レビュー

「MODEROID TYPE-J9グリフォン フライト&アクアユニットセット」レビュー

可動は非常に優秀。ただし大胆なポーズを付けたいならば、接着が必要かも

 全てのパーツが完成したらあとは組み立てるだけだ。プラモデルとしては久しぶりの発売となった令和のグリフォンであり、プロポーションもバツグンだ。黒光りするボディは塗装なしでも写真程度には艶があり見栄えもいい。アンテナ、手足の各所、平手、翼など鋭く尖っていて、シルエットを崩していないのも大きなポイントだ。

完成した全身のパーツ。あとは組み立てるだけだ。
完成したグリフォンフライトユニット装備タイプ。黒光りする機体が美しい
背面。スタンドなしで立たせるには、翼の位置などのバランス調整が必要だ
素組みだと襟元のモールドや腰のランプなどが未着色となる
サイドビュー。尾翼の先端など、尖った部分も多く、ポーズを取るときは要注意
「MODEROIDイングラム」との比較。グリフォンは一回り大きいことが分かる
アクアユニットを装備したグリフォン。筆者はこちらの姿が好きで、この限定版を購入した
アクアユニット装備時の背面。立たせるときもバランスを取りやすい
黄色のノズルが映える。上部にもうっすらモールドがある

 可動は組み立ての解説で触れているように二重関節が所々に存在していることもあり、範囲はかなり広い印象だ、ただしデザインの関係上干渉するところも多く、劇中の生き物のような動きを付けるには少々コツがいる。無理をするとパーツが外れてしまうこともあり、特に肩と上腕の付け根は、上腕側の2つ合わせたパーツで肩ジョイントのダボを受ける設計のため、非常に外れやすく、ポージング時にすぐに外れてどうにもストレスが溜まってしまった。完成後にアクションフィギュアのように動かしたいのなら、ダボを受ける上腕のパーツは接着してしまおう。

腰はひねりに加えて上下にも動く。上腕は写真のような隙間ができ、肩から外れやすいので、接着するのがよさそうだ
翼はジョイントによりここまで上がるので、飛行時のポーズも取れるだろう
サムズアップの右手首パーツが付属。劇中のシーンを再現できる
豊富な手首パーツ。ピースメーカーから奪ったリボルバーカノンを持った手もある

 また立体化されたグリフォンの共通する弱みとして、フライトユニットによる重量バランスの悪さがあり、動きのあるポージングを楽しむにはスタンドは必須だ。公式には別売りの「THE シンプルスタンド」に対応していて、キットには専用のジョイントパーツも付属している。

THE シンプルスタンド用のジョイントパーツは、尾翼の下に取り付けられる
スタンドがあれば飛びかかるポーズなども楽しめる

 発売からいきなり不具合のトラブルに見舞われた製品であったが、その後のアフターケアが確実だったのはよかった。ユーザーもホッとしたのではないだろうか。プロポーションや可動も申し分なく、組み立てに難しいところもなかった。価格がやや高め、塗装パーツが少ない、パーツの一部が外れやすい、アクアユニットが限定アイテム、といった点が気になるところであったが、それでも個人的には満足している。

完成したグリフォンのポーズ集。公式サイトにある写真のようなポーズは難度高めだが、第2小隊との激闘を思い出しながら色々と楽しんでみてほしい

 これまでの「機動警察パトレイバー」シリーズの立体化は、イングラムの次にこのグリフォンが発売されて打ち止め、というパターンが多かったが、このMODEROIDは現在もシリーズ続行中。待望の「AV-0ピースメーカー」も発売され、大型レイバーの「HAL-X10」も2022年5月に発売が予定されている。以降のラインナップも気になるところだが、まずは現在発売・発表済みのこれらキットを楽しんで、次へと繋げていただければと思っている。