レビュー
東京マルイ「AM .45 バージョン・レン “ヴォーパル・バニー”」レビュー
「GGO(ガンゲイルオンライン)」の世界観にハマれる! 「当たる」、「ブローバックする」、「分解できる」楽しさ
2020年10月2日 00:00
- ジャンル:ガスブローバックガン
- 開発・発売元:東京マルイ
- 価格:22,800円(税込)
- 発売日:4月13日(8月再販)
- サイズ:全長188mm×高さ74mm
ド派手でカッコイガンアクションを見ると欲しくなるのが、主人公が使っていた銃器。だから、ついエアガンやモデルガンを買ってしまう場合もあるのだが、映画やアニメで使われていたオリジナル銃器となると、そう簡単にいかないのが悩みどころ。腕に覚えてがあれば、ベースになったモデルを加工して作りあげることができるかもしれないけど、一般の人にはなかなか難しい。
そんな中、東京マルイから小説「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(通称GGO)」で主人公レンが使っていたハンドガン「AM .45 バージョン・レン “ヴォーパル・バニー”(以下、「ヴォーパル・バニー」)」が発売された。丁度、アニメ版の放送時期に重なったこともあり商品は瞬く間に完売したが、つい先日再版されタイミングよく我が手に収まるチャンスを得た。
そこで今回は、この「ヴォーパル・バニーをレビューしたるぜ!」と思ったものの、実は20年以上エアガンもモデルガンも買っていないという現実が……。理由は単純で「高価である」ことや「自宅で撃てない」ことが、二の足を踏ませているのだ。特に、値段は仕方ないにせよ、トイガンを買って撃てないのは寂しすぎる。だからと言って、自宅で撃てばあちこちにBB弾が散らばるし、下手をすればモノを壊すかもしれない。
だが、今は昔と環境が違う。町にはエアガンを撃てるシューティングレンジがあるし、最悪外で撃っても弾の回収がいらないバイオ弾もある。サバゲーだって女の子が気軽に参加する時代なんだから、僕が参加できない理由があるものか!(いや体力的には別としてね)。
そこで今回は20年ぶりにエアガン体験をしながら、ヴォーパル・バニーをレビューしてみた。コアユーザーではないぶん、これから「エアガン撃ってみたいなぁ」って人の参考にもなるレビューになってるハズ。
知らない人のために、ちょっとだけGGOのハナシ
まず、GGOの世界観を知らない方のためにどういう話かを要約しよう。今から遠くない未来では、匂いや味や痛みも感じることができる「フルダイブ型」と言われるVRゲームが存在している。主人公小比類巻香蓮(レンの本名)は、女の子っぽく生きたいのに、なぜか長身でスタイリッシュに育ったため、ピンクの衣装よりスーツが似合ってしまう。
そこで考えたのが、ゲームの世界で別人になりきること。そして、結果としてチビで女の子らしいアバターが手に入ったのが、GGOというFPSがVRになったようなゲームだ。最初は、気乗りしない感じのレンだったが、いつしか小さな体躯を利用してPK(プレーヤーキラー)になる始末。そして、仲間というか敵というか、実は●●だったというピトさんと出会い、「スクワッド・ジャム」というバトルゲームで優勝するほどの実力者になっていくストーリー。
公式コラボモデルならではのパッケージと内容物にグッジョブ!
予定より前置きが長くなったので、早速パッケージから見ていこう。パッケージは、主人公であるレンが、「ヴォーパル・バニー」を二丁拳銃で撃ちまくっているイラスト。実はこのイラストは小説版IX(9)巻のカバーイラストで、ヴォーパル・バニー初登場の巻であるからだ。
外箱を外すと、中から黒いBOXが出てきて、ピンク色で商品名な東京マルイのロゴや、アクセントとなるトライプが入っている。さらによくBOXを見てみると、薄らとヴォーパル・バニーのイラストが入っているという豪華版。正直、黙っていても売れちゃう気がする商品だけど、ちゃんと手を抜かないところが、さすが東京マルイさんである。
BOXを開けると目に飛び込んでくるのが、ピンクとダークピンクの間のようなボディのヴォーパル・バニーが、超絶存在感を放っていて神々しい。これは、一刻も早く撃ちたい!……だが、まてまて、その隣にあるのは付録のオリジナル小説ではないか!! しかも表紙に書いてあるのは「ヴォーパル・バニー誕生秘話」という言葉。これは、先にコチラを読むしかないだろう。
……ってことで、これを読めば、なぜヴォーパル・バニー=殺人ウサギの名前がついたのか? どういう経緯でこの銃が選ばれたのか? などがわかる仕組みだ。これだけでも、ファン必携のアイテムだね。まさに、公式コラボモデルならではのパッケージと内容物で、買ってよかったなぁ。
カスタムパーツが映える「デトニクス」のカスタムバージョン
さて、いよいよ本体を見ていこう。まずボディカラーを見てみると、すべてが同じピンクではなくて、近似色のツートンになっているイメージ的にはカスタムパーツは、少し明るい感じ。なんで、このツートンなのかも、付録の小説を読めばわかるぞ。そして、ところどころ、アクセントとして黒いパーツがあるので、ただ可愛いだけでなく、ヴォーパル・バニーの名前に相応しい凶悪感もある。
ケースから出してグリップを握ってみると、大人の手には小指が余る感じ。だが、付属のマガジンをセットしてみると、ベストマッチなホールド感。これは、マガジン下部に付いている、フィンガーレストと呼ばれるマガジンバンパーの影響が大きいだろう。
ほかにも、ボディ先端部にはコンペンセイター(マズルブレーキ)や、バレル下部には大型のハンドガードもついていて、なんだかゴツゴツした印象を受ける。実はこのォーパル・バニーは、デトニクス社のコンバットマスターという小型ながら、何と45口径の弾を撃ち出すピーキーなモデルをベースとしたGGOの架空銃「AM.45」を、レン向けにカスタムしたという設定なのだ。だから、よくみるとハンマーのカタチも凝っているし、トリガー正面にも溝が刻まれている。何の効果があるのかよくわからない部分もあるが、たくさんのカスタムパーツが使われていて、なんとなくワンオフらしさがよく出てるぜ。
普通のパーツ部分も、サイトには黒いダットが入っているので、周囲のピンクカラーから浮きでて見えるので狙いが付けやすい。また、トリガーが軽めな気がするので、これは女の子が使う設定だからだろうか。
実際に持った感覚としては、かなり重い。普段持ち慣れているのがNERFというトイガンであるのも影響しているが、結構金属パーツが使われているのかもしれない。でも、実銃はそれなりに思いわけだから、適度な重さがあるほうが心地良い。思わず海外に行って実弾射撃をしたくなってくるね。でも無理なので、シューティングレンジで撃ってみることにした。
手取り足取り教えてもらいながら実射テスト
冒頭に書いたとおり、何といっても筆者は20年くらい前にゲーム「バイオハザード」のカスタムエアガンを買ったのが最後だし、自宅で撃ったらBB弾でいろいろ破壊しそうである。そこで、秋葉原のシューティングレンジに行き、いろいろ教えて貰いながら実射テストすることにした。実のところ、自宅にはエアのガス缶すらないからね(オイ!)。
伺ったのは「シューティングレンジTARGET-1秋葉原店」。初心者用レクチャー付きコースを選び、早速プレイ開始。このコースは、BB弾も、エアも、時間内なら使いたい放題なので、手持ちがない初心者には結構便利なのではないだろうか。
レクチャーを受けて、まず驚いたのが、BB弾の詰め方である。もしかすると「昔からあったのに知らないだけ」だったかもしれないが、1発1発入れなくても、ローダーでガッツリと入れられる。これは楽で嬉しい。設定状は6プラス1の最大7発。でも、このエアガンモデルは18発入るので、手でいれるのは少々面倒だなーと思っていた。そして、エアも入れ終わったら試射開始。
最初は5メートルレンジで、適度に小さい的だったのだけど、「スゲぇ当たる!」。「こんなに当たっていいの?」ってくらい、小さな缶とかにもバシバシ当たって気持ちがいい。もしかすると、普段当たらないNERFで狙い撃ちしているから、まともなエアガンなら余裕で当たるのかもしれない。何というか、悟空が普段重い道着で鍛えていて、脱いだら強い的な(多分違う)。
だが、撃った感触はそれだけじゃない! そう「ガスブローバック」の衝撃を楽しめたのだ。日頃からエアガンを撃っている方には「当たり前」のことなのだが、普段ナーフというスポンジ系トイガンしか撃っていないので、ブローバックを楽しむことはまずできない。それどころか、コッキングなどもいらないから、連射もできる。なんとなく、ブローバックがスムーズに感じるのは、東京マルイさんの実力か? それともヴォーパル・バニーの実力なのか?
いずれにせよ、もう嬉しくて嬉しくて、アメリカの刑事ドラマのように、意味なく連射を続けてしまった。そして、撃ちきるとスライドがオープンしたままになるので、すかさず予備マガジンを叩き込む……そんな動作のひとつひとつが、実銃をらしさを感じさせてくれる。
10mレンジは店舗でレンタルできる「ピーちゃん(P90)」で大興奮!
トリガーハッピーになりそうなくらい気を良くした状態で、次は10メートルレンジにチャレンジ。今度は難しいかなぁと思ったけど、やっぱりマジで当たるんですよね。ある意味、とても初めてエアガン撃ったとは思えない感じで、もう2ヶ月以内にはサバゲーデビューしたくなるレベル。
一番の理由はこのヴォーパル・バニーというか、ベースのデトニクスのモデルが優秀なのかも知れない。いや、もしかすると、これが近年のエアガンの実力なのかも! ホントは「ホップアップシステム」とよばれる弾を遠くに飛ばすための調整をした方がもっと当たりやすくなるので、次回はぜひ試してみたいと思う。
ちなみに「ホップアップシステム」はBB弾にバックスピンの回転を与えるシステムで、このホップを効かせることで弾が重力に逆らうような揚力が生まれる。これによりより遠くまで弾を飛ばせる。思ったところに弾を集中させるためにホップを調整することで正確さが増す、というわけだ。
だがハンドガンでここまで楽しめるなら、撃ってみたくなるのがアサルトライフルなど“長物”のエアガン。実は、今回選んだシューティングレンジのコースでは、最大3丁までのレンタルガンを選べるシステムなので、1丁とっておきのヤツを選択しておいた。それは、レンのメインアームであるピンク色に塗られた「P-90 バージョン・レン(通称ピーちゃん)」だ! 実はこの「P-90 バージョン・レン」も東京マルイさんから発売されたのだが、限定販売で瞬殺された商品。そんな貴重なレアアイテムだが、何とこの「シューティングレンジTARGET-1秋葉原店」では、気軽に撃たせてくれるのが嬉しい。
せっかくなので、両手にピーちゃんとヴォーパル・バニーを持ち、交互に撃ちまくってみた……が、やはりそんな不安定な状態ではまともに撃てない。なので、仕方なく、P90をじっくりと堪能。こちらも、なかなかの命中精度で楽しめた。現在では入手困難のエアガンを撃てる幸せってのもいいね
銃を分解! 自宅に戻ってガンスミス気分を味わう
祭りには終わりがある……ってわけで、シューティングレンジから自宅に戻ると待っていたのは撃つことのできない現実。でも、撃つことはできなくても、ブローバックだけなら楽しめるのが、最近のエアガンの良いところ。
これも、昔はなかったと思うのだが、マガジンに「フォロア ストッパー」と呼ばれるパーツがあり、これを付けることで空撃ちしてもスライドが解放状態で固定されず、連続で撃てる。こうなったら、やることはひとつ。買ってきたガスを注入し、ブローバックアクションだけを楽しむことに。何といっても、弾が出ないのだがら、気が向いたところ狙いをつけて引き金を引けるのがいいよね。「そこっ!」とかいいながら、アムロのように身体をひねって後ろを射撃しても、何も壊す心配ナッシング!
とまあ、そんなことしていると、そういえば「ホップ」の調整ってどうやるんだろ? と気になった。そこで、説明書を見ながら、ホップの調整にチャレンジしようと思ったら……「えっ? スライド外さないとダメなの??」。いやまてまて。冷静になろう。取説に書いているくらいだから、さして難しいことはあるまい。とりあえず、やれるところまでやって、ヤバそうなら即時撤退。まさに、諦めたらそこで試合終了でOKですいよね?……安西先生。
とりあえず、スタートから及び腰になりつつ、まずはコンペンセイターを六角レンチで外してみる。最初は少し引っかかった感があったけど、何とかクリア。次ぎにスライドを少し引き、スライドの切り欠きとスライドストップの爪の部分を合わせ、反対側のスライドストップの突起を押し込む。すると、スライドストップが少し緩むので、あとは少し爪を差し込んで引っ張っぱれば、本体からスライドストップ抜けた。あとは、最後の仕上げにスライド部分を前の方に移動させて抜けば完了。緊張しながらやったものの、作業時間としては5分もかからずに拍子抜けした。
スライドの裏側を見ると、そこには今回の目的であるホップダイヤルが見えてくる。コイツを調整すれば、20メートル先でも当たるという噂なので調整したい気持ちになるが、残念なことに20メートル先の標的は僕の視力では認識できないので止めておいた。でもね。何か楽しいんですよ。このまま全部分解して、そのまま目隠してして再度組み立てる……そんなことにチャンレンジしたくなるくらいワクワクな体験。これはアレだ。自分がガンスミス(銃の改造やメンテをする職人)なった気分なんだな。
正直なところ、ナーフを10丁買えるくらいの額で1丁買うのは、少し抵抗があった。でも、実際に撃ったり、分解したりしていると、ナーフでは楽しめない遊びがたくさんできた。なので、自分的には「実質無料!」としておこう。なお、今回のヴォーパル・バニーの実射についてはフルバージョンを、筆者のYouTubeチャンネル「軟撃GUN’TV」にアップしてあるので、気になる方は見てほしい。ついでによければ応援がてら、チャンネル登録してくれたら嬉しいなぁ。
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(C)時雨沢恵一 2020