インタビュー
「METAL BUILD ジャスティスガンダム」企画者インタビュー
今回のウリはプレイバリュー、3つの形態を持つファトゥムでガシガシ遊んで欲しい!
2022年1月28日 00:00
- 【METAL BUILD ジャスティスガンダム】
- 1月29日発売予定
- 価格:28,600円(税込)
「METAL BUILD ジャスティスガンダム」が1月29日に発売される。発売に先がけ、企画者の稲吉氏に本商品の魅力を聞いた。
本商品の最大の魅力は"プレイバリューだ"と稲吉氏は語る。ジャスティスガンダムの背中に搭載されたバックパックは「ファトゥム-00」という本体から独立して起動できるユニットであり本機体の最大の特徴となっている。このバックパックを変形させ、本体と絡めて様々なポーズをとらせることができるのが「METAL BUILD ジャスティスガンダム」の大きな魅力だと稲吉氏は語る。
さらにカラーリング、造型、シルエット、全体のバランスなど、本商品は様々なこだわりに満ちている。これらのポイントを紹介していこう。
"騎士"としてのデザインアレンジ、見るほどに発見があるディテール表現
ジャスティスガンダムは、『機動戦士ガンダムSEED』に登場するモビルスーツ(MS)で、番組後半の主役機「フリーダムガンダム」の兄弟機である。「ニュークリアジャマー」という存在により核エネルギーが封じられた世界で、フリーダムと共にその影響を逃れる技術により核エンジンを搭載、他のMSと異なる桁違いのエネルギーを獲得したことで、様々な高出力の武器の使用に加え、強力な防御装備であるフェイズシフト(PS)装甲も長時間の稼働が可能となった。
ジャスティスガンダムの大きな特徴は背中に搭載されたバックパック「ファトゥム-00」である。強力な推進装置としてジャスティスガンダムの機動性を大きく増す上、搭載されたビーム砲、旋回砲塔機関砲など多彩な火器を装備している。さらにファトゥム-00は本体から分離し独立飛行が可能で、遠隔操作、AIによるオート操縦で本体との同時攻撃など戦術が大きく広がる。ファトゥム-00の上にジャスティスが乗るサブフライトシステムのような使い方も可能だ。
「METAL BUILD ガンダムSEED//SEED Destiny」シリーズは、アニメの設定画を強めのアレンジで立体化を行なっている。このシリーズではやはり「METAL BUILD デスティニーガンダム」のまるで悪魔のような凶暴さを感じさせる鋭角的なデザインアレンジが印象深い。このアレンジは「他の立体物にはないアレンジ」として多くのファンの心を掴んだ。
このデスティニーガンダムのアレンジに対し、「METAL BUILD ストライクフリーダムガンダム」は"聖騎士"としてイメージを持たせ、原型よりマッシブに、より力強いデザインの方向性を打ち出した。そして「METAL BUILD フリーダムガンダム CONCEPT 2」は、"兵器"としてMSのコンセプトに立ち戻り、あえてこれまでのアレンジの方向性を活かしながらも設定画に近いシャープなイメージでの立体化を行なったという。
そして「METAL BUILD ジャスティスガンダム」では再びイメージアレンジを盛り込んでいる。本商品のイメージは「騎士」。特にファトゥム-00の翼をたたんだ後、翼端を広げることで三角形の形を作ることで、"騎士のマント"を思わせるシルエットとした。「マントをまとった甲冑を着た騎士」という雰囲気を持たせたところが製作チームの思いが強く出ている部分だと稲吉氏は語った。
「METAL BUILD ジャスティスガンダム」は「METAL BUILD フリーダムガンダム」と"兄弟機"であるという関係性をあえて強調している。設定上もビームライフル、シールド、ビームサーベルは同型のものを使っているが、金属パーツの関節も共有、並べることで共通点が楽しめる仕様になっている。あえてフリーダムに寄せてデザインした部分も随所にあるとのこと。
「METAL BUILD ガンダムSEED//SEED Destiny」シリーズは坂本洋一(ケミカルアタック)氏がディレクション、デザインコーディネーターにイラストレーターのKoma氏、カラーコーディネートに広瀬裕之氏が手がけ、設計はコレクターズ事業部の設計チーム・スカルファイブの石川雅之氏が担当している。それをアニメーターの重田智氏が監修することでシリーズならではの統一感を実現している。もちろん「METAL BUILD ジャスティスガンダム」も同じスタッフが参加している。特に本商品は「METAL BUILD フリーダムガンダム」と並び立つように設計されているという。
まずそのスタイル。原作でもジャスティスガンダムはフリーダムガンダムより細身なのだが、METAL BUILD では"細すぎない力強さを感じさせるバランス"をミリ単位で調整して実現しているという。特にジャスティスはファトゥム-00が分離しバックパックなしの姿で飾られることもあり、素体そのもののシルエットが意識されることも多い。ジャスティスならではの格闘戦も強いという力強さは意識したとのこと。
一方ファトゥム-00との"大きさ"というのも課題だった。アニメではファトゥム-00の大きさが違って見える場面がある。バックパックとして小さめに描かれる場合もあれば、ジャスティスが上に乗った場合はまるでジャスティス自身より大きい印象になる場面もある。アニメの雰囲気を立体物でどう活かすか、ギミックを盛り込みながら、どのくらいの大きさにするかのバランスも調整を重ねた部分だという。
そしてカラーリングだ。ジャスティスは小豆色のような紫がかった赤い色がメインカラーだが、より濃いメタリックな色、つやを消したマットな色といった基本の赤部分も色合いや質感を変え各部に配置し情報量を多くしている。ちなみにファトゥム-00に使われる赤は本体と違う色が使われ、こちらも複数の色で塗り分けられている。本体とファトゥム-00が分離することを色でも提示しているのだ。
色の塗り分け、情報量の多さはMETAL BUILDならではの手のかかったものになっていて例えば腰の前面は装甲部分が2色に塗り分けられ、股間のダクト内だけでなく、縁部分も差し色がある。装甲も細かく分割され、マーキングも施されているなど、細かく見ればチェックするほどに新しい驚きが生まれるほどに細部まで手が込んでいる。デザインディテールに、差し色、デカールなどなど、本当に全身を細かくチェックしたくなる商品だ。
大きさが変わり、細かく変形する「ファトゥム-00」の多彩なギミック
今回のインタビューの注目ポイントの大きなポイントが「ファトゥム-00」である。ファトゥム-00は多彩な変形ギミックが持たされており、その姿を大きく変える。まず"騎士"としてイメージを持たせたファトゥム-00を背負った「駐機形態」。次に跳ね上げた高機動「ハイマットモード形態」。さらにファトゥム-00の上にジャスティスが乗る「リフター形態」がある。それぞれの形でカッコ良くなるバランスを目指している。
「ハイマットモード形態」は本体にがっちりとファトゥム-00が接続される。前方に突き出した大型ビーム砲「フォルティス」の基部ががっちりとジャスティスの鎖骨部に合わさる。稲吉氏が語るポイントはこの鎖骨のラインで、フォルティスが接続しているときも、外した場合も自然でどちらの形態でもカッコ良く見せるように調整したとのことだ。
ハイマットモードでは合体したときのシルエットなので、ファトゥム-00が目立ちすぎない、主張しすぎない見せ方にしている。大きな翼を広げつつも、基部そのものは特に上下の幅を抑えるようにぎゅっと圧縮している。この圧縮があるからこそ、展開するリフター形態とのギャップが楽しいのだ。
ジャスティスガンダムがファトゥム-00の上に乗るという「リフター形態」は、左右だけでなく、前後までスライドし、その面積を大きく広げる。スライドした部分にもメカニカルなディテールが盛り込まれており、ピストン状のスライドを動かすためのメカディテールも入っていて、チェックするのが楽しい要素となっている。足を置く場所には補助パーツを接続できるようになっており、リフター形態でのしっかりしたディスプレイも可能だ。
アーマー分割や、現われるメカディテールなど、デザインの面白さが特に出るギミックと言える。さらにこちらは固定用の補助パーツなどはないが、膝立ちでファトゥム-00の上に置くことも可能。ジャスティス本体の幅広い可動域を持つ関節設計により、足を上げ膝を深く曲げる膝立ちもしっかりできるようになっている。
ファトゥム-00は左右のエンジンブロックが中央のブロックとアームで繋がれている。シンプルな軸回転ではなく、アームで様々な位置に変えられるので、ポーズにあわせ位置を工夫することで、シルエットを調整できる。「飾るのも良いですが、まずはガシガシ動かして欲しいです」と稲吉氏は語った。
また、武装部分での注目は肩に取り付けられた「バッセル ビームブーメラン」が注目だ。ちゃんと肩から引き抜けるように、グリップが出てくるギミックをオリジナルで追加している。グリップ部分のメカディテール、肘がしっかり曲がりブーメランの柄を持てるところに注力したという。ブーメランを握るための握り手も用意されている。
ディスプレイ用の補助パーツの充実も「METAL BUILD ジャスティスガンダム」のセールスポイント。ファトゥム-00を展開したハイマットモード用の補助パーツや、前述のリフター形態の機体の上に立つジャスティスを支える接続パーツ、さらにファトゥム-00単体で飛行する姿を展示できるパーツなど、ディスプレイ用パーツを多数用意している。ファトゥム-00単体の場合は、基部の角度を変えることもでき、より飛行している雰囲気を強調できる。コレクターズ事業部のこれまでの商品のフィードバックにより、様々な飾り方を楽しめるように下という。
今回は今後の「METAL BUILD ガンダムSEED//SEED Destiny」シリーズも聞いてみた。このシリーズでは「METAL BUILD ストライクガンダム」をコアとした「オルタナティブストライク」というシリーズ展開も行なっているが、それとは別に「機動戦士ガンダムSEED」、「機動戦士ガンダム/SEED Destiny」の主要MSを展開していく計画も進められている。その中ですでに試作品まで作られている「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」の商品化ができるように、企画を進めているとのこと。構想は大きく、「今後も応援して欲しい」と稲吉氏は語った。
最後にもう一度「METAL BUILD ジャスティスガンダム」の最も推したいポイントは? という質問を稲吉氏にぶつけてみた。稲吉氏は「ジャスティスガンダムとファトゥム-00のデザインバランス」と答えた。「METAL BUILD ジャスティスガンダム」は、3形態を持つファトゥム-00の変形が他の商品にはない大きな特徴になっている。可動域の広いジャスティスの素体と合わせ、「機動戦士ガンダムSEED」のMSらしい、ケレン味にのある、派手でカッコイイポーズを、様々な形態でとらせて欲しいという。
ユーザーへのメッセージとして稲吉氏は「『METAL BUILD ジャスティスガンダム』いよいよ発売です。大ボリュームの内容と、ギミック盛りだくさんです。ぜひ手に取って遊んでください」と語りかけた。
今回改めて「METAL BUILD ジャスティスガンダム」を細かくチェックしたが、「かっこいいなあ」と嘆息させられた。やはりMETAL BUILDならではの圧倒的な情報量と、シャープな造型、金属パーツが光るリッチな雰囲気が良い。盛りだくさんのギミックでジャスティスガンダムならではの躍動感のあるアクションと、ケレン味のあるポーズをとらせられるのが遊びごたえとして大きいと感じた。
「METAL BUILD フリーダムガンダム CONCEPT 2」と並べることで生まれる兄弟機としての共通点などコレクション性も楽しい。「機動戦士ガンダムSEED」ファンはもちろん、原作をあまり知らない人も楽しめる、とてもカッコイイアクションフィギュアだと感じた。
(C)創通・サンライズ