レビュー
「MODEROID TYPE-J9グリフォン フライト&アクアユニットセット」レビュー
2021年11月30日 00:00
可動は非常に優秀。ただし大胆なポーズを付けたいならば、接着が必要かも
全てのパーツが完成したらあとは組み立てるだけだ。プラモデルとしては久しぶりの発売となった令和のグリフォンであり、プロポーションもバツグンだ。黒光りするボディは塗装なしでも写真程度には艶があり見栄えもいい。アンテナ、手足の各所、平手、翼など鋭く尖っていて、シルエットを崩していないのも大きなポイントだ。
可動は組み立ての解説で触れているように二重関節が所々に存在していることもあり、範囲はかなり広い印象だ、ただしデザインの関係上干渉するところも多く、劇中の生き物のような動きを付けるには少々コツがいる。無理をするとパーツが外れてしまうこともあり、特に肩と上腕の付け根は、上腕側の2つ合わせたパーツで肩ジョイントのダボを受ける設計のため、非常に外れやすく、ポージング時にすぐに外れてどうにもストレスが溜まってしまった。完成後にアクションフィギュアのように動かしたいのなら、ダボを受ける上腕のパーツは接着してしまおう。
また立体化されたグリフォンの共通する弱みとして、フライトユニットによる重量バランスの悪さがあり、動きのあるポージングを楽しむにはスタンドは必須だ。公式には別売りの「THE シンプルスタンド」に対応していて、キットには専用のジョイントパーツも付属している。
発売からいきなり不具合のトラブルに見舞われた製品であったが、その後のアフターケアが確実だったのはよかった。ユーザーもホッとしたのではないだろうか。プロポーションや可動も申し分なく、組み立てに難しいところもなかった。価格がやや高め、塗装パーツが少ない、パーツの一部が外れやすい、アクアユニットが限定アイテム、といった点が気になるところであったが、それでも個人的には満足している。
これまでの「機動警察パトレイバー」シリーズの立体化は、イングラムの次にこのグリフォンが発売されて打ち止め、というパターンが多かったが、このMODEROIDは現在もシリーズ続行中。待望の「AV-0ピースメーカー」も発売され、大型レイバーの「HAL-X10」も2022年5月に発売が予定されている。以降のラインナップも気になるところだが、まずは現在発売・発表済みのこれらキットを楽しんで、次へと繋げていただければと思っている。
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