レビュー
ガスブローバックマシンガン「AKX」レビュー
2023年5月2日 00:00
ガスブローバックの強烈なリコイルは変わらずに操作感を一新!
続いて実際の操作と試射しての感想に移る。まず「AKX」に限らないが、操作の前には必ず取扱説明書を熟読しよう。「AKX」ではガスの温度やマガジン、レシーバーに関する注意もある。ガスは環境によって高圧になる場合もあり、自己流でやると大変危険だ。
「AKX」の操作はガスブローバックマシンガン「AKM」と基本的には同じだ。最初にマガジンにガスを注入。そして電動ガンに比べるととても短く感じるローダーでマガジンにBB弾を10発×3回+5発を装弾。マガジンを本体に装填したらセレクターを操作してセミオートかフルオートを選ぶ。
ここから「AKX」ならではの操作が待っている。セレクターの中間に付けられたヒンジに指をかけることでマガジンキャッチ同様、グリップを握ったまま人差し指で操作できるのだ。
そして、ボルトハンドルを後方に引いてボルトを前後させチャンバーにBB弾を送り込む。さらにトリガーを引けばBB弾が発射され、鈍い作動音と共にボルトがブローバックする。
最後の弾を発射した直後のボルト作動時に、ノッカーが放出バルブを押せない位置に上昇。オートストップ機構がスタンバイとなり、さらにトリガーを引くことでハンマーが金属音と共に倒れる。この「ハンマーダウン」が実銃同様に再現されているのも「AKM」と同様だ。
マガジンを外すとチャンバー横にオートストップをカットして空撃ちを可能にするオートストップキャンセラーと、ドラムタイプのホップアップ調整機構が見えるのも「AKM」譲りで、操作性が高い。
ここからは実射について紹介していく。
「AKX」はガスを充填したマガジンが20度から30度の温度に保たれていると快調に作動する。マガジンが冷えて20度以下になるとガス圧が低下し作動が不安定になってしまう。気温が低い場合は、携帯カイロなどでマガジンを適温に保ってあげた方がよい。逆に40度を超えると危険なので、真夏などは日陰での運用が求められる。
30度まで暖めたマガジンに0.2gのBB弾を装填し適正ホップをかけて試射してみたが、およそ0.8Jの充分なパワーが出ていた。また、温度が下がっても作動する範囲であれば0.6J程は確保される。
初速が下がってもマガジンを抜けばすぐにホップを調整できるので実用上問題はないが、なるべく推奨温度を保って使用したい。
今回は千葉県印西市にある東京サバゲパークと白井市にあるホワイトベースのシューティングレンジで試射を行なった。
まず、トリガーを引くと初めて「AKM」を撃った時の感動が甦る。肩への強烈な反動と共にBB弾が飛んでいくのは、ガスブローバックマシンガンならではの快感だ。反動が強烈なので連射時はどうしても銃口がブレて小さな的を狙う狙撃には不向きではある。しかしマンターゲットを外すことはないし、60m以上フラットな弾道で飛んでいく。サバイバルゲームでの充分な実用性があると感じた。
撃ち尽くした時のオートストップとハンマーダウンも通常の電動ガンにはない本物感だ。単純に、撃つ行為自体が楽しい。これはガスブロ-バックマシンガンならではの面白さだ。
そして「AKX」と言えばやはりレイルに光学器機を載せたいところ。実際にポイントサイトを載せて撃ってみたが、やはりレシーバーと強固に固定されていて、本体と違う挙動のブレが生じることはない。実銃メーカーでさえ苦労している量産品でのレシーバーカバーの固定を成し遂げた東京マルイの技術力に唸らされたし、「AKX」は東京マルイらしい、実用的なパワーと命中精度、拡張性を兼ね備えた製品に仕上がっていることをシューティングレンジで改めて実感した。
遮蔽物と森林が一体となったホワイトベースフィールドを「AKX」で縦横無尽に駆け回る!
今回は、千葉県印西市にあるホワイトベースの日曜定例会に参戦。試射に続いて、サバイバルゲームで実戦に投入した。
まずホワイトベースのサバイバルゲームフィールドの特徴を紹介したい。ホワイトベースは森林をベースとしたフィールドだ。大小の木々が点在し、下草が適度に生えており、どこか懐かしさを感じる風景に溶け込むように、様々な遮蔽物が点在している。
首都圏のサバイバルゲーム場は緑が少ない場所が多いが、適度に暗く、迷彩服の効果が発揮できるフィールドとなっている。また、最大の特徴となっているのが、フィールドを分断する様に据えられた貨物コンテナ。遮蔽物として使え、内部でも戦闘が行なわれる。また、同フィールドのルールとしてコンテナ内部や周囲ではセミオートでの射撃が義務づけられている。
会敵距離も場所によって至近から遠距離まで様々で、人工の構造物でBB弾を避けたり、天然の草木に伏せたりと周囲の状況も変化する。こういったフィールドでは周囲の環境への適応が求められるのだ。その点、ストックの開閉やセミオート/フルオートの切り替えが素早くできて拡張性がある「AKX」は優秀だ。
「ホワイトベース」定例会は、受付時にルールが書かれたペーパーが渡され、ミーティングも必要最小限の確認でスピーディに進行する。6箇所に拠点があり、陣地を変えてのフラッグ戦がメインとなっている。解りやすく変化があって、スピーディにゲームが進んでいくのがいい。テンポが早いのでマガジンの冷えが心配だったが、マガジンウォーマーを用意していただけたので、「AKX」を1日快調に作動させられた。
入り組んだ遮蔽物に対し、コンパクトな「AKX」は左右に持ち手を素早くスイッチできるので、ストレスなく動けた。また、バーチカルグリップを付けたり、ストックを外したり、ルールや状況に対応可能な自由度の高さもあるので「AKX」のみで充分に楽しめた。様々な状況に対応可能で、マンターゲットへの射撃も的確にできる「AKX」は実戦向きで、まさにカラシニコフの系譜に連なるエアソフトガンだと感じた。
弄り回しているだけでも楽しい本物感を味わえる「AKX」
「AKX」を使ってみて、やはり“本物感”と実用性を合わせ持ったとても楽しい製品であると感じた。まず、金属音をカチャカチャ言わせて弄り回しているだけでも夢中になれるし、撃てばさらに楽しい。とにかく面白い製品だということだ。是非「AKX」を手にサバイバルゲームフィールドを駆け回ってほしい。