レビュー
電動ガン「エイリアン2:M41パルスライフル」レビュー
「エイリアン2」に出てきたSF銃! 「残弾表示」や「ポンプアクション」も楽しめる
2020年10月15日 00:00
- ジャンル:電動ガン
- 開発・発売元:SNOW WOLF
- 価格:55,000円(税込)※輸入品のため参考価格
- 発売日:2012年4月(2020年8月再販)
- サイズ:全長785mm×高さ260mm
- 重量:3,800g
もし未来の架空銃器をひとつくれるというなら、僕は迷わずの映画「エイリアン2」で合衆国植民地海兵隊が使っていた「M41パルスライフル」を選びたい! 「えっ?デッカードブラスターじゃないの?」と僕を知る人からツッコミがきそうだが、よく考えてほしい。いくら強力なハンドガンでも大量の敵が攻めてきたら終わりだ。その点、M41パルスライフルは、マガジンひとつで6D6AP弾を100発、バレル下部に30mmのグレネードランチャー4発を撃てる、マジで頼もしい相棒なのだ。映画の中でヒックス伍長もそう言ってるので、間違いない!
ということで、今回は「M41パルスライフル」をレビューする。実は前回「ヴォーパル・バニー」の記事で20年ぶりにエアガンを買ったと書いたが、実はそのきっかけになったのはこのM41が先なのだ。僕は昔から、このM41ラブで、映画の撮影で使われた(といわれている)小道具や、組み立て式のエアガンを買っているくらいである。しかし、組み立て式のエアガンは難しすぎて完成しなかったし、小道具は弾を撃つことができない。違うんだ。俺がしたいのは、このM41パルスライフルを思いっきり撃ちまくって、ロックンロールを奏でることなんだ!
まあ、そんな夢を持つ心に秘めたままだったのだが、数奇な運命……という名のネットサーフィンに導かれて中国のエアガンメーカー・SNOW WOLFのエアガンであるM41再販のチャンスを知った。どうやらこのモデルは、かなり昔に出ていたらしいのだが、なぜか突然の再販となった模様。これは、このチャンスに手に入れるしかない! とはいえ、SNOW WOLFという海外のメーカーは、エアガンに明るくない自分はよく知らず、脳内に宍戸錠が浮かんでくる始末(つまりテレビ「スターウルフ」のこと)。 だから、どこまで使えるエアガンかわからないし、そもそも電動タイプなので買ってすぐに壊れるたら泣くになけないよね。
そんな悩みを抱えながらも、再販を告知しているサイトを見ると、購入社向けのカスタムプランの説明が載っていた。そこには「このアンブレイカブルカスタムは単にカスタムパーツを組み込むだけではなく、再グリスアップ、チャンバー&インナーバレルの再設定&研磨、弾道・給弾の確認等、海外製電動ガンにありがちの工場ラインのセットアップの甘さを払拭して、ショック吸収セクターギアを組み込んだパドックの鉄板カスタムです」の文字が……。思わずキムタクでもないのに「「ちょ待てよ!」と口からでた。これ、逆に言えば、海外製品には「工場ラインのセットアップの甘さ」があるってことだよね? そう思うと購入に二の足を踏みそうになる。だが、逆に言えば、このカスタムさえすれば、安心して海外製品を購入できるという見方もあろう。
ということで、細かいこと考えるのも面倒だし、なんか10%オフしているし、ここはひとつ人柱になってみようと思い立った。なので、今回はM41パルスライフルのレビューであると同時に「海外製エアガンってどうなの?」って人にも役立つレビューをご紹介しよう。
すでにクラシックかもしれないので「エイリアン2」とM41パルスライフルの紹介
幸い「プロメテウス」とか「コヴェナント」とかを公開しているので、若い世代でも「エイリアン」シリーズの存在は知っているだろう。だが、1や2のころの面白さはなく、駄作のシリーズと化しているのは「ターミネーター」シリーズに近しいものがある。だが、「エイリアン」と「エイリアン2」は間違いなく傑作だし、アクション映画が好きなら「エイリアン2」を観なければ、一生後悔することになる……と思う。
ストーリーは、1作目で生き残った主人公リプリーは、50年以上経って発見されたものの、エイリアンがいた星は入植地となっており、その存在を信じてもらえなかった。しかし、植民地との連絡が途絶えたことで、連邦植民地海兵隊とともに救出に向かう。まあ、基本的には宇宙海兵隊とエイリアンたちとのバトルが見物なので、キャッチコピーも「今度は戦争だ!」とついたくらい。でも、そのコピーに恥じぬアクション映画だと思う。
そして、M41パルスライフルは連邦植民地海兵隊に配備されている標準的なメインアームとなる。で、画像を見て貰えばわかるように、スペックを抜きにしても抜群にカッコイイデザインなんですよ。まあ、それもそのはずで、銃器マニアという噂のあるキャメロン監督が直々にデザインしたとも言われているモデル。しかも、トンプソンM1、レミントンM870、SPAS-12なんかを切った貼ったして組み立てているから、ホントにあってもおかしくないようなリアリティ抜群の銃器に仕上がってるんだよなぁ。もうキャメロン監督はよくわかってらっしゃる。できれば、僕の部屋をM41バルスライフルとM56スマートガンで埋め尽くしたい。
海外版エアガンを買うならカスタムがオススメ?
冒頭に書いたとおり、実は僕のM41の見た目をではなく中身をカスタムして貰っている。その理由というは販売店のコメントもあるが、実際「海外製エアガンってどうなのよ?」という不安感もある。そもそも、海外製エアガンは国産エアガンのコピーから始まったという話もあるし、部品の組み立てがイマイチという噂もあるくらい。もちろん、調べていくうちに、KRYTAC(クライタック)のように信頼に足るメーカーもあったが、逆に一部のメーカー品はエアガンショップでは「調整」という名のカスタムを推奨しているところも多かった。
しかも、このM41パルスライフルは、フレームの合わせが、ネジやボルトではなくピンで圧着しているので、壊れたら自分では直せないだろう。これが普段買っているナーフのように安ければいいが、高いモデルが壊れたら大変だ。そこで、今回は「モケイパドック」さんにカスタムを依頼することにしたのだ。
・モケイパドック
https://www.rakuten.ne.jp/gold/mokei-paddock/
依頼した内容は4つ。ひとつは店舗では「アンブレイカブルカスタム(11,000円(税別))」と呼ばれるもので、組み立ての甘さを修正やグリスアップというエアガン本体の再調整や、ショック吸収セクターギアを組み込むなどのカスタムをすることで弾速を上げたり、セクターギアの外歯にゴムダンパーを入れて耐久性を向上してもらった。
また、「ブラッシュアップカスタム(3,500円(税別))」という、インナーバレル・チャンバー・ギヤの研磨で精度を向上するチューンも行った。さらに、トルクや回転力が国産に比べ劣る海外のモーターを、回転力やトルクがバランスのいい国産モーター「EG1000モーター」に変更(3,800円(税別))し、電動ガンが停止した時に電気が逆に流れる逆転現象対策として、コンデンサーを付けた(1,800円(税別))。
まあ、これだけ加工すれば、2万円弱かかったわけだが、これから愛銃となるエアガンをオーバーホールできた。エアガンは基本的に自分でメンテナンスすべきだと思うが、有料でもガンスミスたちの手で調整されたものなら、長持ちするはず。趣味というのは、お金をかけるところと、自分の労力をかけるところを見極めるのも大切かもしれない。
ついに大迫力の「M41パルスライフル」をこの手に!
カスタムしたことは後悔してないが、カスタムしたために手元に届くまでに少し時間がかかった。だが待っていた価値はあったと思う。ボックス自体は海外製ゆえの「ただのダンボール」だったが、中から出てきたM41パルスライフルは宝物ともいうべき輝きを放っていた。手に持つ、本物を持っているかのようにズシリと存在感のある重さが両手に伝わる。格好つけて片手で持っても、海兵隊でもない僕の筋力では保てない。カスタムしてもらった感想は、見た目が変らないだけに何ともいえないが、パーツの整合がとれているのか、パーツガタつくようなことがなく、心配していた海外製の不具合は感じない。
早速、肩ヅケそして構えてみると、もうエイリアンが束になってかかってきても怖くない気がしてくる(いや勝てないのだけど)。電動モデルなので、トリガーを引いても何も起きないが、脳内にはM41パルスライフルの発射音と、エイリアンの悲鳴(?)や身体を粉砕する音が聞こえてくるようだ。ああ、早く撃ちたい。撃ちたいのだが、まずはバッテリーを充電しなければならない。
仕方ないのでつぎに本体下部にあるグレネード発射装置を試す。とはいえ、実際に弾が出るわけじゃないのだが、フォアエンドをコッキングすれるだけでも、エイリアンの卵を吹き飛ばすリプリーの気分だ。しかも、フォアエンドをコッキングすると、エジェクションポートからダミーシェルが見えるし、裏面には、グレネード弾を入れる部分もあるが、ダミーのディテールが入っているだけだ。それでも、あるとないとじゃ大違い。デザインした人は、そこんとこよくわかっているね。
充電が終わったので、早速本体に仕込む。バッテリーは高性能なLiPoバッテリー(リチウムポリマーバッテリー)を用意した。これも、オススメのものを店でチョイスして貰っている。Amazonなどでセール品を買うのもお財布には優しいが、エアガンのように色々相談したいアイテムの場合は、普通の店舗にしかない魅力だろう。実際、バッテリーは、グレネード発射装置部分に入れるのだが、かなり固くて「ホントにこれ入れていいの?」って思ったくらいである。バッテリーを入れて、早速空撃ちしてみる。空撃ちしていいかどうかという問題もあったが「だって撃ちたかったんだよ!」ということで、脳内エイリアンを相手に5分くらいバトルしてみた。
だが何か足りない。そうM41パルスライフルの魅力は、撃つことだけでなく「95(ホントは100発入っているけど映画に合わせて95)」発の数値から減り続ける残弾表示なのだ! もちろん、このエアガンにはその機能はついているのだが、電池を入れていないのでカウンターが表示されないし、そもそも弾を撃てる環境がない。ということで、こちらも、シューティングレンジに持ち込みだぜ。
マガジンを空にするくらいに撃ちまくる爽快感は格別
今回の実射も「シューティングレンジTARGET-1秋葉原店」だ。M41パルスライフル長物なので、最初から10メートルのレンジに挑戦。まずは、外していたLiPoバッテリーを再度つなぎ、残弾表示カウンターの電池を入れた。次ぎは弾入れだが、これがちょっと大変だった。
弾自体は、マガジンにガサッと入れればいいだけなのだが、入れたあとに弾を本体に給弾しなければならない。そのため、マガジンについているダイヤル上のローダーをグルグル回しつづけなければいけないのである。これが正直しんどかったが、ベースとなっているエアガンのトンプソンも同じ仕組みだそうだ。うん、ここオリジナルにしてもらって、全然構わなかったと思うぞ。
弾を入れたら、いよいよ実射である。長い人生で、ようやくM41パルスライフルを撃てる日がくるとは、何て感慨深いんだ。……と思ったが、そのまま感慨に浸るよりもやることはひとつである。まずは、セミオートでの試射。本体を見てもわかるとおり「サイト」というものが存在しない……というか、キャリングハンドルがサイト代わりなので、どうにも目安がない。なので、着弾点を目安に、的を狙っていく。数発に1発だが、何とか当てていけた。
セミオートを試し終わったら、いよいよメインだ。セレクターをフルオートに切り替え、いざ斉射開始!残弾カウンターが減るのが、マジで嬉しい! そしてフルートだと、振動もそれなりに伝わってくる。ああ、何て楽しいんだ。もし、誰も見てなくて、録画もされてなければ「F」から始まるアメリカ映画でおなじみの下品なセリフを口にしながら、撃ちまくっていたに違いない。そして撃ち終わったなーというタイミングで止めると「00」の表示が! 実は、このエアガンのマガジンには95発以上入るので、カウンターが「00」になっても撃ち続けられてしまう。それでは、あまりにガッカリなので、気合いを入れてストップかけてみたのだが、バッチリと止められるとは最高です!
撃てない架空銃器を愛でるのもいいけど、やっぱり弾が出るのは嬉しい。このままいくと、また次のエアガンに手を出しそうな気もするが、国内外のエアガンメーカーさん、いろいろ期待してますよ!