インタビュー

【ゾイド】「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」&「ZOIDS BATTLE FILMS」企画担当者インタビュー

「ZOIDS BATTLE FILMS」で広がる新たなゾイドワールド

【RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)】
2026年7月 発売予定
価格:9,900円

 タカラトミーのハイターゲット向けホビーレーベル「T-SPARK(ティースパーク)」から1/100スケールアクションプラモデル「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」が2026年7月に発売する。価格は9,900円。

 同レーベルが展開する「超可動」「組み立てやすさ」「コレクション性」を高めた1/100スケールのアクションプラモデルシリーズ「REALIZE MODEL(リアライズモデル)」のゾイドシリーズ第16弾として、パンツァーユニットを装備したブレードライガーが立体化。

 さらに、タカラトミーモール含む「T-SPARK ZONE」店舗(WEB店舗含む)で「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー (ZBF)」を予約期間中に予約すると、ショートアニメ「ZOIDS BATTLE FILMS」を収録したDVDが予約商品1つにつき1枚付いてくるキャンペーンも実施される。(※予約期間はT-SPARK ZONE各店舗によって異なる場合がある)

RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)

 2025年10月17日に公開されたショートムービー「ZOIDS BATTLE FILMS」にて初登場。レーザーブレードによる格闘戦を得意としたブレードライガーに、ハイブリッドキャノンやミサイルポッドを搭載したアーマーが装備された。

 迫りくる「アイアンコング」と「デスザウラー」の敵部隊に対し、「ライガーゼロファルコン」とともに2大エースのように大活躍を見せた。そして、そのパイロットも驚きの人物だった。

【【REALIZE MODEL】RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)CM】
【【REALIZE MODEL】RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)PV】

 今回「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」の試作品の写真を交えつつ、本商品の開発を担当しているタカラトミー ホビーキャラクター事業室コレクター事業部の岡 宗志氏とマーケティング担当の内藤 豪氏にお話を伺い、さらに「ZOIDS BATTLE FILMS」の世界観などについても聞いてみた。

タカラトミー ホビーキャラクター事業室コレクター事業部の岡 宗志氏(右)
マーケティング担当の内藤 豪氏

新たなブレードライガーが誕生。リアルテイストなカラーリングと大ボリュームの装甲

――「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」の商品化・開発の経緯をお願いいたします

内藤氏:ブレードライガーパンツァーは「ZOIDS BATTLE FILMS」ありきの開発でした。映像の中でライガーゼロファルコンもですが、オリジナルの機体を出すことが決まっていて、そこから、ショートアニメをベースにしたラインナップ展開をすることも以前から企画されていました。

 その初の主人公メイン機体の1機という形で出来上がったのがブレードライガーパンツァーでした。

――「『ZOIDS BATTLE FILMS』から新しいブレードライガーを作ろう」という流れなんですね。

岡氏:そうですね。「REALIZE MODEL」第1弾として登場しました「RMZ-001 ブレードライガー」自体はのちの「RMZ-013 シールドライガー」への流用を想定して設計はされていたようでしたが、この「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」に関しては全く想定されていないところからスタートしました。

内藤氏:「RMZ-001 ブレードライガー」のリデコのデザインをするのが先ではなく、最初からショートムービーのストーリーに合わせて開発していきました。

――想定していないところから唐突に生まれたブレードライガーだったと(笑)

岡氏:企画担当の僕も最初見た時は皆さんと同じで感覚で「なんか知らんゾイドが出てきた」となりました(笑)

内藤氏:「ブレードライガーパンツァー」という名称も最初は仮でした。「他にいい名前があれば」と進めていましたが、商品化にあたり「一番わかりやすいのではないか」となっていきました。

岡氏:初期の資料では「ブレードライガー改」というのもありました。

――次に造形についてお聞かせください。本キットでは「RMZ-001 ブレードライガー」の素体を使いつつ、新規造形のパンツァーユニットを組み合わせたデザインなのでしょうか?

岡氏:その通りです。今回のパンツァーユニットは、ハイブリッドキャノンそのものと、肩部アーマー4箇所と脚部のアーマーそれぞれの4つ、胸部武装で構成されています。デザインはライガーゼロパンツァーそのままのものを採用しています。

 頭部の長いブレードアンテナもパンツァーユニットに元々ある部分にはなりますが、今回のブレードライガーに取り付けるにあたって、Eシールドジェネレーターを交換する形でブレードライガー専用の造形になっています。

 そのため、将来的にライガーゼロパンツァーが商品化する時には、このブレードアンテナはデザインが異なるものになるかもしれません。

頭頂部のブレードアンテナ
肩部に分厚いアーマーを装備

――元のデザインとしてライガーゼロパンツァーがありますが、ブレードライガーに合わせるにあたって手を加えた造形などはありますか?

岡氏:先ほどお話した通り、頭の部分に関しては専用のデザインになっています。

 「パンツァーユニットの頭頂部分がブレードライガーの後頭部に取り付けられている」形だったので、それを取り付けるためにアレンジをした部分があります。

 結果的に「ZOIDS BATTLE FILMS」劇中の表現と同じ造形になりました。また、ハイブリッドキャノンは、本来のパンツァーユニットですと背中に搭載する形になりますが、今回は映像にも合わせて、元のブレードライガーではレーザーブレードがマウントされているアーム部分からアームごと新規で搭載している形になっています。

ハイブリッドキャノンは左右のアームによって支えられている

――レーザーブレード部分にハイブリッドキャノンが搭載されたことで、左右への展開はできますか?

岡氏:構造的にはもちろんレーザーブレードを展開するポリキャップは生きていますので開くことはできます。

 一方で、ハイブリッドキャノンが結構なボリュームで重みもある関係でアームも強固にしていますが、左右への展開は重量的に負荷が大きいので、見栄えも悪くなってしまうかもしれません。

――続いてカラーリングについてですが、通常のブレードライガーが明るめの青なのに対して、こちらは深い青色になっていますね。

岡氏:もともと基本的な配色はブレードライガーということで、そのままの青色にする想定もありました。

 しかし、映像で出てきたものや映像用の資料を見た時に従来のブレードライガーの青の色と大きく違ったり、白も暗く、関節キャップと近い色合いになっていました。

 なので、全体的な色味をダークなトーンにした形になっています。もちろん劇中が暗い空のシーンではあるので、それで暗く見えている可能性もありますが、同じブレードライガーの色でパーツを追加した豪華版というよりは映像に出てきた新たなブレードライガーを強調するのが良いだろうとなりました。

「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」(左)と「RMZ-001 ブレードライガー」(右)比較

――ちなみに付属のパイロットフィギュアは一般兵のみでしょうか? 映像を見ていると「この声は!」というのがあったので。

岡氏:残念ながら、本キットでは一般兵のみが付属となります。顔は映っていないので。

内藤氏:映像やCMで「パイロットは誰か?」の答えが出ていますが、一応妄想の余地を含める意味で一般兵士だけという形になりました。

――映像ではブレードライガーパンツァーがユニットをパージしてノーマルのブレードライガーに近い姿になりましたが、今回のキットではそれが再現できるのでしょうか?

岡氏:はい。「RMZ-001 ブレードライガー」のバンとフィーネのパイロットフィギュアを除くパーツが入っておりますので、ハイブリッドキャノンをアームから取り外して、レーザーブレードをアームごと交換。肩アーマーを外して、元のブレードライガーのパーツを取り付けることで、劇中のパージした状態を再現することができます。

 頭頂部のタテガミと胸部のAZ3連装グレネードランチャーは映像でもそのまま残っている形になっているので、こちらはそのままになっています。

「ZOIDS BATTLE FILMS」のユニットパージした姿が再現可能
胸部にはAZ3連装グレネードランチャ―を装備

――かなりのボリュームになりますね。

岡氏:新規造形部分にブレードライガー1体分を足したらアイアンコングぐらいのボリュームになっています。

内藤氏:映像でデスザウラーに駆け上がっていくシーンでのミサイルポッドだけ外した状態も再現できます。

――可動についてですが、「RMZ-001 ブレードライガー」がよく動くキットでしたが、パンツァーユニットが付いたことで追加した機構などはありますか?

岡氏:どうしてもアーマーが大型化した分干渉する箇所は出てきますが、本体の方の可動構造は基本的に変えてないです。

 加えて、パンツァーユニットの方にもいろんな可動は入っています。各ミサイルハッチの開閉やハイブリッドキャノンの付け根部分に伸縮が入っています。また、2001年当時のムービングキットのパンツァーユニットにはなかった基部の部分での旋回や俯仰ができます。

 映像のモデルではハイブリッドキャノンの中にレーザーブレードが埋まっている状態なのですが、そのままつけてしまうと位置取りが難しく、本キットでは差し替える形になっています。

ハイブリッドキャノンの基部は伸縮機構を搭載

――「REALIZE MODEL」が1/100スケールだったので、初めて見た時は引き出し部分もあり、ミサイルのハッチ開閉はパーツの付け替えになるかと思っていました。

岡氏:そうですね。今回はハッチの開閉と引き出し機構を採用しました。その関係でどうしてもスペースが必要になってくるので、脚部に対して外側にアーマーが付くような形になりました。

アーマーに搭載されているミサイルポッドは開閉、引き出しが可能
ミサイル部分は別パーツで色分けされている

――このミサイルポッドパーツはボリュームもありますので、他の「REALIZE MODEL」に装備することもできそうですね。

岡氏:他のキットへの付け替えに関しては、軸径が専用になっているので、そのままでは取り付けるのが難しいものになっています。ですが、改造パーツとしてモデラーの皆様に自由に使っていただきたいなとは思います。

内藤氏:ハイブリッドキャノンも使いやすそう。

岡氏:ハイブリッドキャノンは「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」にサイズを合わせた関係でこの大きさにデザイン、設計されていますが、、実は2001年当時のムービングキットのパンツァーユニットのハイブリッドキャノンとサイズが同じになっています。

――担当者様のこだわりポイント/開発していく中で苦労した点をお聞かせください。

岡氏:苦労した点では最初に映像ありきのデザインだったので、それを整理するのがまず大変でした。

 肩アーマーをそのまま付けるにしても、ブレードライガーにつける場所がない。前脚のアーマーは、取り付ける軸ないから軸を追加するしかない、あるいは関節キャップから取り付けパーツを伸ばすのか、みたい案もいろいろ出ました。

 結局フレーム自体のパーツを新規のものにして、そこに取り付ける形にしたり、パンツァーユニットの肩アーマーの取り付けも、元のコンプレッションリフリジェレーターが付いていた部分のパーツを交換して、そこにつけるという形になるようにしています。

 一番すんなり決まったのは頭頂部でした。ここはもうEシールドジェネレーターを変えるしかなかったので。

「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」(左)と「RMZ-001 ブレードライガー」(右)。頭頂部の違いで顔つきの印象も違って見える

――カラーリングのこだわりや苦労したところはありますか?

岡氏:カラーリングに関しては、「ZOIDS BATTLE FILMS」の映像と設定から色を合わせていきました。ブレードライガーらしからぬダークなトーンや同じく青いパンツァーユニットは意外性と渋さが出たかなと思います。

シルエットが近い状態でもカラーリングの違いで印象も変化
エフェクトパーツも「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」(左)のエフェクトパーツは濃いクリアオレンジとなっている

――最後のユーザー様へのメッセージをお願いいたします

岡氏:新しい姿の「ブレードライガーパンツァー」が来年の7月下旬にお手元に届く予定になります。ブレードライガーを先にご購入いただいた方も、この先のラインナップ展開をご期待いただいている皆様にも、ぜひご予約いただければと思います。

――ありがとうございました。

見たことないゾイドやバトストの名シーンが動く? 可能性を秘めた新たなゾイド叙事詩(サーガ)

――「ZOIDS BATTLE FILMS」が誕生した経緯をお願いいたします。

内藤氏:経緯としてはもともとこういうショートアニメ企画がありまして、ゾイドのTVアニメシリーズを見ていた30代40代の人たちが20年ぶりに見る新アニメとして「今の時代にアニメ化したらこうなるよ」といった映像作品はずっとやりたいと思っていました。

 それが発端にありつつ、「REALIZE MODEL」シリーズが立ち上がり、映像で活躍するゾイドを「REALIZE MODEL」で立体化する流れができました。

 どうしてもムービングキットのAZ(ADVANCED Zi)シリーズだとポージングの部分で縛りが出てきてしまいますので。

【ZOIDS BATTLE FILMS】

――なるほど。確かにAZシリーズは当時のCM再現、ジオラマが映えるイメージがありますね。

内藤氏:そうですね。なので、アクションプラモデルシリーズができ、うまく連動する形が取れるとなり、一回作ってみようかっていうところで2025年10月17日に「ZOIDS BATTLE FILMS」を公開しました。

――映像構想自体は「T-SPARK」ブランドが立ち上がる頃からあったのでしょうか?

内藤氏:そうですね。構想自体はあって動いていた感じですね。

――アニメーションとしては2020年の『ゾイドワイルド戦記』から間も空いていましたから、アニメで動くゾイドが見られるのは嬉しかったです。

内藤氏:『ゾイドワイルド戦記』で約5年前、ブレードライガーとかライガーゼロをベースなら初代アニメ『ゾイド-ZOIDS-』や『ゾイド新世紀/ゼロ』から約25年ぶりですからね。

 映像も両作品を手掛けたSMDE(小学館ミュージック&デジタルエンタテイメント)が制作しています。

――では、ゾイドの動きに関しても熟知されているのですね。

内藤氏:今回の「ZOIDS BATTLE FILMS」でも当時のアニメ制作に参加されていた人たちも関わっています。よりゾイドの見せ方とかもわかっている人たちが携わって、迫力のある映像になっています。

岡氏:ブレードライガーパンツァーの一斉射撃シーンは見覚えがある方も多いかと思います。

――ところどころでアニメのオマージュシーンだっていうのを結構感じましたね。

内藤氏:『ゾイド新世紀/ゼロ』最終話のバーサークフューラーVSライガーゼロのオマージュが入っていたりします(笑)

ブレードライガーパンツァーによる一斉射撃シーン
ライガーゼロのストライクレーザークローは『ゾイド新世紀/ゼロ』を彷彿とさせる
ブレードライガーによるデスザウラー撃破も『ゾイド-ZOIDS-』最終回を感じさせる構図となっている

――「ZOIDS BATTLE FILMS」の設定についてですが、アニメや『ゾイドバトルストーリー』とは異なる物語になるのでしょうか?

内藤氏:映像やCMでブレードライガーパンツァーとライガーゼロファルコンのパイロットの声からわかった方もいるかと思いますが、『ゾイド-ZOIDS-』の主人公バン・フライハイト(CV:岸尾だいすけさん)と『ゾイド新世紀/ゼロ』の主人公ビット・クラウド(CV:櫻井孝宏さん)となっています。

 元からバンとビットという設定で作っていて、マルチバース的な世界観で「もし二人が同じ世界線、時間軸にいたら?」という設定になっています。

 なので、『ゾイド-ZOIDS-』や『ゾイド新世紀/ゼロ』から切り離された世界線という感じですね。

――ゲームの『ゾイドサーガ』シリーズのようないろんな世界、各時代のキャラクターたちが集まったイメージでしょうか?

内藤氏:そうですね。なのでもしかしら、レイヴンやベガ、プロイツェンとかも、同じ世界線にいる可能性はありますね。

――夢のある設定なのでこの1作品で終わらせるのはもったいない気がしますが、続編などは検討されているのでしょうか?

内藤氏:続編に関しては、今後のファンの人たちの反応を見つつっていうところがありましたが、「ZOIDS BATTLE FILMS」でご好評をいただけたので、継続してやりたいと思っています。最低でも年1本はやりたいですね。

――「REALIZE MODEL」では「全ゾイドの立体化」が掲げられていますが、過去作品だけでなく、これからの未来の「ゾイド」展開も期待があるかと思います。

内藤氏:岡と話しているのは、「ZOIDS BATTLE FILMS」で登場したデスザウラーがまさにオリジナルなので、デスザウラーの立体化であったり、レイノスやカノントータス、アイアンコングPKなどもすべて立体化できるように計画しています。

 ただ、デスザウラーは一番難易度高いですけどね(笑)

――映像でのブレードライガーパンツァーなどのサイズ比からしてもとんでもない大きさですから。

岡氏:そのまま立体化したらAZシリーズのデスザウラー以上になりますからね。ライガーが腕を駆け上がっているので(笑)

アイアンコング部隊の先陣を切るアイアンコングPK
航空部隊のレイノス
巨大なデスザウラー
映像ではライガーゼロファルコンがデスザウラーの腕を駆けあがる描写があり、大きさの違いがわかるだろう

内藤氏:「ZOIDS BATTLE FILMS」のあくまで私の構想的には、今回のマルチバース的な時間軸のものがありつつ、『ゾイドバトルストーリー』や『ゾイド公式ファンブック』の名戦闘シーンを初の映像化をしてみたいと考えています。

 その中で、私が絶対やりたいなと思っているのは「デスザウラーVSマッドサンダー」です。マッドサンダーは一度もアニメ化されたことがないので、“アニメで動くマッドサンダー”をやりたいな、というのがアイデアとして一つあります。

【『ゾイドバトルビデオ』 製作:1989年 ZOIDS】

――「ZOIDS BATTLE FILMS」という一つも物語というよりは、様々な時代や世界の一場面を切り取るようなイメージでしょうか?

内藤氏:そうですね。ポイントポイントでファンの人たちが映像として見たかったシーンがあると思います。

 そこも見せていきたいなっていうのがこの「ZOIDS BATTLE FILMS」ですね。ちょっとした短編でも楽しんでもらえる。ゾイドの妄想の世界観を少し肉付けするような役割にしたいなと考えています。

――構想としては映像化されていない媒体のゾイドがアニメで動くのは見てみたいです。

内藤氏:それこそ、『ゾイド公式ファンブック』のアーサー・ボーグマンとブレードライガー。リッツ・ルンシュテッドのジェノブレイカーとかも映像化したいと考えています。

――「ゾイド」世界がさらに拡大していく感じですね。

岡氏:ある意味「すべてのゾイドを立体化する」にあたって、「今までのゾイド全部」というと何年かあるいは十何年か出し切るよねっていうところもあったので、「ZOIDS BATTLE FILMS」で新たなゾイドが登場することで限りがなくなり、可能性が広がりました。

 もちろん従来のゾイドに関しても引き続き商品化を進めていきますし、当時のトミー製品やタカラトミーで一度も商品化されていないゾイドもあるので、「REALIZE MODEL」はどんどんやっていこうと思っています。

――玩具としてではなく「映像作品として新たなゾイドが始まるぞ」という力強さも感じましたね。

内藤氏:映像の中ですごく重要なポイントで置いていたのが、「兵士とゾイド」の描写でした。

 これまでのTVアニメシリーズのヒロイック路線に加えて、バトルストーリーやファンブックの世界観を含めたアニメ映像にしたかったというのがあります。

 兵士が誘導したり、出撃OKとかのサインを出す場面やゾイドと一緒に兵士も戦う姿をアニメ映像で描くというのは、これまであまりなかったアプローチになったかと思います。

 よりリアルな戦記物のシーンになったかと思います。だからこそ、兵士のジオラマフィギュアとかも商品化できたらなと考えています。

岡氏:兵士と並べたゾイドのジオラマを作って楽しんでいる方もいらっしゃるので、「REALIZE MODEL」でも合わせて楽しめるようなものが作れたらいいなと思っています。

内藤氏:ファンの人たちからも兵士のシーンはすごくコメントをいただきまして、あれはすごく嬉しかったです。こだわったポイントでしたので、喜んでいただけて良かったです。

映像では随所に兵士たちの活躍が描かれている

――ロボットアニメで巨大感を出す意味でも、視覚的に人間との対比が描かれると現実味もありますし、設定の数字以上に鮮烈に映りますからね。

岡氏:そうなんですよね。同スケールの人と並べた時に「ゾイドってすごいでかいな」と感じられますから。

――映像での世界観設定として「ZOIDS BATTLE FILMS」では帝国軍と共和国軍の一戦闘といった感じでしたが、組織などの背景設定などはありますか?

内藤氏:綿密なプロットがあるわけではありませんが、ある程度のその世界観のシナリオ的なのはあります。「RMZ-016 ブレードライガーパンツァー(ZBF)」の取扱説明書にちょこっと入る予定ですが、公式から言い過ぎると、結構世界観を狭めてしまうと考えています。なので、パイロットがバンとビットと明言することも迷いました。

――アニメの地続きだと『ゾイド-ZOIDS-』と『ゾイド新世紀/ゼロ』で時代がかなり開いていますからね。

内藤氏:「ゾイド」の良さとして「想像・妄想を楽しむ」ところがあります。

 だからあの声で「もしかして……」ぐらいに止めておこうかなとも思いましたが、ただ、バンとビットであることは言おうかと……。

岡氏:あの声で「別人です」はできないですよね。

内藤氏:それについてもセリフで「了解だ、先輩!!」というのも意識しました。まさにビットにとってバンは大いなる先輩ですので。

岡氏:キャラクター性なども考えて、どうやってお互いを呼ばせようかは検討しました。

劇中でのビットのセリフ。同じ世界でのバンとの信頼関係やメタ的な意味にも取れるものに

――『ゾイドフューザーズ』のRDや『ゾイドジェネシス』のルージ・ファミロンが登場するのも面白そうですね。

内藤氏:それこそ、レイヴンやギュンター・プロイツェンが生き返るような世界線もあるかもしれません。

――最後のユーザー様へのメッセージをお願いいたします。

内藤氏:「ZOIDS BATTLE FILMS」が公開されて、約130万回再生(2025年12月現在)と非常に多くの方に見ていただけました。本当に国内だけじゃなくて、海外のファンの人たちにも楽しんでいただけたので、「ZOIDS BATTLE FILMS」を継続してやっていければと思っています。映像の商品の立体物、立体化も含めて、今後もご期待いただければと思います。

 ファンの人たちが見たい映像をたくさん作っていきたいと思います。

――ありがとうございました。