エアブラシ塗装に必要な基本的な道具が全て付属しているセットとなります。価格は13,420円(税込)と、これまで紹介してきたエアブラシの中では最も高額ですが、これらの中では最も高性能な塗装ツールとなります。

 これまでに紹介してきたエアブラシは圧縮空気にガス缶を用いてきましたが、このメテオはエアーコンプレッサーによる圧縮空気を使用する構造となっているためランニングコストは最も少ないといえます。稼働中はエアーコンプレッサーを常に動作させることとなるため動作音や振動が生じます。また、電動のため電源がない場所では使用できません。

 使用する塗料は市販の瓶入り塗料全般を使用することが可能です。塗料を噴霧する装置であるハンドピースには様々な塗装方法に対応できる0.3mmボタン式ダブルアクションを採用しており、グラデーション塗装や細吹きといった様々な表現をすることが可能です。

冬場にエアブラシ塗装を行なうなら必ず用意したい「塗装ブース」

 エアブラシ塗装を行なうにあたり、必要なツールはエアブラシだけだと思われがちですがもう一つ大切なツールがあります。それが塗装ブースです。エアブラシは塗料を噴霧するという特性上、塗装を行なう箇所以外にも塗料を噴霧してしまいます。もちろん屋外などの風通しのいい場所で噴霧を行なうのであれば問題はありませんが冬場だとなかなかそうもいきません。

 屋内で快適にエアブラシ塗装を行なうツールとして塗装ブースを使用します。塗装ブースには段ボール製の据え置き式と電動ファンを有する電動式があり、その両方にメリットとデメリットが存在します。今回はそれぞれの特長に触れつつ紹介していきましょう。

簡単設置で低価格、塗料の飛散を防止する。3M「スプレーブース」

  • 発売日:2000年1月
  • 参考価格:2,035円(税込)
  • 発売元:スリーエムジャパン

 3Mの「スプレーブース」は段ボール製の簡易的な塗装ブースとして広く使用されています。スプレーのり用の商品ですが、プラモデルのエアブラシ塗装にも使用可能。塗装ブースの奥側に敷かれた段ボールが噴霧された塗料の粒子をキャッチし、周囲への飛散を防止してくれます。価格も2,035円(税込)と今回紹介する塗装ブースの中で最も低価格です。

 排気ファンを搭載していないので場所を選ぶことなく塗装を行なうことができます。短所としては、ファンによる排気を行なわないため、揮発した溶剤が室内に充満する恐れがあります。塗装用途で使用する際には、室内の換気に十分注意しなければなりません。

コンパクトで作業スペースもしっかり確保。GSIクレオス「Mr.スーパーブース コンパクト」

  • 発売日:2017年12月
  • 価格:19,800円(税込)
  • 発売元:GSIクレオス

 GSIクレオスの「Mr.スーパーブース コンパクト」はシロッコファンを搭載した電動式塗装ブースです。手前のハニカムフィルターと奥にあるペーパーフィルターがエアブラシ塗装の粉塵をしっかりキャッチします。価格も19,800円(税込)と電動式塗装ブースの中では手ごろな価格となっており、初めて購入した塗装ブースが「Mr.スーパーブース」という人も多いのではないかと思います。

 「Mr.スーパーブース コンパクト」使用しているファンがシロッコファンということもあり、静音性に優れていることが特徴の一つです。一方、吸引力については後述する塗装ブースと比較して少々劣る印象があります。

強力な吸引力で快適作業。エアテックス「レッドサイクロンエル」

  • 発売日:2015年10月6日
  • 価格:23,650円(税込)
  • 発売元:エアテックス

 エアテックスの「レッドサイクロンエル」はプロペラファンを搭載した電動式塗装ブースです。折りたたむことでコンパクトに収納することができますが展開時はしっかりと周囲をカバーしてくれます。価格は23,650円(税込)と、今回紹介する塗装ブースの中では最高額とはなるものの、照明用LEDや回転プレートなどの付属品も豊富にそろっています。

 搭載ファンがプロペラファンということもあり、吸引力が強いことが特長です。吸引力相応にファンの回転音が大きく、使用に際しては周囲への騒音の配慮も必要な塗装ブースとなります。

まずは入門ツールからエアブラシ塗装に挑戦!

 今回紹介したエアブラシおよび塗装ブースについて、どのツールを買うのがベストとは一概に言えません。購入を検討されている皆さんの予算や、やりたい塗装方法、使用環境によって選択していくべきではないかと思います。まずはどのツールでもいいので、エアブラシに挑戦してみてください。そして、その中で自分に合ったツールを探しいきましょう。エアブラシを使えるようになるだけで、プラモデルライフの視野が大きく広がっていくはずです。