レビュー

エアコッキングスナイパーライフル「VSR-ONE」レビュー

脅威の操作感と連射性が導くアクティブスナイパー「VSR-ONE」

 続いて内部機構と操作感を確認していく。「VSR-ONE」の基本構造は「VSR-10」と同じ、ボルトアクションで操作するコッキング式だ。しかし付属のパーツリストを見てみると、「VSR-ONE」には「VSR-10」との共通部品が驚く程少ないことに気付かされる。

 「VSR-ONE」に付属のパーツリストを見ると、「VSRー○○」「VONEー○○」という型番の違いから共通パーツか新規パーツかが判別できる。例えばストック関係やアウターバレルは当然のことながら、トリガーやチャンバーブロック、そしてシリンダーも「VSR-ONE」に合わせて新造されているのだ。

 ストックとレシーバーは3本のネジで固定されていて、付属の六角レンチで分離が可能。外すとよりコンパクトだが、機関部が剥き出しになり、破損や脱落の危険があるのでお薦めしない。

 分離すると、トリガーストローク(発射されるまでのトリガーの可動域)とトリガープル(トリガーの重さ)の調整が可能になる。自分の好みに合わせて調整する事で、より使い易く、愛着も湧くようになる。

【内部機構をチェック】
レシーバーやシリンダーなど、「VSR-10」に似ているが微妙に変わっている
付属の六角レンチで分離できる
トリガーストロークはトリガーブロック後部のネジで調整する
トリガープルはトリガーブロック前部のネジで調整する

 さらにメンテナンスの為にシリンダーを引き抜くことも可能。抜いてみると、新規のシリンダーは下部の切り欠きが大きくなっており、ピストンの前進速度が増す「加速シリンダー」が採用されている。シリンダーは分解できないので詳細は不明だが、インナーバレルが短くなった分のパワーを補っているのではないかと思われる。

シリンダーを抜いた状態。シリンダー下部のスリットの広さに注目。矢印は「VSR-10」譲りの特許技術「シリンダーサポートリング」

 操作の方は、ストックの開閉を除けば「VSR-10」と同じシンプルなボルトアクションだ。マガジンは「VSR-10」と共通で、今までの資産が使用可能。装弾数は30発で、ローダーが付属しないので1発づつ丁寧に籠めていく。

 取り出し易い様にレシーバー下部に板バネが設けられて、前部のロックボタンを押すとパチッとせり出してくる様になった。マガジンチェンジし易い、実戦的な改良だ。逆に、装填する時はきちんとロックを確認したい。ロックした音が2回鳴る場合もあるので、最後までしっかり押し込むことを心がけたいところだ。

 マガジンを装填したら、ボルトを持ち上げて後ろへ引いてスプリングを縮めてピストンをコッキングし、戻す。この一連の動作が、大型のボルトハンドルと相まって非常に軽く、驚く程スムースに行える。明らかに高い連射性を予想させる引き易さだ。

マガジンを外すと板バネが見える。矢印がロックボタン
ボルトハンドルを上にした状態。力は全く必要ない
ボルトを後退させてシリンダーを引き切った状態。非常に軽い
特に意識せずとも楽な射撃姿勢が取れる

 ボルトを戻したらセイフティを解除して発射準備が可能だ。サイトを覗いてターゲットに合わせてトリガーを引けば発射できる。この射撃姿勢も、外観で感じた通り非常にスムーズに取ることができる。コッキングのし易さと合わせて、非常に撃ち易い銃に仕上がっていると感じた。いよいよ次章からはシューティングレンジでの実車、サバイバルゲームへの投入をレポートしていく。