レビュー

ガンプラ「HG 1/144 ガンダムF91ヴァイタル 1号機&2号機セット」レビュー

組立開始。宇宙世紀0120年代の主流である小型MSをガンプラの技術で再現!

 それでは早速組み立てていきましょう。映画「機動戦士ガンダムF91」は宇宙世紀0123年のストーリーですが「プリクエル」の時代はそれよりも前になります。この時代のモビルスーツは約15メートルほどの全高(旧来のMSは約18メートルが主流)となっており、F91の派生元にあたるF90も同様です。

 ガンプラ的観点からするとMSの小型化=プラモデルとしての微細加工化という難しい問題を引っ張ってくることになります。でもそこは誕生から40年を超えたガンプラ……2013年のHGUC版でも30年を超えたところでの技術革新はものすごく、密度モリモリのフレーム構造などではありませんが、ガンプラスタンダードな設計で見事に小型MSを実現しています。まずはボディから組んでいきましょう。

 F91には背部にV.S.B.R.(ヴェスバー:可変速ビーム・ライフル)という新兵装があって、その再現のため設計に工夫がされていることがわかります。設定的にはレールに接続されているだけに見えますが、ガンプラとしては強度の問題からかボディからアームを出すことで解決しています。小型MSゆえタイトな設計でもあり、組み込みもちょっとコツが要るのでパーツを曲げないように注意する必要があります。

【組立:ボディ】
F91の特徴であるV.S.B.R.の支柱を含め、小さいボディに構造を押し込んでいる印象
ボールジョイントによって腹部の可動機構も組み込まれます
このV.S.B.R.の支柱が組み込まれるパーツが少々難しいと思います
溝などお互いのパーツがどう組み合わさるかをよく確認して組むと……
ぴったり合います。さすがガンプラ!
背面フィンまで一体成型された外装で挟み、
V.S.B.R.の支柱を組み込んで……
両脇・V.S.B.R.レールパーツを組み付け
コクピットカバーを装着すれば
ボディの完成です
少ないパーツながらこれはこれでなかなかの密度感があります

頭部を組み立てる。フェイスマスクオープンは差し替えなれど、設定どおりにヘルメットを装着!

 頭部は差し替え式ながらフェイスマスクの開閉状態を再現できます。そのため顔パーツとツインアイのシールは2つずつ、2機分なので4つ作ることになります。ヘルメットとの接続はアニメ設定どおり、かぶせる方法がとられておりこれはうれしい仕様ですね。

 小型MSということで顔ももちろん小型ですが、形状はとてもすばらしく、ツインアイシールを貼った顔とヘルメットを組み合わせてボディに接続するととてもイケメンなF91になってきます。

【組立:頭部】
とても少なく、しかも小さいパーツで構成された頭部
先にカメラのシールを貼ります
フェイスの開閉2パターンの顔にシールを貼り付けます。2号機は“青”です!
アンテナは珍しい左右での別パーツ
とても単純な構造ながらほぼ設定どおりの設計がうれしい
ボディに取り付けるとさらにイケメン度がアップ

腕部を組み立てる。肩の“F91”マークはシールで再現だがモールドもあり、塗装派にもうれしい仕様!

 まずはランナー状態で見ていただきたいのですが、両肩の“F”と“91”はモールドされていてシールを貼る際のガイドとしても使えますし塗装して縁取りしたい場合にも有効な仕様となっています。肩の可動性能は逆転の発想ともいうべき構造で、肩側に上下する機構を持たせてあって新鮮です。肘関節も簡易な構造ながら高い可動性能と、適度な抵抗感で関節を十分保持してくれます。パーツも小さく少ないので重量に関しては全く問題はありません。

【組立:腕部】
モールドされた“F”と“91”
とても少ないパーツながら簡易的なフレーム構造でもあります
肩の上下スイング機構は肩側で実現
肩の3枚のウイングは差し替え方式
肘関節は簡易フレーム的で……
その可動性のはとても高いです
左腕のビーム・シールド基部は別パーツ化
外装を付けると少々可動範囲は狭まりますが、必要十分な印象
“F91”マーキングシールを貼り付けます
モールドがガイドになるので貼りやすいです
ボディに取り付けると小型なのにこの可動性能!

脚部を組み立てる。まるでF1カーのように流線型で構成されたシェイプがすばらしい!

 映画「機動戦士ガンダム F91」公開時、日本は空前のF1ブームの真っただ中にあり筆者もドはまりしました。レースのためだけに開発されたフォーミュラカーはただ速く走るためにまったくムダがなく必要のないものはそぎ落とされたデザインになっています。

 “F91”はそのデザインを取り入れ、小型で高速に動けるモビルスーツとしてデザインされています。ボディにはラジエーターグリル風の部分があったり、脚部はムダをそぎ落とした流線型のデザインとなっていてスピード感をも感じられます。このキットでもそのデザインは如何なく再現されています。

【組立:脚部】
腕部と比べると多めのパーツではありますが、構造は単純です
2号機のソールは“赤”です!
足首とソールは内側が抜かれて軸を少々内側に寄せる設計
3枚のフィンは別パーツ化で独立可動!
部位ごとに組み上げられます
膝関節は2重ではあるものの180度とまではいきませんが、そうなると不格好かもしれません
スラっとしつつも肉感も感じられるアスリートのような脚部
ムキッと膝関節が露出するよりもこれくらいが美しいといえます
なんだかセクシーさも感じさせるシェイプです
逆三角マークもシールで再現されます

腰部を組み立てる。割り切った設計ながら可動性能に申し分なし

 腰部もガンダム標準の前後左右のアーマーと、上下スイングの脚部接続軸の構造になっています。スタンダードな構造ですので可動性能も申し分ありませんが、割り切ったところもあって左右のアーマーのフタは開くことができません。設定上は右には予備のビーム・シールド、左には2本のビーム・サーベルが収納されます。小型なためこれらは実現していませんが大きな問題ではないでしょう。

 あわせて、リアアーマーのバズーカ・ラッチは部品差し替えでの再現となります。そういった意味ではF91ヴァイタル用にフタの開いた左右アーマーがボーナスパーツでついてても面白かったかもしれません。

【組立:腰部】
前後で脚部接続バーを挟むわかりやすい構造です。2号機の股間パーツは“青”です
さすがに各アーマーには裏打ちはないものの、必要十分な可動性能です
脚部を組み込むとカッチリ感が心地よいです
本体が組みあがってきました
ここまであっという間です

装備を組み立てる。特徴的なV.S.B.R.とビーム・マシンガンが付属、ビーム・ライフルとビーム・ランチャーは“ボーナスパーツ”!

 装備面ですが、F91ヴァイタルは開発途中の機体ということもあり映画に出てくるビーム・ライフルとビーム・ランチャーは実は基本装備ではありません。この時点での装備はビーム・マシンガンを主兵装に、ビーム・シールドとV.S.B.R.(ヴェスバー)となっています。

 キットではビーム・マシンガンを専用ランナーで付属、同じランナー名でありながら色違いの2枚で構成されているという贅沢な仕様です。「HGUC 1/144 ガンダムF91」のカラーバリエーションでもある今キットはメインのランナーにビーム・ライフルとビーム・ランチャーのパーツがあり、これらも普通に組むことができます。ある意味“ボーナスパーツ”といってもいいかもしれませんね。

【組立:V.S.B.R.】
基本的には挟み込み構造です
グリップとレールとの接続部が可動します
挟み込んでいくと完成します
1/144スケールでこの精度。すばらしいです
本体とのバランスもよい感じです
前方へ振り出すと結構上まで上がります
レール接続部で左右にロールできますから、羽のようにもできます
【組立:ビーム・マシンガン/ビーム・シールド/ビーム・サーベル】
銃系に使うハンドも付属しています
ビーム・サーベルとビーム・シールドは組んでそのままにしておけます
スコープにはシールを貼ります
【組立:ビーム・ライフル/ビーム・ランチャー/シール】
これらも単純な構造ですが2色で引き締まります
基本的に挟み込んでいけば完成します
ビーム・ライフルのフォア・グリップが可動すればなおよし、ですね
肩のウイングは差し替え式です。向かって右が収納状態、左が展開状態です
機番を示すシールを貼り付ければ
F91ヴァイタル完成です!
【プレミアムバンダイで購入】

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