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「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」、実物大ガンダム緊急停止!?

ユニークなオープニングセレモニー、富野監督「動くガンダムは優しかった」

会場:山下ふ頭

開催時期:12月19日~2022年3月31日まで

入場料:大人1,650円(税込)

 Evolving Gは、本日12月19日よりオープンする「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」オープニングセレモニーを開催した。このセレモニーでは、実物大ガンダムのデモンストレーション稼働の他、ゲストの富野由悠季氏やLUNA SEAのメンバーによるトークが行われた。

夕刻のRX-78F00ガンダム
セレモニーには関係者やメディアが招待された。開始時にはすっかり日も暮れていた

 実物大のガンダムを作るプロジェクトは、2009年の「機動戦士ガンダム」30周年のときに、台場の潮風公園に全高18mのガンダム立像を建てたことから始まった。続く40周年に向けて立ち上がったのが、「Gundam Global Challenge」である。ガンダムGLOBAL CHALLENGEの宮川恭夫氏は、“今できる表現で動くガンダムを作る”ということを出発点に、幅広い世代の関係者と議論し、語り合いながらプロジェクトを進めることで、ついに完成に至ったと述べる。

バンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長/ガンダムGLOBAL CHALLENGE代表理事 宮川恭夫氏

 またこの施設をオープンを心待ちにしていたという、横浜市長の林文子氏は、「ガンダムは日本が世界に誇る最強のアニメコンテンツ」と述べ、そのガンダムが横浜の大地に立ったことについて、「動くガンダムという夢への果敢な挑戦は、ファンはもちろん、子供から大人まで、コロナ禍にある世界中の人々の心を明るく輝かせ、勇気づけてくれるものと確信しています」と挨拶した。

横浜市長 林文子氏

 続いて壇上には、「機動戦士ガンダム」総監督の富野由悠季氏が登場。富野氏は開口一番、「お子様方には、ごめんなさいと申し上げます」とお詫びの言葉を述べ、その理由を「2本足歩行のできる実物大のガンダムを作れなかったことです」と続ける。それでも「今回製作して、こうして展示させていただいた1/1のガンダムは、今まで以上に人の形が素晴らしいということを教えてくれました」と語る。

「機動戦士ガンダム」総監督 富野由悠季氏

 「新幹線や新しく作られた自動車、遊園地の乗り物と同様、おもちゃカラーのガンダムは動いたからこそ優しく、気持ちがいいということを、お子様方は知っています。それをこの世に作ってもらわなければ分からなかったというのが、我々想像力のない大人の立場でした。このガンダムの完成により、それを勉強させてもらったことを嬉しく思います。ガンダムは優しかった」とファンに向けてメッセージを贈った。

 ここでついにガンダムが起動。11月に行われた内覧会とはまた違う、夜間ならではのライトアップを使った演出が施され、ノーマルスーツに身を包んだテストパイロットがコクピットに乗り込み、起動までのカウントダウンが開始。RX-78F00の要所が点灯し、カウントダウンが終わると可動デッキが上から順番に動いて、ついに起動する。

 1歩、2歩と歩みを続けたガンダムだが、突如警告音が鳴り響き、緊急事態が発生! 自動制御ができなくなったガンダムが片膝をついた状態となり、急遽オペレーションシステムを手動で再起動することで、再び立ち上がった。その体は一度デッキに収まるが、再び前進し、左右の手を広げ、右足を少し上げたポーズで静止した。

【GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」オープニングセレモニー、トラブルで緊急停止!?】
可動デッキからパイロットがガンダムに搭乗する
各所が点灯し起動準備に入る
1歩ずつ足を踏み出して前進するガンダム
まさかの緊急事態が発生。警告音とともに「窮地に立つガンダム」のサウンドが響く
片膝をついた状態から状態から立ち上がった
最後に「ビギニング」の楽曲とともに前進し、ポーズを決めた

 ここでゲストのLUNA SEAがガンダムの前に登場。ガンダム40 周年プロジェクトのテーマ曲「THE BEYOND」を披露した。

LUNA SEAによる「THE BEYOND」

 トークタイムには富野氏とともに、演奏を終えたばかりおLUNA SEAのRYUICHIさんとSUGIZOさんが登壇。富野氏は動くガンダムについて、「演出ミスを一つ見つけちゃいました。(演奏中に)せめて手ぐらいは動かしてほしかった」とダメ出しをしつつも、「ちょっとだけ驚いてます。本気になって(動くガンダムを)作る人がいると思っていなかったので、がんばってくださった方、本当にありがとうございます」と、関係者に感謝の言葉を贈った。

 子供の頃に「ガンダムの世界に入り込んでいた」というRYUICHIさんも、「まさか地球上にリアルなガンダムが降り立つとは」と驚きの言葉を述べ、富野氏やLUNA SEAのメンバーともども、ガンダムが降り立つ舞台となった神奈川県出身ということを喜んでいた。

 SUGIZOさんは「僕はジオン公国民なので、できればガンダムよりはザクをと思っていた派ですが、実物を見て問答無用に涙してしまいました」と語る。「ジオンから連邦に乗り換えようと思った」というSUGIZOさんに、富野氏は「乗り換える必要はないと思いますよ。次はザクをやりそうなので」と提案し、会場の笑いを誘った。

左からSUGIZOさん、富野氏、RYUICHIさん

 ガンダムが動く様子は映像などでも伝わるが、その存在感や迫力は実物を目の前にして初めて分かるものだと今回の取材で実感した。特にパイロットがコクピットに乗り込む演出は、アニメのシーンと現実がシンクロして、思わず鳥肌が立ってしまった。

 本日よりオープンした会場では、また違った演出によるガンダムが動くシーンを見られるかと思うので、ぜひ会場に足を運んで、自身の目で見ていただきたい。またその際はGUNDAM-DOCK TOWERのデッキにいる人と比較して眺めることをオススメする。改めてそのスケール感を実感できるはずだ。

 なお現在は2021年1月までの入場チケットが発売中だ。2021年2月以降の入場チケットは1月からの発売となるので、公式サイトをチェックしてみてほしい。