レビュー

「超合金 RZ-041ライガーゼロ」レビュー

獣の如き柔軟な可動と超合金の重厚感が詰め込まれた新獣王が出撃

【超合金 RZ-041ライガーゼロ】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

6月17日 発売

価格:35,200円(税込)

ジャンル:塗装済み完成品フィギュア

サイズ:
全長約220mm(※尻尾込み 約400mm)
全高約140mm
左右幅約100mm

 BANDAI SPIRITSは塗装済み完成品フィギュア「超合金 RZ-041ライガーゼロ」を6月17日に発売した。

 2022年の「東京おもちゃショー」にてコラボが発表され、おもちゃ業界の最先端を行く2社がまさか手を組んで商品を出すとは筆者も驚きを隠せなかった。どちらも強力なブランドを有し、多くのホビーファンに充実したホビーライフを提供しているのは言うまでもないだろう。

 3月にはバンダイナムコグループのIP「機動戦士ガンダム」とタカラトミーのミニカーブランド「トミカ」のコラボ商品に発売され、こちらも大きな反響を呼んだ。

 そして、今回フィギュアブランド「超合金」シリーズとタカラトミーの「ZOIDS(ゾイド)」シリーズのコラボ商品となっている。

 立体化されたのは、TVアニメ2作目「ゾイド新世紀スラッシュゼロ」の主役ゾイド「ライガーゼロ」だ。アニメでは、主人公ビット・クラウドとともにゾイド同士が戦う競技「ゾイドバトル」で数々のライバルと激闘を繰り広げた。

 中でもアーマーを換装し、戦術を変えるCAS(チェンジングアーマーシステム)によるイエーガー、パンツァー、シュナイダーの3形態もデザインはもちろん、それぞれ特化した戦い方は非常に見ごたえがある。

【【ゾイド公式】 アニメ『ゾイド 新世紀/ZERO』 第1話「戦闘開始!ライガーゼロ ゴー・ファイト!」】

「ゾイド」は金属生命体として、単なる機械ではなく、意志を持ち動物のように振る舞う。「ライガーゼロ」はアニメの設定であるオーガノイドシステムによって、動物らしいしなやかな動きが実に美しく映える。また、劇中でのアーマーを換装して様々なバトルに対応するチェンジングアーマーシステムとロボット作品らしいギミックに惹きつけられた。

 その「金属生命体」という有機的な動きとメカの重厚感を両立と追求が「超合金」シリーズによって実現された。

超合金 RZ-041ライガーゼロ

 BANDAI SPIRITSとタカラトミーの奇跡のコラボによって誕生した「超合金 RZ-041ライガーゼロ」の魅力を紹介していく。

重量・巨大・躍動が詰め込まれた内容物

 パッケージから見ていこう。パッケージはカバーが施され、こちらには躍動感あふれる「超合金 RZ-041ライガーゼロ」が描かれており、裏面では商品概要が掲載されている。

 そして、カバーを外すと荒野に構える姿が描かれている。トミー(現・タカラトミー)のキットパッケージを彷彿とさせるイラストとなっており、裏面にはライガーゼロの特徴やスペックが記載されている。このパッケージには思わず、本家を当時の「次世代ワールドホビーフェア」先行発売で買った時の感動が筆者の思い出と共によみがえった。

 大人向けのコレクターアイテムらしいケレン味のあるカバーと当時のキットを彷彿とさせる内側イラストはファンにはたまらない演出といえる。

【パッケージ】
カバーパッケージ
内側のパッケージイラスト。文字のフォントや荒野のような背景色は本家パッケージを思い出させる

 中には「超合金 RZ-041ライガーゼロ」本体を収めた発泡スチロールパッケージと台座などを収めた平たいブリスターとアーマーパーツなどが収まった長方形のブリスター、取扱説明書が入っている。

 本家ではモーター動力のユニットにランナーが収まった組み立て式だったが、こちらはすでに完成された状態となっている。

【内容物】
「超合金 RZ-041ライガーゼロ」本体。ほとんど素体状態で収まっており、手に持ってみるとずっしりと超合金シリーズならではの重量感が感じられた
ライガーゼロのアーマーパーツとショックカノン、ビームガンパーツ
パイロットフィギュアと座席、内部透明パーツ、ゾイドコア
専用台座、支柱、電池交換用補助棒
取扱説明書

 本体をじっくり見ていく前に、下準備をしていく。

 「超合金 RZ-041ライガーゼロ」には頭部のLED発光ギミックがあり、頭部カバーを外して絶縁シートを外す。また、コクピットは発光ギミックに対応した透明パーツか、パイロットフィギュアを選択して入れることができる。

【頭部準備】
後ろのパーツを取り外し、頭部のカバーを開いて中を確認
頭部のスペースに透明パーツを装着。LEDのスイッチオンにして目が光るか確認
コクピットパーツとパイロットフィギュアを入れることができる

 また、胸の空洞部分にゾイドの心臓であり脳ともいえる核パーツ、ゾイドコアを差し込んでライガーゼロの素体状態が完成する。

【ゾイドコア準備】
首を大きくそらして、収納スペースを出す
ゾイドコアを挿入する
パーツは球体のゾイドコアと分離することもできる

 準備ができたところで、「ライガーゼロ素体状態」を見ていこう。

野生体に近いスマートな素体状態のライガーゼロ

 「ライガーゼロ素体状態」は本体の黒のカラーが色濃く前面に押し出され、アーマーを装着した状態とは異なる印象となっている。

 完全野生体をベースに開発された設定も相まって、首や胴体、足首に引き締まったものとなっており、流麗な意匠が伺える。また、ライオン型ゾイドでもあり、素体状態ではその骨格構造がよりはっきりと見える。

 スマートな表情やくびれのある腰、大きな爪と雌ライオンのような印象が強く出ている。

【ライガーゼロ素体状態】
スマートな印象のライガーゼロ素体状態
腰回りが細く、首も少し長めの印象
キリッとした顔に、シリンダーやパイプなど細かなメカ描写が詰め込まれている
脚部の赤いCAPパーツは回転させることができる。カラーリングも黒一色ではなく、ガンメタルなどメリハリのあるものとなっている
前脚パーツの裏面では可動部分にゴールドの色分けとこだわりが感じられる
塗装も細かく色分けされ、造形と合わせて重厚感溢れるものに
後脚にはマーキングが施されている
胴体部分も重厚感ある仕上がりに、生態的な蛇腹構造がうかがえる
尻尾の先端はシンプル。尻尾は蛇腹型で中にワイヤーが仕込まれている
爪のゴールドも2色で表現されており、爪の間を開くことができる
口は大きく開き、鋭い牙をむける
肩には引き出し機構が備わっており、引きだしたメカ描写もしっかり作り込まれている

 可動は四足歩行のライオンらしいバネのある動きを再現できる。ダイキャストによる重量も四つ足でしっかりと支えることができるが、その関節構造は人型とは異なり、最初はポーズを決める際のバランスを取るのが難しかった。

 しかし、前足を伸ばしてみたり、頭を低くしてお尻を上げてみたりと自分の中で猫のポーズを連想し、ポージングをしていくとそのイメージがしっかりとライガーゼロで表現できる。特に前脚の可動は上述した肩の引き出し機構に加え、前脚に繋がる独自の関節で角度をつけることができる。

 「超合金」シリーズの緻密な造形と可動のノウハウが遺憾なく発揮され、ライガーゼロ素体状態は動かしていて非常に楽しい。

 また、専用台座にディスプレイすことで、飛び掛かるなどより躍動感あるポーズが可能となる。なお、台座の支柱は角度をつけてから、ロックをかけて固定できるのだが、このロックは決まった角度でしか固定できない。

頭を低くして臨戦態勢
ちょこんとお座り状態もできる
顔を洗う仕草など柔軟な可動で生物的な動きも表現できる
リラックスして前足をクロスして寝そべるなど、可動の自由度が非常に高い
そろりそろりと足音を消して、獲物に近づくような繊細な動きも
獲物に向かって飛び掛かるダイナミックなポージング
荒野を全力で駆ける疾走感あるディスプレイもできる

 素体状態を見たところで、次はアーマーを装着したライガーゼロを見ていこう。