レビュー
ガンプラ「HG 1/144 ガンダムF91ヴァイタル 1号機&2号機セット」レビュー
2021年11月12日 00:00
組立開始。宇宙世紀0120年代の主流である小型MSをガンプラの技術で再現!
それでは早速組み立てていきましょう。映画「機動戦士ガンダムF91」は宇宙世紀0123年のストーリーですが「プリクエル」の時代はそれよりも前になります。この時代のモビルスーツは約15メートルほどの全高(旧来のMSは約18メートルが主流)となっており、F91の派生元にあたるF90も同様です。
ガンプラ的観点からするとMSの小型化=プラモデルとしての微細加工化という難しい問題を引っ張ってくることになります。でもそこは誕生から40年を超えたガンプラ……2013年のHGUC版でも30年を超えたところでの技術革新はものすごく、密度モリモリのフレーム構造などではありませんが、ガンプラスタンダードな設計で見事に小型MSを実現しています。まずはボディから組んでいきましょう。
F91には背部にV.S.B.R.(ヴェスバー:可変速ビーム・ライフル)という新兵装があって、その再現のため設計に工夫がされていることがわかります。設定的にはレールに接続されているだけに見えますが、ガンプラとしては強度の問題からかボディからアームを出すことで解決しています。小型MSゆえタイトな設計でもあり、組み込みもちょっとコツが要るのでパーツを曲げないように注意する必要があります。
頭部を組み立てる。フェイスマスクオープンは差し替えなれど、設定どおりにヘルメットを装着!
頭部は差し替え式ながらフェイスマスクの開閉状態を再現できます。そのため顔パーツとツインアイのシールは2つずつ、2機分なので4つ作ることになります。ヘルメットとの接続はアニメ設定どおり、かぶせる方法がとられておりこれはうれしい仕様ですね。
小型MSということで顔ももちろん小型ですが、形状はとてもすばらしく、ツインアイシールを貼った顔とヘルメットを組み合わせてボディに接続するととてもイケメンなF91になってきます。
腕部を組み立てる。肩の“F91”マークはシールで再現だがモールドもあり、塗装派にもうれしい仕様!
まずはランナー状態で見ていただきたいのですが、両肩の“F”と“91”はモールドされていてシールを貼る際のガイドとしても使えますし塗装して縁取りしたい場合にも有効な仕様となっています。肩の可動性能は逆転の発想ともいうべき構造で、肩側に上下する機構を持たせてあって新鮮です。肘関節も簡易な構造ながら高い可動性能と、適度な抵抗感で関節を十分保持してくれます。パーツも小さく少ないので重量に関しては全く問題はありません。
脚部を組み立てる。まるでF1カーのように流線型で構成されたシェイプがすばらしい!
映画「機動戦士ガンダム F91」公開時、日本は空前のF1ブームの真っただ中にあり筆者もドはまりしました。レースのためだけに開発されたフォーミュラカーはただ速く走るためにまったくムダがなく必要のないものはそぎ落とされたデザインになっています。
“F91”はそのデザインを取り入れ、小型で高速に動けるモビルスーツとしてデザインされています。ボディにはラジエーターグリル風の部分があったり、脚部はムダをそぎ落とした流線型のデザインとなっていてスピード感をも感じられます。このキットでもそのデザインは如何なく再現されています。
腰部を組み立てる。割り切った設計ながら可動性能に申し分なし
腰部もガンダム標準の前後左右のアーマーと、上下スイングの脚部接続軸の構造になっています。スタンダードな構造ですので可動性能も申し分ありませんが、割り切ったところもあって左右のアーマーのフタは開くことができません。設定上は右には予備のビーム・シールド、左には2本のビーム・サーベルが収納されます。小型なためこれらは実現していませんが大きな問題ではないでしょう。
あわせて、リアアーマーのバズーカ・ラッチは部品差し替えでの再現となります。そういった意味ではF91ヴァイタル用にフタの開いた左右アーマーがボーナスパーツでついてても面白かったかもしれません。
装備を組み立てる。特徴的なV.S.B.R.とビーム・マシンガンが付属、ビーム・ライフルとビーム・ランチャーは“ボーナスパーツ”!
装備面ですが、F91ヴァイタルは開発途中の機体ということもあり映画に出てくるビーム・ライフルとビーム・ランチャーは実は基本装備ではありません。この時点での装備はビーム・マシンガンを主兵装に、ビーム・シールドとV.S.B.R.(ヴェスバー)となっています。
キットではビーム・マシンガンを専用ランナーで付属、同じランナー名でありながら色違いの2枚で構成されているという贅沢な仕様です。「HGUC 1/144 ガンダムF91」のカラーバリエーションでもある今キットはメインのランナーにビーム・ライフルとビーム・ランチャーのパーツがあり、これらも普通に組むことができます。ある意味“ボーナスパーツ”といってもいいかもしれませんね。
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