レビュー

モデルガン「M29 6.5インチ “ダーティハリーモデル”」レビュー

手に持ち、動かすことでこみ上げる、M29を操作する楽しさ

 タナカワークスの「M29 モデルガン」は、“ダーティハリーモデル”の名前の通り、作中と同じ6.5インチモデルをモチーフとしている。“ヘビーウェイト”というのはプラスチック樹脂に金属粉を混ぜることでABS樹脂製の素材より重くした素材だ。

 日本の改正銃刀法では金属製のモデルガンはグリップをのぞく銃本体を金色か白色に塗らなければならない。ヘビーウェイト樹脂は黒い実銃のような外見を実現しながら、できるだけ実銃に近い重さを実現しようと開発された素材なのだ。

 商品ではヘビーウェイト樹脂に加えグリップ部分に“重り”が入っており、薬莢を入れた状態で1,049グラムの重さを実現している。しかし実銃のM29は1,396グラムなのでさらに重い。この重い銃が軽々と跳ね上がってしまうのが、44マグナムのパワーなのだ。

【重りの入ったグリップ】
商品は写真の樹脂製のグリップが装着されている
ネジを外すと重りを入れたグリップが外せる。銃本体にも重りは入っており、できるだけM29の“重さ”を再現しようというメーカーの想いが感じられる

 実銃に比べて軽いとはいっても、ヘビーウェイト樹脂で作られた大型の拳銃は手で持つとズシリと重い。構えるとシリンダーの中の薬莢が動いてカチャリと音が響き、雰囲気を盛り上げてくれる。グリップにはギザギザの溝「チェッカリング」が掘られており、手のひらに食い込み、銃をしっかりホールドする。親指でハンマーをコッキングし、引き金を引くとハンマーが勢いよくシリンダーに収められた薬莢の尻を叩く。

 M29はハンマーを起こしてから引き金を引く「シングルアクション」だけでなく、引き金を引くだけでハンマーが上がってから落ちる「ダブルアクション」も可能だ。このため引き金を引くだけで銃を連射することが可能だが、ダブルアクションの場合は引き金を引くのに力がいるため、狙いがぶれる場合もある。良く狙う場合はハンマーを起こしておくシングルアクションで、という使い方をするようだ。

【タナカ「M29 モデルガン」、実銃の雰囲気が味わえるアクション】

 モデルガンの魅力は「実銃さながらの射撃アクション」が楽しめることだ。銃の左側面にあるサムピースを押すことでロックを解除し、シリンダーを右から押してシリンダーを本体から外す「スイングアウト」を行なう。シリンダーの穴に薬莢を詰め、シリンダーを銃に押し込むことで射撃体勢が完了する。

 弾をリロードする際、M29のようなリボルバーは1つ1つシリンダーに弾を詰め替えると時間がかかってしまう。このためあらかじめ薬莢をシリンダーと同じ形に並べておく「スピードローダー」という道具がある。今回筆者は予備の薬莢とM29用のスピードローダーを購入しており、ドラマの様にスピードローダーを使ってリロードする各ションも楽しんでいる。スピードローダーのツマミをひねるとロックが解除され、するりと薬莢がシリンダーに入っていく。この感触がたまらないのだ。

【モデルガンの魅力】
右にあるのがハンマー。親指で起こせるように、先端にチェッカリングが施されている。グリップの上にあるのがシリンダーをスイングアウトさせるためのロックを解除する「サムピース」だ
リアサイト。前方のフロントサイトとで狙いをつける
フロントサイトは目立つように彩色がされている
S&Wの刻印。銃の各刻印は実銃と同じものとなっているのがこの商品のセールスポイント
シリンダーをスイングアウト。薬莢の金色がカッコイイ
シリンダー中央の「エジェクターロッド」を押し込むことで薬莢が持ち上がり排莢が容易になる
リロードが素早くできるようになるスピードローダー

 もう1つ、今回筆者は「M29 モデルガン」購入に先がけて“木製グリップ”を購入した。ネットオークションで購入したのだが、これは塗装が施されてなかった。このため見よう見まねでスプレーニスを購入し、吹きかけてみたのだが初めてで勝手がわからず、塗装にムラができてしまった。しかし結果としてまるで使い込んだような雰囲気が出た。

 「M29 モデルガン」を購入した筆者は早速グリップを交換したが、木製グリップには重りがなく、銃全体で812グラムと200グラム以上軽くなってしまった。しかし実銃のグリップには重りはないとのことで、やはり重りが入っているとグリップ部分が重いところに違和感があった。木のグリップの感触、重さのバランスも相まってかなり満足している。

【木製グリップ】
あらかじめネットオークションで買っていた木製グリップに、スプレー式ニスを塗った。初めてのためうまく塗れたとは言いがたいが、独特な味が出た