レビュー
「ROBOT魂 <SIDE MS> ファントムガンダム」レビュー
「ファントムライト」発動状態で印象が激変。「蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)」への変形も再現
2021年4月29日 00:00
- 【ROBOT魂 <SIDE MS> ファントムガンダム】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売日:2021年4月23日
- 価格:11,000円(税込)
- ジャンル:アクションフィギュア
- サイズ:全高約130mm
近年、「機動戦士クロスボーン・ガンダム」シリーズの立体化が活発な中、ついに“あの機体”が「ROBOT魂」シリーズで立体化した。それこそが「機動戦士クロスボーン・ガンダム」に登場した“幽霊”の名を持つ「ファントムガンダム」だ。これまで、「NXEDGE STYLE [MS UNIT]」シリーズ、食玩フィギュア「FW GUNDAM CONVERGE」シリーズによるデフォルメデザインによる立体化がされてきた。そして、「ROBOT魂」シリーズでの立体化で待望の初リアルスケール再現となった。
「ファントムガンダム」は「機動戦士クロスボーン・ガンダム」シリーズに登場した「アマクサ」と「F99(レコードブレイカー)」の技術を融合させた異色の機体で、新たな主人公フォント・ボーが搭乗する主役機として活躍した。
今回、「ROBOT魂<SIDE MS> 」の購入に踏み切ったのは、やはり長谷川裕一氏監修の劇中のプロポーションで再現に数々のギミックに加え、大胆な変形を行う惑星間巡行形態「蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)」への再現が好奇心をくすぐった。今回は「ROBOT魂 <SIDE MS> ファントムガンダム」の魅力に迫っていく。
「ファントムガンダム」の設定的な魅力
ロボットものでは王道かつ魅力的な「欠陥機だが、突出した能力を備えたピーキーな機体」という設定が「ファントムガンダム」にも盛り込まれている。もともとは敵側の「サーカス」が開発した機体であり、技術体系には前述した過去作の機体がかけ合わさった実に“燃える”設定だ。フォントが奪取するまでシステム的な問題で動かなかったのを彼の機転で動き出すのも心が震えあがる展開となっている。
さて、「ファントムガンダム」には大きな特徴として、「ファントムライト」発動状態と惑星間巡行形態「蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)」がある。前者は推進装置である未完成のミノフスキー・ドライブの出力とIフィールドの制御によって、炎のように揺らめくビームを纏った姿。ビジュアル的なインパクトとこれまでにない制御方法で一種の限界突破(リミッター解除)的演出がたまらない。
ROBOT魂シリーズならではの広い可動域で自由なポージングが可能
パッケージを開けてみると、「ファントムガンダム」本体、交換用の頭部パーツ、手首パーツ、各種アタッチメント、武器のヒートナイフ×2とバタフライバスターBがある。そして、ブリスターの残り半分は「ファントムライト」発動状態などのエフェクトパーツが詰まっている。
「ファントムガンダム」は緑を基調としたカラーリングに赤いシャッターパーツ、白のアクセントが目を引く。全体的にマットな仕上がりは引き締まった印象となっている。また立ち姿は「V2ガンダム」を彷彿とさせるシルエットとなっている。胸の大きなクロスラインやバックパックとサイドアーマーの形状と合わさって、全体のデザインに×(クロス)の意匠が感じられ、タイトルの「クロスボーン・ガンダム」とのシンパシーを感じる。
そして、交換用頭部は「二段階強制放熱モード」を再現したものが付属している。頬まで裂けたようなメタリック塗装の金色の放熱ダクトが憤怒の表情にも不気味にほほ笑むようにも見え、機械でありながら感情たっぷりな表現となっている。
可動範囲は変形機構を備えているのもあってか、自由度の高いポージングが可能。肩口は引き出し機構があり、肩を寄せて両手打ちのようなポーズができ、肘関節も二重関節によって脇を締める力をためるモーションもより自然に取れる。
脚部は片膝立ちができ、フロント・スカートとリア・スカートも独立稼働するため、大きく蹴り上げも可能。また横へ広がりも十分とれる。また、バックパックの推進装置も上下左右への角度調整ができ、サイドアーマーもフレキシブルに可動する。
それゆえ武器のヒートナイフやバタフライバスターBでのアクションの幅が大きく広がり、「武装の少なさをアクションで保管する」楽しさが存分に発揮される。劇中の再現はもちろん、立体化によって得られたインスピレーションから自分の手で決めるポージングなど一日触っても飽きない。
武器は2種類が付属されているが、「これではブンドドしたときの満足感がないのでは?」と感じてしまう人もいるだろう。しかし、上述した通り広い可動範囲によって様々なアクションを楽しむことができる。
また、「クロスボーン・ガンダム」シリーズから連綿と続く武器のギミックを忘れてはいけない。バタフライバスターBは、ガンモードとソードモードの2形態で使い分けることができる。グリップ部分は各形態に合わせて角度調整ができる。ヒートナイフはサイドアーマーに収納が可能で、後述する「ファントムライト」発動状態時に見せたビームの刃を展開したフレイムソードも再現することができる。