インタビュー
ギミック満載! 「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」開発者インタビュー
デュナメス、ヴァーチェ、ナドレの特性を持つ高いプレイバリュー
2021年2月26日 12:01
- 【METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII】
- ジャンル:アクションフィギュアフィギュア
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 価格:25,300円(税込)
- 発売日:7月
- 全長:約180mm
- ※2月26日16時より店頭予約開始
BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部はアクションフィギュア「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」を7月に発売する。価格は25,300円(税込)。2月26日16時より店頭での予約を開始する。
本商品は、「METAL BUILD」10周年記念し発表されたプロダクトの1つ。「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」で発表された新たなMSで、「機動戦士ガンダム00」のファーストシーズンでロックオン・ストラトスが搭乗した「ガンダムデュナメス」がベースになっている。
本機に搭乗するのは新たなガンダムマイスターであるレティシア・アーデ。彼はティエリアの記憶を受け継ぐ人物であり、その記憶に深く刻んだロックオンの愛機に乗ることとなる。「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」はライバルであった刹那の愛機にグラハムが乗る「ガンダムエクシアリペアIV」も登場する。こちらもMETAL BUILDで商品化されているが、ガンダムデュナメスリペアIIIもまた、“つながり”を感じさせられる機体だ。
「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は、デュナメスがベースになっているが、武装やカラーリングなどでかつてティエリアが登場した「ヴァーチェ」に、そして武装を組み替えることでヴァーチェに秘められたもう1つの機体、「ナドレ」の雰囲気も併せ持つ、立体物として非常に楽しいプロダクトになっている。商品の反響は大きく、ユーザーの期待は大きい。
今回、「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」の企画担当者であるBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の稲吉太郎氏に本商品の開発エピソードや注目ポイントを聞いた。ギミックたっぷりの「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」の魅力を紹介したい。
柳瀬氏、海老川氏の最強タッグによって生まれたデュナメスリペアIII
「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は、「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」でイラストは公開されているが、METAL BUILDでの商品化に当たり、本機をデザインしたメカデザイナーの柳瀬敬之氏と、エクシアをはじめとした「ガンダム00」の主役機を手がけ、「METAL BUILD ガンダム00」シリーズの開発に深く関わるメカデザイナーの海老川兼武氏が、改めて機体に対する設定と、商品向けギミックを練り込んでいったという。
その中で、柳瀬氏の提案から、「デュナメスリペアIIIは、ティエリアの記憶を受け継ぐレティシアの機体。このためかつてのティエリアが乗り馴れたヴァーチェに操縦特性が近いように調整された」という基本設定が提示された。そのため本機体の重量は66.7tと機体の重量はヴァーチェと同じになっている。デュナメスは狙撃用の機体だったが、手持ち武器のGNバズーカーに、両肩のシールドとGNキャノンなど重装備により、重武装のヴァーチェと同じ重量、操縦特性になっているとのことだ。
よりMETAL BUILDとして楽しめる商品を生み出すべく、まずは「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」の設定画に近い試作品を作り、そこからプレイバリューなどを考え、柳瀬氏、海老川氏の意見をもらいながら商品仕様を煮詰めていった。「METAL BUILD ガンダム00」シリーズにおける“最強タッグ”によるプロダクトだと稲吉氏は語る。
例えば「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」はGNシールドを回転させ、展開することで、様々なシルエットになるが、これは試作品を触りながら生まれたアイディアだという。柳瀬氏が機体に対して持っていたアイディアを、商品として、“玩具”として遊びの可能性を考えながら発展させたことで、「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は“プレイバリューの塊”といえる商品となったという。
様々なギミックを見ていこう。主武装であるGNバズーカの目玉は、なんと言っても砲身を拡張させ、銃の後端を胸の「疑似太陽炉」に直結させ最大の攻撃を行なう「バーストモード」のギミックだろう。GNバズーカは上下に砲身を開いた上、内部の金のバレルが伸張。さらに後部も太陽炉へのコネクターが伸びる。
接続するデュナメスリペアIIIの胸部分もカバーが跳ね上がり、GNバズーカと接続される。この時あらわになる太陽炉は緑色である。「疑似太陽炉はオレンジ色なのでは?」という疑問をぶつけたところ、「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」の舞台となる時代では疑似太陽炉の改良が進み、緑色の光を放つようになっているとのこと。「METAL BUILD ガンダムエクシアリペアIV」も緑色の疑似太陽炉を搭載していたが、ここも設定通りとのことだ。
GNバズーカはさらに左右のグリップが引き出され、胸と接続したバズーカを両手で保持することができる。これによりヴァーチェがGNバズーカを構えた「フルバースト」のポーズがきちんと取れるというわけだ。
デュナメスはGNスナイパーライフルを装備していたが、本機ではGNバズーカによる大火力の攻撃がメインになるようだ。ただ、デュナメスの頭部の“狙撃モード”はきちんと継承されており、アンテナ部分を下にずらすことで狙撃用カメラを露出させるギミックも搭載されている。このカメラをどう使うか、遊ぶときに考えるのも楽しいだろう。
「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」の“ギミックの要”といえるのが、背中のアームだ。このアームによってボリュームたっぷりのGNシールドをしっかり保持し、前述の防御形態、シールドを展開しGNキャノンを露出した砲撃形態、さらには「00ライザー」を思わせる、両側にシールドを広げたようなポーズも取らせることができる。シールドと交換してGNバズーカを装着させることも可能だ。このアームを使うことで、より動きのあるポーズを演出させることもできるだろう。
GNキャノンの砲身部分の塗装は稲吉氏お気に入りのポイント。単一のガンメタリックではなく、2色のメタリック塗装により、砲口の立体感が増している。デュナメスとヴァーチェの2つの機体の雰囲気が伝わるカラーリングなど、METAL BUILDシリーズの彩色を担当する広瀬裕之氏のこだわりが随所に込められているところだという。
マーキングではやはり左肩のLとLが組み合わさったマークが目を惹く。この機体のかっての所有者ロックオンと、想いを受け継ぐレティシアが乗っていることを示したマークである。機体のマーキングはこれまでの「METAL BUILD ガンダム00」シリーズ同様、海老川氏が監修を担当しているが、このマークには強い思い入れを持っているとのこと。「ガンダム00」の女性ファンにも注目された、ロックオンとティエリア、そしてレティシアの“絆”を考えさせられるマークである。
METAL BUILDの未来を提示する商品に!
今回稲吉氏が持つ試作品を前にして話を聞いたのだが、アームを外した装備をしていないシルエットはデュナメスのスマートなシルエットそのままで、ここにアームとシールドを載せるとグッとヴァーチェの雰囲気が強くなる。デュナメスをはじめとして、コンセプトを受け継ぐ「ケルディム」、「サバーニャ」は腰のバーニアのボリュームも特徴の1つ。デュナメスリペアIIIは大型のブースターユニットを装備している。このブースターはスラスターを解放させるとバーニアが大きく露出するメカニカルな演出が楽しめる。
稲吉氏が大好きなのがこのブースター部分に装着されたビームサーベルギミック。ロックオンはビームサーベルを使いたがらない傾向があり、その後のケルディムではビームサーベルを取り外してしまうが、「ガンダム00」ファーストシーズンではグラハムと対決するときにやむを得ずビームサーベルを腰から引き抜き戦うシーンがある。
「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は、初代デュナメス同様に腰にビームサーベルを装備しており、角度を変えて抜刀するポジションにすることができる。このギミックはロックオンとグラハムの対決シーンを思い出して、稲吉氏は特にお気に入りとのことだ。
さらに“デュナメスらしさ”という部分では膝のアーマーの内部にミサイルギミックを搭載している。近寄ってきた敵を遠ざけさせるための武器だ。ヴァーチェを思わせる大型のアーマーだが、内部に“隠し武器”といえるギミックが仕込まれているのである。
そして各部をチェックすると、足部分に“ハードポイント”があるのに気づかされる。質問してみたが、稲吉氏は「現在具体的にはお答えできませんが、今後の可能性のために設計した要素です」とのこと。ダブルオーなどは「セブンソード」といった追加装備が発売されたが、そういった拡張の可能性があるのだろうか?
この他、デュナメスのMETAL BUILDが出たことは、「METAL BUILD ガンダム00」シリーズにとって重要な意味を持つ。これまでエクシア、ダブルオー、クアンタと言わば“主役級”のガンダムがMETAL BUILDとなっていたが、デュナメスが発売されることで、初代デュナメスなどのバリエーション、さらにはヴァーチェ、キュリオスといった機体の展開への機体も強まった。稲吉氏は「『ファンの皆様の強い希望』があればぜひやっていきたいと思います」と答えた。稲吉氏自身は個人の想いとして「ガンダム00」に最初に登場した4機体、エクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェ(ナドレ)に特に強い思い入れがあるとのことだ。
そして「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は「METAL BUILD 10周年」の“次の展開”を示す商品でもあると稲吉氏は語る。今回、ガンダムシリーズにおいても「METAL BUILD Hi-νガンダム」、「METAL BUILD ジャスティスガンダム」が発表され、大きく枠を広げた。「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」も完全新規開発の商品であり、今後発展していくための土台となる商品と言うことだ。
「これまでMETAL BUILDは『00』、『SEED』の機体が多かったですが、『Hi-νガンダム』を皮切りに宇宙世紀系の機体にもより積極的に挑戦していきます。『デュナメスリペアIII』は『00のラインナップもさらに拡充していくぞ』というメッセージでもあります」と稲吉氏は語った。
最後にユーザーへのメッセージとして、稲吉氏は「『METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII』はやはりその圧倒的なプレイバリューが魅力です。ぜひ手に取ってそのギミックをたっぷり楽しんでください。『METAL BUILD ガンダム00』シリーズはMETAL BUILDのスタートとなり大きな柱として展開していきました。10周年でさらに盛り上げ今後に是非ご期待下さい」と語った。
「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は、やはり立体物ならではのギミックの多彩さ、そしてしっかりした構造と所有者を満足させるクオリティを持ったMETAL BUILDだからこそのプロダクトだと感じた。大きなパーツをしっかり支え、様々なギミックをたっぷり楽しめそうである。筆者自身も手に取りたいと話を聞いて強く思った。今後の展開にも大いに期待したい。
©創通・サンライズ