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「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」は、東京のミニ四駆の新たな“聖地”となるのか!?

100種類以上の品揃え、ミニ四駆にカジュアルに触れられる雰囲気作り

【TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO】

5月24日 オープン

場所:東京都港区新橋4-3-1 新虎安田ビル 1F

営業時間
平日:11時~20時
土日祝:10時~19時

 タミヤの東京におけるフラッグシップ拠点となる「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO(タミヤ・プラモデルファクトリー・トーキョー)」が本日5月24日、東京・新橋にオープンした。

 2008年から営業していた「タミヤプラモデルファクトリー 新橋店」が、同店舗の向かいに位置する新築のビルへと移転しリニューアルオープン。「タミヤの今が、ここにある。」をコンセプトに、タミヤのプラモデルや関連商品を展示、販売する。店内には誰でも利用できるカフェスペースも設けられ、気軽に同社の模型に近づくことができる店舗だ。施設全体のレポートも行っているので、併せてチェックして欲しい。

 旧店舗の「タミヤプラモデルファクトリー 新橋店」は、店内にミニ四駆の大型コースが設けられ、東京のミニ四駆の“聖地”としても知られていた。そこで今回、新しくなった店舗におけるミニ四駆に特化した店内の様子を関係者の話とともにレポートしていきたい。

「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」。JR新橋駅烏森口、東京メトロ銀座線新橋駅8番出口から徒歩5分。旧店舗のちょうど向かい側にある

 まずはやはり、この店舗の象徴といって差し支えない「1/1 ミニ四駆 エアロアバンテ」に注目が集まる。RCカーの「アバンテ」を元に1988年に発売されたレーサーミニ四駆「アバンテJr.」の派生車種「エアロアバンテ」(ミニ四駆REVシリーズ、2012年発売)を、2015年の「1/1ミニ四駆実車化プロジェクト」で制作した実車を展示している。

「1/1 ミニ四駆 エアロアバンテ」。初めて目の当たりにすると、その大きさに驚かされるはず
【1/1ミニ四駆・実車版エアロ アバンテ & F1 ティレル019 鈴鹿サーキット走行映像】

 全長4.65m×全幅2.80m×全高1.44mの実車は、目の当たりにすると想像以上に巨大だ。しかも店内ではかなり近いところから眺められるのもポイントで、かたわらにはミニ四駆のエアロアバンテの作例も展示されていて、その大きさの比較を楽しんでみたい。もちろん写真撮影もOKだ。併設のカフェはこのエアロアバンテの横にあり、実車を眺めながらカフェを楽しむのもいいだろう。

車体を解説するパネルには、ミニ四駆のエアロアバンテが設置されていた。愛車を持ち寄って記念撮影するのも楽しいはず
普段見られない車体の細部まで観察できる
ウイングの後方側の棚は、店舗の一番奥まで見通せるよう設計された“映え”ポイントだ
実車エアロアバンテを眺めながら飲むタミヤのコーヒーは旨い

 そしてメインとなるミニ四駆の販売コーナーは、店内マップの「F」の位置に存在する。高さ4mにも及ぶ棚の4面には、このオープンの段階で在庫が隙間なく置かれていて、眺めているだけで心が躍ってしまうほど。シリーズも多彩で、関係者によると現行アイテムの140種以上を揃えているそうで、ここへ来れば必ず好みの車種が見つかるはず。もちろんマシンのパーツも豊富で、大型アイテムのコースセットなども用意されていた。

周囲のほとんどがミニ四駆という夢のような空間。昔ながらの“町の模型屋さん”という雰囲気作りも納得だ
発売中の「エアロアバンテ」や、9月に再販予定の「アバンテJr.」も発見。ワイルドミニ四駆や実車モチーフのミニ四駆などもある
各種パーツやコースなども潤沢に揃っている
店内の完成品展示はそれほど多くないが、将来的にコンデレ入賞作品の展示といった構想もあるそうだ

 この売り場を店舗の外から覗くと、そこには完成した現行のミニ四駆合計114台が壁面展示されている。まだオープン前だったが、この壁面展示に惹かれて足を止めて眺め話し込む歩行者も何人かいて、その人気が衰えていないことを実感した。ちなみにこの壁面は夜になるとライトアップされて、写真の昼間とはまた違った雰囲気を楽しめるそうだ。

反射で少し見にくいが、内部壁面に現行のミニ四駆が展示されている
圧巻の114台のミニ四駆の壁。作ったことがある車種や愛車もあるのでは!?

 そして気になるミニ四駆のコースだが、旧店舗にあった大型の5レーンコースは残念ながら存在せず、このオープン時点では複合イベントスペースの「MODELERS SQUARE」に試走向けの3レーンコースがRCの試遊スペースとともに設置されていた。同スペース内にはテーブルや椅子も用意され、自前のマシンを持ち込んだり、店頭で購入したキットを組み立てて走らせたりすることも可能で、使用料は無料だ。

「MODELERS SQUARE」内のミニ四駆コース。レイアウトは変わる可能性もあり、スタッフや公式SNSなどから要望を出してみる手もあるかもしれない
スペース内の壁面には、同店の公式グッズのデザインを手がけたイタリアのアーティスト、フランチェスカ・ゲルマンディ氏の巨大アートも
内覧会で展示に使われていたテーブルは、作業テーブルとして使われることもあるそうだ

 大型モニターも設置されたこの場所は、ミニ四駆やRCのコース設置や競技会開催に限らず、セミナーやワークショップ、トークイベントなどにも使われる予定で、レイアウトや展示物はその都度変更されるとのこと。詳細はタミヤやミニ四駆の公式サイトやXアカウントなどでアナウンスされるそうなので、そちらもチェックしておきたい。

 都内でも有数の常設の大型コースがなくなってしまったのはミニ四駆ファンとしては残念なところだが、どちらかといえばビギナーあるいはコンデレ(コンクールデレガンス。車体の外観のドレスアップを楽しむこと)趣向の筆者は、コアユーザーが集うコースでは気楽に走らせることができないのではないかというハードルの高さを感じていた。

 よりカジュアルにミニ四駆をはじめとするタミヤの模型に触れられる方向性への思い切った舵取りは、個人的には評価したいところで、前述の壁面展示の車体を見かけて話し込む人達がいたように、この店舗から新たにミニ四駆に興味を持ったり、子どもの頃に遊んだことを思い出して再開したりするきっかけになる可能性もある。

複製原画によるパッケージアートも展示。実物のパッケージと比較できるのも嬉しい
ミニ四駆のパッケージアートを収録した「パッケージアートコレクション」も販売中。タミヤ公式グッズも多数販売されている

 東京の新たなタミヤの“聖地”が新旧ミニ四駆ファンの憩いの場となることに期待を込めつつ、ぜひ一度現地に足を運んでいただければと思う。