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【年末特集】技術の進歩がすごい!今こそチャレンジしてみたい2024年の最新航空機スケールモデル5選

パーツ数が少ない入門キットから細かなパーツで細部までこだわりぬいたものなど、多彩なキットを紹介

 魅力的なスケールモデルが数多く登場した2024年もいよいよ大詰め。ようやく新型コロナウイルスの感染状況が少しずつ収まり、落ち着きを取り戻しつつあるが、それでも世間はインフルエンザや、寒波で出づらい状況。そこで今回は家で時間を過ごす方に向けて、2024年登場の最新プラモデルたちから初心者や中級者もじっくり楽しめる航空機スケールモデル紹介する。

 一般的にスケールモデルといえば難易度が高いイメージだが、近年では組みやすさを重視したものが増えてきている。今もニッパーや接着剤は必要だが、パーツに掘られた溝や穴といったガイドや、パーツの成形が進化しているおかげで、以前よりも格段に組む難易度が下がっている。なかには難易度が高いものもあるが、航空機モデルは比較的大型のパーツが多く、パーツ数が少なめだ。この機会にぜひチャレンジしてみてほしい。

組みやすさを追求した タミヤ 1/72 ロッキード マーチンF-35B ライトニングII

タミヤ 1/72 ロッキード マーチンF-35B ライトニングII
  • 発売元:タミヤ
  • 発売日:2024年8月10日
  • 価格:4,620円

 まず最初に紹介するのは、タミヤ 1/72 ロッキード マーチンF-35B ライトニングII。空軍、海兵隊、海軍用にA・B・Cの3タイプが同時開発され、それぞれの用途に合わせた異なる性能が与えられた第5世代戦闘機だ。今回はその中でも回転式エンジンノズルとリフトファンにより短距離離陸/垂直着陸(STOVL)が可能なF-35Bの垂直着陸状態を再現したものをタミヤが立体化。その完成度の高さから、第62回静岡ホビーショーでも注目を集めたプラモデルだ。

「1/72 ロッキード マーチンF-35B ライトニングII」の完成写真。箱絵とまったく同じ状態を再現できる

 最大の特徴は誰が組んでも箱絵と同じ状態のF-35Bを組むことができるという、組み立てやすさを追求したパーツ構成にある。ウェポンベイドアなど、左右のアーム角度が重要なパーツは可能な限り一体部品として設計。組み立てや接着が困難なパーツを減らすことで、誰もが組みやすくなるように工夫が凝らされている。

パーツ数が少なく、大型のパーツが多いため初心者でも安心して挑戦できるスケールモデル
細部までしっかりと再現されているので、スケールモデルの醍醐味もちゃんと味わうことができる

豊富な武装や差し替えパーツを楽しめる タミヤ 1/48 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII

1/48 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII
  • 発売元:タミヤ
  • 発売日:2024年12月14日
  • 価格:10,450円

 F-35Bに続き紹介するのが「タミヤ 1/48 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」。航空母艦上での運用を目的として海軍向けに開発された艦載機型。 F-35Cは航空母艦上での発着艦性能向上のため、F-35A、F-35Bに比べて主翼・垂直尾翼・水平尾翼を大型化。主翼端に折り畳み機構を採用し、格納時の機体の省スペース化を実現。本キットでもパーツの差し替えによって、展開・折り畳み状態の両方を再現できるようになっている。

パーツの差し替えによって、主翼は展開・折り畳み状態の両方を再現できる

 組みやすさを追求したF-35Bとは反面、こちらのプラモデルはディテールを追求したものになっている。本機に搭載された武装の数々や、機体表面のレーダー波吸収素材(RAM)によるコーティングなどは、1/48スケールらしく豊富なパーツや繊細な彫刻によって細かく再現されている。

 機体状態の再現バリエーションも豊富で、対空ミサイルのみを備える「空対空モード」、兵装を機内搭載のみにした「ステルスモード」、兵装をフル装備した「ビーストモード」の全3種類の形態から選んで組み立てることができる。また、今年はタミヤからF-35の機体色を再現した塗装「LP-84 カモフラージュグレイ」と「LP-85 ミディアムエアーグレイ」が登場したのも大きい。今まで必要だった塗料色の配合が必要なくなったので、塗装にもチャレンジしやすくなっている。

胴体内兵装庫には配管や配線などの立体感あふれるディテールに加え、GBU-31 GPS誘導爆弾やAIM-120Cの装着も可能

空と陸を両方楽しめる タミヤ 1/48 百式司令部偵察機III型・くろがね四起セット

1/48 百式司令部偵察機III型・くろがね四起セット
  • 発売元:タミヤ
  • 発売日:2024年8月10日
  • 価格:5,060円

 お次は第二次世界大戦時に活躍した日本陸軍の航空機モデル。同じくタミヤから発売された「1/48 百式司令部偵察機III型・くろがね四起セット」。百式司令部偵察機(ひゃくしきしれいぶていさつき)は1939年に完成した航空機で、上昇限度10,000mの高空性能、4,000kmの長大な航続距離、そして、太平洋戦争当時の日本機として最速の時速630kmという、高度性能・航続力・速度を兼ね備えた陸軍の主力偵察機として終戦まで活躍した機体だ。

 セットになっているくろがね四起は日本陸軍の要求で開発された世界初の実用四輪駆動車。昭和10年から19年までに約4,800台が生産され、中国大陸から東南アジア、太平洋戦域など幅広い戦線で偵察や連絡に走り続けた。

航空機、車輌、パイロットと偵察員の人形という複数のプラモデルを楽しむことができる

 先に紹介したタミヤモデル同様に、こちらも少ないパーツ構成とは思えないクオリティを楽しむことができるスケールモデルになっている。特徴ともいえる大型の風防は6分割のクリヤーパーツで再現されており、そこから覗く操縦席や偵察員席などの機体内部は細部にこだわって精密に再現されている。また、プロペラやスピナーなども前期・後期の2タイプが付属しており、選択して組み立てられる。

操縦席や偵察員席など、機体内部も精密感あふれる仕上がりになっている
多少小さいパーツはあるものの、全体的に一体部品や大きめのパーツが多い

 セットの「95式小型乗用車(くろがね四起)」は高い車高や大径タイヤなどの特徴を捉えてしっかりと再現されている。幌はオープン/クローズを選んで組み立てられるようになっており、タイヤや車体なども少ないパーツで立体感あふれる仕上がりだ。

幌はオープン/クローズを選んで組み立てられる

令和最新の零戦 ファインモールド 1/48 帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)

1/48 帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)
  • 発売元:ファインモールド
  • 発売日:2024年12月9日
  • 価格:4,950円

 同じく第二次世界大戦時に活躍した航空機モデルから、次はファインモールドから発売された帝国海軍の航空機「1/48 帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)」を紹介する。零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)は「零(レイ)戦」や「零(ゼロ)戦」の名前でも知られる、日中戦争から太平洋戦争にかけて活躍した大日本帝国海軍の艦上戦闘機。日本を代表する戦闘機として、多くのメーカーから販売されているプラモデルだが、今回は12月9日に発売開始されたファインモールドの最新キットだ。

「1/48 帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)」の完成写真。
外見だけでなく、内部まで精密に再現されている

 ファインモールドの「1/48 帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)」は今の技術を詰め込んだ拘りのプラモデルといえる。最大の特徴は大胆に分割された機体パーツ。航空機プラモデルで多い上下を組み合わせるモナカ型ではなく、本キットでは胴体パーツが実機同様に前後割された一体成型になっている。また、機体全体には驚くほど精密なリベット彫刻が機体全身に彫り込まれている。タミヤモデルとは違い、パーツ数やその細かさは段違いだが、その分しっかりとスケールモデルの醍醐味を楽しめるものとなっている。

実機同様に前後割された胴体パーツ
コックピットやエンジン、機体表面など、細部まで強い拘りが感じられる

飛行機のハセガワが再現したアニメプラモデル ハセガワ 1/48 YF-19 w/ファストパック “マクロスプラス”

1/48 YF-19 w/ファストパック “マクロスプラス”
  • 発売元:ハセガワ
  • 発売日:2024年12月4日
  • 価格:6,380円

 最後は「飛行機のハセガワ」で知られるスケールモデルの老舗メーカー「ハセガワ」による「マクロス」シリーズのスケールモデルモデル「1/48 YF-19 w/ファストパック “マクロスプラス”」を紹介する。「YF-19」はOVA「マクロスプラス」の主人公、イサム・ダイソンが搭乗する試作可変戦闘機。今回のプラモデルはそのYF-19に追加武装ユニット「FAST パック」を装備装着した形態のものになっている。

「1/48 YF-19 w/ファストパック “マクロスプラス”」の完成写真

 最大の特徴は戦闘機のスケールモデルを得意とするハセガワによる細部の表現にある。本キットは変形こそしないが、その分細部のフォルムやパーツの各所にハセガワの知識や経験によって導き出された独自解釈による表現が盛り込まれている。また、キットはアイボリー、グレー、クリアーの3色のパーツカラーで構成されており、パーツ数も少なめだ。短時間で組み上げられるようになっており、塗装をしなくても機体の雰囲気を楽しめるようになっている。

脚部と肩部にファストパックを装着している
インテークカバーは開/閉状態を選択可能

 スケールモデルは接着剤やピンセットなど専用の道具が必要となるため、プラモ初心者には難易度が高く感じてしまうかもしれない。だが、今回紹介したプラモデルはパーツ数が少ないものが多く、スケールモデルの入門編として十分に楽しめるものが多く揃っている。メーカー毎に特色はあるものの、どのメーカーも初心者も安心して組めるように様々な工夫を凝らしている。チャレンジングな部分も確かにあるが、それを乗り越えたさきにある満足感や達成感もしっかりと味わえるので、まだスケールモデルに挑戦したことがない方は、この機会にぜひともチャレンジしてみてほしい。