レビュー

「MGEX 1/100 ユニコーンガンダム Ver.Ka」レビュー【後編】

完成!これからのガンプラの可能性を体現する「MGEX ユニコーンガンダム」

 組み上がったMGEXユニコーンガンダム、早速見ていきましょう。まずはユニコーンモードからです。ケージに収まっているところからですがこのモードでも電源を入れて発光させれば赤や緑の光が漏れ出てきます。ユニコーンモードでも装甲が隙間なくピッタリ収まってはいない設計(おそらくわざと光を漏れさせるためにそうしたんだと推測しています)になっているのでしょう。サイコフレーム発動初期状態を再現できるのでうれしい配慮だと感じました。

【と、父さん!?……母さんごめん、俺は行くよ!】
父・カーディアスから託されたユニコーンをバナージがケージから発進させるイメージにしてみました。MGEXユニコーンにはカーディアス最期の姿がとんでもないクオリティでフィギュア化されています
【漏れ出す赤い燐光をイメージ】
サイコフレームを発光させたところをカメラの設定を変えて撮ると全身が真っ赤に染まりました。ネオジオン襲撃を察知して初起動直後の雰囲気にも見えます
【小説版プロモーション映像バージョンを意識】
機動戦士ガンダムUCには原作となる小説版のプロモーション映像が作られて(Blu-ray BOX Complete Editionに特典映像として収録)いまして、その中ではユニコーンがケージを破壊しながら出撃する様子が描かれています
【Iフィールドか!?】
初めて正式に出撃したユニコーンはバナージの意思に感応して自動的にIフィールド(強力な磁界を発生させてビームを逸らさせるフィールド)を展開、ビームの直撃を回避します。シールドは腕につけることで発光させられます
【ユニコーンらしいバランスのとれたプロポーション】
LEDシートが内装されていて発光するなんてとても思えないほどすばらしいプロポーションで無垢な感じがユニコーンモードらしいですね。各関節もLEDシートのおかげで”動かない”ということはなく、プラモデル的な無理なポーズはさせられませんが”モビルスーツ=人間を10倍にした姿”ととらえれば十分な可動性能だとおもいます

 続いてデストロイモードを見てみましょう。

【ユニコーンモードとは違う、荒ぶるガンダムをイメージさせるプロポーション】
これぞ”ユニコーンガンダム”ともいうべきデストロイモード。よりマッシブになり、凶暴なほどの力強ささえ感じます。各部装甲が変身、内部のサイコフレームがあらわになって一気に情報量が増えます。変身箇所が多いのでよく変身させる場所を忘れてしまいます。何度も撮影し直しました
【ユニコーンガンダム覚醒!サイコフレームが真の能力を発揮する】
地球連邦政府側が禁忌の大量殺戮兵器”コロニーレーザー”ですべてを葬りさろうとする中、バナージはユニコーンガンダムの持てる能力をすべて開放する。覚醒したユニコーンガンダムはシールドファンネル3基を伴ってコロニーレーザーをその全身をもって受け止めた……”サイコフレーム”それは人知を超えるものだった。そんな状況を思いながら撮影してみました

LEDシートを内装したユニコーンガンダム発光の様子を見てみましょう!

 ここでもう一度冒頭でお見せした発光動画を見ていただければと思います。制御ユニットのMODEスイッチを押すごとに、1.頭部のみ点灯(約3分後に消灯)、2.頭部と全身(赤色:シールド点灯なし:約5分後に消灯)、3.頭部と全身(緑色:シールド点灯あり:約5分後に消灯)、4.2と3を繰り返す(約5分後に消灯)、5.消灯、6.1に戻る、というパターンになります。

【「MGEX 1/100 ユニコーンガンダム Ver.Ka」レビュー【後編】 これこそが新世代の発光!これこそが新世代の発光!】

「MGEX 1/100 ユニコーンガンダム Ver.Ka」を組み上げての感想

 パッケージが手元に届いて、まずその大きさと内容物の多さや全体の重量、発表されていたキット内容も併せて”これまでのガンプラの常識を打ち破るキットが出た!”と思わせてくれました。特に、ユニコーンガンダムの発光を再現するLEDシートの存在は組む前から筆者の心をワクワクさせっぱなしでした。筆者に限らず”LEDシートなんて使って可動範囲は大丈夫か?”などと思われた方もたくさんいらっしゃったんじゃないかと思います。

 文中にも書きましたが、プロポーションや可動範囲をを阻害することもなくまるで存在していないかのような完成品となっています。もちろん導電性物質でできているわけですから本来あまり折り曲げてはならない素材だとは思いますし、いずれは断線などするかもしれませんが組んで撮影するために腰のひねりや腕の上げ下げや曲げは気を使いながらゆっくりじわっと可動させれば問題はなさそうです。

【極限の発光機構】
”計算しつくされた「構造」”によって組み上げた後の完成品を手に取った時の充実感や満足感、なによりその発光機構の精度が素晴らしいです

 MSの”極限表現”に挑むMASTER GRADE EXTREMEシリーズ第一弾となったユニコーンガンダムのテーマは「極限の“発光機構”」ですが、組み立て中に何度か思うことがありました。LEDシートの取り回し方法が少々雑な印象で固定方法がいまいちわかりにくかったです。LEDシートに固定に使える穴や切り欠きなどがもっと配置できると尚作りやすいよね? と思いました。

もちろん設計段階で試行錯誤され、現状でできることの総合結果でしょうからこれ以上望むべくもありません。筆者のようなガンプラファンとしては”ガンプラ=進化”ということもわかっていることですので次回作へのフィードバックが行なわれてくれればいい、という思いに至りました。

 LEDなどの電飾パーツを使うとどうしても”接触不良”などが起こりえると思います。組みながらテストしてみるとそういったことも何度かあり、電圧不足だと制御ユニットも正しく動作しない印象でした。どちらも”正常ではない”状態ですからそうなることもあるとは思います。今後の展開やお子さんたちが触るであろう商品としてはさらに確実な(判りやすい)動作になってくれることを願いたいと思います。

 電池の消費が激しかったのも印象的でした。ここは今後も使える共通の電源ユニットを設計していただいてその電源は電池ではなくUSBが使えるととてもうれしいですね。願わくばLEDのコントロールプログラムもユーザー自身に書かせていただけると……なんて願いや妄想が膨らむばかりではありますが今回MGがMGEXへと発展したわけですから、そういう方面へも展開していってくれると筆者個人としてはうれしいです。

【”可能性の獣”と称されるRX-0ユニコーンガンダム】
MGEXとなって極限の発光表現を得たユニコーンガンダムが魅せた”可能性”は次のMGEXやガンプラにどういう可能性を与えるのでしょうか。次の展開が楽しみです

 今回MGEXユニコーンガンダムを組んだことで今後のガンプラの展開がとても気になっています。既報の通り横浜には実物大の動くガンダムが登場しますし、パーフェクトグレードで”アンリーシュド=解き放つ”という意味を持つVer.2.0ともいうべきRX-78ガンダムが控えています。すでに特設サイトなどでキットの概要が発表がされていますがMGEXの知見をも活かしてどういったガンプラになるのかが非常に楽しみです。